JPH04141590A - 絶縁被膜を有する電磁鋼板の製造のための処理液組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 庄１」ぼり旧１ｉ国 本発明は、絶縁被膜を有する電磁鋼板の製造のための処
理液組成物に関し、詳しくは、電磁鋼板の表面に絶縁被
膜を施す際の作業性及び得られた電磁鋼板のスリット加
工時の被膜密着性にすぐれると共に、積層コアーの溶接
時に臭気の少ない絶縁被膜を形成し得る電磁鋼板の製造
のための処理液組成物に関する。

！来夏伎素 家庭用電気製品等のモーター、トランス等の鉄心に用い
られる電磁鋼板には、渦電流損を低減するために、一般
に、絶縁被膜が施されており、通常、これら電磁鋼板は
、所定の形状に打抜いた後、そのまま、又は歪取り焼鈍
を行なった後、多数を積層し、端面を溶接して、鉄心に
組み立てられる。

従って、このような絶縁被膜は、電気絶縁性と被膜密着
性にすぐれることは勿論、打抜き性、耐熱性、耐食性、
耐油性、耐溶剤性等にすぐれ、更に、占積率の高いこと
が要求される。

一般に、電磁鋼板に絶縁被膜を形成する方法としては、
クロム酸塩やリン酸塩等の無機物を土成分とする処理液
を塗布した後、焼付けて、無機質被膜を形成する方法と
、クロム酸塩を主成分とする無機物とアクリル樹脂、酢
酸ビニル樹脂等の合成樹脂のエマルジョンとの混合物か
らなる処理液を塗布した後、焼付けて、有機無機混合系
被膜を形成する二つの方法に大別される。

上記無機系被膜を施した電磁鋼板は、打抜き性や耐食性
に劣るほか、被膜が曲げ密着性にも劣る。

これに対して、有機無機混合系絶縁被膜を被覆した電磁
鋼板は、前記無機系被膜を被覆したものに比べて、打抜
性や耐食性にもすぐれ、更に、被膜の密着性にもすぐれ
るので、現在、有機無機混合系絶縁被膜を被覆した電磁
鋼板が家庭電気機器等におけるモーターやトランスの心
材として広く用いられている。

しかし、有機無機混合系絶縁被膜を有する電磁鋼板の製
造においては、絶縁被膜を形成する作業途中でロールコ
ータ−の液溜め容器、所謂コーターパン中で処理液の表
面の樹脂が固化し、この固化物がコーターロールを介し
て鋼板表面に付着して、不均一な被膜を形成するのを防
止するために、処理液の交換やロールの清掃とを再々要
し、かくして、生産性が損なわれる問題がある。

更に、モーター　トランス等の積層コアーの溶接時に悪
臭を生じ、作業環境を悪化させる問題もある。

（”しよ゛と　る 本発明は、従来の有機無機混合系絶縁被膜を有する電磁
鋼板の製造における上記したような問題を解決するため
になされたものであって、電磁鋼板の表面に絶縁被膜を
施す際の作業性及び得られた電磁鋼板のスリット加工時
の被膜密着性にすぐれると共に、積層コアーの溶接時に
臭気の少ない有機無機混合系絶縁被膜を形成し得る電磁
鋼板の製造のための処理液組成物を提供することを目的
とする。

ｍ　　るための 本発明による絶縁被膜を有する電磁鋼板の製造のための
処理液組成物は、クロム酸塩及び重クロム酸塩の少なく
とも１種と合成樹脂のエマルジョンとを含む絶縁被膜を
有する電磁鋼板の製造のための処理液組成物において、
上記合成樹脂がテレフタル酸系ポリエステル樹脂２０〜
５０重量％とアクリル系樹脂又はアクリル−スチレン系
共重合樹脂８０〜５０重量％とからなり、且つ、ガラス
転移点が２０〜５５℃であることを特徴とする。

本発明による絶縁被膜を有する電磁鋼板の製造のための
処理液組成物は、主成分として、クロム酸塩及び重クロ
ム酸塩の少なくとも１種を無機成分として含有し、マグ
ネシウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩等が好適に用いられ
る。しかし、無水クロム酸と、マグネシウム、カルシウ
ム、亜鉛等の酸化物又は水酸化物の混合物を用いること
もできる。

更に、本発明による処理液組成物は、有機成分として、
テレフタル酸系ポリエステル樹脂２０〜５０重量％とア
クリル系樹脂又はアクリル−スチレン系共重合樹脂８０
〜５０重量％とからなり、且つ、ガラス転移点が２０〜
５５℃である樹脂の混合物のエマルジョンを含有する。

樹脂混合物のガラス転移点が２０℃よりも低いときは、
例えば、夏期等において、作業雰囲気温度が２５℃を越
えるような場合に、コーターパン中の液表面及び泡部分
で水分が蒸発したときに、樹脂が濃化されて、被膜状物
又は塊状物を形成する。このような被膜状物又は塊状物
は、処理液を攪拌しても、容易には再溶解しないために
、前述したように、ロールコータ−のロールに付着堆積
したり、或いはロールを介して電磁鋼板の付着したりし
て、絶縁被膜を不均一にし、被膜の絶縁性能を著しく損
なう。

しかし、樹脂混合物のガラス転移点が５５℃を越えると
きは、得られる絶縁被膜が硬質となって、電磁鋼板のそ
の後のスリット加工やコアーへの打抜き加工において、
被膜の一部が剥離しやすく作業効率を阻害する。

また、本発明による処理液組成物において、上記樹脂混
合物中、テレフタル酸系ポリエステル樹脂が２０重量％
よりも少ないときは、溶接時の悪臭の発生を十分に低減
させることができず、他方、５０重量％を越えるときは
、処理液組成物の経時安定性が劣化する。

かかる合成樹脂エマルジョンを含む処理液組成物によれ
ば、上記したように、溶接時、悪臭が有効に低減され、
また、経時安定性がすぐれるのみならず、絶縁被膜にす
ぐれた打抜き性と耐食性を与える。この後者の観点から
は、エマルジョン中の樹脂含有量は１０〜５０重量％の
範囲が好適である。１０重量％よりも少ないときは、絶
縁被膜の打抜き性及び耐食性の改善の効果に乏しく、他
方、処理液に５０重量％を越えて過多に配合しても、上
記改善の効果が飽和するのみならず、コアーに打抜き、
歪取り焼鈍した後の被膜密着性を損なうので好ましくな
い。

更に、本発明においては、処理液組成物は、その塗布及
び焼付は時の焼付は時間を短縮するために、グリセリン
やポリエチレングリコール等の多価アルコール等の有機
還元剤を含有し、或いは得られる絶縁被膜の耐熱性を一
層向上させるために、ホウ酸、ホウ酸塩、ケイ酸ゾル、
アルミナゾル等を含有していてもよい。

上記した処理液組成物をロールコータ−や溝付きロール
等の適宜手段によって、電磁鋼板に塗布した後、例えば
、２５０〜５００”Ｃの温度で１０〜１８０秒程度焼付
け、乾燥被膜量を０．８〜５．０ｇ／ｒｒｌ程度とする
ことによって、高性能の絶縁被膜を有する電磁鋼板を得
ることができる。

光里Ω並来 以上のように、本発明の処理液組成物によれば、コータ
ーパンでの樹脂の被膜張りや塊状物の生成がなく、絶縁
被膜処理の効率を向上させることができる。また、得ら
れる絶縁被膜は、均一であり、且つ、スリット加工及び
打抜き加工において、被膜の剥離がなく、以後の作業効
率の向上にも寄与する。

更に、溶接時の悪臭の発生が著しく低減されるので、作
業環境を改善する。

１蓋■ 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れら実施例により何ら限定されるものではない。

尚、以下の実施例において、処理液組成物の性状の観察
は、次のようにして行なった。

の 実験用ロールコータ−（ロール径２２０閣、ロール長さ
６００閤、３０−ル型）を用い、板を通さずに連続運転
を行なって、液面の被膜発生を目視にて観察し、被膜発
生に至る時間でもって評価した。Ｏは３０時間以上、被
膜発生なし、Δは３〜３０時間で被膜発生、×は３時間
以内に被膜発生を示す。

娼１Ｊ匡Ｗ糺化 処理液を試験管中で放置し、ゲル化及び分離状況を目視
にて観察し、上記変化が生じるに至った時間で評価した
。○は４８時間以上、変化なし、△は７〜４８時間で変
化あり、×は７時間以内に変化ありを示す。

釡笈茸Ω皇久 ＴＩＧ溶荊時に発生する臭気によった。○は臭気なし、
Δは僅かに臭気あり、×は強い臭気ありを示す。

また、ロールコータ−による処理液の電磁鋼板への塗布
を連続して行なって、コーターパンでの樹脂被膜張りの
有無を観察すると共に、得られた有機無機混合系絶縁被
膜を有する電磁鋼板について、スリット加工性、打抜き
性及び溶剤時の臭気発生の有無を次のようにして調べた
。

スユヱ上放よ− 約１４トンのコイルを幅５６■にスリットしたときに用
いたフェルトへの被膜の付着量で判定した。Ｏは殆ど付
着なし、△は少量の付着が認められる、×は多量の付着
が認められる、を示す。

扛肱牲 １０■径スチールダイス（金型５ＫＤ−１１）にて、打
抜き油を用いて、電磁鋼板を打抜き速度３００枚／分で
連続打抜きし、かえり高さ５０μｍに達するまでの打抜
き枚数で示す。

実施例１〜４及び比較例１〜４ 重クロム酸マグネシウム１２０ｇ／ｆ、ホウ酸３０ｇ／
ｌ、グリセリン２０ｇ／ｊ！及び第１表に示す合成樹脂
エマルジョンを固形分として３０重量％含むように加え
て、処理液を調製した。

この処理液を電磁鋼板（板厚０．５閣、５０Ａ１０００
相当）の表面に溝付きロールを用いて乾燥被膜量１．３
〜１．５ｇ／ｎｆとなるように塗布し、３５０℃で６０
秒間焼付けて、絶縁被膜電磁鋼板を製造し、溶接試験に
供した。

上記処理液の性状及び溶接試験結果を第１表に示す。

次に、第２表に示す組成を有する処理液を電磁鋼板（板
厚０．５閣、板幅９１４閣、５０Ａ１０００相当）の表
面にロールコータ−を用いて乾燥被膜量１．３〜１．５
ｇ／ｒｒｆとなるように塗布し、３３０℃で６０秒間焼
付けて、絶縁被膜電磁鋼板を製造した。ロールコータ−
周辺の雰囲気温度は２６〜３２℃であった。

（以下、余白） 上記において、処理液の性状、得られた絶縁被膜電磁鋼
板のスリット加工性、打抜き加工性及び溶接時の臭気の
発生の有無を調べた。結果を第２表に示す。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）クロム酸塩及び重クロム酸塩の少なくとも１種と
   合成樹脂のエマルジョンとを含む絶縁被膜を有する電磁
   鋼板の製造のための処理液組成物において、上記合成樹
   脂がテレフタル酸系ポリエステル樹脂２０〜５０重量％
   とアクリル系樹脂又はアクリル−スチレン系共重合樹脂
   ８０〜５０重量％とからなり、且つ、ガラス転移点が２
   ０〜５５℃であることを特徴とする処理液組成物。
2. （２）合成樹脂のエマルジョンの合成樹脂含有量が１０
   〜５０重量％であることを特徴とする請求項第１項記載
   の絶縁被膜を有する処理液組成物。