JPH04141510A - 傾動式スキンマからの残湯抜方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は高炉等の溶解炉の出湯樋と下流側湯道との間に
介在し溶湯と溶滓とを分離する傾動式スキンマからの残
湯彼方法に関するものである。

〈従来の技術〉 スキンマを使用する代表的な溶解炉である高炉では、出
銑口よりタップされた溶銑は先づ固定して設置された出
湯樋に導かれ、機中に設けられたスキンマにより出湯樋
を同時に流れる溶銑表面の溶滓を除去した後、スキンマ
の仕切壁に設けた潜流口を通過して立上基の上流で一時
湯溜を形成するが、立上基をオーバフロして下流側湯道
を通った後、混銑車に流入し、製鋼工場に送られる。

このように通常、出湯樋にはスキンマの立上堰を連続し
て使用する場合、もしくは短時間の使用休止の場合には
、これらの残銑が次回にタップされた溶銑に混入され、
順次除去されるので問題はないが、長時間休止する場合
には溶銑の固化を防止するため出湯樋内の残銑を除去し
なければならない。

この作業を残銑抜きと称しているが、従来はこの残銑抜
きを行う場合、出湯樋内に残留する溶銑の凝固を防止す
るために出銑停止直後に、側壁または底壁に穿った排銑
口に施した耐火物栓を取りこわして残銑抜を行っていた
が耐火物栓の脱着に手間と時間がかかり出湯作業性を阻
害する原因にもなっていた。

ところで、スキンマは固定されている出湯樋や排滓樋と
直接接合されキャスタブル耐火材料を用いて目地止めさ
れている。従ってスキンマの取りかえの度に目地のやり
直しが必要となり、手間や時間がかかって、高炉の操業
に支障を与えるおそれがあった。

この種スキンマはほぼ半月毎に取替える必要があり、そ
の作業には順調なときでも３時間はどかかり、この間は
出湯不能なため炉況に与える悪影響がはなはだしいし、
しばしば目地スタンプや乾燥が粗漏になり勝で湯漏れつ
まり樋抜けを生じる原因になっていた。またこの取替に
当っては前述のようにしてスキンマ内の残銑を抜くため
に、耐火物材を取こわさなければならず、このとき残銑
の放出を伴うので極めて危険である。

スキンマの取替えに不可欠な残銑抜を容易にすると共に
スキンマの取替作業を迅速に行うことを目的としてたと
えば特開昭４８−６７１０３号公報には、予め内張り施
工によって溶湯潜流口、流出口、排滓口あるいは受湯部
などを備えたスキンマを用意しておいて、これを使用ず
みのスキンマと単に入れ替えるだけで直ちに出銑に供す
ることができる手段が開示されている。

前記公報に開示されている手段は第７図に示すようにス
キンマＡは仕切壁Ｂに溶湯潜流口Ｃおよびこれを通した
溶湯流出口りを有するほか溶湯潜流口Ｃに至る受湯部Ｅ
の側壁に排滓口Ｆを備えている。二〇受湯部Ｅの直上で
これとの間に適当な落差の下に高炉（図示せず）の出湯
樋Ｇが位置し、また溶湯流出口りの直下にも適当な落差
をおいて下流側湯道Ｈが位置するようにスキンマＡが配
置され、排滓口Ｆの直下には滓樋（図示せず）が配置さ
れている。

スキンマＡは変形軌道Ｉ上に転動する車輪Ｊによってス
ラスタにの往復運動に従い図示位置から下流側湯道Ｈに
向けて前傾し、また図示位置に復帰するようになってい
る。スキンマＡの取替えに際しては、まずスキンマＡを
前傾して残銑を払い出され、空になったスキンマＡは別
に用意した新品または再生スキンマと取替え、スラスタ
Ｋによフて図示位置に引戻すことによって次の出銑を待
機させる。

〈発明が解決しようとする課題〉 前記公報に示された従来技術によればスキンマの取替え
作業およびこれに先立つ残銑抜き作業が簡便に行うこと
ができるという効果が得られるけれども、残銑抜きに際
してスキンマ内に残留する溶銑上の大部分の溶滓が分離
されることなく残銑と共に下流側湯道Ｈに供給されてい
た。

このため、多量の溶滓が混銑車に流入し次工程の溶銑予
備処理作業や製鋼工場での精錬作業に悪影響を及ぼす等
の問題があった。

本発明は前記特開昭４８−６７１０３号公報に示された
従来技術を改良し、残銑抜きに際してスキンマの排滓口
から溶滓のみが迅速に排出され、溶湯流出口から流出す
る残銑に溶滓が混入するのを可及的に低減することがで
きる傾動式スキンマからの残湯彼方法を提供することを
目的とするものである。

〈課題を解決するための手段〉 前記目的を達成するための本発明は受湯部と溶湯流出口
とを備え、これらをその仕切壁に溶湯潜流口を設けて互
に連通させ、前記受湯部の側壁に排滓口を設けたスキン
マを、溶解炉の出湯樋と、下流側湯道との間にそれぞれ
落差をおき、かつ下流側湯道に向けて前傾可能に配置し
た傾動式スキンマからの残銑抜方法において、前記スキ
ンマを台車上で傾動駆動装置によって傾動速度を調節可
能に搭載すると共に、前記スキンマを前傾した２きに前
記受湯部の側壁に設けた排滓口の底面力怜湯の表面より
離れる側に切欠いた断面形状に形がし、前記スキンマを
前傾して残湯を抜取る際に、当該スキンマ内の残湯レベ
ルを測定しながら、痔記排滓口から溶滓だけが迅速に排
出されるように傾動駆動装置によってスキンマの傾動速
度を制役し、前記スキンマ内の残湯を溶湯潜流口に迅速
Ｒ通過させつつ溶湯流出口から排出することを特佇とす
るｆｌ［動式スキンマからの残湯後方法である。

〈実施例〉 以下、本発明の構成および作用を一実施例に遍いて詳細
に説明する。

第１図乃至第３図に示すように本発明に係る（り動式ス
キンマ１　（以下スキンマという）は受湯部２と溶湯流
出口３とを備え、これらをその仕切９４に溶湯潜流口５
を設けて互に連通させ、また賀湯部２の側壁に排滓口６
を設けである。そしてスキンマ１は高炉の出湯樋７と下
流側湯道８との間にそれぞれ落差をおいて配置されてい
る。

このような位ｌに配置されているスキンマ１は軌道９上
を転動する車輪１ｏによってスラスタ１１の往復運動に
従うで前後にシフトする台車１２上に設けられた軸受支
柱１３に軸１４を介して前部が支持されており、後部が
台車１２上に設けられた傾動用油圧シリンダ１５によっ
て支持されていて、傾動用油圧シリンダ１５を作動する
と、支持金工６上に後部を載せて水平状態を保っている
スキンマ１を第１図の鎖線で示すように軸１４を支点と
して任意の角度に傾動できるようになっている。

なお、第１図において１７は台車１２の前後シフト限に
設けられたストッパであり、第３図において１８はスキ
ンマ１から洩れる溶湯を受ける洩湯受柵を示す、第４図
はスキンマｌの前端部における溶湯流出口３．仕切壁４
および排滓口６の位置関係を示していると共に、受湯部
２の側壁に設けられた排藩口６は従来底面が水平で両側
壁が直角な角型形状であったのに対しスキンマロを前傾
したときに排滓口６の底面が残銑の表面より離れる側に
切欠いた断面形状になっていることを示している。

この場合、排滓口６の底面は水平面６ａと傾斜面６ｂと
で形成されていて、前傾したときに排滓口６の底面が残
銑の表面より離れる側に切欠いた傾斜面６ｂを有してい
る。なお、この切欠き形状は斜面に限定するものではな
く、円弧面９段付面など適宜形状にすることができ、要
するにスキンマ１を前傾したときに排滓口６の底面が残
銑の表面より離れる側に切欠いた形状であればよいので
ある。また受湯部２の側壁に設けた排滓口６の近傍にレ
ベルセンサ１９を設けてスキンマ１の受湯部２内におけ
る溶銑レベルを測定することができるようになっている
。

通常は、スキンマｌは第１図に実線で示すように水平状
態を保持していて、高炉（図示せず）がら排出される溶
銑は出湯樋７がらスキンマ１の受銑部２に流入し、仕切
壁４の溶湯潜流口５を通過した後、溶湯流出口３から下
流側湯道８に流下する。このとき第５図に示すように出
湯樋７がら溶銑２１と共に、受銑部２に流入する溶滓２
２は溶銑２１上に浮上して仕切壁４に堰止められて排滓
＃ｌＩ６がら主として水平底面６ａの部分を通過して滓
樋２゜に排出され、これによって溶滓２２を溶銑２１が
ら分離除去している。

次に、スキンマｌの長時間休止またはスキンマ取替のた
め残銑抜きを行う場合について説明すると、第１図にお
いてまず、スラスタ１１を作動してスキンマ１を前進さ
せ、スキンマｌの後端を出湯樋７の先端から遠ざけた後
、傾動用油圧シリンダ１６を作動してスキンマ１を軸１
４を支点として前傾を開始する。

第６図に示すようにスキンマ１の傾動により受湯部２内
の残銑２１′および残滓２２′は仕切壁４の方に移動し
て偏在することになるので受湯部２内の残銑２１′およ
び残滓２２′は共にその層厚が大きくなると共に排滓口
６も傾斜するが排滓口６の底面には傾斜面６ｂを形成し
て残銑２１’の表面がら離れ各側に切欠いであるので排
滓口６から残銑２１′が溢れる危険性が従来の角型排滓
口に比較して低減され、残滓２２′のみが迅速に排出さ
れる。結果的には排滓口６の切欠き高さ分権当残銑２１
′のへラドが高くなるので若干ではあるが仕切壁４の潅
流口５を通過する残銑２１′の流速も速くなり迅速な残
銑２１′の排出が可能になる。

なお、スキンマ１の前傾過程において、常に排滓口６近
傍の受湯部２内の残銑２１′の表面レベルがレベルセン
サ１９によって測定され、排滓口６から残銑２１′が溢
流しないで残滓２２′のみが迅速に排出されるように傾
動用油圧シリンダ１５の傾動速度が制御される。

なお、スキンマ１の傾動は前述のように傾動用油圧シリ
ンダ１５で行うのであるが、２０〜９０秒の間で選択出
来るようにしておけば充分であることを見出した。これ
は、樋の大きさが変化した場合も含め、潜流口５を溶湯
が抜ける速度以上に傾動速度を過大にしない範囲で、最
大限排滓させることを５且し１としているからである。

実際の操業では、浸漬型溶湯レベルセンサ１９で溶湯レ
ベルを連続的に検知しながら、傾動速度の制御を行って
いる。なお、第２図に傾動式スキンマ１の平面図を示す
が、排滓口６直下の滓樋２０の形状は、通常操業時から
スキンマ１を傾動させた状態までの排滓が無理なく受け
られるように余裕をもたせた形状としている。

スキンマｌの傾動駆動装置としては油圧シリンダに限定
するものではなく電動式のものなど傾動速度を制御でき
るものを適宜使用可能である。なお本発明は高炉だけで
はなく、他の還元炉、電炉などの溶解炉における各種溶
湯からの溶滓の分離にも応用可能であり、小型の溶解炉
では、溶解炉の出湯口から直接傾動式スキンマに溶湯を
流下させ、スキンマから直接下流側の受湯部に排出する
ようにすることもできる。

〈発明の効果〉 以上説明したように本発明によれば、スキンマからの残
湯抜きに際し、スキンマの受湯部に設けた排滓口に残湯
が混入することなく溶滓のみを確実に排出することがで
きると共に溶湯流出口から残湯を迅速に排出することが
できるので残湯抜き作業の能率向上が達成される。

また溶解炉の出湯樋および下流側湯道との間の接合が不
要となり、これに要した時間労力の節減はもとより、ス
キンマ取替のあと直ちに出湯作業に供することができる
等の効果が得られるのは云うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る傾動式スキンマを示す側面図、第
２図は第１図の平面図、第３図は第１図のＡ−Ａ矢視を
示す断面図、第４図は本発明に係る傾動式スキンマの先
端部を示す斜視図、第５図は本発明に係る傾動式スキン
マの水平状態における作用を示す説明図、第６図は本発
明に係る傾動式スキンマの前傾状態における作用を示す
説明図、第７図は従来例に係る傾動式スキンマを示す側
面図である。 １・・・スキンマ、 ３・・・溶湯流出口、 ５・・・溶湯潜流口、 ７・・・出湯樋、 ９・・・軌道、 ２・・・受湯部、 ４・・・仕切壁、 ６・・・排滓口、 ８・・・下流側湯道、 １０・・・車輪、 １１・・・スラスタ、 １３・・・軸受支柱、 １５・・・傾動用油圧シリ １６・・・支持台、 １８・・・注湯受樋、 ２０・・・滓樋、 ２２・・・溶滓。 １２・・・台車、 １４・・・軸、 ンダ、 １７・・・ストッパ、 １９・・・レベルセンサ、 ２１・・・溶銑、

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 受湯部と溶湯流出口とを備え、これらをその仕切壁に溶
   湯潜流口を設けて互に連通させ、前記受湯部の側壁に排
   滓口を設けたスキンマを、溶解炉の出湯樋と、下流側湯
   道との間にそれぞれ落差をおき、かつ下流側湯道に向け
   て前傾可能に配置した傾動式スキンマからの残銑抜方法
   において、前記スキンマを台車上で傾動駆動装置によっ
   て傾動速度を調節可能に搭載すると共に、前記スキンマ
   を前傾したときに前記受湯部の側壁に設けた排滓口の底
   面が残銑の表面より離れる側に切欠いた断面形状に形成
   し、前記スキンマを前傾して残湯を抜取る際に、当該ス
   キンマ内の残湯レベルを測定しながら前記排滓口から残
   湯が溢れないで溶滓だけが迅速に排出されるように傾動
   駆動装置によってスキンマの傾動速度を制御し、前記ス
   キンマ内の残湯を溶湯潜流口に迅速に通過させつつ溶湯
   流出口から排出することを特徴とする傾動式スキンマか
   らの残湯抜方法。