JPH04135964U - 紡糸口金 - Google Patents

紡糸口金

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JPH04135964U
JPH04135964U JP3998691U JP3998691U JPH04135964U JP H04135964 U JPH04135964 U JP H04135964U JP 3998691 U JP3998691 U JP 3998691U JP 3998691 U JP3998691 U JP 3998691U JP H04135964 U JPH04135964 U JP H04135964U
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巧一 貴島
外美 石坂
忍 上ノ町
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京セラ株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【構成】口金本体2の取付孔2aにノズルピース1を挿
入、固定してなり、使用温度における、紡出孔1b側の
ノズルピース1の下面1cと口金本体2の下面2bとの
段差d’が−10〜0μmとなるように、熱膨張率の異
なる材質で上記ノズルピース1と口金本体2の各々を構
成する。 【効果】使用時にノズルピース1が突出しないため、清
掃作業がスムースにでき、かつ口金本体2との段差d’
が小さいため付着物の除去を確実に行える。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は合成繊維の紡糸に使用する紡糸口金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成繊維の紡糸に使用する紡糸口金は、図3に示すように円板状の口金本体1 0に、多数の導入孔11およびこれに連通する紡出孔12を形成してなるもので あり、例えば溶融紡糸の場合は、溶融原液を紡出孔12から紡出させることによ って、所定の形状、太さの合成繊維を得るようになっていた。また、使用中に紡 出孔12側の下面13に溶融原液の炭化物などが付着して糸切れの原因となるた め、ヘラ状の治具を用いて、随時下面13の付着物を削ぎ落とす清掃作業を行っ ていた。
【0003】 上記口金本体10の材質としては、ステンレス鋼などの金属材、あるいはセラ ミックス、サーメット、超硬合金などが用いられていた。また、図4に示すよう に導入孔11、紡出孔12の近傍のみをセラミックス、サーメット、超硬合金な どのノズルピース14とし、このノズルピース14を金属製の口金本体10に取 り付ける構造のものもあった(特開昭58−76512号公報参照)。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、図3に示すようにステンレス鋼などの金属材で一体的に形成した紡 糸口金10は、溶融原液の炭化物が付着しやすく、短期間で清掃作業が必要であ り、また耐磨耗性が低いため寿命が短いという問題点があった。また、セラミッ クス、サーメット、超硬合金などの硬質材で一体的に形成した紡糸口金は、多数 の紡出孔12を精度よく形成することが困難であり、製造上の歩留りが非常に悪 く、コストも高いものであった。
【0005】 したがって、図4に示すようにセラミックス、サーメット、超硬合金などから なるノズルピース14を、金属製の口金本体10に取り付けた構造のものが、多 数の紡出孔12を精度よく形成することができ、製造上の歩留りもよく、コスト の低い紡糸口金を得ることができた。しかし、この場合は、口金本体10よりも ノズルピース14の方が熱膨張率が小さいため、高温での使用時に、ノズルピー ス14の紡出孔12側下面14aが、口金本体10の下面13よりも窪んだ状態 となってしまい、溶融原液の炭化物の清掃作業を行う際に、ノズルピース14の 下面14aに付着した炭化物を除去できないという問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記に鑑みて本考案は、口金本体の取付孔にノズルピースを挿入、結合して紡 糸口金を構成するとともに、使用温度における、紡出孔側のノズルピース下面と 口金本体下面との段差が−10〜0μmとなるように、熱膨張率の異なる材質で 上記ノズルピースと口金本体の各々を構成したものである。なお、本考案におけ る段差とは、口金本体下面に対するノズルピース下面の段差のことであり、段差 が負の値の場合は、ノズルピース下面が窪んだ状態であることを表す。
【0007】
【実施例】
以下、本考案実施例を図によって説明する。
【0008】 図1(A)に示す紡糸口金は、サーメットからなるノズルピース1を、ステン レスからなる口金本体2に形成した取付孔2a内に配置して結合したものである 。また、このノズルピース1は、導入孔1aと紡出孔1bを有し、段部1dによ って抜けを防止している。さらに、導入孔1a側において、ノズルピース1と口 金本体2の間に、銅などの軟質材からなる金属リング4、およびステンレスなど の硬質材からなる金属リング3を圧入して、ノズルピース1と口金本体2を結合 してある。このように、金属リング3、4を圧入してあることにより、軟質材か らなる金属リング4がノズルピース1と口金本体2の間隙に密着するため、耐シ ール性に優れており、しかも製造が極めて容易である。
【0009】 また、この紡糸口金は、図1(A)に常温状態を示すように、紡出孔1b側に おいて、ノズルピース1の下面1cが口金本体2の下面2bよりも突出し、高さ dの段差を形成してある。したがって、使用時に300℃程度の高温になった場 合、サーメットからなるノズルピース1よりも、金属からなる口金本体2の方が 大きく熱膨張し、結果的に図1(B)に示すように、ノズルピース1の下面1b が微小な段差d’で窪んだ状態となる。そのため、清掃作業時に溶融原液の炭化 物を完全に除去することができる。
【0010】 次に、本考案の他の実施例を説明する。
【0011】 図2(A)に示す紡糸口金は、上記実施例と同様に、コバールからなる口金本 体2の取付孔2aに、サーメットからなり段部のないノズルピース1を挿入し、導 入孔1a側において、両者の間を銀ロウなどのロウ材5によってロウ付けしてい る。この場合も、ロウ材5はノズルピース1と口金本体2の間隙に密着するため 、耐シール性に優れた結合構造とできる。
【0012】 また、この実施例では、サーメットからなるノズルピース1よりも、コバール からなる口金本体2の方が熱膨張率が小さいため、高温での使用時にノズルピー ス1側が大きく膨張する。そのため上記実施例とは逆に、図2(A)に常温状態 を示すように、紡出孔1b側において、ノズルピース1の下面1cを口金本体2 の下面2bよりも窪んだ状態とし、両者の間には高さdの段差を形成してある。 したがって、図2(B)に示すように、使用時に高温となった場合に、両者の段 差d’は極めて小さくなり、清掃作業が容易となる。
【0013】 また、上記実施例ではノズルピース1の材質は、サーメットを用いたものを示 したが、この他にアルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素などのセラミック ス、あるいは超硬合金などを用いることができる。なお、上記サーメットとは、 4a、5a族の遷移金属の炭化物、窒化物あるいは炭窒化物(TiC、TiN、 TiCN、NbC、TaC等)が50重量%以上と、鉄族金属(Fe、Ni、C o)により構成される、導電性を有する耐熱性焼結体である。
【0014】 また、口金本体2としては、ステンレス、コバール、42Ni合金、インコロ イ等の金属を用いる。
【0015】 さらに、ノズルピース1と口金本体2との結合構造は、上記実施例に限らず、 金属リングとロウ付けの併用など、さまざまなものとできる。また、ノズルピー ス1の下面1cと、口金本体2の下面2bとの段差dについては、ノズルピース 1と口金本体2との熱膨張率の差、使用温度、製品の寸法に応じて適宜設定すれ ばよい。なお、図1、図2には1個のノズルピース1のみしか示していないが、 実際には一つの口金本体2には多数のノズルピース1が結合されている。
【0016】実験例1 図1に示す紡糸口金として、以下のものを試作した。
【0017】 ノズルピース1として、直径6mm、長さ20mm、段差1cの高さ3mmで、Ti C、TiNを主成分とするサーメットを用い、口金本体2としてステンレス(S US630)を用いた。また、42Ni合金からなる金属リング3、銅からなる 金属リング4を用いて両者を結合した。さらに、常温でのノズルピース1の下面 1cの段差dは、15±5μmとして、本考案の紡糸口金を構成した。
【0018】 このような本考案の紡糸口金の製造方法は以下の通りである。まず、口金本体 2にノズルピース1を挿入した後、銅からなる金属リング4を圧入するが、この 時点では紡出孔1b側には段差は形成しない。その後、紡出孔1b側に15μm の段差を持った治具をセットした状態で、42Ni合金からなる金属リング3を 圧入することによって、15±5μmの段差dを設けることができる。あるいは 、銅からなる金属リング4の圧入時から、上記治具をセットしておいてもよい。
【0019】 これに対し、比較例として、常温での段差dを変化させたものを用意した。こ れらの本考案実施例、比較例について、それぞれ34個のノズルピースを有する 紡糸口金を試作し、これらの紡糸口金を用いて、280℃で溶融紡糸を行い、こ の温度でのノズルピース1の下面1cと口金本体2の下面2bとの段差d’を調 べ、同時に清掃作業性を比較した。
【0020】 結果は表1に示すように、比較例1、2では段差d’が−23〜−10μmと ノズルピース1の下面1cが大きく窪んでしまったため、清掃時にノズル部の付 着物除去が不十分であった。また、比較例3では段差d’が0〜5μmとノズル ピース1の下面1cが突出した状態となったため、清掃作業性が悪かった。これ らに対し、本考案実施例では段差d’は−6〜0μmと小さいことから、ノズル 部の付着物を除去することができ、清掃作業性もすぐれていた。
【0021】 この実験結果より明らかに、本考案の紡糸口金においては、使用温度における ノズルピース1の下面1cと口金本体2の下面2bとの段差d’が重要であり、 このd’が0より大きいと、ノズルピース1が突出していることになり、清掃作 業をスムースに行うことができない。一方、段差d’が−10μmより小さいと 、ノズルピース1の窪みが大きすぎて、清掃時に付着物を完全に取れなくなって しまう。したがって、使用温度における段差d’が−10〜0μmとなるように したものが良かった。
【0022】
【表1】
【0023】実験例2 次に、ノズルピース1と口金本体2の材質をさまざまに変化させて、実験例1 と同様の実験を行った。結果は表2に示す通りである。この表に示すように、ノ ズルピース1と口金本体2の材質が異なれば、段差dの最適値も異なり、この値 は熱膨張差、使用温度、製品寸法を基にして計算により求めることができる。
【0024】
【表2】
【0025】
【考案の効果】
このように、本考案によれば、口金本体の取付孔にノズルピースを挿入、結合 して紡糸口金を構成するとともに、使用温度における、紡出孔側のノズルピース 下面と口金本体下面との段差が−10〜0μmとなるように、熱膨張率の異なる 材質で上記ノズルピースと口金本体の各々を構成したことによって、使用時にノ ズルピースが突出しないため清掃作業をスムースに行うことができ、しかもノズ ルピースの窪みが小さいためノズル部の付着物の除去を容易にかつ確実に行うこ とができる。
【0026】 また、本考案によれば、紡出孔がセラミックス、サーメット、超硬合金からな るため、溶融原液の炭化物の付着や磨耗が少なく長寿命とできる。さらに、ノズ ルピースを取り付ける構造であるため、製造時の歩留りが良く、コストも低いな ど多くの特徴をもった紡糸口金を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の紡糸口金を示しており、(A)
は常温、(B)は使用温度での部分断面図である。
【図2】本考案の他の実施例を示しており、(A)は常
温、(B)は使用温度での部分断面図である。
【図3】従来の紡糸口金を示す一部破断側面図である。
【図4】従来の紡糸口金を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・ノズルピース 1a・・・導入孔 1b・・・紡出孔 1c・・・下面 2 ・・・口金本体 2a・・・取付孔 2b・・・下面 3 ・・・金属リング 4 ・・・金属リング 5 ・・・ロウ材

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】口金本体の取付孔にノズルピースを挿入、
    固定してなる紡糸口金において、使用温度における、紡
    出孔側のノズルピース下面と口金本体下面との段差が−
    10〜0μmとなるように、熱膨張率の異なる材質で上
    記ノズルピースと口金本体の各々を構成したことを特徴
    とする紡糸口金。
JP1991039986U 1991-05-30 1991-05-30 紡糸口金 Expired - Lifetime JP2568113Y2 (ja)

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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5876512A (ja) * 1981-09-29 1983-05-09 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 紡糸口金
JPS5876514A (ja) * 1981-10-19 1983-05-09 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk 紡糸口金
JPS6257905A (ja) * 1985-08-02 1987-03-13 Asahi Chem Ind Co Ltd 紡糸口金

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