JPH0414001B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 原形輪郭は平面ないし曲面状で、全体として
足の形をしたプラスチツク発泡体の薄い板片１か
らなり、足との接触で徐々に変形して最終的には
足になじむ形状になる靴の中敷であつて、前記板
片１は前記中敷の変形を容易にさせる足のかかと
外周縁に沿う溝６を備えたことを特徴とする着脱
可能な靴の中敷。

２ 板片１は外縁に沿わない弓形溝７を備え、前
記弓形溝は足の土踏まずに相応する部分４と別の
部分３の二つの部分を区切ることを特徴とする請
求の範囲第１項記載の着脱可能な靴の中敷。

３ 板片は外縁に沿わない弓形溝８を備え、前記
弓形溝は足先の部分５を区切ることを特徴とする
請求の範囲第１項又は第２項記載の着脱可能な靴
の中敷。

４ 各部分３，４，５の密度はすべて異なること
を特徴とする請求の範囲第２項又は第３項記載の
着脱可能な靴の中敷。

５ 二つの部分３，４又は３，５の密度が等しい
ことを特徴とする請求の範囲第２項又は第３項記
載の着脱可能な靴の中敷。

６ 板片はプレスされたものであることを特徴と
する請求の範囲第１項ないし第５項のいずれか一
つに記載の着脱可能な靴の中敷。

７ 中敷は変形促進のために予熱されることを特
徴とする請求の範囲第１項ないし第３項のいずれ
か１項記載の着脱可能な靴の中敷。

８ 中敷の足と接する側は汗を吸収し臭を除去す
る物質の薄い層１１で被覆されたことを特徴とす
る請求の範囲第１項ないし第３項のいずれか１項
記載の着脱可能な靴の中敷。

明細書 本発明は平らなもしくは曲がつた原形を持ち、
足との接触によつて徐々にかつ永久的に変形して
最終的に足の輪郭となる着脱可能な靴の中敷に関
する。

靴の中敷は、その輪郭が足の形態学に基づいて
形づくられ、特にスキー靴や登山靴などのスポー
ツシユーズに使用されることはよく知られてい
る。これらの中敷は特に熱で変形しやすい材料か
ら製造されるが、比較的高価でかさ高な成形材料
を使うことが必要である。さらに、これらの中敷
は、非常に厚い上に、ひとたび靴の中に入れられ
ると、通常、靴と一体の構成になり取り外すこと
ができない。

このタイプの中敷を一般の靴にも使用できるよ
うにするためには、一方ではその厚さを大幅に減
らすことが必要であり、他方では取りはずし可能
にすることが必要である。といつて、季節ごとに
比較的小規模に購入され、たいてい何年も長持ち
するスポーツシユーズにおいて実施可能なこと
を、そのまま、比較的短期間使用される多くの一
般的な靴に実施することは到底不可能であつた。

本発明は原形輪郭が平らかもしくは曲がつてい
る取りはずし可能な中敷を靴に取りつけることに
より、先に挙げた問題を解決しようとするもので
る。この中敷は足裏全体の形をした発泡プラスチ
ツクの薄板片からなり、足との接触によつてしだ
いにかつ永久的に変形してゆき、最終的に足の輪
郭となる。この薄板片には少なくとも外縁の一部
に沿うと共にその内側にも延びる溝があり、この
溝は中敷の変形を容易にする。

その薄板片の好ましい実施態様には、外縁の線
に沿わない別の溝もあり、その溝は弓形で外縁に
始まつて外縁に終わる。

ある場合には、この溝は同一密度の部分と他の
相違する密度の部分との間の境界になる。

このようにして、相違する密度の部分は、たと
えば薄板片にかかる圧力が原因で生じる厚みの相
違する部分に都合よく適応する。

この実施態様の薄板片には二つの全く異なる部
分があり、弓形の溝で区切られている。一つは主
要な部分であり、他の一つは土踏まずの部分であ
り、両部分は同一もしくは相違する密度を有す
る。

この薄板片は三つの全く異つた部分、すなわ
ち、ほぼ中央の主要な部分と、他の二つの足の土
踏まずに相応する部分と外側のつま先に相応する
部分からなる。二つの部分の密度は中敷の残り部
分を形成する中央部分よりも大きい。しかし、中
央部分の密度とつま先部分の密度を同じにするこ
とも可能である。

中敷の外縁は面取りすることが好ましい。

異なる溝を設ける目的は、弱い線を入れて変形
をより容易にすると共に、変形中に中敷にしわが
よるのを防ぐことにある。

この中敷は変形可能な材料ならばどのようなも
のからでも製造されるが、ポリオレフイン発泡体
特に、閉じた気泡を持つポリオレフイン発泡体の
ように熱によつて変形する材料から製造されるこ
とが望ましい。この種の材料の例としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリ
イソブチレンがある。中敷を形成する薄板片の厚
みは、２ミリから５ミリが適当である。

中敷の原形輪郭は足のだいたいの形に前もつて
合う平面ないし曲面状に形成する。

中敷は靴の中にそのまま入れられ、足から生じ
た熱だけで形を変えて一定の形をとる。中敷が正
しくおかれて変形を確実に促進させるため、一般
的には、中敷を靴に入れる前にあらかじめ熱する
ことが好ましい。

中敷は靴の外で型に入れて足の大体の形に作ら
れる。中敷は、靴の中に入れたままにしてもよい
し、又、足と同様な輪郭に変形させた後に靴から
取り出してもよい。

本発明は実施例を示す図面によりよく理解され
よう。その実施例において、溝は中敷の靴側の下
面に設けられているが、溝を中敷の足側の上面の
同じ位置に設けることも可能である。

第１図は原形輪郭の中敷の底面図である。

第２図は、第１図の−線に沿う横断面図で
あり、第１図の−線に平行な中心に薄板片を
前方へ回転させた状態を示す。

第３図は足の輪郭になじんだ中敷の斜視図であ
る。

第４図は、第３図−線に沿う横断面図であ
る。

第１図は新しい中敷の底面を示すものであり、
まだ足の輪郭になじむ形になつていない。この中
敷は、ポリエチレンのような、プラスチツク発泡
体の板片１から作られる。この板片１は気孔２が
あけられ、厚みの相違する相異なる三つの部分
３，４，５からなる。部分４，５より厚みが薄
く、それゆえに密度がより大きい部分３は、足を
支える部分となる。それよりもわずかに厚みが大
きく、したがつてわずかに密度が小さい部分４
は、足裏に相応し、足の土踏まずの形に適合す
る。部分３より厚くそれゆえに密度がさらに小さ
い部分５は足先を、特に小さな足指を支える部分
となる。

単純化するために、部分４と部分５を同じ厚み
にして密度を等しくしてもよい。

又、別の例として、部分３，５を同じ厚みで同
じ密度にしてもよい。

さらに別の例として、図示していないが、中央
の部分３をかかとと同様にあまり厚くなくて密度
が大きな部分にしてもよい。この部分は、最大の
圧力を受けてかかとの支持と商標を印刷するのに
役立つ。

溝６は板片の後部の縁の部分に位置し、溝７，
８は、厚みの異なる部分３，４，５の間に配置さ
れる。絶対的に必要なものではないが、中敷の外
縁には面取り部９，１０が設けられる。

第２図の断面図において、すでに示した同じ要
素は同じ符号によつて示されている。この断面図
は第１図の−線に沿う中敷の断面であり、そ
れぞれの部分３，４，５は厚みが異なることを示
している。足に接触する中敷１の上側は上方向き
に曲がり、汗を吸収し、臭を防ぐ層１１で覆われ
ている。しかしながら、この薄い層は絶対的に必
要なものではない。

第３図は、中敷が靴をはいた人の足で変形した
あと、靴の中で呈する形状を示したものである。
ただし、明確にするため、中敷の汗を防ぐ層は省
略して示している。

このように変形させるために、第１図の中敷は
前もつて熱せられた後に、靴をはいて歩く人の靴
の中に入れる。中敷はその構成材料の性質によ
り、足と靴の輪郭になじんで変形する。さらに、
溝６，７，８は中敷の変形を著しく容易にし、面
取り部９，１０は靴のはき心地をよくする。いう
までもなく、この中敷は変形してもしわが全く生
じない。

溝の深さは板片１の厚さの15〜50％にするとよ
い。

第３図の−線に沿う断面図である第４図
は、変形後の中敷の横断面の輪郭を示すものであ
る。

図示していないが、別の例においては、中敷の
原形輪郭を型成形で足の形に作り、それを靴の中
に入れている。