JPH0413334Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は劇場やホールなどに設置される室内設
備の昇降台に係り、ネジシリンダの駆動により昇
降部を昇降させて、該昇降部の上部に設けられた
フロア部や椅子部などの機能部を昇降させるよう
にしたものである。

（従来の技術とその問題点） 多目的ホールや劇場などにおいては、催し物の
形態や会議形態等に対応するために、しばしば会
場の配設構成が変更される。かかる会場の配設構
成の変更態様として、例えばフロアや客席（椅
子）の全部もしくは一部の高さを変更することが
考えられる。しかしながら従来、かかる多目的ホ
ールなどにおいて、フロアや客席等の高さを簡単
に変更できる手段がなかつたため、希望通りの会
場を思いどおりに設営できない問題点があつた。

したがつて本考案は、多目的ホールなどの会場
設営に有利な装置、更に詳しくはフロアや客席
（椅子）の高さを簡単にかつ精度よく変更できる
室内設備の昇降台を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、建造物の基礎面Ｆ上に複数個並べて
設置される室内設備の昇降台であつて、昇降部Ａ
と、該昇降部Ａの上部に載置された機能部Ｂとか
ら成り、上記昇降部Ａが一対の脚杆３，３の中央
部をヒンジ部により×字状に回転自在に軸着し、
かつこれらの脚杆３，３の下端部と上端部をスラ
イド部１１，１２を介して基台部１と支持部２に
水平方向にスライド自在に遊着して成る脚部１０
と該脚部１０の駆動用ネジシリンダ６とを備え、
該ネジシリンダ６のロツド６ａを上記スライド部
１１にスライド自在に遊着された脚杆３に連結す
るとともに、該ネジシリンダ６の後端部をヒンジ
部７により上記基台部１に回転自在に軸支し、か
つ該ネジシリンダ６の駆動用モータ９を設け、該
モータ９に駆動される回転軸１６の先端部に軸着
されたギヤ１７を該ネジシリンダ６の後端部に取
り付けられたギヤ１８に噛合させるとともに、該
回転軸１６の軸心と上記ヒンジ部７の軸心とを一
致させて構成している。

（作用効果） 上記構成において、モータ９のスイツチを投入
するとネジシリンダ６のロツド６ａは突没し、脚
杆３，３はその上端部と下端部を水平方向にスラ
イドさせながらヒンジ部５を中心に回転して昇降
部Ａは昇降し、機能部Ｂの高さを調節する。ネジ
シリンダ６は、油圧シリンダと違つて長期間大き
な荷重がかかつてもロツド６ａは引つ込まず、し
たがつて機能部Ｂを確実にかつ精度よく所定高さ
に保つことができる。またネジシリンダ６は、パ
ワーが大きくかつ機械効率も優れているので、大
きな昇降力を得ることができる。またこの場合、
ロツド６ａの突没とともにネジシリンダ６もその
後端部のヒンジ部７を中心に回転するが、モータ
９により駆動される回転軸１６や各ギヤ１７，１
８を上記のように配設することにより、ネジシリ
ンダ６へのモータ９の回転力の伝達構造とその後
端ヒンジ部７の構造を簡単化することができる。
更にはネジシリンダ６の駆動手段としてモータ９
を用いることにより、スイツチ操作により高さの
調節を行うことができ、更には機能部Ｂの高さの
変更を予めプログラミングしておくことにより、
コンピユータによる制御も可能となる。

（実施例） 機能部がフロア部である場合を例にとり、以
下、図面を参照しながら本考案の実施例の説明を
行う。

第１図は昇降台の側面図、第２図は平面図であ
つて、この昇降台は建造物の基礎面Ｆ上に多数個
並べて設置されるものであり、昇降部Ａと、該昇
降部Ａ上に載置された機能部としてのフロア部Ｂ
から成つている。昇降部Ａは、基礎面Ｆ上に設置
される基台部１と、フロア部Ｂを載置する支持部
２と、両者１，２を結合する脚部１０から成って
いる。脚部１０は一対の脚杆３，３の中央部をヒ
ンジ部５により×字状に回転自在に軸着されてい
る。また脚杆３，３の下端部と上端部は、スライ
ド部１１，１２により水平方向にスライド自在に
装着されており、脚杆３，３がヒンジ部５を中心
に回転して起伏することにより、昇降部Ａは昇降
する。

６は脚部１０の駆動用ネジシリンダであつて、
その一端部はヒンジ部７により基台部１に軸着さ
れ、また先端のロツド６ａは上記脚体３の下端部
に軸着されている。このネジシリンダ６は停止精
度のよいブレーキモータ９（第２図参照）により
駆動される。またネジシリンダ６としては、摺接
抵抗が小さく機械効率のよいボールネジシリンダ
が採用される。８は減速機である。脚杆３，３を
完全倒伏させた場合の昇降台の高さは、これを最
大限起立させた場合の高さの約半分であり、した
がつて不使用時などには脚杆３，３を完全倒伏さ
せることにより、この昇降台はコンパクトな高さ
に縮小できる。

１６はモータ９により駆動される回転軸であつ
て、ネジシリンダ６の長さ方向と直交する方向に
配設されており、その先端部に取り付けられたギ
ヤ１７はネジシリンダ６の後端部に取り付けられ
たギヤ１８に噛合しており、ヒンジ部２付近の構
造を簡略化して回転伝達がスムーズに行われるよ
うに、回転軸１６の軸心はヒンジ部７の軸心と一
致させてある。フロア部Ｂは平坦な上面を有する
箱形体２０から成り、側方から内部が見えないよ
うに、周囲にはスカート部２０ａが垂設されてい
る。２１はスカート部２０ａの下面に沿つて配設
されたメンブレンスイツチから成るスイツチ部で
あり、フロア部Ｂを下降させる際、その下方に異
物等があるとこれに当つてこれを検知し、モータ
９の駆動を安全のために停止させるものである。

第３図は建造物の基礎面Ｆ上に多数並設された
昇降台の概略図であつて、フロア部Ｂ上は人が歩
くフロア面となるものであるが、昇降部Ａを昇降
させることにより、その高さを調節する。また一
つのフロア部Ｂ上を他のフロア部Ｂよりも高くす
ることにより、該フロア部Ｂを商品の展示部など
にできる（鎖線参照）。

上記実施例は、機能部としてフロア部を例にと
つて説明したが、機能部としては椅子が配設され
た椅子部であつてもよく、この場合昇降部Ａを昇
降させることにより椅子部の高さを調節すること
ができるので、劇場などの室内設備として有利で
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は客席装置の側面図、第２図は平面図、第３図
は側面図である。 Ａ……昇降部、Ｂ……機能部としてのフロア
部、１……基台部、３……脚杆、５……ヒンジ
部、６……ネジシリンダ、６ａ……ロツド、７…
…ヒンジ部、９……モータ、１０……脚部、１
１，１２……スライド部、１６……回転軸、１
７，１８……ギヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建造物の基礎面Ｆ上に複数個並べて設置される
   室内設備の昇降台であつて、昇降部Ａと、該昇降
   部Ａの上部に載置された機能部Ｂとから成り、上
   記昇降部Ａが一対の脚杆３，３の中央部をヒンジ
   部５により×字状に回転自在に軸着し、かつこれ
   らの脚杆３，３の下端部と上端部をスライド部１
   １，１２を介して基台部１と支持部２に水平方向
   にスライド自在に遊着して成る脚部１０と該脚部
   １０の駆動用ネジシリンダ６とを備え、該ネジシ
   リンダ６のロツド６ａを上記スライド部１１にス
   ライド自在に遊着された脚杆３に連結するととも
   に、該ネジシリンダ６の後端部をヒンジ部７によ
   り上記基台部１に上下方向に回転自在に軸支し、
   かつ該ネジシリンダ６の駆動用モータ９を設け、
   該モータ９に駆動される回転軸１６の先端部に軸
   着されたギヤ１７を該ネジシリンダ６の後端部に
   取り付けられたギヤ１８に噛合させるとともに、
   該回転軸１６の軸心と上記ヒンジ部７の軸心とを
   一致させて成ることを特徴とする室内設備の昇降
   台。