JPH0415228Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 産業上の利用分野 この考案は手術時の全身麻酔などに使用される
気管内チユーブ用スタイレツトに関するものであ
る。

(2) 従来の技術 第２図に示すように、全身麻酔などに使用され
る気管内チユーブ１は塩化ビニル樹脂、赤ゴム、
もしくはシリコーン樹脂製からなり、その周壁に
は折れ曲がりによりチユーブ１の内腔が閉塞され
るのを防止する線状体２がスパイラル状に埋設さ
れている。チユーブ１の先端部外周にはカフ３が
設けられ、このカフ３にはチユーブ１の周壁に形
成された長さ方向小孔（図示せず）を径て空気導
入管５から空気が送られるようになつている。

ところで、前記チユーブ１の場合、線状体２が
あることによりその内腔が閉塞されることがな
く、気道の安全確保に非常にすぐれている反面、
フレキシブル性を有するため、口腔内から気管内
への挿入がうまくいかないという難点がある。し
たがつて、従来、このようなチユーブ１の場合、
スタイレツト本体８ａと、スタイレツト本体８ａ
の一端側外面に設けた鍔状のストツパ部８ｂとを
具えた金属製のスタイレツト８のスタイレツト本
体８ａをチユーブ１の一端開口部からその内腔に
入れて、ストツパ部８ｂを該チユーブの一端面１
ａに当接させ、チユーブ１に所望のカーブを付与
して、挿管し易い状態に保つことが行なわれてい
る。

(3) 考案が解決しようとする問題点 しかしながら、スタイレツト８はストツパ部８
ｂがチユーブ１の一端面１ａに当接してスタイレ
ツト本体８ａの挿入位置決めをするようになつて
いることもあつて、チユーブ１の内腔を閉塞する
虞れがあり、そのため、スタイレツト本体８ａを
入れたチユーブ１を口腔内から気管内へ挿管する
ときや、挿管後にチユーブ１のみを体内に留置さ
せるためにスタイレツト８をチユーブ１から抜去
るときに、患者が無酸素状態となる問題点があつ
た。

そこで、この考案はスタイレツト本体を入れて
もチユーブの内腔が閉塞されるような虞れがない
ようにできることを技術的課題とする。

(4) 問題点を解決するたの手段 前記技術的課題を達成するため、この考案はス
タイレツト本体の長さ方向全長に亘る内部に貫通
孔を穿設したことを特徴とする。

(5) 作用 スタイレツト本体をチユーブの内腔に入れ、ス
トツパ部を該チユーブの一端面に当接させだ状態
で、チユーブの内腔はスタイレツト本体に設けた
貫通孔によつて実質的に閉塞されることがなくな
る。そのため、チユーブを挿管するときや、スタ
イレツトを抜去るときでも、患者には前記貫通孔
から酸素が補給され、無酸素状態になることがな
い。

(6) 実施例 第１図において１８はナイロンなど樹脂製のス
タイレツトで、スタイレツト本体１８ａとストツ
パ部１８ｂを具え、ストツパ部１８ｂのある一端
から他端までの長さは従来のスタイレツト８のそ
の長さとほぼ等しくなつている。スタイレツト本
体１８ａの長さ方向全長に亘る内部には貫通孔１
９が穿設されている。また、スタイレツト本体１
８ａはチユーブ１の内腔への挿入により、チユー
ブ１に所望のカーブを付与することが可能なよう
に湾曲状に形成されている。

前記のようなスタイレツト１８は、スタイレツ
ト本体１８ａをチユーブ１の一端開口部からその
内腔に入れ、ストツパ部１８ｂをチユーブ１の一
端面に当接させて使用に供せられる。スタイレツ
ト１８により所望のカーブを付与されたチユーブ
１は、カフ３のある他端側から患者の口腔内に挿
入され、この挿入されたチユーブ１の他端が目的
とする気管内に達したとこめで、空気導入管５か
らカフ３に空気を導入してカフをふくらませ、該
他端部を固定することにより、体内に留置され
る。しかる後、ストツパ部１８ｂを持つてスタイ
レツト１８を抜去する。スタイレツト１８が抜去
されたチユーブ１は前記カーブが解放され、その
フレキシブル性から体内留置に合つたカーブ状態
となる。

そして、このチユーブ１の一端開口部から内腔
に麻酔剤が入れられ、該麻酔剤がチユーブ１の他
端開口部から気管内へ注入されて全身麻酔が施さ
れる。

前記チユーブ１を口腔内から気管内へ挿管する
とき、あるいはスタイレツト１８をチユーブ１か
ら抜去するときに、スタイレツト本体１８ａに設
けた貫通孔１９が気管内と大気とを連通する役目
を果し、患者には貫通孔１９を経て常に大気中の
酸素が補給され、無酸素状態になることがない。

前記実施例ではスタイレツト１８を樹脂製とし
てが、従来のような金属製でもよい。またスタイ
レツト本体１８ａを中空の樹脂パイプで製作する
と非常に安くできる利点がある。さらに、スタイ
レツト本体１８ａの貫通孔１８の形状やストツパ
部１８ｂの形状は一例を示したにすぎず、図示の
ものに限定されるものではない。

(7) 考案の効果 この考案は前記のようであつて、スタイレツト
本体の長さ方向全長に亘る内部に貫通孔を穿設
し、該貫通孔によつてチユーブの内腔が閉塞され
ることがないようにできるので、チユーブを気管
内に挿管するときや、スタイレツトをチユーブか
ら抜去するときに従来起きていた無酸素状態を確
実に回避することができるという優れた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す一部破断の
正面図、第２図は従来公知の気管内チユーブと該
チユーブ内に挿入されたスタイレツトを示す一部
破断の正面図である。 １……気管内チユーブ、２……線状体、３……
カフ、５……空気導入管、１８……スタイレツ
ト、１８ａ……スタイレツト本体、１８ｂ……ス
トツパ部、１９……貫通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スタイレツト本体と、このスタイレツト本体の
   一端側外面に設けられたストツパ部とを具え、ス
   タイレツト本体が気管内チユーブの内腔に入れら
   れてストツパ部が該チユーブの一端面に当接し、
   気管内チユーブに口腔内から気管内への挿入が容
   易に行なえるような所望のカーブを付与するため
   のスタイレツトにおいて、前記スタイレツト本体
   の長さ方向全長に亘る内部に貫通孔が穿設されて
   いることを特徴とする気管内チユーブ用スタイレ
   ツト。