JPH0416141Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は製氷機で製氷板の下面に板状氷を生成
させるために設けられる散水装置に関するもので
ある。

従来の技術 以下図面を参照しながら従来の製氷機の散水装
置について説明する。

第４図は従来の製氷機の断面図、第５図は従来
の製氷機の散水装置の断面図、第６図は従来の製
氷機の散水装置における案内部からの製氷水の流
れを示す要部底面図である。図において１は扉内
に散水装置２を具備した製氷機本体である。そし
て、庫内後部に水道に連結されて水道水を導入す
る水用電磁弁３を配置するとともに、この水道水
を貯水するタンク４をこの水用電磁弁３の下部に
備えている。

そしてタンク４内の製氷水を送出するポンプ５
がタンク４内に備えられたこのポンプ５からの製
氷水を案内するホース６を有している。このホー
ス６は途中でチーズ７により分岐され散水装置２
両端の流入口８に連結されている。前記散水装置
２は製氷板９上端側に備えている。製氷板９は、
平板で庫内に傾斜して設置され、上面に冷凍サイ
クルの蒸発器１０を有し下面に製氷水を流し板状
氷を形成するものである。

散水装置２は両側にホース６を接続する流入口
８を有し、そして、製氷板９下面と所定の間隔１
１ａを有するように延出された案内部１１とこの
案内部に連通する貯水部１２とが一体形成してい
る構成であつた。

考案が解決しようとする問題点 従つてこのような構成ではポンプ５からチーズ
７によつて分流された製氷水は散水装置２の両端
流入口８より貯水部１２へ導入されるが、導入さ
れた製氷水は貯水部１２の中央でぶつかりあい、
行く手を阻まれた製氷水は案内部１１から製氷板
９の方へ流出する。貯水部１２内で貯水部１２の
中央へ向かつて流れていた製氷水が貯水部１２の
中央でぶつかり、貯水部１２の中央を中心に製氷
水の水面が盛り上がるため、貯水部１２内の製氷
水を案内部１１から製氷板９の方へ流出させよう
とする力が貯水部１２の中央へ向かうほど強くな
る。そのため第６図の矢印に示すように貯水部１
２の中央へ向かえば向かうほど案内部１１から製
氷板９の方へ流出する水量が多くなり、製氷板９
において均一な水の流れが得られないため製氷板
９で生成される板状氷が不均一になる。又特に重
要なことは、上記製氷水の流量がかたよつた場合
製氷水が製氷板９に案内されず直接落下し製品不
良につながるという欠点を有していた。

本考案は、上記従来の問題点を解決するもの
で、製氷板において均一な水の流れが得られる製
氷機の散水装置を提供することを目的とするもの
である。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため、本考案は、製氷水
を案内部の流出口に導く整流板を前記案内部に複
数並列に設けるとともに、前記整流板の間隔を前
記案内部の両端に向かえば向かうほど広くしたの
である。

作 用 本考案の製氷機の散水装置では、整流板が貯水
部の中央へ向かつて流れようとする製氷水の抵抗
となり、貯水部の中央へ向かう製氷水の流速が落
ち、製氷水の水面が盛り上がる。影響によつて、
貯水部の中央から離れたところからの案内部から
製氷板への流出量が従来に較べて増える。また、
整流板の厚みが製氷水の案内部から製氷板への流
出の妨げとなるが、整流板の間隔を案内部の両端
に向かえば向かうほど広くしたので、貯水部の中
央の製氷水は、貯水部の端部の製氷水と較べて整
流板の影響を強く受けて案内部から製氷板への流
出量が減る。そのため、案内部の中央からの製氷
板への製氷水の流出量と案内部の端部からの製氷
板への製氷水の流出量の差が少なくなり、製氷板
において均一な流れが得られることとなる。

実施例 以下本考案の一実施例を第１図、第２図、第３
図を参照に説明するが散水装置の構造が異なるだ
けなのでこの点について詳細に説明する。

図において、１３は製氷板９の傾斜上端下面に
ネジ１４で固定された横長の散水装置である。散
水装置１３は、ホースを接続する流入口１５と、
製氷板９下面と所定の間隔を有して流出口１６を
形成し製氷板９に製氷水を案内する案内部１７
と、左右両端に設けられた流入口１５より製氷水
を導入される貯水部１８とからなる。貯水部１８
は貯水部１８における製氷板９の傾斜下端側で案
内部１７と連通している。１９は案内部１７に複
数並列に、且つ、貯水部１８の長手方向に垂直に
設けられ製氷水を流出口１６に導く整流板であ
り、整流板１９の間隔２０を案内部１７の両端に
向かえば向かうほど広くしている。

本実施例では、製氷水を案内部１７の流出口１
６に導く整流板１９を案内部１７に複数並列に設
けるとともに、整流板１９の間隔２０を案内部１
７の両端に向かえば向かうほど広くしたので、整
流板１９が貯水部１８の中央へ向かつて流れよう
とする製氷水の抵抗となり、貯水部１８の中央へ
向かう製氷水の流速が落ち、製氷水の水面が盛り
上がる。この影響によつて第３図の矢印に示すよ
うに、貯水部１８の中央から離れたところからの
案内部１７から製氷板９への流出量が従来に較べ
て増える。また、整流板１９の厚みが製氷水の案
内部１７から製氷板９への流出の妨げとなるが、
整流板１９の間隔２０を案内部１７の両端に向か
えば向かうほど広くしたので、貯水部１８の中央
の製氷水は、貯水部１８の端部の製氷水と較べて
整流板１９の影響を強く受けて、第３図の矢印に
示すように、実質的な流出幅の減少により案内部
１７から製氷板９への流出量が減る。そのため、
案内部１７の中央からの製氷板９への製氷水の流
出量と案内部１７の端部からの製氷板９への製氷
水の流出量の差が少なくなり、製氷板９において
均一な製氷水の流れが得られ、均一な板状氷が得
られる。

考案の効果 以上の説明からも明らかなように本考案は、製
氷水を案内部の流出口に導く整流板を前記案内部
に複数並列に設けるとともに、前記整流板の間隔
を前記案内部の両端に向かえば向かうほど広くし
たので、案内部の中央からの製氷板への製氷水の
流出量と案内部の端部からの製氷板への製氷水の
流出量の差が少なくなり、製氷板において均一な
水の流れが得られ、均一ん板状氷が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す製氷機の散水
装置を一部切欠いた斜視図、第２図は同第１図の
Ａ−Ａ線断面図、第３図は本考案の一実施例を示
す製氷機の散水装置における案内部からの製氷水
の流れを示す要部底面図、第４図は従来の製氷機
の断面図、第５図は従来の製氷機の散水装置の断
面図、第６図は従来の製氷機の散水装置における
案内部からの製氷水の流れを示す要部底面図であ
る。 ９……製氷板、１５……流入口、１６……流出
口、１７……案内部、１８……貯水部、１９……
整流板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 製氷板の傾斜上端下面に設けられた貯水部と、
   前記貯水部の左右両端に設けられ前記貯水部内に
   製氷水を導入する流入口と、前記貯水部における
   前記製氷板の傾斜下端側と連通し前記製氷板下面
   と所定の間隔を有して流出口を形成し前記流出口
   より製氷板に製氷水を流す案内部と、前記案内部
   に複数並列に設けられ製氷水を前記流出口に導く
   整流板とからなり、前記整流板の間隔を前記案内
   部の両端に向かつて順次広くしたことを特徴とす
   る製氷機の散水装置。