JPH04128534U - 軸の連結構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 たわみ継手および連結構造自体の小型化を図
りつつ、たわみ継手と、センタリング機構のハウジング
との干渉をなくす。 【構成】 駆動軸１の端部に一体成形されたセンタリン
グ機構１２のハウジング１１の外周面１１Ａを、駆動軸
１と被駆動軸とを連結するたわみ軸受７の内周面７Ｃに
略相似する略正六角形とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は軸の連結構造、詳しくは、たわみ継手および軸同士を芯合わせするセ ンタリング機構を備えて、特に、自動車等の動力伝達系に使用して好適な軸の連 結構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、かかる軸の連結構造としては、例えば、実開昭５９−７５９２１号公報 に記載されたものが知られている。

【０００３】 このものには、次のようなたわみ継手とセンタリング機構が備っている。

【０００４】 すなわち、前者のたわみ継手は、隣接するカラーの相互間に補強繊維を巻回し 、両者を弾性体で囲繞して形成した継手ブロックを６個用意し、これ等を平面六 角形の環状に配置して駆動軸側のフランジと被駆動軸側のフランジとにボルト締 結するようになっており、このたわみ継手の中央には、平面六角形の空間部が形 成されている。

【０００５】 一方、後者のセンタリング機構は、駆動軸側に設けられて前記たわみ継手の空 間部内に位置する円筒状のハウジングと、被駆動軸側に設けられて前記ハウジン グの内部に揺動自在に支持されるセンタリング軸とによって、駆動軸と被駆動軸 とを芯合わせるようになっている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、かかる従来の軸の連結構造にあっては、内周面が六角形を成す たわみ継手の空間部内に、外周面が円形を成す円筒状のハウジングが位置するた め、たわみ継手の内周面とハウジングの外周面との間の隙間が周方向において不 均一となり、それらの間において隙間の小さい部分が、トルク伝達時に接触して 摩耗するおそれがあった。

【０００７】 また、このような接触を回避するためには、隙間の小さい部分を基準として、 両者間に充分な隙間を確保しなければならず、たわみ継手の小型化、および連結 構造自体の小型化を図る上において障害となっていた。

【０００８】 本考案の目的は、たわみ継手および連結構造自体の小型化を図りつつ、たわみ 継手と、センタリング機構のハウジングとの干渉をなくすことができる軸の連結 構造を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案の軸の連結構造は、中央に空間部を有する環状のたわみ継手によって対 の軸を連結し、該対の軸の突き合わせ端部の一方側に、前記たわみ継手の空間部 内に位置するセンタリング機構のハウジングを設け、前記突き合わせ端部の他方 側に、前記ハウジング内にて揺動自在に支持されるセンタリング軸を設けた軸の 連結構造において、前記ハウジングの外周面と、前記たわみ継手の空間部を成す 内周面とを互いに略相似する形状としたことを特徴とする。

【００１０】

【作用】

本考案の軸の連結構造は、たわみ継手の中央の空間部を形成する内周部と、そ の空間部内に位置するセンタリング機構のハウジングの外周部とを互いに略相似 する形状として、それらの間の隙間を略均一なものとすることにより、トルク伝 達時におけるセンタリング機構のハウジングとたわみ継手との接近方向の如何に 拘らず、それらの接触を防止する。

【００１１】 また、センタリング機構のハウジングとたわみ継手との接触を防止するために 、前記の隙間を必要最小限の大きさとして、たわみ継手および連結構造自体の小 型化を実現する。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

【００１３】 図において、１は不図示のトランスミッションの出力軸に連結される駆動軸で あり、その先端部には、一体成形されたハウジング１１によって嵌凹孔１Ａが形 成されていると共に、その外周部には、外方向３方に延出するヨーク１Ｂが設け られている。

【００１４】 ２はプロペラシャフト等の被駆動軸であり、その端部に同軸上にセンタリング 軸３が固設されていると共に、外方向３方に延出するヨーク２Ａが設けられてい る。

【００１５】 センタリング軸３は駆動軸１の嵌凹孔１Ａ内に収装され、その外周部に嵌着さ れた球面ブッシュ４を嵌凹孔１Ａの内周部に設けられたソケット部材５に摺動自 在に支持させることにより、駆動軸１と被駆動軸２とを同軸に支持し、すなわち 調芯している。これにより、センタリング機構１２が構成されている。嵌凹孔１ Ａ内には潤滑用のグリースが充填されており、その端部にはシール部材６が設け られている。

【００１６】 ７はたわみ継手であり、図２に示すように、６０°毎の角度等に配置されたカ ラー７Ａ（７Ａ₁ 〜７Ａ₆ ）およびその外周に設けられたリテーナ７Ｂ（７Ｂ₁ 〜７Ｂ₆ ）を備えている。そして、隣接するカラー７Ａ間において、リテーナ７ Ｂを介して補強繊維（弾性コード）８が巻回されている。さらに、補強繊維８が 巻回されたカラー７Ａはゴム等の六角環状弾性体９でもって一体成形により囲繞 される。尚、９Ａは弾性力調整用の開口である。

【００１７】 そして、カラー７Ａ₁ ，７Ａ₃ および７Ａ₅ はボルト１０でもって駆動軸１の ヨーク１Ｂと連結され、カラー７Ａ₂ ，７Ａ₄ および７Ａ₆ はボルト１０でもっ て被駆動軸２のヨーク２Ａと連結される。

【００１８】 ところで、ハウジング１１の外周面１１Ａは、図２に示すように略正六角形と なっており、六角環状弾性９によって形成されるたわみ継手７の略正六角形の内 周面７Ｃと相似している。したがって、それらの外周面１１Ａと内周面７Ｃと間 隔は、周方向において略均一となっている。

【００１９】 しかして、このような構成によれば、たわみ継手が駆動軸１の駆動トルクを被 駆動軸２に伝達し、センタリング機構１２が駆動軸１と被駆動軸２とを調芯する ことになる。

【００２０】 その際、駆動トルクを受けたたわみ継手７は、駆動軸１側に連結されたカラー ７Ａ₁ ，７Ａ₃ および７Ａ₅ を回転リーディング側とする補強繊維８の部位に引 張り力が生じ、またそれらのカラー７Ａ₁ ，７Ａ₃ および７Ａ₅ を回転トレーリ ング側とする補強繊維８の部位に圧縮力が生じて、六角環状弾性体９が内側に張 り出し、たわみ継手７の内周面７Ｃが内方へ変位することになる。

【００２１】 また、センタリング機構１２の調芯作用によって、ハウジング１１内にてセン タリング軸３が揺動変位をした場合は、たわみ継手７の内周面７Ｃがハウジング １１の外周面１１Ａに対して接近することになる。しかし、それらの間の隙間は 、略均一に形成されているため、センタリング軸３の揺動方向の如何に拘らず、 それらの接触を未然に回避することができる。また、それらの間の隙間には、局 所的な小さな部分がないため、その隙間を必要最小限の大きさとして、たわみ継 手７の小径化を図ることが可能となる。

【００２２】 尚、たわみ継手の内周面７Ｃおよびハウジング１１の外周面１１Ａの形状は、 何ら上記実施例の六角形のみに限定されず任意であり、要は、互いに略相似する 形状であればよい。

【００２３】

【考案の効果】 以上説明したように、本考案の軸の連結構造は、たわみ継手の中央の空間部を 形成する内周部と、その空間部内に位置するセンタリング機構のハウジングの外 周部とを互いに略相似する形状として、それらの間の隙間を略均一なものとした 構成であるから、トルク伝達時におけるセンタリング機構のハウジングとたわみ 継手との接近方向の如何に拘らず、それらの接触を防止することができる。

【００２４】 しかも、センタリング機構のハウジングとたわみ継手との接触を防止するため に、前記の隙間を必要最小限の大きさとして、たわみ継手および連結構造自体の 小型化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す縦断面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１ 駆動軸 ２ 被駆動軸 ３ センタリング軸 ７ たわみ継手 ７Ｃ 内周面 ８ 補強繊維 １１ ハウジング １１Ａ 外周面１１Ａ １２ センタリング機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央に空間部を有する環状のたわみ継手
   によって対の軸を連結し、該対の軸の突き合わせ端部の
   一方側に、前記たわみ継手の空間部内に位置するセンタ
   リング機構のハウジングを設け、前記突き合わせ端部の
   他方側に、前記ハウジング内にて揺動自在に支持される
   センタリング軸を設けた軸の連結構造において、前記ハ
   ウジングの外周面と、前記たわみ継手の空間部を成す内
   周面とを互いに略相似する形状としたことを特徴とする
   軸の連結構造。