JPH04143064A - Al―Li系合金製製品の製造方法 - Google Patents
Al―Li系合金製製品の製造方法Info
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- JPH04143064A JPH04143064A JP26474090A JP26474090A JPH04143064A JP H04143064 A JPH04143064 A JP H04143064A JP 26474090 A JP26474090 A JP 26474090A JP 26474090 A JP26474090 A JP 26474090A JP H04143064 A JPH04143064 A JP H04143064A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
この発明は、Al−Li系合金を用いて製品を製造する
方法に関するものである。
方法に関するものである。
(従来の技術)
Al−Li系合金は、軽量で比強度が大きい材料である
が、リチウムは化学的に活性な物質であるので金属間化
合物を形成しやすく、近時、展伸材として使用されつつ
ある。
が、リチウムは化学的に活性な物質であるので金属間化
合物を形成しやすく、近時、展伸材として使用されつつ
ある。
これは、展伸材は一般に連続的に鋳造され、直ちに圧延
加工等の高度な後加工を行なって製品を製造するもので
あるため、リチウムの化学的に活性な性質が反映されに
くいためである。
加工等の高度な後加工を行なって製品を製造するもので
あるため、リチウムの化学的に活性な性質が反映されに
くいためである。
しかし、かかるAl−Li系合金を用いての、鋳物製造
や、あるいはAl−Li系合金製ブロック体を加熱して
行なう、チクソキャスティング等の加圧成形による製造
は、リチウムの化学的に活性な性質の影響が大きいので
、これらの技術により製造される。
や、あるいはAl−Li系合金製ブロック体を加熱して
行なう、チクソキャスティング等の加圧成形による製造
は、リチウムの化学的に活性な性質の影響が大きいので
、これらの技術により製造される。
機械部品や部品用中間素材等としての製品は工業的に量
産されていないのが現状である。
産されていないのが現状である。
(発明が解決しようとする課題)
すなわち、これらの鋳物の製造や加熱下での加圧成形の
場合には、鋳型や成形型により製品を個々に製造するも
のであるため、個々の鋳型等の熱的な環境条件にばらつ
きが存在するとともに、その後に圧延等の高度な後加工
が行なわれないので、リチウムの化学的な活性の影響が
強くなる。
場合には、鋳型や成形型により製品を個々に製造するも
のであるため、個々の鋳型等の熱的な環境条件にばらつ
きが存在するとともに、その後に圧延等の高度な後加工
が行なわれないので、リチウムの化学的な活性の影響が
強くなる。
そのため、かかる製品の製造においては、δ相(AIL
i)の析出等により製品に十分な強度を発揮させること
が一般的に困難とされているからである。
i)の析出等により製品に十分な強度を発揮させること
が一般的に困難とされているからである。
二の発明は、このような背景に基づいてなされたもので
、Al−Li系合金による金属間化合物等の生成ム抑制
して、Al−Li系合金製製品の強度を向上させ、Al
−Li系合金による製品の工業的量産を可能とすること
を目的とするものである。
、Al−Li系合金による金属間化合物等の生成ム抑制
して、Al−Li系合金製製品の強度を向上させ、Al
−Li系合金による製品の工業的量産を可能とすること
を目的とするものである。
(課題を解決するための手段)
この目的を達成するために、請求項1記載の発明は、4
%以下のリチウムを含有するAl−Li系合金を溶融し
、この溶湯を630℃〜750’Cの温度で、鋳型内に
注湯して鋳物からなる製品を形成し、この製品を450
℃〜560℃の温度で5時間〜60時間保持させ、この
後常温に冷却するものである。
%以下のリチウムを含有するAl−Li系合金を溶融し
、この溶湯を630℃〜750’Cの温度で、鋳型内に
注湯して鋳物からなる製品を形成し、この製品を450
℃〜560℃の温度で5時間〜60時間保持させ、この
後常温に冷却するものである。
(作用)
請求項1記載の発明によれば、4%以下のリチウムを含
有するAl−Li系合金を630℃〜750℃の温度で
、鋳型内に注湯して鋳物からなる製品を形成するので、
溶湯の流動性を確保するとともに、添加されたリチウム
が化合物を形成することが抑制され、合金中のリチウム
の含有量の減少と6相の形成とを軽減してAl−Li系
合金製製品を形成することができる。
有するAl−Li系合金を630℃〜750℃の温度で
、鋳型内に注湯して鋳物からなる製品を形成するので、
溶湯の流動性を確保するとともに、添加されたリチウム
が化合物を形成することが抑制され、合金中のリチウム
の含有量の減少と6相の形成とを軽減してAl−Li系
合金製製品を形成することができる。
また、このように形成された製品を450’C〜560
℃の温度で5時間〜60時間保持させ、この後常温に冷
却するので、製品中に形成されたδ相を確実にα相内に
拡散固溶させることができ、製品の強度を損なうδ相を
一層軽減させることにより、強度の優れた製品を得るこ
とができる。
℃の温度で5時間〜60時間保持させ、この後常温に冷
却するので、製品中に形成されたδ相を確実にα相内に
拡散固溶させることができ、製品の強度を損なうδ相を
一層軽減させることにより、強度の優れた製品を得るこ
とができる。
そして、これらの処置は、温度管理としてすることがで
きるので、そのまま工業的量産技術として用いることが
でき、強度の優れたAl−Li系合金製の製品を鋳物に
より工業的に量産することができる。
きるので、そのまま工業的量産技術として用いることが
でき、強度の優れたAl−Li系合金製の製品を鋳物に
より工業的に量産することができる。
(実施例)
以下、主に第1図に示す鋳物による製品の製造方法の実
施例を中心に説明する。
施例を中心に説明する。
鋳物による製品の製造方法においては、まず、次のよう
にしてAl−Li系合金の溶製を行なう。
にしてAl−Li系合金の溶製を行なう。
すなわち、リチウム以外の原料(後記、表、1参照)を
ガス溶解炉にて溶解し、脱酸、脱ガスを行い、鎮静させ
る。
ガス溶解炉にて溶解し、脱酸、脱ガスを行い、鎮静させ
る。
この後、前記リチウム以外の溶解した原料を雰囲気制御
可能な真空鋳造機内のるつぼに移し、雰囲気をアルゴン
に置換する。
可能な真空鋳造機内のるつぼに移し、雰囲気をアルゴン
に置換する。
この雰囲気の置換の後、純リチウムをホスホライザーで
添加し、これによりAl−Li系合金の溶湯を得る。
添加し、これによりAl−Li系合金の溶湯を得る。
この実施例において、このようにして溶製されるAl−
Li系合金の目標組成は、例えば表、1のようである。
Li系合金の目標組成は、例えば表、1のようである。
表。
(重量%)
このようにして得られた溶湯は、鋳造機の扉を開け、大
気中にてアルゴンガスで溶湯を脱ガス。
気中にてアルゴンガスで溶湯を脱ガス。
鎮静し、予め約423K (150℃)に加熱保持して
おいたYブロック金型に983に〜993K (710
〜720℃)で注湯する。
おいたYブロック金型に983に〜993K (710
〜720℃)で注湯する。
この金型への注湯に際しては、金型内部に予めアルゴン
ガスを流しておき注湯時の溶湯の化学反応を抑制するこ
とが好ましい。
ガスを流しておき注湯時の溶湯の化学反応を抑制するこ
とが好ましい。
なお、溶湯の注湯温度は、Al−Li系合金の成分組成
によって、903に〜1023K (630℃〜750
℃)の範囲で適宜調整すればよい。
によって、903に〜1023K (630℃〜750
℃)の範囲で適宜調整すればよい。
また、この実施例では鋳型として前記金型を用いたもの
であるが、次のような有機自硬性鋳型やシェル鋳型ある
いはロストワックス鋳型を用いてもよい。
であるが、次のような有機自硬性鋳型やシェル鋳型ある
いはロストワックス鋳型を用いてもよい。
すなわち、有機自硬性鋳型は、けい砂を主構成物質とし
、フェノール樹脂とポリイソシアネートとを主粘結剤と
したもので、トリエチルアミンガスを通気して硬化させ
たものである。
、フェノール樹脂とポリイソシアネートとを主粘結剤と
したもので、トリエチルアミンガスを通気して硬化させ
たものである。
また、シェル鋳型は、けい砂を主構成物質とし、フェノ
ールレジンを主粘結剤として加熱硬化させたものである
。
ールレジンを主粘結剤として加熱硬化させたものである
。
さらに、ロストワックス鋳型は、ジルコン砂とジルコン
粉末とを主構成物質とし、エチルシリケートと水とを主
粘結剤として加熱焼成したものである。
粉末とを主構成物質とし、エチルシリケートと水とを主
粘結剤として加熱焼成したものである。
このロストワックス鋳型は、所定の形状に形成した後、
その鋳型を473K (200℃)で14.4KS(4
時間)加熱し、さらに973K (700℃)で14.
4KS加熱し。
その鋳型を473K (200℃)で14.4KS(4
時間)加熱し、さらに973K (700℃)で14.
4KS加熱し。
高温加熱焼成したものである。
これらの訪型を用いた鋳物による製品においても、前記
と概ね同様に以下の製造方法を実施することができる。
と概ね同様に以下の製造方法を実施することができる。
また、本願発明は、このような鋳物による製品に限らず
、次のように素材の加熱下での加圧成形により形成され
た製品をも対象とする。
、次のように素材の加熱下での加圧成形により形成され
た製品をも対象とする。
すなわち、以下に述べる加圧成形技術は、チクソキャス
ティングといわれるもので、共晶合金を固−液相共存状
態まで加熱して素材自体に流動性を与えた上で成形金型
内にセットし、この素材を金型内で加圧成形するもので
あり、このチクソキャスティングによればある程度複雑
な形状の製品でも成形することが可能である。
ティングといわれるもので、共晶合金を固−液相共存状
態まで加熱して素材自体に流動性を与えた上で成形金型
内にセットし、この素材を金型内で加圧成形するもので
あり、このチクソキャスティングによればある程度複雑
な形状の製品でも成形することが可能である。
このチクソキャスティングによる製品の製造は次のよう
に行なわれる。
に行なわれる。
予め用意されたAl−Li系合金の鋳塊(合金の成分組
成は前記表、1と同一である)から素材となる所要形状
のブロック体を切り出し、加熱炉にてアルゴンガス雰囲
気中で所定の温度に加熱する。
成は前記表、1と同一である)から素材となる所要形状
のブロック体を切り出し、加熱炉にてアルゴンガス雰囲
気中で所定の温度に加熱する。
この例の場合、加熱炉にて加熱すべき所定の温度は89
8に〜903K (625℃〜630℃)であり、この
温度はこの合金の固相と液相とが共存状態の温度である
。
8に〜903K (625℃〜630℃)であり、この
温度はこの合金の固相と液相とが共存状態の温度である
。
かかる温度にブロック体が均熱された後、このブロック
体を成形金型(本願の発明でいう成形型に該当する)内
にセットする。なお、この際、金型は573に〜593
K (300℃〜320℃)に加熱されている。
体を成形金型(本願の発明でいう成形型に該当する)内
にセットする。なお、この際、金型は573に〜593
K (300℃〜320℃)に加熱されている。
この後、金型内のブロック体上にポンチを下げてブロッ
ク体を加圧し、ブロック体の素材を金型内に形成されて
いる成形用凹部内に塑性流動させることによって、成形
凹部に形成された所要の形状の製品を得るものである。
ク体を加圧し、ブロック体の素材を金型内に形成されて
いる成形用凹部内に塑性流動させることによって、成形
凹部に形成された所要の形状の製品を得るものである。
なお、前記ポンチによる加圧力は、前記ブロック体が固
相と液相との共存状態であるので、小さくて済み、この
例の場合は750Kg/c+f以下でよい。
相と液相との共存状態であるので、小さくて済み、この
例の場合は750Kg/c+f以下でよい。
Al−Li系合金を用いて、かかるチクソキャスティン
グにより製品を製造する場合、前述のように素材として
のブロック体を加熱するので、リチウムの活性によりδ
相や酸化物等の生成のおそれがあしかし、かかるチクソ
キャスティングにおいては、前記のようにブロック体の
加熱温度が低く、また加熱時間が短いので、リチウムの
反応が鋳物による場合に比べて抑制され、前記δ相や素
材表面でのリチウム酸化物等の生成量が少ない利点があ
る。
グにより製品を製造する場合、前述のように素材として
のブロック体を加熱するので、リチウムの活性によりδ
相や酸化物等の生成のおそれがあしかし、かかるチクソ
キャスティングにおいては、前記のようにブロック体の
加熱温度が低く、また加熱時間が短いので、リチウムの
反応が鋳物による場合に比べて抑制され、前記δ相や素
材表面でのリチウム酸化物等の生成量が少ない利点があ
る。
これは、また高温のAl−Li合金の加工等の取り扱い
時に雰囲気として供給するアルゴンガス量の軽減やこれ
に伴う製造設備を筒素化することができることを意味す
るものでもある。
時に雰囲気として供給するアルゴンガス量の軽減やこれ
に伴う製造設備を筒素化することができることを意味す
るものでもある。
このように、チクソキャスティングにより成形されて製
造された製品も前記鋳物による製品と同様に次のような
熱処理が行なわれ、同様の効果を享有するものである。
造された製品も前記鋳物による製品と同様に次のような
熱処理が行なわれ、同様の効果を享有するものである。
すなわち、前記金型中で凝固した鋳物からなる製品ある
いは成形金型内で加圧成形された製品は、いずれも各金
型から脱型の後、加熱炉にて同様に第1の熱処理が行な
われるが、以下においては、鋳物による製品の場合とし
て説明を行なう。
いは成形金型内で加圧成形された製品は、いずれも各金
型から脱型の後、加熱炉にて同様に第1の熱処理が行な
われるが、以下においては、鋳物による製品の場合とし
て説明を行なう。
この第1の熱処理は、例えば、803K (530’C
ン温度で36KS (1(1時間)保持させるものであ
り、ALA系合金のδ相をα相中に拡散固溶させるもの
ある。
ン温度で36KS (1(1時間)保持させるものであ
り、ALA系合金のδ相をα相中に拡散固溶させるもの
ある。
したがって、この第1の熱処理の温度および時間は、A
l−Li系合金の成分組成により、723に〜833K
(450℃〜580℃) テ1.8KS 〜216K
S (5時間〜6o時間)の範囲で調整すればよい この第1の熱処理の後、鋳物を常温に冷却して鋳物Bを
得る。
l−Li系合金の成分組成により、723に〜833K
(450℃〜580℃) テ1.8KS 〜216K
S (5時間〜6o時間)の範囲で調整すればよい この第1の熱処理の後、鋳物を常温に冷却して鋳物Bを
得る。
また、この第1の熱処理の後、これに続いて第2の熱処
理を行い、その後、鋳物を常温に冷却して鋳物Cを得る
。
理を行い、その後、鋳物を常温に冷却して鋳物Cを得る
。
この第2の熱処理は、水冷することによって一旦常温と
した。第1の熱処理後の鋳物を、さらに200℃の温度
で4時間保持させるものであり、この第2の熱処理によ
って鋳物を時効硬化させるものである。
した。第1の熱処理後の鋳物を、さらに200℃の温度
で4時間保持させるものであり、この第2の熱処理によ
って鋳物を時効硬化させるものである。
なお、コノ第2の熱処理は、433K −483K (
160’C〜210℃)の範囲内の温度と4時間以上の
時間の範囲内で適宜調整することができる。
160’C〜210℃)の範囲内の温度と4時間以上の
時間の範囲内で適宜調整することができる。
この第2の熱処理の温度が160’C未満の場合には、
この熱処理の効果を発揮させるのに必要な処理時間が長
期にわたり、工業的な量産技術として実用性が乏しく、
また210’Cを越える場合には、製品を均熱しにくく
製品のひずみゃ物性にばらつきを生じるおそれがあるか
らである。
この熱処理の効果を発揮させるのに必要な処理時間が長
期にわたり、工業的な量産技術として実用性が乏しく、
また210’Cを越える場合には、製品を均熱しにくく
製品のひずみゃ物性にばらつきを生じるおそれがあるか
らである。
このようにして得られた鋳物E、 Cの引張強度およ
び伸びは、第2図に示す通りである。
び伸びは、第2図に示す通りである。
すなわち、第2図において、Aは比較例であって前記の
熱処理を行なわない場合を示し、Bは前記の第1の熱処
理のみを行なった場合、Cは前記第1および第2の熱処
理の双方ともに行なった場合である。
熱処理を行なわない場合を示し、Bは前記の第1の熱処
理のみを行なった場合、Cは前記第1および第2の熱処
理の双方ともに行なった場合である。
第2図から明らかなように、前記の熱処理を行なわなか
ったAの場合は、引張強度が270MPaと小さく、伸
びも5%と小さい。
ったAの場合は、引張強度が270MPaと小さく、伸
びも5%と小さい。
これは、この鋳物については脆弱なδ相が若干存在して
おり、顕微鏡による金属組織やX線回折の結果から、こ
れがこの鋳物の機械的性質に影響していることが確認さ
れる。
おり、顕微鏡による金属組織やX線回折の結果から、こ
れがこの鋳物の機械的性質に影響していることが確認さ
れる。
一方、前記第1の熱処理のなされたBの場合には、引張
強度が370MPaと大きく、かつ、伸びも16えと大
きく改善されている。
強度が370MPaと大きく、かつ、伸びも16えと大
きく改善されている。
これは、前記第1の熱処理によって、鋳物中に生じてい
たδ相がα相中に拡散固溶され、金属組織中のδ相が実
質的に存在せず、Al−Li系合金本来の機械的性質が
発揮されたからであると判断できる。
たδ相がα相中に拡散固溶され、金属組織中のδ相が実
質的に存在せず、Al−Li系合金本来の機械的性質が
発揮されたからであると判断できる。
さらに、前記第1の熱処理と第2の熱処理とを行なった
Cの場合には、引張強度はさらに向上して410MPa
となるが、伸びは5%に低下している。
Cの場合には、引張強度はさらに向上して410MPa
となるが、伸びは5%に低下している。
これは、第1の熱処理によって、脆弱なδ相を消失させ
たうえで、第2の熱処理によって時効硬化が行なわれ、
高弾性率となったからである。
たうえで、第2の熱処理によって時効硬化が行なわれ、
高弾性率となったからである。
このように、本願の鋳物による製品の製造方法によれば
、溶湯の流動性を確保しながら、添加されたリチウムが
化合物を形成することを抑制することによって、合金中
のリチウムの含有量の減少や脆弱なδ相の形成を軽減す
ることができる。
、溶湯の流動性を確保しながら、添加されたリチウムが
化合物を形成することを抑制することによって、合金中
のリチウムの含有量の減少や脆弱なδ相の形成を軽減す
ることができる。
そのうえで、このように形成された鋳物を803にの温
度で36KSの時間保持させ、この後常温に冷却するの
で、Al−Li系合金製鋳物中のδ相を確実にα相内に
拡散固溶させることができ、鋳物の強度を損なうδ相が
減少することにより、強度の優れた鋳物を得ることがで
きる。
度で36KSの時間保持させ、この後常温に冷却するの
で、Al−Li系合金製鋳物中のδ相を確実にα相内に
拡散固溶させることができ、鋳物の強度を損なうδ相が
減少することにより、強度の優れた鋳物を得ることがで
きる。
さらに、第2の熱処理によって、δ相の消失した鋳物の
時効硬化が図られることにより、弾性率を高め、より一
層高い比強度とすることができる。
時効硬化が図られることにより、弾性率を高め、より一
層高い比強度とすることができる。
また、本願のチクソキャスティングによる製品の製造方
法によれば、チクソキャスティングに伴うブロック体の
加熱温度が低く、加熱時間が短いので、δ相や酸化物の
生成が少なく、組織的に良好な製品を得ることができ製
品強度を確保する上で有利である。
法によれば、チクソキャスティングに伴うブロック体の
加熱温度が低く、加熱時間が短いので、δ相や酸化物の
生成が少なく、組織的に良好な製品を得ることができ製
品強度を確保する上で有利である。
そして、二のチクソキャスティングによる製品の場合に
も、鋳物による製品の場合と同様に、前記第1の熱処理
および第2の熱処理による効果が得られるので、製品の
機械的性質がさらに良好となる。
も、鋳物による製品の場合と同様に、前記第1の熱処理
および第2の熱処理による効果が得られるので、製品の
機械的性質がさらに良好となる。
以上説明した実施例は、前述の成分組成の合金によるも
のであるが、本願発明は以上説明したように、Al−L
i系合金のδ相の存在を解消することを本質的課題とす
るものであるため、Al−Li系合金に一般的に適用す
ることができ、したがって、At−Llの2元系合金は
勿論のこと、つぎに述べる。 AlLi−3i系合金
であっても同様に適用することができる。
のであるが、本願発明は以上説明したように、Al−L
i系合金のδ相の存在を解消することを本質的課題とす
るものであるため、Al−Li系合金に一般的に適用す
ることができ、したがって、At−Llの2元系合金は
勿論のこと、つぎに述べる。 AlLi−3i系合金
であっても同様に適用することができる。
すなわち、本願の製造方法を適用することのできるAl
−Li−3i系合金の一例は、次の表、2の成分組成か
らなるものである。
−Li−3i系合金の一例は、次の表、2の成分組成か
らなるものである。
C以下 乍白ノ
表。
一般に、Al−Li系合金中にCuを多量に添加すると
、リチウムを多量に含有することができず、Al−Li
系合金の特徴としての、軽量をある程度犠牲にすること
となる。また、Al−Li系合金中にCuを多量に含有
している場合には、粒界腐食割れを生じるので耐食性の
面では十分ではない。
、リチウムを多量に含有することができず、Al−Li
系合金の特徴としての、軽量をある程度犠牲にすること
となる。また、Al−Li系合金中にCuを多量に含有
している場合には、粒界腐食割れを生じるので耐食性の
面では十分ではない。
表、2に記載した成分組成からなる合金は、前記表、1
等のAl−Li−Cu系合金のCuにかえてSiを添加
し、これによってCuの添加量をきわめてわずかに抑制
したものである。
等のAl−Li−Cu系合金のCuにかえてSiを添加
し、これによってCuの添加量をきわめてわずかに抑制
したものである。
このような成分組成としたのは、各成分が次のような特
性を有するからである。
性を有するからである。
すなわち、この合金に含有されるLi量が3.5%を越
え、あるいは1.5χ未満となる場合には合金の弓張強
度が低下する。
え、あるいは1.5χ未満となる場合には合金の弓張強
度が低下する。
また、Cu量が0.2%を越えると、前述のように合金
の粒界腐食割れを生じ、耐食性が低下する。
の粒界腐食割れを生じ、耐食性が低下する。
SiとMgとは合金の鋳造性と時効硬化能を両立させる
ために添加したもので、Sl量が5.0%を越える場合
には時効硬化能が低下し、1.5%未満の場合には鋳造
性が低下する。他方、Mg量が1.3χを越えると鋳造
性が低下し、065%未満の場合には時効硬化能が低下
する。
ために添加したもので、Sl量が5.0%を越える場合
には時効硬化能が低下し、1.5%未満の場合には鋳造
性が低下する。他方、Mg量が1.3χを越えると鋳造
性が低下し、065%未満の場合には時効硬化能が低下
する。
Zr量は合金の機械的性質に影響するもので、Zr量が
0.25χを越えると、Zrが鋳物の凝固後に初晶とし
て晶出し、機械的性質を低下させ、また、0.15%未
満の場合には合金の結晶粒が粗大化することによって機
械的性質を低下させる。
0.25χを越えると、Zrが鋳物の凝固後に初晶とし
て晶出し、機械的性質を低下させ、また、0.15%未
満の場合には合金の結晶粒が粗大化することによって機
械的性質を低下させる。
かかる成分組成からなる。 Al−Li系合金は、C
uの添加量がきわめてわずかであるので、多量のリチウ
ムを添加することができ、粒界腐食割れを生じないので
、耐食性や機械的性質も良好である。
uの添加量がきわめてわずかであるので、多量のリチウ
ムを添加することができ、粒界腐食割れを生じないので
、耐食性や機械的性質も良好である。
第3図において、実線は、リチウムの添加量による9合
金の機械的性質の一例としての引張強度の変化を示した
もので、Cuが多量に添加された合金の場合(第3図中
、破線の曲線)と比べ°ると、この合金のリチウムの添
加量が多量であり、多量のリチウムを含有する合金の機
械的性質が優れていることは明かである。
金の機械的性質の一例としての引張強度の変化を示した
もので、Cuが多量に添加された合金の場合(第3図中
、破線の曲線)と比べ°ると、この合金のリチウムの添
加量が多量であり、多量のリチウムを含有する合金の機
械的性質が優れていることは明かである。
そして、この合金を用いても、例えば、前記した鋳物の
製造方法によって、きわめて軽量で機械的性質も優れ、
かつ耐食性も良好な製品を工業的に量産することができ
る。
製造方法によって、きわめて軽量で機械的性質も優れ、
かつ耐食性も良好な製品を工業的に量産することができ
る。
したがって、所要の形状に形成した鋳型あるいは成形金
型に、前記した各Al−Li系合金を用いることにより
、各種の製品を軽量かつ高強度に工業的に量産すること
ができ、とくに軽量かつ高強度であることが重視される
。航空機用ハツチやドア等をその枠部まで一体に、鋳物
としであるいはチクソキャスティングにより製造するこ
とが可能となる。
型に、前記した各Al−Li系合金を用いることにより
、各種の製品を軽量かつ高強度に工業的に量産すること
ができ、とくに軽量かつ高強度であることが重視される
。航空機用ハツチやドア等をその枠部まで一体に、鋳物
としであるいはチクソキャスティングにより製造するこ
とが可能となる。
(発明の効果)
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、4
%以下のリチウムを含有するAl−Li系合金を630
℃〜750℃の温度で、鋳型内に注湯して鋳物からなる
製品を形成するので、溶湯の流動性を確保するとともに
、添加されたリチウムが化合物を形成することが抑制さ
れ、合金中のリチウムの含有量の減少とδ相の形成とを
軽減してAl−Li系合金製製品を形成することができ
る。
%以下のリチウムを含有するAl−Li系合金を630
℃〜750℃の温度で、鋳型内に注湯して鋳物からなる
製品を形成するので、溶湯の流動性を確保するとともに
、添加されたリチウムが化合物を形成することが抑制さ
れ、合金中のリチウムの含有量の減少とδ相の形成とを
軽減してAl−Li系合金製製品を形成することができ
る。
また、このように形成された製品を450℃〜560℃
の温度で5時間〜60時間保持させ、この後常温に冷却
するので、製品中に形成されたδ相を確実にα相内に拡
散固溶させることができ、製品の強度を損なうδ相を一
層軽減させることにより、強度の優れた製品を得ること
ができる。
の温度で5時間〜60時間保持させ、この後常温に冷却
するので、製品中に形成されたδ相を確実にα相内に拡
散固溶させることができ、製品の強度を損なうδ相を一
層軽減させることにより、強度の優れた製品を得ること
ができる。
そして、これらの処置は、温度管理としてすることがで
きるので、そのまま工業的量産技術として用いることが
でき、強度の優れたAl−Li系合金製の製品を鋳物に
より工業的に量産することができる。
きるので、そのまま工業的量産技術として用いることが
でき、強度の優れたAl−Li系合金製の製品を鋳物に
より工業的に量産することができる。
第1図は本願発明による鋳物の製造工程説明図、第2図
は鋳物の引張強度と伸びとを示すグラフ、第3図はSi
を含有するAl−Li系合金のリチウム添加量と引張強
度との関係を示すグラフである。 第 H″2’。 第 図 手続補正書(自発) 特許庁長官 殿 平成2年11月16日1、
事件の表示 二平成2年特許
願第264740号 2、発明の名称 Al−LL系合金製製品の製造方法 3、補正をする者 事件との関係 出願人 名称 旭チック株式会社 4、代 理 人 〒135電話03−820−181
1住 所 東京都江東区門前仲町1−14−36゜ 補正の内容 図面全図の浄書・別紙の通り (内容に変更なし) 以
は鋳物の引張強度と伸びとを示すグラフ、第3図はSi
を含有するAl−Li系合金のリチウム添加量と引張強
度との関係を示すグラフである。 第 H″2’。 第 図 手続補正書(自発) 特許庁長官 殿 平成2年11月16日1、
事件の表示 二平成2年特許
願第264740号 2、発明の名称 Al−LL系合金製製品の製造方法 3、補正をする者 事件との関係 出願人 名称 旭チック株式会社 4、代 理 人 〒135電話03−820−181
1住 所 東京都江東区門前仲町1−14−36゜ 補正の内容 図面全図の浄書・別紙の通り (内容に変更なし) 以
Claims (3)
- (1)4%以下のリチウムを含有するAl−Li系合金
を溶融し、この溶湯を630℃〜750℃の温度で、鋳
型内に注湯して鋳物からなる製品を形成し、この製品を
450℃〜560℃の温度で5時間〜60時間保持させ
、この後常温に冷却することを特徴とするAl−Li系
合金製製品の製造方法。 - (2)4%以下のリチウムを含有するAl−Li系合金
からなる素材を、固相と液相の共存状態の温度に加熱し
て素材に流動性を付与させ、この素材を成形型内に収容
して加圧流動させて、チクソキャスティングにより製品
を成形し、この製品を450℃〜560℃の温度で5時
間〜60時間保持させ、この後常温に冷却することを特
徴とするAl−Li系合金製製品の製造方法。 - (3)請求項1または2記載のAl−Li系合金製製品
の製造方法において、 さらにその製品を160℃〜210℃の温度で4時間以
上保持させたことを特徴とするAl−Li系合金製製品
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2264740A JP2996709B2 (ja) | 1990-10-02 | 1990-10-02 | Al―Li系合金製製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2264740A JP2996709B2 (ja) | 1990-10-02 | 1990-10-02 | Al―Li系合金製製品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04143064A true JPH04143064A (ja) | 1992-05-18 |
JP2996709B2 JP2996709B2 (ja) | 2000-01-11 |
Family
ID=17407521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2264740A Expired - Fee Related JP2996709B2 (ja) | 1990-10-02 | 1990-10-02 | Al―Li系合金製製品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2996709B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014205897A (ja) * | 2013-04-16 | 2014-10-30 | 国立大学法人富山大学 | Al−Li系合金の製造方法 |
CN106906387A (zh) * | 2015-12-22 | 2017-06-30 | 北京有色金属研究总院 | 一种高比强高比模铝合金材料、其制备方法及由该材料加工的构件 |
CN112792319A (zh) * | 2020-12-17 | 2021-05-14 | 山西江淮重工有限责任公司 | 锂合金铸件差压铸造工艺和差压铸造设备 |
CN116179912A (zh) * | 2022-12-22 | 2023-05-30 | 贵州航天新力科技有限公司 | 一种含Ce高强韧铝锂合金及其制备方法 |
-
1990
- 1990-10-02 JP JP2264740A patent/JP2996709B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014205897A (ja) * | 2013-04-16 | 2014-10-30 | 国立大学法人富山大学 | Al−Li系合金の製造方法 |
CN106906387A (zh) * | 2015-12-22 | 2017-06-30 | 北京有色金属研究总院 | 一种高比强高比模铝合金材料、其制备方法及由该材料加工的构件 |
CN112792319A (zh) * | 2020-12-17 | 2021-05-14 | 山西江淮重工有限责任公司 | 锂合金铸件差压铸造工艺和差压铸造设备 |
CN112792319B (zh) * | 2020-12-17 | 2022-06-10 | 山西江淮重工有限责任公司 | 锂合金铸件差压铸造工艺和差压铸造设备 |
CN116179912A (zh) * | 2022-12-22 | 2023-05-30 | 贵州航天新力科技有限公司 | 一种含Ce高强韧铝锂合金及其制备方法 |
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---|---|
JP2996709B2 (ja) | 2000-01-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |