JPH04124876U - 磁石発電機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この考案は、内燃機関の低回転時での出力電流
を増加させることを目的とする。 【構成】クランク軸３のボス４にライホイール５を固着
するとともに、その内壁に第１の磁石回転子７を配設す
る。また、ボス４のクランク軸部４ａに第２の磁石回転
子１０を固着する。さらに、内燃機関２に対して固定の
コア１１に第１および第２の磁石回転子７，１０に対応
して第１および第２の電機子巻線９，１３を巻回する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、磁石発電機に関し、特に内燃機関のクランク軸の回転に同期して 回転するフライホイール形の磁石発電機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図３は従来の磁石発電機の要部側断面図、図４は図３の電機子巻線の平面図で あり、図において、１は内燃機関本体２に固着されたステータ、３は内燃機関本 体２から突出した内燃機関のクランク軸、４はクランク軸３の先端部に固着され たボス、５はボス４にリベット６で固定された磁性体からなる椀状のフライホイ ール、７はフライホイール５の内周面に沿って配設され交互に異なる極性を有す る複数個の磁極からなる第１の磁石回転子、８はステータ１に固定されたコア、 ９はコア８に巻回された第１の電機子巻線である。

【０００３】 上記の磁石発電機においては、クランク軸３の回転によりフライホイール５が 回転し、回転する第１の磁石回転子７と、第１の電機子巻線９との電磁誘導作用 により発電する。そして、この電流は燃料供給装置、ヘッドランプ、オーディオ 等に供される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の磁石発電機においては、図５から解るように内燃機関の低回転時および アイドル回転時（Ｎ₁）のときには出力電圧が低下し、システム全体の消費電流 を下回ることになり、この場合システムへの不足分の電流供給は蓄電器から補わ れるが、この状態が長時間にわたって継続されると、蓄電器の供給能力を上回り 最後にはシステムの動作が停止してしまうおそれがあるという課題があった。

【０００５】 この考案は、上記の課題を解決するためになされたもので、内燃機関の低回転 時での出力電流を増加させることのできる磁石発電機を得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案に係る磁石発電機は、内燃機関の回転に同期して回転するクランク軸 のボスに固着されたフライホイールと、このフライホイールの内壁に配設され交 互に異なる極性を有する磁極からなる第１の磁石回転子と、前記内燃機関本体に ステータを介して固着されたコアと、前記コアに巻回されているとともに前記第 １の磁石回転子と対向して配置された第１の電機子巻線と、前記ボスのクランク 軸部に固定され交互に異なる極性を有する磁極からなる第２の磁石回転子と、前 記コアに巻回されているとともに前記第２の磁石回転子と対向して配置された第 ２の電機子巻線と、前記第１および第２の磁石回転子と前記第１および第２の電 機子巻線との電磁誘導作用により発生した電気を蓄電する蓄電器とを備えたもの である。

【０００７】

【作用】

この考案においては、一つの磁石発電機内に複数組の発電要素を設ける結果と なり、内燃機関の低回転時およびアイドル回転時の出力電流は増加する。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図について説明する。図１はこの考案の一実施例 を示す要部側断面図、図２は図１の電機子巻線の平面図であり、図３および図４ と同一または相当部分は同一符号を付し、その説明は省略する。

【０００９】 図において、１０はボス４のクランク軸部４ａに固定された交互に異なる極性 を有する複数個の磁極からなる第２の磁石回転子、１１は内燃機関本体２に固定 されたステータ１２に固着されたコア、１３はコア１１に巻回されているととも に第２の磁石回転子１０に対向して配設された第２の電機子巻線である。

【００１０】 このような磁石発電機では、クランク軸３の回転によりフライホイール５が回 転し、それに併せて第１および第２の磁石回転子７、１０が回転する。その結果 、第１および第２の磁石回転子７，１０と第１および第２の電機子巻線９、１３ との電磁誘導作用により発電し、一つの磁石発電機内に二組の発電要素を設けた ことなり、従来の磁石発電機と比較して内燃機関の低回転時およびアイドル回転 時の出力電流は増加する。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案の磁石発電機によれば、一つの磁石発電機内に 二組の発電要素を設けたことにより、内燃機関の低回転時およびアイドル回転時 の出力電流が増加し、内燃機関の低回転時およびアイドル回転時の出力電流の低 下による蓄電器の蓄電不足とそれによるシステムの停止を防止することができる という効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す要部側断面図であ
る。

【図２】図１の電機子巻線の平面図である。

【図３】従来の磁石発電機の一例を示す側断面図であ
る。

【図４】図３の電機子巻線の平面図である。

【図５】磁石発電機における回転数と出力電流との関係
を示す図である。

【符号の説明】

２ 内燃機関本体 ３ クランク軸 ４ ボス ４ａ クランク軸部 ５ フライホイール ７ 第１の磁石回転子 ９ 第１の電機子巻線 １０ 第２の磁石回転子 １１ コア １２ ステータ １３ 第２の電機子巻線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関の回転に同期して回転するクラ
   ンク軸のボスに固着されたフライホイールと、このフラ
   イホイールの内壁に配設され交互に異なる極性を有する
   磁極からなる第１の磁石回転子と、前記内燃機関本体に
   ステータを介して固着されたコアと、前記コアに巻回さ
   れているとともに前記第１の磁石回転子と対向して配置
   された第１の電機子巻線と、前記ボスのクランク軸部に
   固定され交互に異なる極性を有する磁極からなる第２の
   磁石回転子と、前記コアに巻回されているとともに前記
   第２の磁石回転子と対向して配置された第２の電機子巻
   線と、前記第１および第２の磁石回転子と前記第１およ
   び第２の電機子巻線との電磁誘導作用により発生した電
   気を蓄電する蓄電器とを備えた磁石発電機。