JPH0412935B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、例えばまんじゆうなどの食品を製
造する場合に、あんのような中心材を小麦粉を練
つたものなどの外皮材で包皮して成形切断する食
品包皮成形切断機に関するものである。

従来、前記のような食品包皮成形切断機とし
て、中心材を外皮材で筒状に包んで押出し、これ
を成形切断ローラーで成形切断するようにしたも
のが知られている。しかし、従来のものは、駆動
力によつて成形切断ローラーを定位値で自転させ
ていたので、包皮された食品の成形部が強制的に
回転されて、ねじ切られるので、成形された食品
の表面部に渦巻状の切断面が残り、きれいな切断
ができないという欠点があつた。

この発明は、自由回転する１対の縦軸成形切断
ローラーを、これらのローラーを接離させるカム
板に支持して基板に連結し、この基板を所定回転
角で正逆回転させると共に昇降させて前記ローラ
ーを接離させ、さらにカム板を基板に対して相対
水平回動させるようにしたことにより、前述した
従来のものの欠点を解消できる食品包皮成形切断
機を提供することを目的としている。

以下、この発明の一実施例につき図面を参照し
て説明する。

第１図において、１は中心材押出機であり、こ
の押出機１の縦軸スクリユー２の外周に外皮材押
出機３の縦軸スクリユーを兼ねた筒体４が配設さ
れ、この筒体４内の下端に中心材押出機１の押出
口１ａが開口され、中心材押出機１の筒体４の外
周側に外皮材押出機３の外筒５が配設され、外筒
５と筒体４の間の下端に外皮材押出機３の押出口
３ａが開口されている。そして図示しない押出用
電動機の駆動により、縦軸スクリユー２および縦
軸スクリユーを兼ねた筒体４を回転させて、筒体
４および外筒５に連結した中心材および外皮材ホ
ツパー（共に図示しない）内の中心材および外皮
材を押出口１ａ，３ａから、中心材６の外周を同
心筒状に外皮材７で覆つて下方に押出すように構
成されている。

前記両押出機１，３の押出口１ａ，３ａの下方
に１対の縦軸成形切断ローラー８が押出機１の中
心線に対して対称に配設され、前記ローラー８は
ほぼそろばん珠状で上下部外周面が凹弧状に形成
されて、軸回りに自由回転するように軸受９に取
付けられている。これらの軸受９は、第１図、第
２図に示すように、カム板１０の内周面に形成し
たカム１０ａ部に摺動可能に係合支持されてい
る。前記カム板１０の外周部下面に突設したボス
部１０ｂが基板１１に相対水平回動可能に支持さ
れている。前記ローラー８に固定されたローラー
軸８ａの軸受９下方に突出した部分にカラー１２
が嵌合固定され、カラー１２がスプリング１３で
基板１１に連結され、スプリング１３のばね力で
軸受９がカム１０ａに押付けられている。前記基
板１１のボス部１１ａが昇降台１４上に回動可能
に支持され、昇降台１４の下面に固定した案内筒
１５が脚柱１６に昇降可能に嵌合されている。

駆動機構１７は、昇降台１４上に設置されて正
逆回転する縦軸の駆動用電動機１８の軸１８ａに
歯車１９が嵌着され、この歯車１９から無端チエ
ーン２０を介して回転力が伝達される主歯車２１
が昇降台１４に軸支され、主歯車２１と両方向ク
ラツチ２２を介して係脱可能に係合される駆動歯
車２３が基板１１の外周歯車２４に噛合されてい
る。そして、前記電動機１８の正逆回転駆動時
に、歯車１９、無端チエーン２０を介して主歯車
２１が駆動され、両方向クラツチ２２の投入時に
駆動歯車２３と外周歯車２４との噛合いによつて
基板１１が180°の回転角で正逆回転される。

また、駆動機構１７は、駆動用電動機１８の軸
１８ａに嵌着された歯車１９のボス部１９ａが昇
降台１４に上下方向変位を拘束されて軸支され、
ボス部１９ａにこれの昇降可能に軸２５がスプラ
イン係合され、軸２５が固定側部材２６に上下方
向変位を拘束されて軸支され、さらに軸２５がク
ランク機構２７を介して直線往復動する操作爪２
８に連結されている。操作爪２８によつて回動さ
れるラチエツト歯車２９がこれと一体のピニオン
３０と共に固定側部材に軸支され、ピニオン３０
が昇降台１４に固定された案内筒１５のラツク３
１に噛合されている。前記ラチエツト歯車２９に
係脱可能に係止される係止爪３２と、係止爪３２
に当接される係止解除用シリンダー機構３３とが
固定側部材２６に装着されており、固定側部材２
６と案内筒１５との間には昇降台１４を上方に付
勢する復帰用ばね３４が設けられている。そし
て、駆動用電動機１８の回転により、歯車１９、
軸２５、クランク機構２７を介して操作爪２８が
直線往復動することにより、基板１１の正回転時
には操作爪２８でラチエツト歯車２９が回転され
ることでピニオン３０が一体に回動し、ラツク３
１を介して昇降台１４がばね３４に抗して下降さ
れる。また、基板１１の逆回転時には、係止解除
用シリンダー機構３３の解除動作によつて係止爪
３２によるラチエツト歯車２９の係止が解除され
ることでばね３４のばね力で昇降台１４が上昇復
帰し、上昇限で係止解除用シリンダー機構３３の
係止動作によつて係止爪３２でラチエツト歯車２
９が係止される。

さらに、カム板操作機構３５は、第３図にも示
すように、駆動機構１７の駆動歯車２３の両側に
噛合う第１、第２アイドル歯車３６，３７が一方
向クラツチ３８（一方は図示しない）を介して第
３、第４アイドル歯車３９，４０に係脱可能に噛
合され、これらの歯車３９，４０にそれぞれ噛合
した操作歯車４１，４２がカム板１０の外周歯車
４３に噛合されている。第３図に示すように、ク
ラツチ切換用シリンダー機構４４によつて操作さ
れるＴ形レバー４５が両方向クラツチ２２と一方
向クラツチ３８の可動側に係合されている。前記
昇降台１４に復帰用シリンダー機構４６が設けら
れ、これのピストン４６ａに押される突起４７が
カム板１０の外周から突設されている。また、第
４図に示すように、駆動歯車２３と操作歯車４
１，４２の歯数を100、第１、第２アイドル歯車
３６，３７の歯数を50、第３と第４アイドル歯車
３９，４０の歯数を45と55とにすると、駆動歯車
２３が１回転正逆転すると、操作歯車４１で0.9
回転左回転し、操作歯車４２で1.1回転右回転す
ることになる。したがつて、カム板１０は基板１
１に対して0.2回転相対変位することとなる。そ
して、駆動歯車２３の正逆回転で、これと外周歯
車２４が噛合つているので基板１１が180°正逆回
転され、右回転時には第１、第３アイドル歯車３
６，３９を介して操作歯車４１でこれと外周歯車
４３が噛合つているのでカム板１０が回動され、
左回転時には第２、第４アイドル歯車３７，４０
を介して操作歯車４２でカム板１０が回動され、
第５図に示すように、基板１１の正逆回転により
１行程が終り、カム板１０が正逆転のずれによつ
て90°だけ基板１１に対して変位し、カム１０ａ
によつてローラー８がほぼ当接される。すなわ
ち、第２図に示すように基板１１は180°往復回転
し、これと共にカム板１０はＡ点からＢ点へ片道
回転ごとに徐々に移動する。そこで、クラツチ切
換用シリンダー機構４４を作動させ、両方向クラ
ツチ２２で駆動歯車２３を固定し、第２アイドル
歯車３７の一方向クラツチ３８を解除し、復帰用
シリンダー機構４６のピストン４６ａを押出し、
突起４７を押してカム板１０を90°逆回転させて
復帰させる。なお、この場合に、第１アイドル歯
車３６は一方向クラツチで逆回転が自由であるか
ら、カム板１０の復帰が支障なく行われる。ま
た、カム板１０の復帰後にクラツチ切換用および
復帰用シリンダー機構４４，４６を復帰動作させ
て、前述したと同様な動作を繰返す。

この実施例の食品包皮成形切断機は、前述した
ように、中心材押出機１と外皮材押出機３の押出
口１ａと３ａから下方に押出される中心材６とこ
れの外周を筒状に覆つて押出される外皮材７とが
駆動機構１７による基板１１、カム板１０の下降
および基板１１の180°の正逆回転と、カム板操作
機構３５によるカム板１２の正逆回転を行い、基
板１１と１０の間に水平方向の相位移動を生じさ
せてローラー８の上、下部に当接させ、これらの
ローラー８を外皮材７との摩擦力で自転させ、第
６図に示すように、外皮材７および中心材６を絞
つて成形すると共に、外皮材７で中心材６を包
み、ローラー８が下降時に互にほぼ接触すること
で切断する。その後、カム板１０を復帰させると
共に、基板１１およびカム板１０を上昇復帰さ
せ、以後同様な動作を繰返す。なお、成形、切断
された外皮７と中心材６からなる食品は自重で落
下し、図示しない搬出機構で受けて搬出され、必
要に応じて整形、加熱などを行う。

なお、この発明において、昇降台１４の復帰用
ばね３４に代え圧縮空気などの流体圧を利用して
昇降台１４を昇降させるようにしてもよく、駆動
機構１７の正逆回転する駆動用電動機１８に代え
て一方向回転の電動機とクランク機構を組合せた
ものと適宜の伝動機構を用いて、主歯車２１を正
逆回転させるようにしてもよい。

また、この発明において、カム板１０の内周面
に形成するカム１０ａは、楕円形のものに限られ
ることなく、第７図ａに示すような等速カム１０
a₁を用い、あるいは、第７図ｂに示すようにロー
ラー８の接近方向への送り込みがカム板と基板と
の相対変位で徐々に速くなるカム１０a₂や遅くな
るカム１０a₃などを用いることができる。

さらに、第８図に示すように、１対のローラー
８間に補助ローラー４８を90°ずらせて設けるこ
とも考えられる。

そして、カム板操作機構も変更できる。すなわ
ち、第９図ないし第１２図はこの発明の他の実施
例を示す。この実施例の駆動機構１７は、主歯車
２１が基板１１の外周歯車２４に直接噛合されて
いる。また、カム板操作機構４９は、基板１１の
外周に突設した軸５９に送り歯車５１が回動可能
に軸支され、この歯車５１にカム板１０の外周部
下面に設けられたクランク歯車５２が噛合され、
前記送り歯車５１と一体にラチエツト歯車５３が
設けられ、前記軸５０の先端部に回動可能に取付
けた送りレバー５４にラチエツト爪５５が枢着さ
れ、ラチエツト爪５５が前記ラチエツト歯車５３
に係脱可能に係合され、送りレバー５４がばね５
６で基板１１に連繋され、ラチエツト爪５５がば
ね５７で送りレバー５４に連繋されている。ま
た、カム板１０に設けたカム板復帰ドツグ５８が
昇降台１４に設けたカム板復帰用シリンダー機構
５９のピストン５９ａに当接されるように構成さ
れている。第１１図、第１２図中、６０はラチエ
ツト歯車５３に設けた爪解除ドツグ６１は送りレ
バー５４のストツパー、６２は爪復帰ドツグ、６
３は送りドツグである。なお、この実施例の前述
した以外の構成は、第１図、第２図に示す一実施
例のものと実質的に同構成であるから、第９図、
第１０図中の第１図、第２図と対応する部分にこ
れらのものと同符号をつけて説明を省略する。

そして、第９図ないし第１２図に示す実施例で
は、駆動用電動機１８の正逆転駆動によつて、主
歯車２１と外周歯車２４とが噛合されていること
により、基板１１が180°の回転角で正逆転され
る。また、カム板復帰用シリンダー機構５９を動
作させピストン５９ａを突出して基板１１を左回
転させると、ラチエツト歯車５３および送り歯車
５５は１回転で送り歯車５５とクラウン歯車５２
との噛合でカム板１０を90°回動させる歯数にし
てあるので、基板１０の反転ごとに送りレバー６
４が第１１図に示すように送りドツグ６３に突当
てられ、ラチエツト爪５５がラチエツト歯車５３
に係合されてカム板１０が歩進される。このた
め、カム板１０は、基板１１に対して90°回動し、
ローラー８を互に接触させたところで、カム板復
帰ドツグ５８がピストン５９ａに当接して停止す
る。ここで、ラチエツト歯車５３の爪解除ドツグ
６０にラチエツト爪５５が押上げられてラチエツ
ト歯車５３が自由に回転できるようになる。基板
１１はそのまま180°の位置まで回転して停止す
る。基板１１が反転して停止していた位置からカ
ム板１０を90°逆転させてスタート位置に復帰さ
せる。したがつて、カム板１０は基板１１の正逆
回転の一部の行程でのみ回動してローラー８を接
離させることになる。なお、この他の実施例の前
述した以外の動作は、一実施例のものと実質的に
同様であり、カム板１０がスタート位置に戻る
と、昇降台１４を介して基板１１およびカム板１
０が上昇復帰して前述した動作を繰返す。

以上説明したように、この発明の食品包皮成形
切断機は、中心材押出機およびこの押出機から押
出される中心材の外周を覆つて外皮材を押出す外
皮材押出機の下方に自由回転する１対の縦軸成形
切断ローラーを配設し、これらのローラーを基板
に連結して互に接離可能に案内されるようにカム
板に支持し、カム板を相対水平回動可能に基板に
支持し、この基板を所定回転角で水平に正逆回転
させると共に昇降させる駆動機構と、前記カム板
を基板に対して回動させるカム板操作機構とを具
備させたことを特徴としている。したがつて、こ
の発明によれば、１対の縦軸成形切断ローラーを
自由回転するようにしたので、これらのローラー
は基板の正逆回転による公転に伴い、中心材と外
皮とからなる食品の周方向長さに応じて、外皮と
の摩擦によつて回転速度を選び、食品の外径が大
きい場合には速かに、小さくなるとゆつくり自転
することで、食品とローラーとのずれを少なくで
き、また前記ローラーを正逆方向に公転するよう
にしたので、ローラーの自転も正逆回転すること
になり、ローラーによる絞り込みによつて発生す
る外皮表面の一方向へのしわよせや内部応力を減
少させて、手作りによる成形に近い成形作用とな
り、外皮材への当りがやわらかとなり、澱粉など
からなり手粉、取粉などと呼ばれる付着防止用粉
の使用を少なくでき、しかも切断部を含む表面が
きれいな成形切断ができ、切断後の整形を省略
し、あるいは簡単にすることができる。また、こ
の発明によれば、カム板を用いてローラーをこれ
らの下降時に互に接するようにして食品を切断す
るものであるため、カム板のカムの形状の変更、
基板とカム板との相対回動速度の変更が容易にで
き、中心材、外皮材の材質、押出速度に応じてロ
ーラーの間隔制御を適正に行うことができ、包皮
食品の成形切断を良好に行うことが容易にできる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す縦断説明
図、第２図は同要部の平面図、第３図は同クラツ
チ操作部の説明図、第４図はカム板操作機構の歯
車の説明図、第５図はカム板操作機構の動作説明
図、第６図は要部の動作説明図、第７図ａ，ｂは
互に異なつたカムの変形例の説明図、第８図は補
助ローラーの説明図、第９図はこの発明の他の実
施例を示す縦断面図、第１０図は同要部の平面
図、第１１図および第１２図はカム板操作機構の
カム板送り始めおよび復帰状態をそれぞれ示す正
面図である。 １……中心材押出機、３……外皮材押出機、６
……中心材、７……外皮材、８……ローラー、１
０……カム板、１１……基板、１３……スプリン
グ、１４……昇降台、１７……駆動機構、３５，
４９……カム板操作機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中心材押出機およびこの押出機から押出され
   る中心材の外周を覆つて外皮材を押出す外皮材押
   出機の下方に自由回転する１対の縦軸成形切断ロ
   ーラーを配設し、これらのローラーを基板に連結
   して互に接離可能に案内されるようにカム板に支
   持し、カム板を相対水平回動可能に基板に支持
   し、この基板を所定回転角で水平に正逆回転させ
   ると共に昇降させる駆動機構と、前記カム板を基
   板に対して回動させるカム板操作機構とを具備さ
   せたことを特徴とする食品包皮成形切断機。