JPH0413328B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0413328B2
JPH0413328B2 JP60173106A JP17310685A JPH0413328B2 JP H0413328 B2 JPH0413328 B2 JP H0413328B2 JP 60173106 A JP60173106 A JP 60173106A JP 17310685 A JP17310685 A JP 17310685A JP H0413328 B2 JPH0413328 B2 JP H0413328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deoxyuridine
fluoro
methyl
antitumor agent
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60173106A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6236321A (ja
Inventor
Takeo Kawaguchi
Minero Saneyoshi
Masahiko Saito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP60173106A priority Critical patent/JPS6236321A/ja
Priority to DE8686303333T priority patent/DE3665260D1/de
Priority to EP86303333A priority patent/EP0202056B1/en
Priority to US06/860,390 priority patent/US4916121A/en
Publication of JPS6236321A publication Critical patent/JPS6236321A/ja
Priority to MYPI87001280A priority patent/MY102464A/en
Publication of JPH0413328B2 publication Critical patent/JPH0413328B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明は抗腫瘍剤に関するものである。更に詳
細には、本発明は、5−フルオロ−2′−デオキシ
ウリジンのアシル化誘導体と1−〔(2−ハイドロ
オキシエトキシ)メチル〕−ウラシル類のアシル
化誘導体を有効成分として含有する抗腫瘍剤に関
する。本発明の抗腫瘍剤においては、1−〔(2−
ハイドロオキシエトキシ)メチル〕ウラシル類の
アシル化誘導体を併用することによつて生体内で
の5−フルオロ−2′−デオキシウリジンのアシル
化誘導体の分解を阻止することにより、5−フル
オロ−2′−デオキシウリジンの生体内での利用効
率を高め、低用量で高水準の抗腫瘍効果を示す。 <従来技術> 5−フルオロ−2′−デオキシウリジンは5−フ
ルオロウラシルの代謝産物のひとつとして制癌活
性を有することが知られている化合物である。そ
の制癌活性はイン・ビトロ(invitro)のマウス
由来の樹立細胞株の増殖阻害活性において、同一
モル濃度で5−フルオロウラシルの100倍以上、
同じく5−フルオロウラシルの代謝産物である5
−フルオロウリジンの10−100倍と報告されてい
る〔キヤンサー・リサーチ(Cancer Res.),35
1121(1975);キヤンサー・リサーチ(Cancer
Res.),19,494(1959)〕。 しかしながら、担癌動物を用いたイン・ビボ
(in vivo)の実験では5−フルオロ−2′−デオキ
シウリジンの効果は十分でなく、in vitroの結果
とは逆に、5−フルオロウラシルおよび5−フル
オロウリジンに対してその制癌効果が劣ることが
報告されている〔キヤンサー・リサーチ
(Cancer Res.),19,494(1959);プロシーデイ
ングス・オブ・ザ・ソサイアテイー・フオー・イ
クスペリメンタル・バイオロジー・アンド・メデ
イシン(Proc.Soc.Exp.Biol.Med.),97,470
(1958);プロシーデイングス・オブ・ザ・ソサイ
アテイー・フオー・イクスペリメンタル・バイオ
ロジー・アンド・メデイシン(Proc.Soc.Exp.
Biol.Med.),104,27(1960);アナルス・オブ・
ザ・ニユーヨーク・アカデミー・オブ・サイエン
ス(Ann.N.Y.Acad.Sci.),76,575(1958)〕。 この原因としては、生体内において、5−フル
オロ−2′−デオキシウリジンは、ウリジンホスホ
リラーゼもしくはチミジンホスホリラーゼによつ
て急速に分解される〔イクスペリメンタル・セ
ル・リサーチ(Exp.Cell ReS.),Suppl.462
(1963);バイオケミカル・フアーマコロジー
(Biochem.Pharmac.),,328(1959)〕ことと、
さらに5−フルオロ−2′−デオキシウリジンはそ
の物理化学的性質に起因して生体内投与後の血中
半減期が短く腫瘍細胞との接触時間が十分に得ら
れないこと〔キヤンサー・リサーチ(Cancer
Res.),32,1045(1972);クリニカル・フアーマ
コロジー・アンド・セラピユーテイウス(Clin.
Pharmacol,Ther.),,581(1964);ヨーロピ
アン・ジヤーナル・オブ・キヤンサー(Europ.J.
Caucer),16,1087(1980)〕に関係していると考
えられている。 この様な欠点を改善するために、現在まで種々
の5−フルオロ−2′−デオキシウリジン誘導体の
研究がなされている。例えば、3−アシル−5−
フルオロ−2′−デオキシウリジン(特開昭54−
163586号公報)、3位及び3′,5′位の両者をアシ
ル化した5−フルオロ−2′−デオキシウリジン
(特開昭56−113795,56−113796,56−113797号
公報)などが知られている。しかしながら、これ
らの誘導体においても抗腫瘍効果の増強の改善が
十分ではない。 3′位及び5′位をアシル化した3′,5′−ジアシル
−5−フルオロ−2′−デオキシウリジンに関して
は〔バイオケミカル・フオーマコロジー
(Biochmical Pharmacology),14,1605
(1965)〕に抗腫瘍活性を有することが示され更に
特開昭58−49315号公報には、5−フルオロ−
2′−デオキシウリジンに比べ低用量で抗腫瘍活性
を有することが示されている。 しかし3′,5′−ジアシル−5−フルオロ−2′−
デオキシウリジンは低水溶性であることから従来
の注射剤形への適用が困難であり、一方経口剤と
して投与するとエステラーゼおよびウリジンホス
ホリラーゼもしくはチミジンホスホリラーゼ活性
が他臓器に比べ著しく高い腸管内においては、大
部分が分解されるためその抗腫瘍効果は低いと報
告されている〔ケミカル・アンド・フオーマシユ
ーテイカル・プリテン(Chem.Pharm.Bull.,33
1652(1985)〕。 他方、1−〔(2−ハイドロオキシエトキシ)メ
チル〕ウラシル類が腫瘍細胞およびマウオ肝臓の
サイトゾル区分中のウリジンホスホリラーゼの阻
害剤となることが報告されている〔バイオケミカ
ル・フオーマコロジイー(Biochem.Pharmac.),
30,2097(1981);ibid,31,1857(1982)〕。 そこで1−〔(2−ハイドロオキシエトキシ)メ
チル〕ウラシル類と5−フルオロ−2′−デオキシ
ウリジンの併用によつて5−フルオロ−2′−デオ
キシウリジンの抗腫瘍性を高めようとすることが
考えられるが、この場合両者を同時投与してもそ
れぞれの生体内挙動が異なる可能性があり、必ず
しも併用効果を得ることがむずかしい。 <発明が解決しようとする問題点> 5−フルオロ−2′−デオキシウリジンの生体内
挙部を改善し、さらに生体内でのウリジンホスホ
リラーゼもしくはチミジンホスホリラーゼによる
分解を防止されうる形で投与できれば優れた抗腫
瘍効果が期待できる。しかしながら、このような
化合物および剤形は従来の技術では困難とされて
いる。 <問題点を解決するための手段> 本発明者らは、5−フルオロ−2′−デオキシウ
リジンの生体内挙動の改善された3′位及び/又は
5′位のアシル化誘導体と、1−〔(2−ハイドロオ
キシエトキシ)メチル〕ウラシル類のアシル化誘
導体の両者の生体内挙動がほぼ同様であり、従つ
て5−フルオロ−2′−デオキシウリジンのアシル
化誘導体と1−〔(2−ハイドロオキシエトキシ)
メチル〕ウラシル類のアシル化誘導体とを配合せ
しめることによつて、5−フルオロ−2′−デオキ
シウリジンの生体内挙動が改善され、更に生体内
でのピリミジンヌクレオサイドホスホリラーゼに
よる分解から保護された形の抗腫瘍剤が得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至つた。 即ち、本発明は一般式〔〕 〔式中、R1およびR2は互いに同一または異な
つて水素原子またはアシル基を表わす。但しR1
およびR2が同時に水素原子である場合は除く。〕 で示される5−フルオロ−2′−デオキシウリジン
のアシル化誘導体の少なくととも1種及び一般式
〔〕 〔但し、式中Xは水素原子、ハロゲン原子、メ
チル基、ベンジル基あるいはビニル基を表わし、
R3はアシル基を表わす。〕 で示される1−〔(2−ハイドロオキシエトキシ)
メチル〕ウラシル類のアシル化誘導体の少なくと
も1種を有効成分として含有することを特徴とす
る抗腫瘍剤である。 本発明に依れば、一般式〔〕で表わされる5
−フルオロ−2′−デオキシウリジンのアシル化誘
導体と一般式〔〕で表わされる1−〔(2−ハイ
ドロオキシエトキシ)メチル〕ウラシル類のアシ
ル化誘導体は生体に同時に投与された場合の生体
内挙動がほぼ一致し、また、生体内酵素によつて
それぞれ5−フルオロ−2′−デオキシウリジンお
よび1−〔(2−ハイドロオキシエトキシ)メチ
ル〕ウラシル類を放出する速度もほぼ同じであ
る。従つて、両者を同時に投与した場合、放出さ
れた1−〔(2−ハイドロオキシエトキシ)メチ
ル〕ウラシル類はそれ自体には抗腫瘍活性は認め
られないが、生体内に存在するウリジンホスホリ
ラーゼもしくはチミジンホスホリラーゼ活性を強
力に阻害することによつて、同時に放出される5
−フルオロ−2′−デオキシウリジンの分解を阻害
し、利用率を高め抗腫瘍活性を増強する。 一般式〔〕の5−フルオロ−2′−デオキシウ
リジンのアシル化誘導体において、R1,R2は同
一もしくは異なり水素原子またはアシル基を表わ
す〔但し、R1,R2は同時に水素原子ではない)。
アシル基としては、ブチリル、ヘキサノイル、テ
トラデカノイル、ヘキサデカノイルなどの炭素数
4個〜24個の脂肪族アシル基、あるいはベンゾイ
ル、トルオイルなどの炭素数7個〜12個の芳香族
アシル基が好ましく挙げられる。 一般式〔〕の1−〔(2−ハイドロオキシエト
キシ)メチル〕ウラシル類のアシル化誘導体にお
いて、Xは水素原子、ハロゲン原子、メチル基、
ベンジル基あるいはビニル基を表わす。ここでハ
ロゲン原子としては、フツ素原子、沃素原子、塩
素原子、臭素原子が好ましく挙げられる。R3
アシル基を表わし、かかるアシル基としては、ア
セチル、ヘキサノイル、オクタノイル、オクタデ
カノイル、ヘキサデカノイル、アラキドノイル、
ドコサノイルなどの炭素数2個〜24個の脂肪族ア
シル基、あるいはベンゾイル、トルオイルなどの
炭素数7個〜12個の芳香族アシル基が好ましく挙
げられる。 一般式〔〕で表わされる5−フルオロ−2′−
デオキシウリジンのアシル化誘導体は、公知若し
くは新規の化合物であり、これらは公知の方法
〔バイオケミカル・フオーマコロジー
(Biochemical Pharmacology),14,1605
(1965)〕に従つてあるいは準じて製造される。す
なわち、例えば、5−フルオロ−2′−デオキシウ
リジンと対応するカルボン酸の酸ハロゲン化物も
しくは酸無水物を、トリメチルアミン、ピリジン
等の塩基の存在下に反応せしめることによつて製
造することができる。 一般式〔〕で表わされる1−〔(2−ハイドロ
オキシエトキシ)メチル〕ウラシル類のアシル化
誘導体は公知若しくは新規の化合物であり、これ
らは公知の方法〔ジヤーナル・オブ・ザ・メデイ
シナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)24,753
(1981)〕に従つてあるいは準じて製造される。 すなわち、例えば下記式〔′〕 〔Xは前記定義に同じ。〕 で表わされる5位置換ウラシル類と、2−アシル
オキシエトキシメチルクロライドとを、ヘキサメ
チルジシラザン及びトリメチルシリルクロライド
の存在下に反応せしめる、いわゆるヒルバートー
ジヨンソン(Hilbert−Johnson)の反応の変法
によつて製造することができる。 本発明で使用される一般式〔〕の5−フルオ
ロ−2′−デオキシウリジンのアシル化誘導体の具
体例としては次のものが挙げれる。 (1) 3′,5′−ジブチリル−5−フルオロ−2′−デ
オキシウリジン (2) 3′−ヘキサノイル−5′−ベンゾイル−5−フ
ルオロ−2′−デオキシウリジン (3) 3′,5′−ジテトラデカノイル−5−フルオロ
−2′−デオキシウリジン (4) 3′,5′−ジヘキサデカノイル−5−フルオロ
−2′−デオキシウリジン (5) 3′−ドデカノイル−5′−トルオイル−5−フ
ルオロ−2′−デオキシウリジン (6) 3′,5′−ジドデカノイル−5−フルオロ−
2′−デオキシウリジン (7) 3′,5′−ジベンゾイル−5−フルオロ−2′−
デオキシウリジン 本発明で使用される一般式〔〕の1−〔(2−
ハイドロオキシエトキシ)メチル〕ウラシル類の
誘導体の具体例としては次のものが挙げられる。 (8) 1−〔〔2−(オクタノイルオキシ)エトキシ〕
メチル〕−5−メチルウラシル (9) 1−〔〔2−(オクタデカノイルオキシ)エト
キシ〕メチル〕−5−メチルウラシル (10) 1−〔〔2−(ヘキサデカノイルオキシ)エト
キシ〕メチル〕−5−アイオードウラシル (11) 1−〔〔2−(ヘキサデカノイルオキシ)エト
キシ〕メチル〕−5−ベンジルウラシル (12) 1−〔〔2−(アセチルオキシ)エトキシ〕メ
チル〕−5−ビニルウラシル (13) 1−〔〔2−(ベンゾイルオキシ)エトキシ〕
メチル〕−5−メチルウラシル 本発明の抗腫瘍剤に於て、一般式〔〕で表わ
される5−フルオロ−2′−デオキシウリジンのア
シル化誘導体と一般式〔〕で表わされる1−
〔(2−ハイドロオキシエトキシ)メチル〕ウラシ
ル類のアシル化誘導体の組み合わせの好ましい具
体例としては次のようなものが挙げられる。 (a) 3′,5′−ジテトラデカノイル−5−フルオロ
−2′−デオキシウリジンと1−〔〔2−(オクタ
デカノイルオキシ)エトキシ〕メチル〕−5−
メチルウラシル (b) 3′,5′−ジドデカノイル−5−フルオロ−
2′−デオキシウリジンと1−〔〔2−(ヘキサデ
カノイルオキシ)エトキシ〕メチル〕−5−メ
チルウラシル (c) 3′,5′−ジデカノイル−5−フルオロ−2′−
デオキシウリジンと1−〔〔2−(ドデカノイル
オキシ)エトキシ〕メチル〕−5−ブロモウラ
シル 本発明の抗腫瘍剤に於て、一般式〔〕で表わ
される5−フルオロ−2′−デオキシウリジンのア
シル化誘導体と一般式〔〕で表わされる1−
〔(2−ヒドロキシエトキシ)メチル〕ウラシル類
のアシル化誘導体の使用割合は、選択する化合物
の種類に応じて変化するため一概には言えない
が、一般には前者1モルに対して後者を0.1〜20
モル用いるのがよい。好ましくは0.5〜5モルで
ある。 本発明では一般式〔〕で表わされる5−フル
オロ−2′−デオキシウリジンのアシル化誘導体と
一般式〔〕で表わされる1−〔(2−ヒドロキシ
エトキシ)メチル〕ウラシル類のアシル化誘導体
の両者を予め配合しておき、一つの製剤中に含有
せしめて投与するのが好ましい。 また本発明では一般式〔〕で表わされる5−
フルオロ−2′−デオキシウリジンのアシル化誘導
体と一般式〔〕で表わされる1−〔(2−ヒドロ
キシエトキシ)メチル〕ウラシル類のアシル化誘
導体とを、それぞれ別の製剤中に含有せしめ、そ
れらの製剤を一つのセツトとした態様も本発明に
含まれる。 本発明の抗腫瘍剤の投与剤形としては、例えば
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、散剤、液剤な
どの経口投与剤、水性注射剤、非水性注射剤、坐
剤、経皮剤などの非経口投与剤が挙げられる。な
かでも経口投与剤、坐剤が好ましい、これらの製
剤は通常の担体、賦形剤、補助剤、結合剤、滑沢
剤、崩壊剤などを使用し、常法に従つて製造する
ことができる。 本発明に係る抗腫瘍剤の投与剤形に配合される
べき5−フルオロ−2′−デオキシウリジンのアシ
ル化誘導体の量は誘導体の種類によつて異なり、
特に限定することはできないが臨床用量は通常1
日当り一般的には0.5〜50mg/Kg、さらに望まし
くは1.0〜10mg/Kgである。1−〔(2−ハイドロ
オキシエトキシ)メチル〕ウラシル類のアシル化
誘導体の量は前記配合割合いから決定される。 <発明の効果> かくして得られる5−フルオロ−2′−デオキシ
ウリジンのアシル化誘導体とホスホリラーゼ阻害
剤である1−〔(2−ハイドロオキシエトキシ)メ
チル〕ウラシル類のアシル化誘導体を活性成分と
する抗腫瘍剤は、高い抗腫瘍性を示し、例えば肝
癌、胆のう癌、胃癌、肺癌、食道癌、大腸癌、腎
癌、皮ふ癌等に対してすぐれた薬理作用を発現す
る医薬品として用いられる。 <試験例および実験例> 以下に本発明を試験例および実施例により更に
詳細に説明する。 試験例 1 −フルオロ−2′−デオキシウリジンのアシル化
誘導体および1−〔(2−ハイドロオキシエトキ
シ)メチル〕ウラシル類のアシル化誘導体の脂
溶性の測定 本発明化合物の逆相系高速液体クロマトグラフ
(リクロソルブ(Lichrosorb)RP−18カラム)に
おける保持時間を2種の溶媒系で測定した。化合
物、溶媒系および化合物の保持時間を第1表に示
した。
【表】 第1表からわかるように例えば3′,5′−ジドデ
カノイル−5−フルオロウリジン(一般式〔〕
で示される化合物の1つ)は1−〔〔2−(ヘキサ
デカノイルオキシ)エトキシ〕メチル〕−5−メ
チルウラシル(一般式〔〕で示される化合物の
1つ)と保持時間がほぼ同じであることからこの
両化合物の脂溶性も同等であり化合物の脂溶性に
基づく生体内挙動も同様であると考えられる。 試験例 2 5−フルオロ−2′−デオキシウリジンのアシル
化誘導体および1−〔(2−ハイドロオキシエト
キシ)メチル〕ウラシル類のアシル化誘導体の
親水性の測定 本発明化合物の順相系高速液体クロマトグラフ
(ヌクレオシル(Nucleosil)5CNカラム)におけ
る保持時間を測定した。 化合物、溶媒系および化合物の保持時間を第2
表に示した。
【表】 第2表からわかるように例えば、3′,5′−ジテ
トラデカノイル−5′−フルオロ−2′−デオキシウ
リジン(一般式〔〕で示される化合物の1つ)
は1−〔〔2−(アラキドノイルオキシ)エトキシ〕
メチル〕−5−メチルウラシル(一般式〔〕で
示される化合物の1つ)と保持時間がほぼ同じで
あることからこの両化合物の親水性も同等であり
化合物の親水性に基づく生体内挙動も同様である
と考えられる。 試験例 3 5−フルオロ−2′−デオキシウリジンのアシル
化誘導体および1−〔(2−ハイドロオキシエト
キシ)メチル〕ウラシル類のアシル化誘導体の
酵素的加水分解反応性の測定 本発明化合物のラツト十二指腸上皮ホモジエネ
ート(1%、w/v;PH7.0)中での加水分解速
度を37℃で測定した。化合物と加水分解反応定数
を第3表に示した。
【表】 第3表からわかるように、例えば3′,5′−ジテ
トラデカノイル−5−フルオロ−2′−デオキシウ
リジン(一般式〔〕で示される化合物の1つ)
は1−〔〔2−(アラキドノイルオキシ)エトキシ〕
メチル〕−5−メチルウラシル(一般式〔〕で
示される化合物の1つ)と酵素的加水分解反応性
が同等であり、両化合物を同時に生体に投与した
場合生体酵素系による加水分解によつて、それぞ
れ5−フルオロ−2′−デオキシウリジンおよび1
−〔(2−ハイドロオキシエトキシ)メチル〕−5
−メチルウラシルを放出する速度が同じであると
考えられる。 試験例 4 5−フルオロ−2′−デオキシウリジンのアシル
化誘導体と1−〔(2−ハイドロオキシエトキ
シ)メチル〕ウラシル類のアシル化誘導体の同
時投与による抗腫瘍活性の測定 本発明の化合物3′,5′−ジドデカノイル−5−
フルオロ−2′−デオキシウリジンと1−〔〔2−
(オクタデカノイルオキシ)エトキシ〕メチル〕−
5−メチルウラシルの同時経口投与について、マ
ウス白血病L1210に対する抗腫瘍効果を5−フ
ルオロ−2′−デオキシウリジン単独、3′,5′−
ジドデカノイル−5−フルオロ−2′−デオキシウ
リジン単独、3′,5′−ジドデカノイル−5−フ
ルオロ−2′−デオキシウリジンと1−〔(2−ハイ
ドロオキシエトキシ)メチル〕−5−メチルウラ
シルの同時経口投与と比較した。 移植7日目のマウス白血病L1210腹水腫瘍細胞
105個をBDF、マウス(〓8週、Ca25〜26g、1
群:5匹)の腹腔内に移植し、実験に供した。 腫瘍細胞移植24時間後より1日目、3日目、5
日目の計3回薬剤を経口投与した。 薬剤の抗腫瘍効果は、薬剤投与群の生存期間を
対照群(薬剤無投与)のそれに対する増加割合
(延命率%)で示した。結果を第4表に示した。
【表】
【表】 第4表からわかるように、本発明化合物の組み
合わせの1つである3′,5′−ジドデカノイル−5
−フルオロ−2′−デオキシウリジンと1−〔〔2−
(オクタデカノイルオキシ)エトキシ〕メチル〕−
5−メチルウラシルの同時投与は5−フルオロ−
2′−デオキシウリジンや3′,5′−ジデドカノイル
−5−フルオロ−2′−デオキシウリジンの単独投
与に比べ低用量で高い抗腫瘍効果を示した。ま
た、3′,5′−ジドデカノイル−5−フルオロ−
2′−デオキシウリジンと同時投与するホスホリラ
ーゼ阻害薬がアシル誘導体化されていない1−
〔(2−ハイドロオキシエトキシ)メチル〕−5−
メチルウラシルである場合と比べても効果が高か
つた。 なお、第4表に記載の本発明薬剤の投与量にお
いて、特に毒性は認められなかつた。 実施例 1 本発明の錠剤の製造 活性成分 50mg (3′,5′−ジドデカノイル−5−フルオロ−
2′−デオキシウリジン25mg1−〔〔2−(オクタ
デカノイルオキシ)エトキシ〕メチル〕−5−
メチルウラシル25mg) 乳糖 50mg コーンスターチ 40mg カルボキシメチルセルロースカルシウム 57mgステアリン酸マグネシウム 3mg 計 200mg 上記成分を用いて常法に従い錠剤を製造した。 実施例 2 本発明の注射剤の製造 本発明の成分 3′,5′−ジアセチル−5−フルオロ−2′−デオ
キシウリジンと1−〔〔2−(ヘキサノイルオキシ)
エトキシ)メチル〕−5−メチルウラシルを水溶
液(PH6.00〜7.50)に溶解し1ml中にそれぞれ0.3
〜1.0mgを含む注射剤を得た。 実施例 3 本発明のカプセル剤の製造 活性成分 50mg (3′,5′−ジテトラデカノイル−5−フルオロ
−2′−デオキシウリジン25mg、1−〔〔2−(ア
ラキドイルオキシ)エトキシ〕メチル〕−5−
メチルウラシル25mg) 乳糖 97mg 結晶セルロース 50mgステアリン酸マグネシウム 3mg 計 250mg 上記成分を用いて常法に従いカプセル剤を製造
した。 実施例 4 本発明の坐剤の製造 活性成分 50mg (3′,5′−ジヘキサデカノイル−5−フルオロ
−2′−デオキシウリジン25mg、1−〔〔2−ベヘ
ノイルオキシ)エトキシ〕メチル〕−5−ブロ
モウラシル25mg) ウイテツプゾール 950mg計 1000mg 上記成分を用いて常法に従い坐剤を製造した。 実施例 5 本発明の顆粒剤の製造 活性成分 50mg (3′,5′−ジトルオイル−5−フルオロ−2′−
デオキシウリジン25mg、1−〔〔2−(ベンゾイ
ルオキシ)エトキシ〕メチル〕−5−メチルウ
ラシル25mg) 乳糖 587mg エチルセルロース 10mg コーンスターチ 250mg カルボキシメチルセルロースカルシウム 100mgステアリン酸マグネシウム 3mg 計 1000mg 上記成分を用いて常法に従い顆粒剤を製造し
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式〔〕 〔式中、R1およびR2は互いに同一または異な
    つて、水素原子またはアシル基を表わす。但し
    R1およびR2が同時に水素原子である場合は除
    く。〕 で示される5−フルオロ−2′−デオキシウリジン
    のアシル化誘導体の少なくとも1種及び一般式
    〔〕 〔式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、メチル
    基、ベンジル基あるいはビニル基を表わし、R3
    はアシル基を表わす。〕 で示される1−〔(2−ハイドロオキシエトキシ)
    メチル〕−ウラシル類のアシル化誘導体の少なく
    とも1種を有効成分として含有することを特徴と
    する抗腫瘍剤。 2 一般式〔〕において、Xがメチル基である
    特許請求の範囲第1項記載の抗腫瘍剤。 3 一般式〔〕において、R3が炭素数2個〜
    24個の脂肪族アシル基あるいは炭素数7個〜12個
    の芳香族アシル基である特許請求の範囲第1項又
    は第2項記載の抗腫瘍剤。 4 一般式〔〕においてR1およびR2が炭素数
    4個〜24個の脂肪族アシル基あるいは炭素数7個
    〜12個の芳香族アシル基である特許請求の範囲第
    1項〜第3項のいずれか1項記載の抗腫瘍剤。 5 5−フルオロ−2′−デオキシウリジンのアシ
    ル化誘導体と1−〔(2−ハイドロオキシエトキ
    シ)メチル〕−ウラシル類のアシル化誘導体の配
    合比率をモル比1:0.1〜1:20とする特許請求
    の範囲第1項〜第4項のいずれか1項記載の抗腫
    瘍剤。 6 5−フルオロ−2′−デオキシウリジンのアシ
    ル化誘導体と1−〔(2−ハイドロオキシエトキ
    シ)メチル〕−ウラシル類のアシル化誘導体の配
    合比率をモル比1:0.5〜1:5とする特許請求
    の範囲第1項〜第5項のいずれか1項記載の抗腫
    瘍剤。 7 剤形が経口投与剤である特許請求の範囲第1
    〜6項のいずれか1項記載の抗腫瘍剤。 8 経口投与剤が散剤、カプセル剤、錠剤、液
    剤、顆粒剤または丸剤である特許請求の範囲第7
    項記載の抗腫瘍剤。 9 剤形が坐剤である特許請求の範囲第1〜6項
    のいずれか1項記載の抗腫瘍剤。
JP60173106A 1985-05-07 1985-08-08 抗腫瘍剤 Granted JPS6236321A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60173106A JPS6236321A (ja) 1985-08-08 1985-08-08 抗腫瘍剤
DE8686303333T DE3665260D1 (en) 1985-05-07 1986-05-01 Antitumor agent
EP86303333A EP0202056B1 (en) 1985-05-07 1986-05-01 Antitumor agent
US06/860,390 US4916121A (en) 1985-05-07 1986-05-07 Antitumor composition comprising pyrimidine type nucleic acid derivative and 1-[(2-hydroxyethoxy)methyl]uracil derivative
MYPI87001280A MY102464A (en) 1985-05-07 1987-08-11 Antitumor agent

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60173106A JPS6236321A (ja) 1985-08-08 1985-08-08 抗腫瘍剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6236321A JPS6236321A (ja) 1987-02-17
JPH0413328B2 true JPH0413328B2 (ja) 1992-03-09

Family

ID=15954275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60173106A Granted JPS6236321A (ja) 1985-05-07 1985-08-08 抗腫瘍剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6236321A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59167904A (ja) * 1983-03-11 1984-09-21 日立電線株式会社 オーディオ機器配線用線材およびその製造方法
JP2575372B2 (ja) * 1987-02-12 1997-01-22 三井東圧化学株式会社 制ガン剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6236321A (ja) 1987-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5357857B2 (ja) 抗ガン剤及びdna複製阻害剤
CN103068801B (zh) 硫代乙酸盐化合物、组合物及其使用方法
TW199861B (ja)
JP6769000B2 (ja) 4’−チオヌクレオシドの新規な化合物、並びにその調製方法、その医薬組成物及びその用途
TW200927733A (en) Novel compounds and compositions and methods of use
JPH05506240A (ja) 5―ベンジルバルビツレート誘導体
TWI477508B (zh) 用以治療癌症之組成物及方法
JPH0413328B2 (ja)
TWI382978B (zh) 化學化合物
US10751358B2 (en) Multitargeted nucleoside derivatives
US20060217345A1 (en) Beta-L-nucleosides and use thereof as pharmaceutical agents for the treatment of viral diseases
EP0202056B1 (en) Antitumor agent
JP2784941B2 (ja) 2’‐メチリデンピリミジンヌクレオシド化合物およびその医薬用途
JP3406334B2 (ja) チロシン特異的リン酸化酵素阻害剤及び制癌剤
JPS6223723B2 (ja)
CN117903230A (zh) 一种脱氧氟尿苷衍生物及其制备抗癌药物/前药的应用、药物/前药和制备方法
JPS61254526A (ja) 経口投与用抗腫瘍剤
CA2464681C (en) Preparation of thioarabinofuranosyl compounds and use thereof
JPS621371B2 (ja)
KR20030071263A (ko) 1-(4'-비닐-베타-d-에리쓰로노퓨라실)-5-플루오로-n4-(알킬옥시카르보닐)-사이토신 유도체, 그의 제조방법 및 이를유효성분으로 하는 항암제