JPH04127903U - 車両用灯具におけるレンズ湾曲面の模様構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車用リアコンビネーションランプ等車両
用灯具の前面レンズにおいて彎曲した三次元曲面に対し
て簡単に模様を形成する。 【構成】 車両灯具用レンズの三次元曲面に湾曲した前
面レンズ１に、面の模様を形成した模様シート６（又は
９）を比較的細幅に分截して貼着し、前面レンズ１の湾
曲面に模様を形成したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両用灯具の前面レンズ等の表面に対する模様付け技術に係り、特 に自動車用リアコンビネーションランプの前面レンズ等、三次元方向に曲成した レンズ表面にシート状模様部材を貼着して所望の模様を形成する車両用灯具にお けるレンズ湾曲面の模様構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から自動車用リアコンビネーションランプには、図１２に示すように、前 面レンズ５０の車体の側方へ回り込んで形成される角隅部のように三次元方向に 廻り込んで曲成した面にまでグラディーション印刷その他、各種模様５１が形成 されており、これらの模様は、 （１） 印刷したシートを超音波溶着や接着等によって前面レンズ５０の全面に 貼着した構造。 （２） 直接前面レンズ５０の表面に印刷を施した構造。 （３） 前面レンズ５０を成形する際に、該成形と同時に転写印刷した構造。 等の、種々の構造によって構成している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記（１）の構造では、前面レンズ５０の表面が三次元方向に曲成し ている場合には、貼着したシートに皺が発生するという問題を有し、レンズ面が 広い場合には使用できないものであった。また（２）の構造では、被印刷面の曲 率が変わると印刷機を変更しなくてはならず、面変化への追従性が悪い。更に、 （３）の構造では設備に要する費用が大きくなる等の問題を有していた。

【０００４】 本考案は、上記問題に鑑みて創案されたものであり、簡単な手法でかつ安価に 前面レンズの三次元曲面に模様を形成する方法を提唱するものであり、自動車用 リアコンビネーションランプの前面レンズ等、車両灯具用レンズの湾曲した三次 元曲面に対して模様を形成する車両用灯具におけるレンズ湾曲面の模様構造を提 供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係る車両用灯具におけるレンズ湾曲面の 模様構造は、自動車用リアコンビネーションランプの前面レンズ等、車両灯具用 レンズの湾曲した三次元曲面に対して、比較的細幅に分截した模様シートを、該 三次元曲面に沿って貼着し、該面の模様を形成することを要旨とするものである 。

【０００６】

【作用】

前面レンズの三次元曲面に貼着する模様シートが細幅（テープ状）に構成して あるため、模様シートを貼着した際のテープの幅方向の伸縮比が小さくなり、従 って、該模様シートの三次元曲面に対する追従性が改善されることになる。また 、形成する模様に従って該模様シートに切れ目を形成するなどにより、結果とし て細幅に分截すると、模様シートは皺を形成することなく前面レンズの湾曲面に 沿って貼着され、美麗な模様構造を形成する。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案に係る車両用灯具におけるレンズ湾曲面の模様構造の実施例を図 面に従って説明する。 図１乃至図５は、本考案に係る車両用灯具におけるレンズ湾曲面の模様構造を 自動車用リアコンビネーションランプに応用した第一の実施例を示すものであり 、１は複数の灯室２，２を連設形成してなる灯具ボディ３の前面開口を覆う前面 レンズであり、車体の側方へ廻り込んで装着される前面レンズ１については、三 次元方向に曲成した角隅部を持つ屈曲面Ａを構成すると共に、各灯室２，２の後 部にはそれぞれバルブ４，４を装着したソケット５，５を着脱自在に取り付けた 構造になっている。６は、上記前面レンズ１に形成する模様位置（二点鎖線ａ参 照）の展開図形状と同形状の模様シートであり、該模様シート６は透明な塩化ビ ニル樹脂シート等の比較的伸び特性をもった合成樹脂によって形成してあり、各 部の幅Ｌ１，Ｌ２，Ｌ３が比較的細いテープ状を呈するように構成したものであ る。また、この模様シート６には、グラディーション模様等の各種模様７が印刷 によって着色してある。

【０００８】 そして上記構成の模様シート６を前面レンズ１の曲面に二点鎖線ａに沿って超 音波溶着又は接着等によって貼着し、模様構造を構成する。 この貼着では、前述した従来の貼着による方法と比較して模様シート６が細幅 になっているため、該模様シート６を貼着した際のテープの幅方向の伸縮比が小 さくなり、皺の発生を著しく抑制することができる。

【０００９】 次に、図６乃至図８は、本考案の第二の実施例を示すものである。即ち、本実 施例においては、前面レンズ１の中央にセンターモール８を持った構造に適する 模様構造を示すものであり、三次元方向に廻り込んだ角隅部を持つ屈曲面を構成 した前面レンズ１に二点鎖線ａに沿ったグラディーション等の各種模様７を形成 したものである。この前面レンズ１の表面に貼着する模様シート９は、透明な塩 化ビニル樹脂シート等の比較的伸び特性をもった合成樹脂によって構成してあり 、上記前面レンズ１に形成する模様位置（二点鎖線ａ参照）の展開図形状と近似 するグラディーション等の模様７が印刷されると共に、分割スリット１０により 貼着するシール幅Ｌ４を二分の一に分割してある。

【００１０】 上記模様シート９をその模様７部分が前面レンズ１の外縁に沿うように貼着す ると、図８に示すように、中央部に引きつれによる模様シートの隙間１１を形成 するようになる。従って、この模様シート９をレンズ表面に貼着した後、該模様 シート９の隙間１１を覆うように、該模様シート９の上から上記センターモール ８を貼着したものである。

【００１１】 図９乃至図１１は、前記第二の実施例の変様を示す本考案の第三の実施例であ る。 本実施例では模様シート９の前記分割スリット１０に変えて両側に裂け止め孔 １２，１２をもった分割スリット１３を構成したものである。この模様シート９ を前面レンズ１の外縁に沿って貼着すると、分割スリット１３が拡開して隙間１ ４を形成する。この拡開部の隙間１４は、模様シート９をレンズ表面に貼着した 後、該模様シート９の上からセンターモール８を貼着して被覆することができる 。

【００１２】

【考案の効果】

本考案に係る車両用灯具におけるレンズ湾曲面の模様構造は、以上のように構 成したから、前面レンズに模様を印刷した模様シートを貼着するに際して、該模 様シートを細幅のテープ状に構成したことにより、幅方向の伸縮率が小さくなり 、前面レンズの表面が三次元曲面に形成されていてもより美麗に曲面に沿設する ことができる等の特徴を有するものであり、本考案実施後の実用的効果は極めて 大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車両用灯具におけるレンズ湾曲面
の模様構造の第一の実施例を示す車両用灯具の正面図で
ある。

【図２】図１におけるＢ−Ｂ線断面図である。

【図３】本考案の第一の実施例を示す分解斜視図であ
る。

【図４】同部材の（ａ）前面レンズと、（ｂ）模様シー
トの正面図である。

【図５】同前面レンズに模様シートを貼着した状態の斜
視図である。

【図６】本考案の第二の実施例を示す分解斜視図であ
る。

【図７】同部材の（ａ）前面レンズと、（ｂ）模様シー
トの正面図である。

【図８】同前面レンズに模様シートを貼着した状態の斜
視図である。

【図９】本考案の第三の実施例を示す分解斜視図であ
る。

【図１０】同部材の（ａ）前面レンズと（ｂ）模様シー
トの正面図である。

【図１１】同前面レンズに模様シートを貼着した状態の
斜視図である。

【図１２】グラディエーション模様を設けた従来の前面
レンズの斜視図である。

【符号の説明】

１ 前面レンズ ６ 模様シート ７ グラディーション模様 ９ 模様シート ８ センターモール １０ 分割スリット １２ 裂け止め孔 １３ 分割スリット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車用リアコンビネーションランプの
   前面レンズ等、車両用灯具のレンズにおける湾曲した三
   次元曲面に対して、比較的細幅に分截した模様シート
   を、該三次元曲面に沿って貼着し、該三次元曲面上に模
   様を形成したことを特徴とする車両用灯具におけるレン
   ズ湾曲面の模様構造。