JPH04137330U - 液晶パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶パネル自体に発生する静電気によりパネ
ルが高電圧に帯電し、それが放電することにより発生す
る各種の不良を防止する。 【構成】 液晶パネル内に駆動用電極３とは別に静電気
の除電用電極７を設けた構造とする。そして静電気の影
響を受けやすい工程では、液晶パネルが高電圧に帯電し
ないようにこの除電用電極を接地しておく。 【効果】 高電圧に帯電した液晶パネルからの急激な放
電によるＩＣ破壊や表示不良の発生を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は画像表示装置、コンピュータ端末、光学シャッター等に利用される液 晶パネルの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

時計や電卓などの表示用として登場した液晶パネルは画質の向上と大型化に伴 い、最近ではコンピュ−タ端末や光シャッタ−など表示以外の用途も含めた広い 分野で電気光学装置として使われるようになってきた。液晶パネルは駆動用電極 を通して特定部分の液晶に電圧を印加してその部分を通過する光を制御すること により、電気信号を光信号に変換する電気光学素子である。

【０００３】 従来の液晶パネルの構造を図２を使って説明する。図２（ａ）（ｂ）は従来の 代表的な液晶パネルであり、（ａ）は平面図、（ｂ）は断面図である。図２（ａ ）（ｂ）において、１は上基板、２は下基板、３は駆動用電極、４は液晶、５は 接着剤、６は偏光板である。上基板１の駆動用電極３は縦方向に、下基板２の駆 動用電極３は横方向に形成されており、これらの電極が交差する部分が画素部と なる。図２の液晶パネルを駆動回路と接続し、駆動用電極３に電圧を印加して画 素部の液晶を動かすことにより表示等の動作を行うことができる。

【０００４】 次に図２の液晶パネルの一般的な製造工程の概要を以下に述べる。 （１）ガラス基板上に形成されたＩＴＯ膜をパターニングして駆動用電極３を形 成する。 （２）駆動用電極３が形成された面に液晶配向用の有機膜を印刷焼成により形成 する。 （３）有機膜の表面を配向処理する。 （４）配向処理をした２枚のガラス基板１，２を一定の間隔をあけて対向させ接 着剤５で貼り合わせる。 （５）ガラス基板を所定のパネル形状に切断分離する。 （６）パネルに液晶４を封入する。 （７）上下基板１，２の表面に偏光板６を貼り付ける。

【０００５】 以上のような工程で図２の液晶パネルが完成する。実際にはこの後駆動用の回 路と接続して電気光学装置として使用される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

従来の液晶パネルで問題となるのは、パネル自体に発生する静電気の影響であ る。液晶パネルを構成する基板は一般にガラスでできているため非常に静電気に よる帯電が起こりやすい。高電圧に帯電した液晶パネルから急激に電荷が抜ける と様々な悪影響があるが、特に問題となるのは駆動回路との接続を行う工程にお ける放電である。この工程において帯電したパネルの電荷が特定の駆動用電極を 通して急激に除電されると、その駆動用電極に接続されているＩＣが衝撃により 破壊する。またパネル内のその駆動用電極上にある液晶の配列が変化して、その 部分だけ電気的性質が変わってしまい表示不良となる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の問題点を解決するために成されたものであり、駆動用電極の他 に静電気の除電用電極を形成しておくことにより液晶パネルに発生する静電気の 影響を防止する。

【０００８】

【作用】

駆動用電極とは別に静電気の除電用電極を設けておき、駆動回路接続など静電 気の影響を受けやすい工程中はこの除電用電極を接地しておく。こうすればパネ ル基板に発生する静電気は大半がこの除電用電極を通じて除電されてしまうので 、液晶パネルが高電圧に帯電することはない。

【０００９】

【実施例】 以下実施例により本考案を詳述する。 図１（ａ）（ｂ）は本考案の液晶パネルを示す図であり、（ａ）は平面図、（ ｂ）は断面図である。図１（ａ）（ｂ）において１は上基板、２は下基板、３は 駆動用電極、４は液晶、５は接着剤、６は偏光板、７は除電用電極である。下基 板２に除電用電極７が形成されている以外は図２の従来の液晶パネルの構造と全 く同じである。

【００１０】 除電用電極７の働きについて少し詳しく説明する。除電用電極７は駆動用電極 ３や基板１，２の表面とは数メガオーム以上の絶縁抵抗があり電気的に接続され ていないように見える。ところが静電気のように高い電圧で瞬間的に電流が流れ る場合にはこれらの抵抗値なら充分に導電性があることになる。従って例えば、 駆動回路接続工程のハンドリングや偏光板６の保護紙の剥離等でパネルを構成す るガラス基板は静電気により容易に帯電するが、この時除電用電極７が接地され ていると電荷は発生と同時に除電用電極７から徐々に抜けてしまう。すなわちパ ネル全体の電位は除電用電極７がない場合に比べて格段に低くなるので、特定の 駆動電極３から放電してＩＣを破壊したり表示不良を起こしたりすることが防止 できる。

【００１１】 しかも除電用電極７は駆動用電極３を形成する工程で同時に形成することがで きるので、製造工程が複雑になることもない。本実施例の液晶パネルの構造を採 用したところ、静電気によるＩＣの破壊や表示不良は全く発生せず製造部留まり が飛躍的に向上した。 尚、本実施例では下基板に除電用電極を設置した場合について説明したが、下 基板ではなく上基板あるいは上下両側に形成しても全く同様の効果が得られるこ とは言うまでもない。またある程度の面積があれば形状にも制限はない。各々の 製造工程を考慮して液晶パネルの接地がしやすい部分に除電用電極を設ければよ い。

【００１２】

【考案の効果】 以上説明したように、本考案を採用することにより、液晶パネル自体に発生す る静電気の放電によるＩＣの破壊や表示不良を簡単に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本考案の液晶パネルの平面図である。 （ｂ）は本考案の液晶パネルの断面図である。

【図２】（ａ）は従来の液晶パネルの平面図である。 （ｂ）は従来の液晶パネルの断面図である。

【符号の説明】

１ 上基板 ２ 下基板 ３ 駆動用電極 ４ 液晶 ５ 接着剤 ６ 偏光板 ７ 除電用電極

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面に駆動用電極が形成された一対の基
   板間に液晶が封入されている液晶パネルにおいて、前記
   駆動用電極の他に静電気を除電するための除電用電極が
   形成されていること特徴とする液晶パネル。