JPH04129376U - ステアリングホイール装置 - Google Patents
ステアリングホイール装置Info
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Landscapes
- Steering Controls (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本考案の主要な目的は、エネルギー吸収効果の
高いステアリングホィール装置を提供することにある。 【構成】ホィール芯金12の上面側に樹脂製のホーンパ
ッド13が設けられており、ホーンパッド13の裏面に
金属製のインサートプレート30が設けられている。イ
ンサートプレート30のホィール芯金12側の面に、鉄
板製のエネルギー吸収プレート55が固定されている。
エネルギー吸収プレート55は、インサートプレート3
0に固定される取付基部60と、ホィール芯金12に向
って延びる左右一対の脚部61を有している。この脚部
61には、衝突時の荷重によって塑性変形する曲り部6
5,66,67が設けられている。通常時には、脚部6
1の先端部分68がホィール芯金12から離れている。
高いステアリングホィール装置を提供することにある。 【構成】ホィール芯金12の上面側に樹脂製のホーンパ
ッド13が設けられており、ホーンパッド13の裏面に
金属製のインサートプレート30が設けられている。イ
ンサートプレート30のホィール芯金12側の面に、鉄
板製のエネルギー吸収プレート55が固定されている。
エネルギー吸収プレート55は、インサートプレート3
0に固定される取付基部60と、ホィール芯金12に向
って延びる左右一対の脚部61を有している。この脚部
61には、衝突時の荷重によって塑性変形する曲り部6
5,66,67が設けられている。通常時には、脚部6
1の先端部分68がホィール芯金12から離れている。
Description
【0001】
本考案は、自動車等の乗物の操舵系に使われるステアリングホィール装置に関
する。
【0002】
自動車のステアリングホィールのセンター部にはホーンパッドが設けられてお
り、一般的にはこのホーンパッドを手で押した時にホーンスイッチ回路がオンと
なってホーンが鳴るようにしてある。ホーンパッドの材料は、衝突時等において
運転者を保護するために、発泡ウレタン等のような比較的軟質な樹脂が用いられ
ている。
【0003】
例えば図10に示された従来のステアリングホィール装置1は、ホィール芯金
2の上面側(運転者と対向する側)に上記ホーンパッド3が設けられており、ホ
ーンパッド3の裏面側に比較的硬い樹脂からなるホーンパッドインサート5が一
体的に重合されている。ホーンパッドインサート5には、可動側接点6を備えた
ホーンブラケット7が取付けられている。可動側接点6は、ホィール芯金2に設
けられた固定側接点8に対向しており、ホーンパッド3が手で押された時に接点
6,8が接触することによって、ホーンスイッチ回路がオンとなる。ホーンブラ
ケット7は、リターンばね9の弾力によって、接点6,8が離れる方向に付勢さ
れている。
【0004】
上述した樹脂製のホーンパッドインサート5が用いられたステアリングホィー
ル装置1において、図9に示されるようなヘッドフォーム10を用いたインパク
トテストを実施した場合、従来の樹脂製ホーンパッドインサート5は実質的に剛
体となって、エネルギーを十分吸収できないことがあった。
従って本考案の目的は、衝突時のエネルギーを効果的に吸収できるようなステ
アリングホィール装置を提供することにある。
【0005】
上記目的を果たすために開発された本考案のステアリングホィール装置は、セ
ンターボス部およびスポーク部を有するホィール芯金と、上記ホィール芯金の上
面側に配置されかつホィール芯金に対して接離する方向に移動可能に保持される
樹脂製のホーンパッドと、上記ホーンパッドの裏面にホーンパッドと一体的に重
合された金属製のインサートプレートと、上記インサートプレートのホィール芯
金側の面に固定されかつホィール芯金に向って延びる脚部を有するとともに衝突
時の荷重によって塑性変形する曲り部を有しかつ衝突時以外は上記脚部の先端部
分が上記ホィール芯金に対し離れた位置で対向する金属製のエネルギー吸収プレ
ートを具備している。
【0006】
ヘッドフォームインパクトテストや前面衝突時のように、ホーンパッドを押す
方向の大荷重が負荷された時、ホーンパッドに加わったエネルギーは金属製イン
サートプレートを塑性変形させるため、エネルギーの一部が吸収される。また、
インサートプレートの塑性変形に伴い、エネルギー吸収プレートの脚部の先端部
分、すなわちホィール芯金と離間対向していた箇所がホィール芯金に衝突するこ
とにより、脚部に荷重が伝達されて曲り部等において塑性変形を生じ、エネルギ
ーが吸収される。
【0007】
本考案に採用されているエネルギー吸収プレートは、衝突前に脚部の先端部分
がホィール芯金から離れており、衝突時に脚部の先端部分がホィール芯金に接し
てから曲り部が塑性変形するといった挙動を生じる。本考案者らの研究によると
、このような変形挙動を生じるエネルギー吸収プレートが採用された場合、エネ
ルギー吸収プレートをインサートプレートとホィール芯金の双方に固定した場合
に比較して、衝突時にエネルギー吸収プレートを所望の形状すなわちエネルギー
吸収効果の高い形状に塑性変形させやすい。また本考案のステアリングホィール
装置は、樹脂製のホーンパッドインサートを用いた従来装置や、エネルギー吸収
プレートを備えない従来装置に比較して、より効果的に衝突時のエネルギーを吸
収できる。
【0008】
以下に本考案の一実施例について、図1ないし図4を参照して説明する。なお
図8に自動車用ステアリングホィール装置11の外観の一例が示されている。
図1に示した本実施例のステアリングホィール装置11は、鉄芯等の金属製ホ
ィール芯金12と樹脂製ホーンパッド13を備えている。ホィール芯金12は、
ステアリングシャフト(図示せず)の先端部が挿着されるセンターボス部15と
、センターボス部15から放射状に延びるスポーク部16と、円環状のリム部1
7とからなる。
【0009】
スポーク部16の裏面側に、合成樹脂製のロアカバー20がねじ21によって
固定されている。ロアカバー20の中央部に、スリップリング22がセンターボ
ス部15と同心状に設けられている。スポーク部16の先端側部分とリム部17
は、例えば軟質塩化ビニールや発泡ウレタン等の被覆材23によって覆われてい
る。
【0010】
ホィール芯金12のスポーク部16の上面側に、フランジ25を有するブッシ
ュ26がねじ27によって固定されている。ブッシュ26の外周部にコイルばね
等を用いたリターンばね28が設けられている。ブッシュ26の近傍に、ホーン
スイッチ回路の一部を構成する固定側接点29が設けられている。
【0011】
ホーンパッド13はホィール芯金12の上面側、すなわち運転者が対面する側
に配置されている。ホーンパッド13は、軟質ポリ塩化ビニールあるいは比較的
密度の高いポリウレタンフォーム等の軟質樹脂からなる。ホーンパッド13の裏
面側に、SPCC等の鉄系金属からなるインサートプレート30がホーンパッド
13と一体に重合されている。
【0012】
インサートプレート30をホーンパッド13に一体化させる手段として、例え
ばホーンパッド13の発泡成形時に、金型の内部に予めインサートプレート30
をセットしておいてからホーンパッド13を反応射出成形(RIM成形)すると
いった方法が採用される。なお、ホーンパッド13とインサートプレート30を
別途の工程で製造してから、これらを接着剤によって互いに固定してもよい。
【0013】
インサートプレート30の裏面側に、ファスニングブラケット35がリベット
等の固定部材36によって固定されている。図示例の場合、ファスニングブラケ
ット35に設けられた受け孔37を利用して、ホーンブラケット40がファスニ
ングブラケット35に固定される。すなわち、ホーンブラケット40に連結用フ
ック41が設けられており、このフック41を受け孔37に嵌合させることによ
って、ファスニングブラケット35とホーンブラケット40を介して、インサー
トプレート30と一体のホーンパッド13がホィール芯金12に脱着可能に保持
されるようになっている。
【0014】
ホーンブラケット40に、コンタクトプレート45がねじ46によって固定さ
れている。コンタクトプレート45に、ホーンスイッチ回路の一部を構成する可
動側接点47が設けられている。可動側接点47は、固定側接点29と対向して
おり、ホーンパッド13を押した時にホーンブラケット40が押されることによ
り、固定側接点29と接するようになっている。
【0015】
ホーンブラケット40に形成された貫通孔50にブッシュ26が挿入されてい
る。ホーンブラケット40は、このブッシュ26の軸線方向すなわちホィール芯
金12に対して接離する方向に、一定のストローク範囲内で移動できるようにし
てある。前述したリターンばね28は、可動側接点47を固定側接点29から離
す方向にホーンブラケット40を付勢している。
【0016】
インサートプレート30の中央部に、鉄板製のエネルギー吸収プレート55が
固定されている。このエネルギー吸収プレート55は、インサートプレート30
とホィール芯金12との間の空間部56に収容されている。エネルギー吸収プレ
ート55の板厚の一例は1.2 mm前後である。
【0017】
図2に例示したように、エネルギー吸収プレート55は、平坦状の取付基部6
0と、この取付基部60の両側から立ち上がる左右対称形状の一対の脚部61を
備えている。取付基部60は、リベット等の適宜の固定部材62によって、イン
サートプレート30に固定される。なお、リベットの代りにスポット溶接とか、
ねじあるいはブラインドリベット等の適宜の固定手段によって取付基部60をイ
ンサートプレート30に固定してもよい。
【0018】
脚部61は、ホィール芯金12のセンターボス部15の近傍ないしスポーク部
16に向かって延びている。脚部61の長手方向中間部分に、「く」状に成形さ
れた中間曲り部65が設けられている。脚部61の基端側と先端側に、それぞれ
端末曲り部66,67が設けられている。
【0019】
端末曲り部67の先端側すなわちホィール芯金12と対向する部位に、内側を
向いたフランジ状の先端部分68が設けられている。先端部分68は、その端面
68aがホィール芯金12と略平行となるように曲げられている。先端部分68
の端面68aは、通常の状態すなわち衝突時以外は、ホィール芯金12に対して
距離Lだけ離れた位置にある。
【0020】
次に、上記構成のステアリングホィール装置11の作用について説明する。
ホーンパッド13を手で押すと、可動側接点47が固定側接点29に接するこ
とによってホーンスイッチ回路が閉成し、ホーンが鳴る。ホーンパッド13から
手を離せば、ばね28の弾力によって可動側接点47が固定側接点29から離れ
、ホーンが鳴り止む。
【0021】
図9に例示されたヘッドフォーム10を用いたインパクトテストにおいて、本
実施例装置11のホーンパッド13に衝突時に相当する荷重を負荷した場合、ホ
ーンパッド13が変形しかつインサートプレート30も塑性変形するため、エネ
ルギーの一部が吸収されるとともに、インサートプレート30の変形に伴ってエ
ネルギー吸収プレート55の脚部61の先端部分68がホィール芯金12に衝突
する。これにより、図3に示されるように曲り部65,66,67が塑性変形し
、図4に実線Aで示したように衝突エネルギーが吸収される。
【0022】
すなわち本実施例によれば、インサートプレート30とエネルギー吸収プレー
ト55との相乗作用によって、短いストロークで効果的にエネルギーが吸収され
る。図4における1点鎖線Bはインサートプレート30のみを用いた場合の特性
、破線Cはエネルギー吸収プレート55のみを用いた場合の特性である。本考案
者らが実施したヘッドフォームインパクトテストでは、MAXGが99G(規格12
0 G以下),3msecレベルGが65G(規格80G以下)であり、所望の規格を満足
できることが確認された。
【0023】
上述したように、本実施例では、衝突前はエネルギー吸収プレート55の脚部
61の先端部分68がホィール芯金12から離れており、衝突によって初めて脚
部61の先端部分68がホィール芯金12に接して変形が始まるとともに、脚部
61の先端部分68がホィール芯金12に対してある程度滑ることができ、脚部
61が塑性変形する際に脚部61の先端部分68が拘束されないようになってい
る。このような変形挙動を生じる本実施例であれば、脚部61の先端部分68が
初めからホィール芯金12に固定・拘束されている場合に比較して、衝突時に瞬
間的な大荷重が負荷された時に、曲り部65,66,67を所望の形状すなわち
エネルギーを吸収する上で望ましい形状に変形させやすいことが、本考案者らの
研究によって判っている。
【0024】
なお、図5に示される脚部61の変形例においては、フランジ状の先端部分7
0が、ホィール芯金12に対して滑らかに接面することができるように、円弧状
に形成されている。また図6に示したように、波形に成形された先端部分71が
採用されてもよい。図7に示された脚部61の変形例は、脚部61の先端部分7
2に、滑りを良くするためのナイロンあるいはふっ素樹脂等のコーティング73
が施されている。
【0025】
本考案のステアリングホィール装置によれば、限られたストロークで効果的に
エネルギーを吸収でき、安全性が高いとともに構造も簡易である。
【図1】本考案の一実施例を示すステアリングホィール
装置の一部の断面図。
装置の一部の断面図。
【図2】図1に示された装置に使われるエネルギー吸収
プレートの斜視図。
プレートの斜視図。
【図3】図1に示された装置の作動態様の例を概念的に
示す断面図。
示す断面図。
【図4】図1に示された装置のエネルギー吸収特性を示
す図。
す図。
【図5】エネルギー吸収プレートの変形例の一部を示す
正面図。
正面図。
【図6】エネルギー吸収プレートの他の変形例の一部を
示す正面図。
示す正面図。
【図7】エネルギー吸収プレートの更に別の変形例の一
部を示す断面図。
部を示す断面図。
【図8】ステアリングホィール装置の外観の一例を示す
平面図。
平面図。
【図9】ヘッドフォームインパクトテストを実施する装
置を概念的に示す正面図。
置を概念的に示す正面図。
【図10】従来のステアリングホィール装置の一部を示
す断面図。
す断面図。
11…ステアリングホィール装置、12…ホィール芯
金、13…ホーンパッド、15…センターボス部、16
…スポーク部、30…インサートプレート、55…エネ
ルギー吸収プレート、60…取付基部、61…脚部、6
5,66,67…曲り部、68,70,71,72…先
端部分。
金、13…ホーンパッド、15…センターボス部、16
…スポーク部、30…インサートプレート、55…エネ
ルギー吸収プレート、60…取付基部、61…脚部、6
5,66,67…曲り部、68,70,71,72…先
端部分。
Claims (2)
- 【請求項1】センターボス部およびスポーク部を有する
ホィール芯金と、上記ホィール芯金の上面側に配置され
かつホィール芯金に対して接離する方向に移動可能に保
持される樹脂製のホーンパッドと、上記ホーンパッドの
裏面にホーンパッドと一体的に重合された金属製のイン
サートプレートと、上記インサートプレートのホィール
芯金側の面に固定されかつホィール芯金に向って延びる
脚部を有するとともに衝突時の荷重によって塑性変形す
る曲り部を有しかつ衝突時以外は上記脚部の先端部分が
上記ホィール芯金に対し離れた位置で対向する金属製の
エネルギー吸収プレートと、を具備したことを特徴とす
るステアリングホィール装置。 - 【請求項2】上記エネルギー吸収プレートの脚部の先端
部分がフランジ状に曲げられており、当該先端部分に、
ホィール芯金と接した際の滑りを許容するための手段が
設けられている請求項1記載のステアリングホィール装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3557691U JPH04129376U (ja) | 1991-05-20 | 1991-05-20 | ステアリングホイール装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3557691U JPH04129376U (ja) | 1991-05-20 | 1991-05-20 | ステアリングホイール装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04129376U true JPH04129376U (ja) | 1992-11-26 |
Family
ID=31917697
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3557691U Pending JPH04129376U (ja) | 1991-05-20 | 1991-05-20 | ステアリングホイール装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04129376U (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58146759U (ja) * | 1982-03-29 | 1983-10-03 | 日本プラスト株式会社 | ステアリングホイ−ル |
-
1991
- 1991-05-20 JP JP3557691U patent/JPH04129376U/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58146759U (ja) * | 1982-03-29 | 1983-10-03 | 日本プラスト株式会社 | ステアリングホイ−ル |
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