JPH04138020U - バケツトエレベータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 チェンが伸びても、バケットの先端が底板に
接触して摩耗したり破損したりすることのないバケット
エレベータを提供すること。 【構成】 下部鎖車３と底板７とを枠体を介して一体的
に上下動可能とし、この枠体を油圧シリンダー９等の加
圧手段を介して常時下方に加圧せしめたことにより、チ
ェン５が伸びても常時適正な張力をチェン５に与えると
ともに、バケット４の先端と底板７との接触をなくして
その摩耗や破損を防いだ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、穀類等のばら物あるいはセメント等の粉粒体（以下運搬物という） を、下方から上方に移送するために使用されるバケットエレベータに関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

バケットエレベータは図２にその概略を示すように、ケーシング１内の上方に 上部鎖車２を設けるとともに、下方に下部鎖車３を設け、複数個のバケット４を 適当間隔で装着したチェン５を、前記上部鎖車２と下部鎖車３とに懸張し、駆動 装置（図示せず）を介して回動する上部鎖車２によってチェン５をＡ矢印方向に 循環せしめ、バケット４内に下部の投入シュート６から投入された運搬物を収容 して上方に運び上げ、排出シュート７からケーシング１外に排出するようになっ ているものである。

【０００３】 しかして、バケット４を装着して循環するチェン５はバケットエレベータの稼 動により伸びが生ずるので、従来はケーシング１の上方にテークアップ（図示せ ず）を設け、伸びを吸収してチェン５の張力を調整していた。

【０００４】 しかしながら，揚程が数１０ｍにも達する高揚程のバケットエレベータでは、 チェン５の伸びの総量が大となってケーシング１の上方に設けたテークアップで は吸収しきれず、下部鎖車３との正規の噛み合い位置よりも下方にチェン５が垂 れ下がって循環する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

チェン５が伸びのために下部鎖車３の下方に垂れ下がって循環するようになる と、このチェン５に装着されたバケット４の先端が、投入された運搬物をバケッ ト４内に収容し易くするためにケーシング１の底面近傍に設けた底板７に接触し 、バケット４の先端を摩耗したりバケット４全体を破損したりするという問題が ある。 本考案は上記問題のない下部構造を有するバケットエレベータを提供し、その 稼動率を向上することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するためになされたものであり、その構成は、ケーシ ング内の上方と下方とに設けた上部鎖車と下部鎖車とに、複数個のバケットを適 宜の間隔をおいて装着したチェンを懸張し、駆動装置を介して回動する上部鎖車 によって前記チェンを循環せしめ、前記バケット内に収容した運搬物を下方から 上方に移送するバケットエレベータにおいて、前記下部鎖車と、該下部鎖車の下 方に設けた底板とを、枠体を介して一体的に上下動可能とし、該枠体を加圧手段 を介して常時下方に加圧せしめたことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

下部鎖車とその下方に設けた底板とを、枠体を介して一体的に上下動ができる ようにするとともに、例えば油圧シリンダー、スプリング、重錘等の加圧手段に より常に下方に加圧しておくことにより、チェンが伸びると下部鎖車が自動的に 下降してチェンの張力を常時適正に保つとともに、底板も下部鎖車の下降に伴っ て一体となって下降し、常時下部鎖車と一定の間隔を保持する。 従ってチェンが伸びてもチェンに装着されたバケットの先端が底板に接触して 摩耗したり破損したりすることはなく、バケットエレベータの稼動率を向上しう るものである。

【０００８】

【実施例】

以下図１により本考案の一実施例を説明する。 図１はバケットエレベータ下部の側面図である。 図において、枠体８には下部鎖車３が軸支されるとともに、その下方に適当間 隔をおいて底板７が取り付けられており、下部鎖車３と底板７とは、枠体８がケ ーシング１の横桟１ａに取り付けられた油圧シリンダー９の伸縮により、枠体８ のガイドレール８ａとケーシング１に設けられたガイドローラ１ｂとにガイドさ れて上下動するのに伴い、ケーシング１の内部で一体的に上下動する。

【０００９】 すなわち、下部鎖車３の軸３ａはケーシング１の長孔１ｃを貫通して長孔１ｃ 内を上下動する。勿論、この長孔１ｃには運搬物や塵埃が外部に飛散しないよう な閉鎖手段が施されている。 また、底板７は下部近傍が下部鎖車３と同心の円弧状に弯曲し、投入シュート ６から投入されたばら物等の運搬物を、チェン５に装着されて下部鎖車３を回動 するバケット４により掬い取り易くなっている。そしてこの底板７は例えばケー シング１内にて下部鎖車３の軸３ａに保持部材（図示せず）によって装着保持さ れ、前記のように枠体８の上下動により下部鎖車３と一体的に上下動する。

【００１０】 上記の構造において、伸びのない新しいチェン５を上部鎖車２（図１には現わ れていない）と下部鎖車３とに懸張するときは、油圧シリンダー９を縮めて枠体 ８を上昇させる。すなわち下部鎖車３と底板７とを枠体８とともに上昇させる。 しかる後油圧シリンダー９を伸張させて枠体８を下方に加圧して軸支した下部鎖 車３を介してチェン５に適正な張力を与え、以後枠体８を油圧シリンダー９によ り常時下方に加圧してチェン５の張力を適正に保つ。

【００１１】 バケットエレベータの稼動によりチェン５が伸びると、油圧シリンダ９による 加圧力により枠体８すなわち下部鎖車３が下降し、チェン５の張力を自動的に常 時適正な値に保つ。

【００１２】 上記のようにして下部鎖車３が下降すると底板７も一体となって下降し、下部 鎖車３の外周との間が常に一定の間隔に保たれる。 すなわち、下部鎖車３に懸張したチェン５に装着されたバケット４の先端と底 板７との間隔も常に一定に保たれるので、チェン５が伸びてもバケット４の先端 が底板７に接触して摩耗したり破損したりするようなことはない。

【００１３】

【考案の効果】

上述のように本考案によると、チェンの伸びに従って下部鎖車と底板とが下降 し、チェンの張力を常時一定に保つとともに下部鎖車と底板との間隔も常に一定 に保つので、チェンが伸びてもバケットと底板とが接触して互いに摩耗したり破 損したりするようなことはなく、バケットエレベータの保守管理が容易であり、 その稼動率を向上することができる等の効果を奏するものである。 なお、上記実施例における油圧シリンダーの代わりに、スプリング、重錘等他 の加圧手段を用いることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すバケットエレベータ下
部の側面図である。

【図２】バケットエレベータの概略を示す側面断面図で
ある。

【符号の説明】

１ ケーシング ２ 上部鎖車 ３ 下部鎖車 ４ バケット ５ チェン ６ 投入シュート ７ 底板 ８ 枠体 ９ 油圧シリンダー（加圧手段）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシング内の上方と下方とに設けた上
   部鎖車と下部鎖車とに、複数個のバケットを適宜の間隔
   をおいて装着したチェンを懸張し、駆動装置を介して回
   動する上部鎖車によって前記チェンを循環せしめ、前記
   バケット内に収容した運搬物を下方から上方に移送する
   バケットエレベータにおいて、前記下部鎖車と、該下部
   鎖車の下方に設けた底板とを、枠体を介して一体的に上
   下動可能とし、該枠体を加圧手段を介して常時下方に加
   圧せしめたことを特徴とするバケットエレベータ。