JPH0415018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は家庭内に生息する害虫、特に台所等に
生息するゴキブリ等の害虫を捕獲するための器具
に関するものである。

〔技術の背景〕

家庭の台所等に生息する害虫、特にゴキブリ等
はその存在自体に生理的な嫌悪感を持つ人が多く
そのために台所などを徘徊している現場を発見し
た場合にもその現場から意識的に逃げるか、或い
は捕獲をしないまま他の場所に追い出しを図るこ
とが多かつた。

また、上記のような消極的な対応でなく、これ
を積極的に捕獲しようとする場合でも適当な捕獲
具がないために、結局、箒のような清掃具によつ
て叩き潰すことが多かつた。

しかしながら、このような方法による場合には
叩き潰されたゴキブリの体液や破壊された羽根そ
の他の構成部分が箒等に付着するため極めて不衛
生であり、推奨できる退治手段ではなかつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記した事情に鑑み、これらの問題に
対応しようとするものであり、取扱手段が簡単で
あり、而も害虫を潰すことなく捕獲することがで
きるようにした害虫捕獲具を提供せんとするもの
である。

また、本考案の他の目的は、捕獲された害虫を
簡単に廃棄処理することができ、しかも、廃棄処
理に際しては人手を煩わすことなく極めて衛生的
に処理をすることができる害虫捕獲具を提供しよ
うとするものである。

〔考案の要点〕

本考案は、適宜の長さを有する細径筒状体の先
端にラツパ状ないし漏斗状（じようご）の拡開部
を形成した操作筒に、先端部が前記拡開部の先端
面より少しだけ突出できるようにした操作杆を摺
動自在に嵌合させるとともに、前記操作杆の先端
には拡開部先端面の外径よりも大きい外径を有す
る捕獲用の粘着シートを着脱自在に取り付けてな
る害虫捕獲具の構造を考案の要点としている。

〔実施例〕 以下に本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

１は操作筒であり、比較的細い外径の筒状体を
用いて構成しており、その先端には、先端部を開
放口としたラツパ状ないし漏斗状（じようご）状
の拡開部２を形成している。

なお、拡開部２は、第１図、第２図及び第４図
に例示するように操作筒１の先端部に一体的に形
成する場合のほか、第３図に例示するようにユニ
バーサルなジヨイント機構２１を介して拡開部２
のみがその指向方向を変更することができるよう
な首振り揺動を行えるように取り付けることもで
きる。

３は捕獲操作杆であり、操作筒１に内部に差し
込み、且つ、その先端部は拡開部２の先端開口面
よりも少しだけ突出できるような長さとして形成
している。

３１は捕獲操作杆３の先端部近くに介在させた
可撓部であり、細径の金属線を中空の螺旋状に巻
回した構成とすることによつて適度の撓性を持た
せている。

上記した可撓部３１は本考案にとつて必須の構
成ではなく、第３図に例示するように拡開部２が
首振りをすることができるような構成とした場合
にこれに対応させるものである。

４は、捕獲操作杆３の先端部に着脱自在に取り
付けた捕獲用の粘着シートであり、付着した害虫
が自力によつて離脱することができないような粘
着力を具えたシートを使用している。

粘着シート４は拡開部先端面の外径よりも大き
い外径を有するように形成するものであり、この
ように形成することによつて捕獲操作杆３を後退
させる時にその周縁部分が拡開部２の周縁部分に
触れて容易に台座から離脱し、若しくは容易に折
り畳みが行われることを保証している。

図中３２は捕獲操作杆３の先端部に形成した粘
着シートの台座であり、両面テープのような粘着
性を具えたシートを使用して粘着シート４の裏面
を付着せしめている。

なお、台座３２に取りつける粘着シートの粘着
力は、捕獲操作杆３を後方に引き戻し操作した場
合に、第２図に矢印で示すように、粘着シート４
の裏面円周部が拡開部２の開口面に当接すること
によつて容易に剥離させられる程度の粘着力を持
たせた構成とするか、或いは、捕獲操作杆３を後
退させた場合に、粘着シート４の裏面周縁部が拡
開部２の開口面に当接しながらその内径に沿つた
折り畳みが行われ、その後に粘着シート４が台座
３２から剥離させられる程度の強さをもつように
構成することもできる。

〔考案の操作〕

本考案は以下のようにして操作をする、即ちゴ
キブリ等の害虫を発見した場合には、操作筒１を
持ちながら粘着シート４の取り付け面を害虫に押
しつければ害虫は粘着シート４面に付着して簡単
に捕獲をすることができる。

また、害虫を捕獲した後の粘着シート４は、粘
着シート４の粘着力が弱い場合には、捕獲操作杆
３を操作筒１に沿つて後退させれば第２図に矢印
で示すように粘着シート４の周縁部が拡開部の開
口周縁部に当接することによつて容易に台座３２
面から剥離させて廃棄することができる。

また、粘着シート４の粘着力を強くした場合に
は、捕獲操作杆３を後退させると、粘着シート４
の裏面円周部が拡開部２の開口面に当接すること
によつてその内径に沿つた折り畳みが行われ（恰
も傘がオチヨコ状に折り畳まれた状態）害虫を包
むようになり、更に捕獲操作杆３を後退させれば
折り畳まれた粘着シート４は拡開部２内で台座３
２の面から強制的に離脱させられるので、これを
取り出しそのままゴミ篭に廃棄することができ
る。

上記した粘着シート４の取り外し操作はゴミ篭
等の上で行うことが望ましい。

また、害虫が壁面等を這つている場合には、操
作筒１の先端に形成した拡開部２を例えば45度程
度傾斜させる等所望の方向に首振り操作を行つた
後に粘着シート４の面を押し付ければ前記と同様
に簡単に捕獲を行うことができる。

〔考案の効果〕

上記のように構成した本考案の効果を述べれば
以下のとおりである。

(1) 害虫を捕獲する場合に、拡開部２の先端から
少しだけ突出している捕獲操作杆３の先端部分
に取付けている粘着シート４部分を害虫に押し
つけるだけで簡単に捕獲を行うことができるの
で害虫に対して生理的な嫌悪感をもつている人
でも比較的容易に捕獲操作を行うことができる
という特徴がある。

(2) 捕獲操作杆３の長さを、拡開部２の先端面よ
りも少しだけ突出できるように構成したので、
害虫を捕獲する場合に捕獲操作杆３の先端に取
付けた粘着シート４部分だけを害虫に押しつけ
ることが可能となつた。この結果、硬質物で構
成された拡開部２が入り込むことのできないよ
うな狭隘な場所にいる害虫に対しても可撓性を
有する粘着シート４（或いは粘着シート４の一
部）を押しつけることが可能となり、捕獲範囲
を拡大することができる利点がある。

(3) 害虫を捕獲した後の捕獲操作杆３は、粘着シ
ート４の粘着力が弱い場合には、捕獲操作杆３
を操作筒１に沿つて後退させれば第２図に矢印
で示すように粘着シート４の周縁部が拡開部の
開口周縁部に当接することによつて容易に台座
３２面から剥離させて廃棄することができる。

また、粘着シート４の粘着力を強くした場合
には、捕獲操作杆３を後退させれば、捕獲操作
杆３の先端部に取付けられた粘着シート４は拡
開部２内でその傾斜に沿いながら折り畳まれた
後、拡開部２内で台座３２の面から強制的に剥
離されるので人手に触れることなく衛生的に処
理をすることができる。

特に、粘着シート４の外径を、拡開部２の外
径よりも大きい外径を有するように形成したの
で、粘着シート４を取り外すために捕獲操作杆
３を後退させると、その周縁部分が拡開部２の
周縁部分に触れて容易に剥離若しくは折り畳み
が行われることを保証される利点がある。

(4) 操作筒１の先端部を可撓性を有するように構
成した場合には、拡開部２を適宜の角度だけ傾
斜首振りさせることによつて壁面等の垂直面に
付着した害虫なども簡単に捕獲することが可能
となるという優れた効果を発揮することができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであり、第１図
は縦断側面図、第２図は粘着シートの離脱状態を
示す縦断側面図、第３図は拡開部が首振りできる
ように構成した場合を示す拡大断面図、第４図は
拡開部を漏斗（じようご）状に変形した例を示す
拡大断面図である。 １……操作筒、２……拡開部、２１……ジヨイ
ント機構、３……捕獲操作杆、３１……可撓部、
３２……台座、４……粘着シート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 適宜の長さを有する細径筒状体の先端にラツ
   パ状ないし漏斗状（じようご）の拡開部を形成
   した操作筒に、先端部が前記拡開部の先端面よ
   り少しだけ突出できるようにした捕獲操作杆を
   摺動自在に嵌合させるとともに、前記捕獲操作
   杆の先端には拡開部先端面の外径よりも大きい
   外径を有する捕獲用の粘着シートを着脱自在に
   取り付けてなる害虫捕獲具。 (2) 拡開部が操作筒の軸方向に対して所望の角度
   だけ首振り揺動を行えるように構成してなる実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の害虫捕獲
   具。