JPH04135007U

JPH04135007U - マイクロストリツプアンテナ

Info

Publication number: JPH04135007U
Application number: JP4265791U
Authority: JP
Inventors: 成彦番場; 一也川端
Original assignee: 株式会社村田製作所
Priority date: 1991-06-07
Filing date: 1991-06-07
Publication date: 1992-12-16

Abstract

(57)【要約】【目的】フィルタ効果を有する小型のアンテナを提供
する。【構成】底面が接地導体１２で覆われた誘電体基板１
１の表面に共振周波数の互いに異なる複数の帯状の放射
導体１３を相互に結合させて設け、少なくとも２個の放
射導体１３に独立に給電した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、底面が接地導体で覆われた誘電体基板の表面に放射導体を設けてなるマイクロストリップアンテナに係り、特に放射導体の構成に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば携帯用電話等の移動通信用無線機のアンテナとして、無線機本体からアンテナ素子が突出することのない平面的なアンテナが提案されている。

【０００３】例えば特開平１−２２８３０３号公報には、無線機の筐体を接地導体とし、該筐体の適所に側壁と所定寸法だけ離して放射導体が平行に配設されるとともに、該放射導体の一隅部が前記筐体に短絡された、いわゆる逆Ｆ形アンテナが示されている。

【０００４】図７は、上記逆Ｆ形アンテナの基本構成を示す斜視図である。逆Ｆ形アンテナ３は、接地導体３３と、該接地導体３３上面から所定寸法ｈだけ離して平行に配設された方形の放射導体３１と、該放射導体３１の一隅部を前記接地導体３３に短絡する短絡導体３２とから構成され、同軸の給電線２により前記放射導体３１面内の適所に設けられた給電点Ｐに接地導体３３側から給電されるようになっている。また、前記給電線２の給電端近傍には所望の帯域幅特性を得るための帯域フィルタ４が設けられている。なお、３４は、前記放射導体３１を支持するスペーサである。

【０００５】この逆Ｆ形アンテナ３は、放射導体３１の寸法により共振周波数ｆ₀が決定され、前記寸法ｈに比例して帯域幅Δｆが広くなる特徴を有している。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】上記従来の逆Ｆ形アンテナ３は、放射導体３１と前記接地導体３３間に誘電体を充填することにより放射導体３３の寸法を小さくすることは可能であるが、接地導体３３上面からの放射導体３１の高さｈを低くすると帯域幅Δｆが狭くなるので、所望の帯域幅Δｆを確保しつつアンテナ３の小型化を図るには一定の限界がある。

【０００７】また、アンテナ３単体の帯域幅Δｆを広くすると、帯域幅Δｆの両端周波数における減衰特性が悪化するので、この減衰特性を改善するために前記帯域フィルタ４の構成部材が増加し、大型化する欠点がある。

【０００８】本考案は、上記課題に鑑みてなされたものであり、小型でフィルタ効果を有するマイクロストリップアンテナを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案は、底面が接地導体で覆われた誘電体基板の表面に共振周波数の互いに異なる複数の帯状の放射導体を相互に結合させて設け、少なくとも２個の放射導体に独立に給電したものである。

【００１０】

【作用】

本考案によれば、誘電体基板の表面に並列に設けられた複数の放射導体（ストリップアンテナ）を相互に結合させて１つのマイクロストリップアンテナが構成される。各放射導体は、導体寸法で定まる固有の共振周波数を有し、各共振周波数は互いに異なっている。

【００１１】そして、少なくとも２個のストリップアンテナに給電することにより各放射導体の共振周波数特性がスタガ状に合成され、帯域幅を狭くすることなくアンテナの小型化が可能になる。

【００１２】また、狭帯域のフィルタ効果を有する各放射導体の共振周波数特性が合成されることにより全帯域両端の周波数においても、このフィルタ効果が現われる。

【００１３】

【実施例】

図１は、本考案に係るマイクロストリップアンテナの一実施例の構造を示す斜視図である。

【００１４】マイクロストリップアンテナ１は、底面全体が接地導体１２で覆われた、一辺が２波長以下の矩形の誘電体基板１１の表面に複数の帯状の放射導体１３がギャップ１４（間隔ｄ）を設けて並列に形成された構造をなし、各放射導体１３ａ〜１３ｄは給電線２により誘電体基板１１の底面側からそれぞれ給電点Ｐに給電されるようになっている。また、前記給電線２は、不図示の信号合成手段に接続され、前記各放射導体１３ａ〜１３ｄで受信された信号は、該信号合成手段で合成されて不図示の受信装置に入力されるようになっている。

【００１５】なお、給電点Ｐは、放射特性や入力インピーダンス等の諸特性から各放射導体１３の一方端に近接した適宜の位置に設定される。また、給電は、後述するように少なくとも２個の放射導体１３に給電し、他の放射導体１３は、前記ギャップ１４により形成された結合容量を介して励振させるようにしてもよい。

【００１６】前記各放射導体１３ａ〜１３ｄは、それぞれ互いに異なる共振周波数ｆ１〜ｆ４（ｆ１＜ｆ２＜ｆ３＜ｆ４）を有する１／２波長の両端開放のストリップラインからなるアンテナ素子であって、いずれも略同一の幅ｗを有している。一方、各放射導体１３ａ〜１３ｄの長手方向の寸法Ｌは、誘電体基板１１内における共振周波数の波長λｇ（≒λ₀／√ε、λ₀；空気中の波長，ε；誘電体基板１１の比誘電率）の略１／２若しくは１／２よりも短く設定されており、同図においては放射導体１３ａから放射導体１３ｄの順に短くなっている。

【００１７】また、前記ギャップ１４の間隔ｄは、隣合う放射導体１３が適度に疎の結合容量で結合されるように設定され、各ストリップアンテナ１３ａ〜１３ｄの共振周波数がスタガ状に重畳されるようになっている。すなわち、図２に示すように各ストリップアンテナ１３ａ〜１３ｄは、それぞれ中心周波数ｆ１〜ｆ４、帯域幅 Δｆ１〜Δｆ４の共振周波数特性を有し、これら共振周波数特性がスタガ状に重畳されて中心周波数Ｆ₀（≒（ｆ１＋ｆ２＋ｆ３＋ｆ４）／４）、帯域幅ΔＦ（ ≒Δｆ１＋Δｆ２＋Δｆ３＋Δｆ４）のマイクロストリップアンテナ１の共振周波数特性が生成されるようになっている。

【００１８】上記のように本考案は、１枚の誘電体基板１１上に略１／２波長の両端開放のストリップラインからなるストリップアンテナ１３を複数個、並列に配設し、各ストリップアンテナ１３ａ〜１３ｄの共振周波数特性をスタガ状に合成することにより所望の帯域幅ΔＦを有するマイクロストリップアンテナ１を構成するようにしたものである。

【００１９】この場合、誘電体基板１１の比誘電率εを１０以上に設定すれば、各ストリップアンテナ１３ａ〜１３ｄのライン幅ｗ及びストリップアンテナ間のギャップ１４の間隔ｄは比較的狭く設定することができるので、前記帯域幅ΔＦを狭くすることなくマイクロストリップアンテナ１の小型化が可能となる。

【００２０】特に、高誘電率の誘電体基板１１、例えばε＝９０の誘電体基板１１を用いた場合は、各ストリップアンテナ１３ａ〜１３ｄのライン長Ｌも短縮することができるので、より小型化が可能となる。

【００２１】また、上記マイクロストリップアンテナ１は、各ストリップアンテナ１３ａ〜１３ｄの帯域幅Δｆ１〜Δｆ４を重畳したものであるから、図２に示すように帯域幅ΔＦの両端における減衰が大きくなり、マイクロストリップアンテナ１自体が良好の減衰特性を有する帯域フィルタとなる。このためマイクロストリップアンテナ１の給電端近傍に挿入される帯域フィルタの特性上の負担が軽減される利点もある。

【００２２】さて、上記実施例では、両端が開放された略１／２波長のストリップアンテナを用いていたが、これに代えて一方端が短絡された略１／４波長のストリップアンテナを用いることもできる。

【００２３】図３は、１／４波長の一端短絡のストリップアンテナを用いたマイクロストリップアンテナの一実施例の構造を示したものである。

【００２４】同図に示すマイクロストリップアンテナ１′は、各ストリップアンテナ１３ａ〜１３ｄのライン長Ｌ′が誘電体基板１１内における共振周波数ｆの波長λｇの略１／４に設定され、その一方端が誘電体基板１１の側面１１ａ側まで延長された接地導体１２ａに接続され、短絡されたものである。

【００２５】給電線２は、誘電体基板１１の底面側に設けられ、その給電ラインが誘電体基板１１の表面上に載置されたテフロン（登録商標）等の低誘電率給電用基板１５
に形成された給電用ストリップライン１６に接続されている。そして、この給電用ストリップライン１６より各ストリップアンテナ１３ａ〜１３ｄのライン側部に設けられた給電点Ｐに分配給電されるようになっている。この場合の給電点Ｐも、放射特性や入力インピーダンス等の諸特性からストリップアンテナ１３の短絡端に近接した適宜の位置が設定される。

【００２６】なお、１／４波長ストリップアンテナを用いたマイクロストリップアンテナにおいても、図４に示すように少なくともに２個の放射導体１３ｂ，１３ｃにのみ給電を行い、他の放射導体１３ａ，１３ｄは無給電で励振させることができる。

【００２７】また、図５に示すように誘電体基板１１の側面部１１ａに短絡導体１７ａ〜１７ｄを形成し、該短絡導体１７ａ〜１７ｄにより各放射導体１３ａ〜１３ｄの一方端を誘電体基板１１の底面の接地導体１２に接続（短絡）するようにしてもよい。

【００２８】また、図６に示すように前記接地導体１２を誘電体基板１１の表面側まで延長し、各放射導体１３ａ〜１３ｄの一方端を該接地導体１２の表面側の部分１２ｂに接続（短絡）するようにしてもよい。この実施例では、誘電体基板１１の表面側の接地導体１２ｂと放射導体１３とが一体に形成できるので、放射導体１３のライン長Ｌ′の精度が向上し、特性のバラツキが少なくなる利点がある。

【００２９】上記のように１／４波長のストリップアンテナを用いたマイクロストリップアンテナでは、各ストリップアンテナ１３ａ〜１３ｄのライン長Ｌ′が、前記波長 λｇの略１／４となり、アンテナ寸法が前記１／２波長ストリップアンテナを用いたものの略１／２以下に縮小できるので、より小型が可能となる。

【００３０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、共振周波数の互いに異なる放射導体からなるストリップアンテナを同一の誘電体基板上に複数個、並列に設け、少なくとも２個の放射導体に給電してこれら放射導体の共振周波数特性をスタガ状に重畳させるようにしたので、周波数帯域を狭くすることなくマイクロスリップアンテナの小型化を図ることができる。

【００３１】また、狭帯域のフィルタ効果を有するストリップアンテナの共振周波数特性を重畳させてマイクロストリップアンテナ全体の共振周波数特性を生成するようにしたので、帯域両端の周波数において前記フィルタ効果が現われ、減衰特性が向上する。これによりアンテナの給電端近傍に設けられる帯域フィルタの構成を簡素化することができ、受信装置のアンテナ入力部における小型化、コストの低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るマイクロストリップアンテナの一
実施例を示す斜視図である。

【図２】本考案に係るマイクロストリップアンテナのゲ
イン特性を示す図である。

【図３】本考案に係るマイクロストリップアンテナの第
２の実施例を示す斜視図である。

【図４】本考案に係るマイクロストリップアンテナの第
３の実施例を示す斜視図である。

【図５】本考案に係るマイクロストリップアンテナの第
４の実施例を示す斜視図である。

【図６】本考案に係るマイクロストリップアンテナの第
５の実施例を示す斜視図である。

【図７】従来の逆Ｆ形アンテナの構造を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１，１′ マイクロストリップアンテナ２給電線１１誘電体基板１２，１２ａ，１２ｂ接地導体１３，１３ａ〜１３ｄ放射導体（ストリップアンテ
ナ）１４ギャップ１５給電用基板１６給電用ストリップライン１７ａ〜１７ｄ短絡導体

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】底面が接地導体で覆われた誘電体基板の
表面に共振周波数の互いに異なる複数の帯状の放射導体
を相互に結合させて設け、少なくとも２個の放射導体に
独立に給電したことを特徴とするマイクロストリップア
ンテナ。