JPH04126714U - 塗料ミスト除去装置 - Google Patents

塗料ミスト除去装置

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JPH04126714U
JPH04126714U JP3052691U JP3052691U JPH04126714U JP H04126714 U JPH04126714 U JP H04126714U JP 3052691 U JP3052691 U JP 3052691U JP 3052691 U JP3052691 U JP 3052691U JP H04126714 U JPH04126714 U JP H04126714U
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信平 田中
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株式会社大氣社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 除去対象塗料ミストを含む気体を下向きに通
過させる気流路を設け、上面に沿って流れるミスト捕捉
用液を気流路中へ放擲する液放擲板を、気流路の内方へ
張り出す鍔状に配設した塗料ミスト除去装置において、
塗料ミスト除去機能の向上を図る。 【構成】 上記の鍔状液放擲板17を先端側ほど低位と
なる傾斜姿勢に配置する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、塗装ブースにおける吹き付け塗装作業域から排出する排気空気等、 塗料ミストを含む気体から含有塗料ミストを除去して、その気体を浄化する塗料 ミスト除去装置に関し、詳しくは、除去対象塗料ミストを含む気体を下向きに通 過させる気流路を設け、上面に沿って流れるミスト捕捉用液を前記気流路中へ放 擲する液放擲板を、前記気流路の内方へ張り出す鍔状に配設した塗料ミスト除去 装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記塗料ミスト除去装置は(図9参照)、気流路10を通過する気体A中の塗 料ミストを液放擲板17から放擲したミスト捕捉用液Wの飛散液滴に捕捉させて 除去するものであり、液放擲板17を気流路10の内方へ張り出す鍔状に配設す ることにより、液放擲板17の先端から下方に気流路10の流路壁を連ねる形式 における問題、つまり、液放擲板17の上面に沿って流れてきたミスト捕捉用液 Wの一部が飛散せずに液放擲板17の先端からそのまま気流路10の流路壁面を つたって流下してしまうといった問題を極力防止して、ミスト捕捉用液Wをより 確実に気流路10中へ飛散させるようにし、これによって、塗料ミスト除去機能 の向上を図ったものであるが、従来、このような鍔状の液放擲板17を設けるに あたっては、同図9に示すように、液放擲板17を水平姿勢で気流路10の内方 へ張り出す構造としていた(例えば、米国特許4,440,554参照)。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来構造では、液放擲板17から気流路10中へ放擲したミス ト捕捉用液Wの気流路10内方への液滴到達距離を大きくすること、また、放擲 したミスト捕捉用液Wを極力細粒化して気流路10中に飛散させることの夫々に 限界があり、これらが原因で塗料ミスト除去機能の向上が制限され、このため、 近年、公害防止等において要求されるより高度な塗料ミスト除去を十分に達成で きない問題があった。
【0004】 本考案の目的は、液放擲板に対する簡単かつ合理的な改良により、塗料ミスト 除去機能の効果的な向上を主とした装置改善を図る点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案による塗料ミスト除去装置の第1の特徴構成は、除去対象塗料ミストを 含む気体を下向きに通過させる気流路を設け、上面に沿って流れるミスト捕捉用 液を前記気流路中へ放擲する液放擲板を、前記気流路の内方へ張り出す鍔状に配 設する構成において、前記液放擲板を先端側ほど低位となる傾斜姿勢に配置して あることにあり、その作用・効果は次の通りである。
【0006】
【作用】
つまり、液放擲板を水平姿勢に配置する従来構造では、液放擲板上でのミスト 捕捉用液の流動は、液放擲板の基端に供給される後続ミスト捕捉用液による押し 出し、及び、液放擲板の近傍を流れる気流による誘引によってのみ与えられるが 、液放擲板を先端側ほど低位の傾斜姿勢に配置する上記の第1特徴構成において は、それら後続ミスト捕捉用液による押し出し、及び、気流による誘引がミスト 捕捉用液の流動に寄与することに加えて、先下がり傾斜姿勢の液放擲板上でのミ スト捕捉用液自身の自重流下力により液放擲板上におけるミスト捕捉用液の流動 が促進され、これによって、液放擲板を水平姿勢に配置する従来構造に比べ、同 量の液供給に対し、液放擲板上でのミスト捕捉用液の流速が大きくなるとともに 、その流速増大により、液放擲板上を流れるミスト捕捉用液の液膜厚さが小さく なる。
【0007】 そして、このようにミスト捕捉用液の流速を大きくできることで、放擲したミ スト捕捉用液の気流路内方への液滴到達距離を大きくすることができ、また、そ の流速増大によりミスト捕捉用液の液膜厚さを小さくできることで、放擲したミ スト捕捉用液の分散を容易にして、放擲ミスト捕捉用液をより細かく細粒化した 状態で気流路中に飛散させることができる。
【0008】 又、液放擲板を先端側ほど低位の傾斜姿勢に配置することにより、その液放擲 板の下面も先端側ほど低位の傾斜姿勢となることから、液放擲板の下面が水平姿 勢となる従来構造に比べ、液放擲板の上面に沿って流れてきたミスト捕捉用液の 一部が飛散せずに液放擲板の下面をつたって気流路の流路壁に至り、そのまま気 流路の流路壁面に沿って流下してしまうといったことも確実に防止でき、液放擲 板に供給するミスト捕捉用液をより一層確実に気流路中へ飛散させて塗料ミスト 除去に寄与させることができる。
【0009】 さらに、液放擲板を気流路の内方へ張り出す鍔状に配設する構造は、気流路中 で発生するミスト捕捉用液の飛散騒音を液放擲板の下面側空間部(気流方向にお いて液放擲板の下流に形成される急拡空間部)で受け止めて、その騒音が上方に 漏出することを抑制する機能を合わせ有するが、液放擲板を水平姿勢に配置する 従来構造に比べ、液放擲板を先端側ほど低位の傾斜姿勢に配置することにより、 上記下面側空間部の所謂ふところが深くなる形態となって騒音漏出防止効果が高 くなり、これによって、飛散騒音の上方への漏出をより効果的に抑制、防止でき る。
【0010】
【考案の効果】
以上作用の結果、本考案の第1特徴構成によれば、液放擲板から気流路中へ放 擲するミスト捕捉用液の気流路内方への液滴到達距離を大きくできること、及び 、放擲したミスト捕捉用液をより細かく細粒化して気流路中に飛散させることが できることで、また、それらに加え、液放擲板の上面に沿って流れてきたミスト 捕捉用液の一部が飛散せずに気流路の流路壁面をつたって流下してしまうといっ たことを確実に防止して、液放擲板に供給するミスト捕捉用液をより一層確実に 塗料ミスト除去に寄与させ得ることがあいまって、先述の従来構成に比べ塗料ミ スト除去機能を効果的に向上し得る。
【0011】 また、気流路中で発生する液飛散騒音の上方への漏出もより効果的に抑制、防 止できることで、装置周りの環境向上の面での装置改善をも合わせ達成でき、全 体として、近年要求されるより高度な塗料ミスト除去、及び、より良好な装置周 り環境のいずれにも十分に対応できる優れた塗料ミスト除去装置を提供し得るに 至った。
【0012】 (本考案の第2ないし第4特徴構成) 本考案による塗料ミスト除去装置の第2の特徴構成は、前記液放擲板の高さを 変更調整する高さ調整機構を設けてあることにある。
【0013】 つまり、この第2特徴構成を採用すれば、上記高さ調整機構による液放擲板の 高さ調整により、液放擲板からの液放擲位置を気流路の気流方向に調整して、液 放擲板から放擲したミスト捕捉用液の飛散状態を適宜調整でき、これによって、 塗料ミスト除去をより効率良く行える状態を得ることができる。
【0014】 本考案による塗料ミスト除去装置の第3の特徴構成は、前記液放擲板の傾斜角 度を変更調整する角度調整機構を設けてあることにある。
【0015】 つまり、この第3特徴構成を採用すれば、上記角度調整機構による液放擲板の 傾斜角度調整により、ミスト捕捉用液の流速及び液膜厚さとともに気流路におけ る気流状態を調整して、液放擲板から放擲したミスト捕捉用液の飛散状態を適宜 調整でき、これによって、塗料ミスト除去をより効率良く行える状態を得ること ができる。
【0016】 本考案による塗料ミスト除去装置の第4の特徴構成は、前記液放擲板の気流路 内方への張り出し長さを変更調整する張り出し量調整機構を設けてあることにあ る。
【0017】 つまり、この第4特徴構成を採用すれば、上記張り出し量調整機構による液放 擲板の気流路内方側への張り出し長さ調整により、ミスト捕捉用液の流速、及び 、液膜厚さはほぼ一定に維持しながら気流路における気流状態を調整して、液放 擲板から放擲したミスト捕捉用液の飛散状態を適宜調整でき、これによって、塗 料ミスト除去をより効率良く行える状態を得ることができる。
【0018】
【実施例】
次に実施例を説明する。
【0019】 図1は塗装ブースを示し、被塗物1を塗装ガン2により吹き付け塗装するトン ネル状の作業域3を形成し、被塗物1を搬入・搬出する搬送装置4を装備してあ る。
【0020】 作業域3の天井部はそのほぼ全面にわたって天井吹き出し口5として、この天 井吹き出し口5から温湿度調整した換気用空気を作業域3へ層流状に吹き出し供 給するようにしてあり、一方、作業域3の床部は格子床6として、この格子床6 を介し域内気を下方へ排気するようにしてある。
【0021】 ブース下部には、作業域3からの排気空気A中に含まれる塗料ミストを除去し て排気空気Aを浄化する塗料ミスト除去装置7を配備してあり、この塗料ミスト 除去装置7の具体的構造としては、洗浄水Wをブース両側部夫々から中央側へ向 けて流す一対の洗浄水パン8を格子床6の下方に設け、これら洗浄水パン8によ り作業域3からの排気空気A及び落下塗料塊を受け止めるようにするとともに、 その排気空気Aを両洗浄水パン8夫々の下流端縁における溢水堰9から溢水する 洗浄水Wと合流させて下向きに高速通過させる絞り気流路10を、両洗浄水パン 8の下流端縁間でブース長手方向(被塗物搬送方向)に延びるスリット状に形成 してあり、更に、絞り気流路10の下方には、絞り気流路10の下端噴出口10 aから下向きに噴出する排気空気Aと洗浄水Wとの合流流体を衝突させる衝突板 11を同じくブース長手方向に延設してある。
【0022】 つまり、絞り気流路10を高速通過する排気空気Aの気流中へ両洗浄水パン8 夫々からの溢水洗浄水Wを飛散させて、排気空気A中の塗料ミストを飛散水滴に 捕捉させ、また、それに続く衝突板11への衝突、及び、衝突後の洗浄水飛散の 過程においてもさらに排気空気A中の塗料ミストを洗浄水Wに捕捉させ、これに よって、排気空気A中から塗料ミストを除去して排気空気Aを浄化するようにし てある。
【0023】 上記塗料ミスト除去装置7により浄化した排気空気Aは、ブース下部の排気室 12に受け入れた後、その排気室12の一側壁に接続した排気ダクト13、及び 、作業域3に対して吸引排気作用する排気ファン14を介し系外へ廃棄、ないし 、一部を作業域3に対する換気用空気に再利用し、一方、塗料ミスト除去装置7 において塗料ミストを捕捉した洗浄水Wは、排気室12底部の水槽15に受け入 れた後、塗料スラッジ除去装置に送って含有塗料分を除去し、その後、洗浄水パ ン8に対する洗浄水供給樋16に返送して塗料ミスト除去装置7での塗料ミスト 捕捉に再利用する。
【0024】 洗浄水パン8夫々の下流端縁における溢水堰9については、図2に示すように 、それら溢水堰9の上端から絞り気流路10の内方へ張り出す鍔状の洗浄水放擲 板17を連設してあり、また、これら鍔状の洗浄水放擲板17は、その先端側ほ ど低位となる先下がり傾斜姿勢に配置してあり、溢水堰9からの溢水洗浄水Wを 洗浄水放擲板17の上面沿って流下させて洗浄水放擲板17の張り出し先端から 絞り気流路10中へ放擲することにより、溢水堰9からの溢水洗浄水Wの一部が 飛散しないままでそのまま絞り気流路10の流路壁をつたって流下してしまうと いったことを防止し、溢水洗浄水Wの全量を確実に絞り気流路10中へ飛散させ て塗料ミスト除去に寄与させるようにしてある。
【0025】 また、鍔状の洗浄水放擲板17を、その先端側ほど低位となる先下がり傾斜姿 勢に配置することにより、洗浄水パン8からの後続洗浄水Wによる押し出し、及 び、排気空気Aの気流による誘引が洗浄水放擲板17上での洗浄水流動に寄与す ることに加えて、先下がり傾斜姿勢の洗浄水放擲板17上での洗浄水W自身の自 重流下力により洗浄水放擲板17上における洗浄水流動を促進するようにしてあ る。
【0026】 つまり、この自重流下力による流動促進により、洗浄水放擲板17上での洗浄 水流速を大きくして放擲洗浄水Wの絞り気流路10内方への水滴到達距離を大き くすることで、絞り気流路10の中央部にまで放擲洗浄水Wの飛散水滴を十分に 供給するようにし、また、その洗浄水流速の増大により洗浄水放擲板17上を流 れる洗浄水Wの水膜厚さを小さくして放擲洗浄水Wの分散を容易にすることで、 放擲洗浄水Wを十分に細かく細粒化して絞り気流路10中に飛散させるようにし 、これらによって、塗料ミスト除去機能の向上を図ってある。
【0027】 溢水堰9は、上端縁から上記の洗浄水放擲板17を延設した縦姿勢の堰構成板 9aを、洗浄水パン8の下流側端縁における立片部9bに対しボルト連結により 取り付けて構成してあり、この立片部9bに対して取り付ける堰構成板9aを、 上端縁から延設した洗浄水放擲板17の絞り気流路10の内方への張り出し長さ や先下がり傾斜角度が異なる異種の堰構成板9aに適宜取り換えることにより、 絞り気流路10における排気空気Aの気流状態や洗浄水放擲板17上における洗 浄水流下速度、水膜厚さ等を調整して、塗料ミスト除去がより効率的となる洗浄 水飛散状態を得るようにしてある。
【0028】 また、堰構成板9aの立片部9bに対するボルト連結については、ボルト孔を 縦向きの長穴とすることにより、堰構成板9aの取り付け位置を上下に変更調整 できるようにしてあり、この堰構成板9aの上下位置調整により、洗浄水放擲板 17の絞り気流路10に対する相対高さを塗料ミスト除去がより効率的となる高 さに調整するようにしてある。
【0029】 一方、上記の如く洗浄水放擲板17を絞り気流路10の内方へ張り出す鍔状に 配設する構造は、絞り気流路10中での洗浄水Wの飛散騒音や衝突板11への衝 突に伴う衝突騒音を洗浄水放擲板17の下面側空間部a(すなわち、絞り気流路 10において洗浄水放擲板17の下流に形成される急拡空間部)で受け止めて、 その騒音が上方に漏出することを抑制する機能を合わせ有するが、洗浄水放擲板 17を前述の如く先端側ほど低位の傾斜姿勢に配置することにより、上記下面側 空間部aの所謂ふところを深くする形態として騒音漏出防止効果の一層の向上を も合わせ図ってある。
【0030】 洗浄水パン8夫々の下流側端縁から下方へ延設する気流路形成板18は、絞り 気流路10通過中での飛散水滴による塗料ミスト捕捉除去に十分な時間を確保で きる下方延設長さLとするとともに、下端側ほど絞り気流路10の内方へ寄る傾 斜姿勢に配置してあり、この傾斜構造により絞り気流路10の巾を下流側ほど小 巾として、絞り気流路10を通過する排気空気Aを徐々に加速させるようにする ことで、絞り気流路10通過中において飛散水滴に対する気流相対速度を大きく 維持し、これによって、絞り気流路10通過過程での排気空気A中の塗料ミスト と飛散水滴との接触確率を大きくして、塗料ミスト除去機能を一層向上させるよ うにしてある。
【0031】 尚、絞り気流路10における気流速度の一例としては、絞り気流路10の上端 吸入口10b部で20m/sとするのに対し下端噴出口10a部で30〜40m /sとする。
【0032】 上記気流路形成板18の下方延設長さLと傾斜角度θとは、それらの相関関係 により絞り気流路10の流路抵抗(すなわち、排気ファン14による吸引排気の 圧力損失となる抵抗)と絞り気流路10における塗料ミスト除去効率とが大きく 変化することから、それらの相対変化特性上で絞り気流路10の流路抵抗を極力 小さいものとしながら高い塗料ミスト除去効率を得ることができる値を選定して ある。
【0033】 絞り気流路10の下方に設ける衝突板11は、絞り気流路10における下端噴 出口10aの直下相当位置に溝部11aを設け、かつ、その溝部11aの両側壁 夫々の上端からほぼ水平姿勢で両外側方に延びる鍔11bを設けた構造とし、絞 り気流路10の下端噴出口10aから噴出する排気空気Aと洗浄水Wとの合流流 体(図中、一点鎖線で示す)を直接には上記溝部11aに溜まる洗浄水Wに衝突 させることで、噴出排気空気A中の残存塗料ミストや噴出洗浄水W中の捕捉塗料 分が衝突板11に付着堆積することを防止するようにしてある。
【0034】 上記溝部11aの開口巾Dは、絞り気流路10からの噴出流を確実に溝部11 aの溜まり水Wに衝突させることができる範囲内で極力小巾にしてあり、このよ うに溝部11aの開口巾Dを極力小巾にすることにより、絞り気流路10からの 噴出流の衝突に対し溝部11aの内部を封圧室として作用させる状態で溝部内溜 まり水Wの凹み量を小さくして、溝底への塗料付着を防止するに要する溝深さH を小さくし、これによって、衝突板11への塗料付着堆積は十分に防止しながら 溝部11a内の溜まり水量を少量化して清掃メンテナンスを容易にしてある。
【0035】 また、衝突板11に上記の鍔11bを設けることについては、このような鍔1 1bを設けない構造において溝部11aの開口巾D(換言すれば、溝構造の衝突 板の全巾)を小巾とした場合、絞り気流路10からの噴出流があまり大きく変向 せずとも衝突対象の溝部11a(溝構造の衝突板)から外れることができるため 、絞り気流路10からの噴出流が大きな流動抵抗である溝部11aから逃げよう として左右に振れ動くといったことが生じ、このために、所定の衝突、及び、そ の衝突に続く洗浄水飛散が安定的に行われず、これら衝突過程、及び、衝突に続 く洗浄水飛散過程での塗料ミスト除去機能が大巾に低下するといった問題を生じ るのに対し、衝突板11に上記の鍔11bを設けて溝部11a両側にもある程度 の流動抵抗を与えることにより、絞り気流路10からの噴出流の上記の如き変向 逃げ動作を防止して、絞り気流路10からの噴出流を衝突板11の溝部11aに 安定的に衝突させるようにし、これによって、衝突板11に対する衝突、及び、 その衝突に続く洗浄水飛散の過程での塗料ミスト除去機能を高く維持するように してある。
【0036】 尚、衝突板11に上記の鍔11bを設ける構成において、鍔11bの上面に対 する塗料付着堆積は、溝部11aの溜まり水Wに対する噴出流の衝突により外側 方向きの洗浄水飛散経路が鍔11b夫々の上方で斜め上向きに形成されて、この 洗浄水飛散経路が鍔11bの上面に対するカバー機能を果たすことにより防止さ れる。
【0037】 一方、衝突板11の設置高さについては、絞り気流路10の下端噴出口10a と衝突板11との離間距離Mが小さいほど、衝突板11に対する衝突、及び、そ の衝突に続く洗浄水飛散の過程での塗料ミスト除去機能は高くなるが気流通過抵 抗が大きくなって吸引排気の圧力損失が大きくなり、また、離間距離Mが大きい ほど、気流通過抵抗が小さくなって吸引排気の圧力損失が小さくなるものの衝突 板11に対する衝突、及び、その衝突に続く洗浄水飛散の過程での塗料ミスト除 去機能が低下するといった関係があるが、上記離間距離Mを徐々に大きくしたと き塗料ミスト除去機能は一様に漸次低下するのに対し、気流通過抵抗については 、離間距離Mがある大きさに至るまでは衝突板11での衝突圧力が絞り気流路1 0中にまで影響するため抵抗値の減少率が小さく、離間距離Mがある値にまで大 きくなったところで衝突圧力の絞り気流路10中への影響が解消されるため抵抗 値が急激に減少する点があり、このことから、上記離間距離Mとしては、気流通 過抵抗の急激減少点よりもやや大きな値(つまり、塗料ミスト除去機能を高く維 持することと吸引排気の圧力損失を小さくすることとの両立上、最も有利な値) を採用してある。
【0038】 尚、絞り気流路10の下端噴出口10aからの噴出気流速度が数10m/sの オーダでは、上記離間距離Mが絞り気流路10における下端噴出口10aの開口 巾dの約4倍に等しい(M≒4d)ところに気流通過抵抗の急激減少点が存在す る。
【0039】 排気室12内において衝突板11の配設部と排気ダクト13の接続部との間に は、洗浄水パン8から垂設する状態で水切り板19Aを設けてあり、衝突板11 への衝突、及び、その衝突に続く洗浄水飛散の過程でさらに塗料ミストを洗浄水 Wにより捕捉除去した後の排気空気Aを排気ダクト13へ排出するにあたり、そ の排気空気Aの排出経路を上記水切り板19Aにより規制することで排気空気A 中に含まれる水滴を分離除去するようにしてあり、また、この水切り板19Aの 下縁には、水切り板19Aにつたう流下水Wを受け止めて、その流下水Wが水切 り板19Aの下縁から排気空気A中に再飛散することを防止する樋20を設けて ある。
【0040】 21は上記樋20で受け止めた流下水Wを排気室底部の水槽15に導く縦樋で あり、この縦樋21は排気空気流動方向の上流側を開放した構造とし、案内流下 水Wの排気空気A中への再飛散は防止しながらも開放側から清掃メンテナンスを 容易に施せるようにしてある。
【0041】 又、排気室12内においては、衝突板11に対し上記水切り板19Aの配設側 とは反対側に、衝突板11に対して上記水切り板19Aと左右対称構造の垂下板 19Bを設けてあり、衝突板11両側方の壁構造を対称とすることにより衝突板 11の両側における気流状態を均等化し、これによって、絞り気流路10からの 噴出流を衝突板11に対しより安定的に衝突させるようにしてある。
【0042】 水切り板19A、及び、垂下板19Bは夫々、それらの上部に設けたヒンジ構 造22により外側方へ開き操作自在としてあり、これによって、衝突板11周り の清掃メンテナンスをさらに容易に行えるようにしてある。また、水切り板19 Aにおける樋20と縦樋21とは、水切り板19Aの開き揺動に対して分離自在 とするとともに、水切り板19Aの使用位置側への閉じ揺動に対して互いに連通 状態に嵌合するようにしてある。
【0043】 〔別実施例〕 次に別実施例を列記する。
【0044】 気流路10中へ放擲するミスト捕捉用液Wは水に限定されるものではなく、各 種薬剤の水溶液や、水以外の液体であってもよい。
【0045】 また、塗料ミスト除去対象の気体Aも塗装ブースからの排気空気に限定される ものではなく、塗料ミストを含む種々の気体を対象とすることができる。
【0046】 前述の実施例においては、気流路10をブース長手方向に延びるスリット状に 形成したが、気流路10は筒状のものであってもよい。
【0047】 又、前述の実施例においては、気流路10の入口部10bに鍔状の液放擲板1 7を設ける例を示したが、図3に示すように、気流路10の途中に液放擲板17 を設ける構造としてもよい。
【0048】 液放擲板17を先端側ほど低位となる傾斜姿勢に配置するに、図4に示すよう に上面側が凸状の湾曲姿勢に配置したり、図5に示すように上面側が凹状の湾曲 姿勢に配置してもよく、また、図6に示すように、先端部にほぼ鉛直姿勢の垂縁 部17aを設ける構造としてもよく、液放擲板17の具体的傾斜姿勢構造は種々 の改良が可能である。
【0049】 前述の実施例においては、液放擲板17の高さを変更調整する高さ調整機構の 一例として、液放擲板17を上端から延設した縦姿勢の堰構成板9aを洗浄水パ ン下縁の立片部9bに対して上下位置変更自在にボルト連結したが、液放擲板1 7の高さを変更調整自在とする場合、その高さ調整機構の具体的構造は種々の構 成変更が可能である。
【0050】 又、前述の実施例においては、液放擲板17の交換により液放擲板17の気流 路10中への張り出し長さや先下がり傾斜角度を変更調整するようにしたが、図 7に示すように、液放擲板17を固定部17bと先端出退部17cとで形成して 、その先端出退部17cの突出量調整により液放擲板17の気流路10中への張 り出し長さを変更調整するようにしてもよく、また、図8に示すように、液放擲 板17を基端部のヒンジ構造17eにより傾斜角度変更自在とするとともに、そ の液放擲板17に対する支持リンク17fの下端固定位置を上下調整自在として 、この支持リンク17fの下端固定位置調整により液放擲板17の先下がり傾斜 角度を変更調整するようにしてもよい。なお、図7において、17dは先端出退 部17cを所望の突出位置で固定するボルトであり、また、図8において、17 gはヒンジ構造17eを覆う可撓カバー、17hは支持リンク17fの下端を所 望の固定位置で固定するボルトである。
【0051】 液放擲板17の気流路10中への張り出し長さを変更調整自在とする場合、ま た、液放擲板17の先下がり傾斜角度を変更調整自在とする場合、それら張り出 し量調整機構、角度調整機構夫々の具体的構造は、上記の図7や図8に示す構造 に代えて種々の構成変更が可能である。
【0052】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対象を便利にするため符号を記す が、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗装ブースの断面図
【図2】要部の拡大断面図
【図3】別実施例を示す拡大断面図
【図4】別実施例を示す拡大断面図
【図5】別実施例を示す拡大断面図
【図6】別実施例を示す拡大断面図
【図7】別実施例を示す拡大断面図
【図8】別実施例を示す拡大断面図
【図9】従来例を示す断面図
【符号の説明】
10 気流路 17 液放擲板 17c,17d 張り出し量調整機構 17e,17f,17h 角度調整機構 A 気体 W 塗料ミスト捕捉用液

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 除去対象塗料ミストを含む気体(A)を
    下向きに通過させる気流路(10)を設け、上面に沿っ
    て流れるミスト捕捉用液(W)を前記気流路(10)中
    へ放擲する液放擲板(17)を、前記気流路(10)の
    内方へ張り出す鍔状に配設した塗料ミスト除去装置であ
    って、前記液放擲板(17)を先端側ほど低位となる傾
    斜姿勢に配置してある塗料ミスト除去装置。
  2. 【請求項2】 前記液放擲板(17)の高さを変更調整
    する高さ調整機構を設けてある請求項1記載の塗料ミス
    ト除去装置。
  3. 【請求項3】 前記液放擲板(17)の傾斜角度を変更
    調整する角度調整機構(17e,17f,17h)を設
    けてある請求項1又は2に記載の塗料ミスト除去装置。
  4. 【請求項4】 前記液放擲板(17)の気流路内方への
    張り出し長さを変更調整する張り出し量調整機構(17
    c,17d)を設けてある請求項1、2又は3のいずれ
    かに記載の塗料ミスト除去装置。
JP3052691U 1991-05-01 1991-05-01 塗料ミスト除去装置 Pending JPH04126714U (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5336780B2 (ja) * 1973-06-19 1978-10-04

Patent Citations (1)

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JPS5336780B2 (ja) * 1973-06-19 1978-10-04

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