JPH0415328Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は連続走行する基材連続体に連続的に塗
料を塗布する塗布装置に関する。

〔従来技術とその問題点〕

一般に連続塗布を施す塗布装置には、その塗布
目的に応じた種々の構成のものがある。

第２図および第３図は、基材滑動板１の上面を
滑動する基材連続体２の上面に塗料を連続的に塗
布するように形成された塗布装置である。

更に説明すると、基材滑動板１は両側面に突出
壁４，４を有する台枠３の溝部５の底面に取付け
られており、ガラス材によつて製せられていると
ともに上面を鏡面状に仕上げられている。各突出
壁４，４の上面にはそれぞれ２箇所に円弧形溝
６，６が設けられており、これらの円弧形溝６，
６内に２本の丸棒状のストツパ７，７が溝部５と
直交するようにして平行に載置されている。これ
らの互いに平行な突出壁４，４およびストツパ
７，７によつて囲まれた長方形の空間内には、そ
の空間内に〓間なくすつぽりと挿入される大きさ
の長方角筒状の塗料受け８が挿入され、基材滑動
板１の上面を滑動する基材連続体２の上面へ載置
させられる。この塗料受け８は主として基材連続
体２の進行方向（第３図矢印方向）の後流側にあ
るストツパ７によつて一定位置に固定保持され
る。そして、塗料受け８の長手壁のうちの後流側
の長手壁の下端部には、塗料の塗布厚み（例えば
数μm）に相当する寸法の切欠開口９が塗布幅に
渡つて形成されている。

このようにして形成された塗布装置による塗料
の塗布は、第３図のように基材滑動板１上を滑動
する基材連続体２上に塗料受け８を載置させた状
態において、塗料受け８内に塗料を充填する。こ
の塗料受け８内に充填された塗料は基材滑動板１
上を滑動する基材連続体２の上面に付着し、切欠
開口９から塗布厚みを規制されつつ浸出し、基材
連続体２の上面に所定の塗布厚および塗布幅にし
て連続的に塗布されて行く。

ところが、第２図および第３図に示す従来の塗
布装置においては、基材滑動板１の上面を鏡面状
に仕上げていたので、塗布工程中に基材滑動板１
の上面と基材連続体２の下面とが基材滑動板１の
上面の全面において摩擦することとなり、両者間
に静電気が発生し、ひどい時には基材滑動板１と
基材連続体２とが静電気によつて密着して基材連
続体２の走行速度が緩急にステツプ状に変化して
しまい塗布状態が不均一になるという不都合があ
つた。また、基材滑動板１と基材連続体２との間
に基材滑動板１の上流側端より空気が巻き込まれ
てしまうと、その空気は気泡状になつて基材滑動
板１の後流側端まで基材連続体２と一緒に移動す
ることとなり、その気泡部分に塗布むらが生じて
しまうという不都合もあつた。

〔考案の目的〕

本考案はこれらの点に鑑みてなされたものであ
り、空気の巻き込みを無くし、かつ、基材連続体
を常に一定の走行速度で基材滑動板上を滑動させ
ることができ、常に均一な連続的塗布を行なうこ
とのできる塗布装置を提供することを目的とす
る。

〔考案の概要〕

本考案の塗布装置は、基材滑動板の上面を滑動
する基材連続体の上面に塗料を塗布す塗布装置に
おいて、前記基材連続体が滑動する前記基材滑動
板の上面を微細凹凸面によつて形成したことを特
徴とする。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図について説明す
る。

本実施例においては、台枠３の溝部５に取付け
られる基材滑動板１０をガラス材によつて製する
とともに、その上面を微細凹凸面１１によつて形
成している。例えば、本実施例においては、粒度
が＃300〜＃700のサンドブラスト加工を基材滑動
板１０の上面に施して、いわゆる梨地状の微細凹
凸面１１を形成している。

次に、本実施例の作用を説明する。

本実施例じれにおいては、基材滑動板１０の上
面を微細凹凸面１１によつて形成したので、基材
滑動板１０の上面と基材連続体２の下面との実際
の接触面積が従来装置の場合に比較して極めて小
さくなるので、両者間の摩擦によつて発生する静
電気も極めて低く抑えられることとなり、基材連
続体２が静電気によつて基材滑動板１０に付着さ
せられることがなくなり、基材連続体２は常に一
定速度をもつて基材滑動板１０上を滑動して行
く。同時に、基材滑動板１０の上面と基材連続体
２との間は微細凹凸面１１によつて、初めから微
細な間〓が全体に形成されているので、基材滑動
板１０の上流側端から基材連続体２と基材滑動板
１０との間への塗布むらの原因となる空気の巻き
込みが確実に阻止される。これにより、本実施例
においては、基材連続体２が基材滑動板１０の微
細凹凸面１１上を空気の巻き込みを起こすことな
く、常に一定速度で滑動するので、基材連続体２
の上面に常に均一な連続的塗布が施される。

なお、基材滑動板１０の材料としてはガラス材
には限られず、金属等でもよい。例えば、ステン
レス材の上面にポリ四フツ化エチレンをコーテイ
ングして微細凹凸面１１となる被膜を形成しても
よい。

〔考案の効果〕

本考案の塗布装置はこのように構成され作用す
るものであるから、基材滑動板と基材連続体との
間への空気の巻き込みを確実に防止し、かつ基材
連続体を常に一定速度で基材滑動板上を滑動させ
ることができ、常に均一な仕上り状態の優れた連
続的塗布を行なうことができ、更に、従前の基材
滑動板の上面に微細凹凸面を形成するだけで構成
することができるので従来装置にも容易に適用す
ることができ、汎用性に優れている等の効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の塗布装置に用いる基材滑動板
を示す斜視図、第２図は従来の塗布装置を示す斜
視図、第３図は第２図の−線に沿つた断面図
である。 １……基材滑動板、２……基材連続体、１０…
…基材滑動板、１１……微細凹凸面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 基材滑動板の上面を滑動する基材連続体の上
   面に塗料を塗布す塗布装置において、前記基材
   連続体が滑動する前記基材滑動板の上面を微細
   凹凸面によつて形成したことを特徴とする塗布
   装置。 ２ 基材滑動板はガラス材によつて形成されてい
   るとともに、その上面に粒度が＃300〜＃700の
   ブラスト加工を施して微細凹凸面が形成されて
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の塗布装置。