JPH0414831Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の分野） 本考案は、例えば、電磁継電器等の電気機器の
ガス抜き孔封止構造に関する。

（従来技術とその問題点） 例えば、電磁継電器の場合、プリント基板に半
田付けにより取り付けられた後、その半田付け部
分に残るフラツクスの除去等のために、プリント
基板に取り付けられたまま洗浄液内に浸漬されて
洗浄が行なわれる。電磁継電器には、その作動時
に電磁石のコイルの発熱によつて発生する有機ガ
スを外部に導くガス抜き孔が必要であり、したが
つて、このガス抜き孔から上記した洗浄時に洗浄
液が内部に入り込むことがないようにしなければ
ならない。そこで、従来においては下記のような
方法をとつている。

第１の方法としては、ガス抜き孔を洗浄後に形
成する方法であり、その場合は、例えば、製品と
してハウジングの一部に薄肉部を設け、その部分
に洗浄後孔をあけてガス抜き孔を設けるようにし
ている。第２の方法としては、製品にガス抜き孔
を有する凹部を設けるとともに、その凹部を封止
テープで覆つておき、洗浄後にその封止テープに
針等により孔をあけるようにしている。

しかしながら、このような構成を有する従来例
の場合、第１の方法においては、孔あけ時にハウ
ジングに欠けを生じてそれが屑となり、その屑が
ガス抜き孔からハウジング内部に入り込み、第２
の方法においても、針により封止テープに孔をあ
ける際、電磁継電器が非常に小形であるので針を
ガス抜き孔の縁に接触させる場合が多く、その場
合は、やはり針の接触により生じた屑がガス抜き
孔からハウジング内部に入り込み、その小片が接
点機構部分に付着して接点の接触不良を起こした
り、また、電磁石のヨークへの作動体の枢支部に
詰まつて作動体の作動不良を起こすなど、ガス抜
き通路形成に起因して機器の動作不良を発生する
欠点があつた。

（考案の目的） 本考案は、このような事情に鑑みてなされたも
のであつて、ガス抜き孔の封止を解除する際に発
生する屑がハウジング内に入り込むことを防止し
て、電気機器の動作不良発生を回避できるように
することを目的とする。

（考案の構成と効果） 本考案は、このような目的を達成するために、
冒頭に記載した電磁継電器において、ハウジング
の表面に、第１凹部と第２凹部とが設けられると
ともに、前記第１と第２の凹部が前記ハウジング
外面に形成された通気用凹部により接続され、前
記第１凹部内に前記ハウジング内に連通するガス
抜き孔が形成され、前記第１と第２の凹部および
前記通気用凹部との全体を封止テープで被覆され
る構成とした。

この構成によれば、針で第２凹部上の封止テー
プに孔をあけ、その際に針が第２凹部内面に接触
して屑が生じても、その屑は第２凹部内にたま
り、第１凹部のガス抜き孔から内部に侵入せず、
一方、ハウジング内の空間は、ガス抜き孔、第１
凹部、通気用凹部、第２凹部、封止テープの孔を
経て外部空間に連通する。

したがつて、封止テープへの孔あけの際に生じ
る屑がハウジング内に入り込むことがなく、接点
の接触不良や作動体の作動不良など、ガス抜き通
路形成に起因する機器の動作不良発生を良好に防
止できるようになつた。

（実施例の説明） 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。第１図は、外観を示す斜視図であ
り、第２図は、要部断面図である。

これらの図において、１は電気機器としての電
磁継電器であり、ハウジング２内に、電磁石、電
磁石により駆動される作動体、作動体により作動
される接点機構が納められて構成され、ハウジン
グ２の下面からは、プリント基板に接続固定され
る複数本の端子３…が突出している。

そして、ハウジング１の上面部の表面には、第
１と第２の凹部４，５が並設され、第１凹部４の
底部には、ガス抜き孔６が設けられている。７は
通気用凹部としての溝であり、この溝７の底部
は、第１と第２の凹部４，５の底部より高く形成
されている。ハウジング１は合成樹脂よりなる成
形品であり、上記した第１と第２の凹部４，５と
溝７は、成形の際に一体に形成されている。８
は、ポリエステル樹脂等からなる透明の封止テー
プであり、第１と第２の凹部、さらには、溝７を
一体に被覆するようにはり付けられている。

電磁継電器１は、製品として上記のような形態
を取り、需要者においてプリント基板上に半田付
け取り付けされて用いられる。そして、半田付け
工程の後にフラツクス等の洗浄のため封止テープ
８がはられたまま洗浄液内に浸漬されて洗浄さ
れ、その後にハウジング２の内部空間と外部空間
とを連通させるための封止テープ８への孔あけ作
業がなされる。孔あけ作業は、第２図に示すよう
に、針９を第２凹部５上に位置する封止テープ８
に差し入れることにより行なつている。

次に、この実施例の作用について説明する。

上記のように、封止テープ８に針９により孔１
０をあける際に、針９が誤つて第２凹部５の底部
等に接触して屑２が生じても、その屑は第２凹部
５内にたまり、第１凹部４に至ることはなく、し
たがつて、屑がハウジング２内にガス抜き孔６か
ら入り込むことはない。

一方、ハウジング２内の空間は、ガス抜き孔６
→第１凹部４→溝７→第２凹部５→封止テープ８
の孔１０の経路で外部空間に連通し、使用時に電
磁石のコイルの発熱により発生する有機ガスは、
上記通気経路を経て支障なく外部に放出される。

第１凹部４と第２凹部５とは、第３図に示すよ
うに、大きな凹部を、上端がハウジング２の表面
には至らない隔壁１１で仕切ることによつても形
成でき、この場合は、封止テープ８をはつた際
に、隔壁１１の上端と封止テープ８間に通気用凹
部が形成される。

本考案における通気用凹部は、第１凹部から第
２凹部への屑の移動が行なえず、封止テープのは
られた状態において第１凹部と第２凹部間を通気
状態に保つ機能を果たせば、適宜の形状とするこ
とが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例の外観斜視図、第２
図は、同要部断面図、第３図は、他の実施例を示
す要部斜視図である。 ２……ハウジング、４……第１凹部、５……第
２凹部、６……ガス抜き孔、７……溝（通気用凹
部）、８……封止テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジングの表面に、第１凹部と第２凹部とが
   設けられるとともに、前記第１と第２の凹部が前
   記ハウジング外面に形成された通気用凹部により
   接続され、前記第１凹部内に前記ハウジング内に
   連通するガス抜き孔が形成され、前記第１と第２
   の凹部および前記通気用凹部との全体を封止テー
   プで被覆して成る電気機器のガス抜き孔封止構
   造。