JPH04144943A - 光伝送用ポリマークラッドファイバ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は石英系ガラス又は光学ガラスをコアとし、ポリ
マーをクラッドとする光伝送用ポリマークラッドファイ
バに関するものであり、詳しくはラダー状ポリシロキサ
ンを主要クラツド材として用いるポリマークラッドファ
イバの新規な構造に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、石英系ガラス（又は光学ガラス）をコアとし、ポ
リマーをクラッドとするポリマークラッドシリカ光ファ
イバ（ＰＣＦ）のクラッドポリマーとしては、シリコー
ン樹脂（特公昭５６−２３２１号公報）、フルオロアル
キルメタクリレートポリマー（特開昭５８−１２１４６
１号公報）、フフ化ビニリデン／テトラフルオロエチレ
ンコポリマー（特公昭５６−４１９６６号公報）・ポリ
エーテルエステルアミド（特開昭５６−６０４０２号公
報）紫外線硬化型フッ素化アクリレート組成物（米国特
許第４，２１１，２０９号明細書）などが用いられでい
る。

更に、最近要求されている低光伝送損失化、かしめ方式
のコネクタ付けの簡易化、光伝送損失の温度特性の安定
化等の要求特性の高度化に対応するために、材料として
の耐熱性、機械強度に優れ光透過性の良いラダー状ポリ
シロキサン（オルガノシルセスキオキサン）がクラツド
材として注目されている（米国特許第４．８３５．０５
７号明細書）。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、このラダー状ポリシロキサンの硬化物は非常に
伸びが不さく、ガラスファイバ１ｍクラツド材としてコ
ーティングされた場合１曲げ歪あるいは膨張係数の差に
起因する歪み、更にはラダー状ポリシロキサンの硬化時
の収縮による歪等により、その表面にワレを発生すると
いう欠点を有している。

一方、ラダー状ポリンロキサンは一般に溶剤に溶解又は
分散し液状とした後、ファイバ上にコーティングし、加
熱により溶剤を揮散させると同時に架橋硬化させるとい
う方法でクラッド層を形成するため、クラッド層である
架橋硬化後のラダー状ポリシロキサン中およびガラスと
の界面に溶剤の揮散に起因する気泡等が存在し、これが
原因で光伝送損失が高いという致命的な欠点を有してい
る。

更に本発明者等の検討によればＰＣＦのクラツド材とし
て用いるメチル側鎖のラダー状ポリシロキサンは高温雰
囲気下で酸化反応等により、側鎖の切断、飛散による特
性劣化を生じることが明らかになった。前記米国特許第
４，８３５，０５７号明細書に開示されている従来技術
ではこれらの問題を解決できていない。

本発明は上記した諸欠点を解消し、光伝送特性Ｉこ優れ
、ワレ、失透、特性劣化等のない、ラダー状ポリシロキ
サンを主要なりラッド材とする新規な構造の光伝送用ポ
リマークラッドファイバを提供することを目的とするも
のである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは、ＰＣＦのクラツド材としてメチル基を側
鎖とするラダー状ポリシロキサンを用い該クラツド材の
外周に金属あるいはセラミクスの保護被覆を施すことに
より、前述のクラッド層のワレの発生、気泡の存在によ
る高い光伝送損失、さらには高温雰囲気下に放置された
場合の酸化劣化によるクラッド層の割れ、失透という不
具合を解決できることを見い出し、本発明を完成するに
至った。

すなわち、本発明は石英ガラス、または光学ガラスコア
外周にポリマークラッドを有してなる光伝送用ポリマー
クラッドファイバにおいて、上記ポリマークラッドがメ
チル基を側鎖として有するラダー状ポリシロキサンを主
成分とする樹脂組成物からなり、該ポリマークラッドの
外周に金属あるいはセラミクスからなる保護被覆を有す
ることを特徴とする光伝送用ポリマークランドファイバ
を提供するものである。

上記ポリマークラッドが、ラダー状ポリメチルシロキサ
ン（６）、ＯＨ基を有する直鎖状ポリシミキサン０及び
溶剤（Ｃ）からなる樹脂組成物の反応硬化物であるもの
は、本発明の特に好ましい実施態様である。

本発明に用いるラダー状ポリメチルシロキサンに）とし
て、代表的には下記一般式（Ｄで表されるものを挙げる
ことができる。

本発明に用いるラダー状ポリメチルシロキサンに）は、
数平均分子量が５０００〜１０００００のものが好まし
い。

また、本発明で用いるラダー状ポリメチルシロキサン囚
は、１．４０〜１．４２の屈折率を有しておリ、１４５
程度の屈折率を有する石英系ガラスまたは光学ガラスを
コアとするポリマークラッドファイバのクラツド材とし
て適している。

本発明のラダー状ポリメチルンロキサン（２）は例えば
特開昭５３−８８０９９号公報に記載されているような
公知の方法で製造することができる。

本発明に用いるＯＨ基を有する直鎖状ポリシロキサン◎
としては下記一般式（ｎ） 〔式（ｎ）において、Ｒ，、Ｒ２は同じでも異なってい
てもよくメチル基又はフェニル基を表す〕で表される直
鎖状ポリメチルシロキサンの側鎖又は末端にＯＨ基を有
するものであれば、特に限定されるところはない。

このＯＨ基を有する直鎖状ポリシロキサン０の数平均分
子量は約５００〜１ｏｏｏｏｏが好ましく、特に好まし
くは１０００〜２００００程度のものが挙げられる。

該直鎖状ポリシロキサン◎の屈折率は、側鎖がメチル基
の場合１．４０〜１．４４であり、ラダー状ポリメチル
シロキサン（８）を溶解し、加熱等によって硬化させた
後は、１．４１−１．４３の屈折率となるので、１．４
５程度の屈折率を有する石英系ガラス又は光学ガラスを
コアとするポリマークラッドファイバのクラツド材とし
て適している。

本発明に用いる溶剤０としては、ラダー状ポリメチルシ
ロキサン（５）およびＯＨ基を有する直鎖状ポリシロキ
サン■と、相溶性の良いものであれば、特に制限される
ところはない。該溶剤０は、加熱硬化させるときに揮散
し、樹脂内に残存しないようにすることが好ましい。従
って揮散しやすいように、ある程度沸点の低いものが好
ましい。しかし、あまり沸点が低いと揮散時に発泡し、
被覆中に気泡が残存する問題がある。従って、溶剤◎と
しては、沸点が７０Ｃ〜２００℃のものが好適である。

このような溶剤０として、例えばエタノールｎ−プロパ
ツール、インプロパツールｓｎ−ブタノールなどのアル
コール類、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケ
トン類、酢酸エチル、　酢酸−ｎ　−メチル等のエステ
ル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を用い
ることができる。

本発明で用いるラダー状ポリメチルシロキサンに）を、
ＯＨ基を長する直鎖状ポリシロキサン０と溶剤０に分散
または溶解してなる樹脂組成物は、常温で粘稠な液体で
あり、溶剤０の量を調整することによって、石英系ガラ
ス又は光学ガラスからなるファイバコア上に容易に塗布
可能な樹脂組成物を得ることができる。また、該樹脂組
成物を塗布した後加熱することにより、溶剤０は揮散し
、ラダー状ポリメチルシロキサン（５）及び／又はＯＨ
基を有する直鎖状ポリシロキサン０の間で縮合反応が生
じて硬化して、強靭で耐熱性に富む塗膜を形成すること
ができる。

本発明において、ＯＨ基を有する直鎖状ポリシロキサン
◎とラダー状ポリメチルシロキサン（２）の配合比率を
調整することにより、クラッド層の硬度、耐熱性を任意
に調整することができる。

すなわち、ラダー状ポリメチルシロキサン（５）の配合
比率を大きくすると硬度が大きく耐熱性に優れたクラッ
ド層を形成することができる。

また、直鎖状ポリシロキサン０の配合比率を大きくする
と、材料自体の伸びが大きくなり、可撓性に優れたクラ
ッド層を形成することができる。

また１本発明のクラッド層に用いるラダー状ポリシロキ
サン樹脂組成物には、必要に応じて、縮合、硬化反応を
助けるための触媒、例えばナフテン酸亜鉛、水酸化テト
ラメチルアンモニウム等を添加することもできる。

本発明では、上記のクラッド用ラダー状ポリシロキサン
組成物からなるクラッド層の外周にさらに金属あるいは
セラミクスからなる保護被覆を設ける。

金属としては、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、チタン
、ニッケル、クロム、モリブデンなど、セラミクスとし
てはＳ＋　　Ｃ，Ｓｉ３Ｎ＜　Ｂ　Ｎあるいは５ＩＯ２
、Ｍ２Ｏ３、ＭｇＯをはじめとする金属酸化物など種々
の材料を用いることができる。

この金属あるいはセラミクスをクラ・ンド層の外周にコ
ーティングする方法としては・溶射・化学蒸着（ＣｖＤ
）、物理蒸着（ＰＶＤ）等の方法が考えられるが、この
中でも特にスｔｓｕ−ンタリング法が好適である。

スパッタリング法は■比較的低温度でのコーティングが
可能である。■クラッド層との密着性にすぐれた皮膜を
形成することができる。

■コーティング材に対する制限が少ないので種々の材料
を適用できる点てすぐれている。

コーティングを施すにあたっては、クラ・ンド層がおか
されない温度で適度の真空度を保ち、十分な膜厚を得る
必要がある。

温度は１５０℃〜３００℃真空度は１０−４〜１０−２
’ｌ’ｏｒｒが好適であり、膜厚としては、ｌｌｔｍ〜
１０μｍ厚のものが得られる。

さらにコアとなる石英系ガラス又は光学ガラスの繊維は
、従来のポリマークラッドファイバくに用いられるもの
と同様でよい。すなわち、高純度の石英系又は光学カラ
スを溶融紡糸して製造すればよい。

本発明のポリマークラッドファイバのコア径、クラッド
径、クランド層厚さ、保護被覆層厚さついては特に限定
されるところはないが、例えばコア径２００μｍ１クラ
ンド径２３０μｍ、保護被覆径２５０μｍのものが１例
として挙げられる。

本発明の製法を具体的に説明すると、ポリマークラッド
層の形成は、まずコアとなるガラス母材を溶融紡糸して
ファイバとし、該ファイバ外周にダイス等によりラダー
状ポリメチルシロキサンを主成分とする樹脂組成物を塗
布して塗布層を形成し、続いて熱硬化炉中に導入するこ
とにより該樹脂組成物塗布層を硬化してポリマークラッ
ド層を有するファイバとする。

さらに該ポリマークラッド層をつけたファイバの外周に
金属、あるいはセラミクスをス／′？ツタリンク装置等
のコーチインク装置の中を通すことにより、保護被覆層
を形成する。

〔作　用〕

本発明の光伝送用ポリマークラッドファイバ１は側鎖に
メチル基を有するラダー状ポリメチルンロキサンを主成
分とする樹脂組成物の反応硬化物をクラッド層として用
い、さらにその外周に金属、あるいはセラミクスを保護
被覆層として有してなる。該金属、あるいはセラミクス
は耐熱性にすぐれ内部のクラッド層と酸素との接触を断
つ働きがあるのでクラッド層の側鎖にメチル基を有する
ラダー状ポリンロキサン樹脂組成物の高温雰囲気下での
酸化反応、側鎖の切断・更にクラッド層の未硬化物や分
解物等の飛散を防止するため、これらに起因していた特
性劣化や揮散による重量減少を抑制することができる。

これにより、本発明によるポリマークラッドファイバは
低光伝送損失で、クラッドのワレの発生なく、特性劣化
等もないに加え、高い耐熱性、耐久性を有する優れた光
伝送用ポリマークラッドファイバとなった。

そして、本発明ではクラッド層の樹脂組成物原料に溶剤
０を加えていることによりガラス（ファイバ）上に塗布
する際に適当な粘度に調整できるので、作業性を向上で
き、製造が容易である。

〔実　施　例〕

実施例１ 屈折率１．４２、平均分子量６０００でフレーク状のラ
ダー状ポリメチルシロキサンを、屈折率１．４３粘度３
００ｃｐｓ、平均分子量１００００で側鎖の一部がアル
コール（−ＲＯＨ）となっている　直鎖状のジメチルシ
ロキサン系シリコーンオイル（上記Ｒは炭素数１〜３の
アルキル基であり、ＯＨ基含有量は２．１１である）お
よびｎ−ブタノールに９：１：２の重量比で溶解させ、
屈折率１．４２、粘度６０００ｃｐｓのクラッド用樹脂
組成物を製造した。

無水合成石英棒を用いて外径２００μｍのコアファイバ
に線引きすると同時に、上記で得たクラッド用樹脂組成
物をダイスにより該ファイバに塗布し、焼付炉を通して
約２５０℃で熱硬化させることにより、外径２３０μｍ
のポリマークラッドファイバを得た。

さらに、このポリマークラッドファイバの表面に第１図
に示す装置を用いて同軸マグネトロンスパッタリング法
によってアルミニウムを被覆し、第２図に示したような
石英ガラスコア８の外周にポリマークラッド９、保護被
覆層１０を有する外径２４０μｍのポリマークラッドフ
ァイバを作成した。

得られた光ファイバ（本発明品）１ら長さのものについ
て波長８５０μｍでの伝送損失を測定したところ、７．
５　ｄＢ／ｌＩ！１と良好であった。また、被覆のワレ
も見られず、かしめ方式によりコネクタ付けを行っても
、伝送損失の増加は認められず、コネクタのファイバへ
の固着力は１．５Ｋｆであった。

該ファイバの引張り強度を標線間距離３００１１１１、
引張り速度１００ｗ−で評価したところ、１７〜１８に
４と十分な強度を示した。該ファイバを５００℃の環境
下に３日間放置した後被覆を詳細に観察したがワレの発
生等の異常はみられなかった。また、伝送損失の変化も
見られなかった。

比較例１ 実施例１と同じクラッド用樹脂組成物を調整し、実施例
１と同様に無水合成石英棒を外径２００μｍのコアファ
イバに線引きすると同時に該クラッド用樹脂組成物をダ
イスにより塗布し、２５０℃の焼付炉を通して熱硬化さ
せることにより、第３図に示す石英ガラスコアとポリマ
ークラッドからなる外径２３０μｍのポリマークラッド
ファイバ（第１図のものから保護被覆層をなくしたもの
）を得た。このポリマークラッドファイバ（比較品）の
波長８５０μｍでの伝送損失は７．３　ｄＢ／１［ｍで
あった。このファイバｌＫｍ長さのものについて２５０
℃の環境下に３日間放置したところ、クラッド層表面に
多数のクラックが入ってしまった。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の光伝送用ポリマークラツ
ド光ファイバは、クラッド層のメチル基を側鎖とするラ
ダー状ポリンロキサンを主成分とする樹脂組成物の反応
硬化物の外周に、金属あるいはセラミクスからなる保護
被覆層を有する構造であるため、その後高温環境下で長
時間使用してもクラッド層の亀裂発生がなく、強度、光
伝送特性、耐熱性、可撓性のいずれもがすぐれたもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の光伝送用ポリマークラツド光ファイ
バの保護被覆層を形成するための装置の一具体例である
同軸マグネトロンスパッタリング装置を略図的に示した
図である。図中１はポリマークラツド光ファイバ、２は
サプライ機構、３は前処理機構、４は連続スパッタリン
グ装置、５はマグネット、６はターゲット、７は巻取機
構を示している。 第２図は、本発明の光伝送用ポリマークラツド光ファイ
バの一具体例の断面図であり、図中８はガラスコア、９
はポリマークラッド（メチル基を側鎖として有するラダ
ー状ポリメチルンロキサンを主成分とする樹脂組成物の
反応硬化物）、ｌＯは保護被覆層（金属あるいはセラミ
クス）を示す。 第３図は、比較例で作成したポリマークランドファイバ
の断面図である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）石英ガラスまたは光学ガラスコア外周にポリマー
   クラッドを有してなる光伝送用ポリマークラッドファイ
   バにおいて、上記ポリマークラッドがメチル基を側鎖と
   して有するラダー状ポリシロキサンを主成分とする樹脂
   組成物からなり、該ポリマークラッドの外周に金属ある
   いはセラミクスからなる保護被覆を有することを特徴と
   する光伝送用ポリマークラッドファイバ。
2. （２）該保護被覆がスパッタリング法によって行われる
   請求項（１）に記載の光伝送用ポリマークラッドファイ
   バ。
3. （３）該ポリマークラッドがラダー状ポリメチルシロキ
   サン（Ａ）、ＯＨ基を有する直鎖状ポリシロキサン（Ｂ
   ）および溶剤（Ｃ）からなる樹脂組成物の反応硬化物で
   あることを特徴とする請求項（１）または（２）に記載
   の光伝送用ポリマークラッドファイバ。