JPH04119161A - 複合不織布およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、複合不織布およびその製造方法に関するもの
であって、より詳しくは、不織布からなる基層の表面に
通気性を有するスキン層を形成した。複合不織布および
その製造方法に関する。

（従来技術） 近年、不織布の用途も多様化され、衣料用芯地ばかりで
なく、フィルターや産業資材関係などきわめて広範な用
途が開発され、それに応じて求められる物性も、機械的
強度、柔軟性等のみに止まらず、表面の触感が優れたも
のなどの付加価値も求められるようになってきている。

たとえば、不織布の表面特性を改良するために、不織布
の表面に合成樹脂のフィルムを貼りあわせることも試み
られているが、この場合は、不織布の重要な特性である
通気性を失ってしまうため、その用途がきわめて限定さ
れてしまい、工業的に優れたものとはいい難い。

一方、合成パルプや合成繊維を材料の一部として使用す
る、いわゆる複合紙も多く見られるようになってきた。

例えば特開昭５９−１７９８９４号公報には、合成パル
プ、合成繊維、複合合成繊維及び天然パルプのうち少な
くとも３種から成る紙料を中心層とし１合成パルプおよ
び天然パルプからなる紙料を上層および下層とし、これ
らを三層砂金せ抄紙してなるものが記載されている。

本発明者らは、平滑性、通気性、耐久性等に優れた複合
シートを求めて研究を重ねる中で、不織布、織布及びフ
ラットヤーンの何れかから成る強化層と、該強化層の少
なくとも片面に設けられた合成紙層とから成り、該合成
紙層は少なくとも合成パルプを含有しているとともに、
該合成パルプは、前記強化層の構成材と熱融着している
複合紙を得ることに成功・し、先に特許出願をした。

本発明者らは、さらにこの研究を継続する過程で、基層
として不織布を使用し、その少なくとも一面に、該不織
布より融点の低い合成パルプ、もしくは合成パルプと天
然パルプまたは合成繊維の混合物からなる抄紙層を形成
し、これを熱処理することにより、表面が通気性を有す
るスキン層が形成されるという知見を得、本発明を完成
するに至った。

（発明が解決しようとする課題） そこで本発明の目的は、表面が通気性のスキン層を有す
る複合不織布を提供することにある。

さらに本発明の他の目的は、前記複合不織布を、表面が
通気性を有し、かつスキン層が形成された状態で好適に
製造する方法を提供することにある。

（課題を達成するための手段） すなわち本発明によれば、不織布からなる基層の少なく
とも一面に、表面が通気性を有するスキン層が形成され
てなる複合不織布であって、該スキン層が、合成パルプ
、もしくは合成パルプと天然パルプまたは合成繊維の混
合物からなる抄紙層が融着一体化されてなるものである
複合不織布が提供される。

さらに本発明によれば、不織布からなる基層の上面に、
合成パルプ、もしくは合成パルプと天然パルプまたは合
成繊維の混合物を抄紙し、ついで、合成パルプの融点以
上で、かつ不織布の融点以下の温度で熱処理し、抄紙層
を基層上に融着させることを特徴とする複合不織布の装
造方法が提供される。

すなわち１本発明の重要な技術的特徴は、不織布からな
る基層の少な（とも−面に、通気性を有するスキン層を
形成した点にある。

（好適態様の説明） ・ｔａｔからなる基層 本発明において基層として使用される不織布は、その表
面にスキン層として形成される合成パルプよりも高融点
、あるいは高分解潤度の素材からなるものが使用される
。不織布の素材として使用されるものとしては、例えば
、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン
、綿糸、複合型繊維、例えば芯の部分が合成パルプの融
点より高い融点を有し、鞘の部分が合成パルプの融出ト
ｎ解いム占、８−右す入　いｈ鼎ス　鮪廿坤１の腹合型
繊維などが挙げられる。

この不織布は、製法的には、スパンボンド法、乾式法、
湿式法、メルトブロー法などが、また、ボンディング法
的には、ニードルパンチ法、サーマルボンド法、ウォー
タージェット法など自体公知の方法によって得られたも
のを適宜使用することができるが、強度的な面からいえ
ばスパンボンド法によって得られたものが好適に使用さ
れる。

また不織布の目付は、１ｇ７ｍ２以上のものが任意に使
用されるが、製品にクツション性を持たせることができ
る点で５０ｇ／ｍ”以上、とくに５０ないし１０００ｇ
／ｍ”のものが好適に使用される。ただし、湿式法によ
って成形された不織布の場合は、後に表面層を抄紙する
工程において、サイドからの水抜けが多（なり、均一な
抄造ができなくなるという事態を避けるためには、その
目付は２０００　ｇ　／　ｍ　”が上限となる。また、
乾式法によって成形された不織布の場合は、特にその上
限はないが、あまり厚くなるとサクションの効きが悪く
かるンいう＊ｑ　ｐ　ｓ≦ふり一部の日イ汁けｌ１ｌｋ
す／　ｍ　２程度が上限となる。

不織布の嵩密度は、特に限定されるものではないが、０
．０２ｇ／ａｍ”ないし０．２０ｇ／ｃｍ３のものが好
ましく使用される。

友血眉 本発明において不織布の表面に形成される通気性を有す
るスキン層は、合成パルプ、あるいは合成パルプと天然
パルプまたは合成繊維の混合物を抄紙し、これを熱処理
することによって形成される。

使用される合成パルプとしては、熱可塑性樹脂を素材と
したものが好適であり、特に溶液あるいはエマルジョン
のフラッシュ紡糸法によるものが好ましく使用される。

この熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリアクリロニトリル等の疎水性のものを例示す
ることができるが、特にポリエチレン５ポリプロピレン
、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−１−ブテ
ン共重合体、エチレン−４−メチル−１−ペンテン共重
合体等のエチレン及びα−オレフィンの１種または２種
以上からなる共重合体などのポリオレフィンが好適であ
る。なかでも結晶性のポリオレフィンが、パルプ状物を
製造するため、ならびに得られるパルプ状物の機械的物
性が優れている点で望ましい。

本発明において、この合成パルプは、表面が、熱処理に
よって通気性のあるスキン層となり、さらに前記の不織
布からなる基層と熱融着しているため、強度的にもきわ
めて優れたものとなる。

また合成パルプは単独で使用することもできるが、熱融
着による強度向上作用が損なわれない限りにおいて、天
然パルプまたは合成繊維と組み合わせで使用することも
できる。

表面層として使用されるパルプの種類を選択することに
より、表面層の通気度を自由にコントロールすることが
できる。たとえば、湿式法によって表面層を抄紙する場
合、合成パルプ、あるいは合成パルプと天然パルプまた
は合成繊維の混合物の濾水度を変えることで、表面層の
通気度をコントロールすることができる。すなわち、パ
ルプの濾水度を上げる（フリーネスを下げる）ことによ
り、通気度が小さ（なる。

また、乾式法で表面層を形成させる場合では、表面層が
合成パルプのみの場合は、通気抵抗が大となり、また合
成パルプに天然パルプまたは合成繊維を混合した場合に
は、天然パルプまたは合成繊維に混合隘が多くなるにし
たがって、通気抵抗は小さ（なって（る。

一般に合成パルプは、少なくとも５重量％、好ましくは
１０重量％以上の割合で使用されていれば十分な強度向
上効果が発現し、天然パルプまたは合成繊維の使用量は
、それぞれ９５重量％以下、と（に７０重量％以下の範
囲であることが望ましい。表面層が合成パルプ１００％
で形成されている場合には、複合不織布の表面は極めて
平滑なスキン層となり、不織布の原料として使用される
繊維のケバ立ちがなくなり、しかも、前記スキン層が形
成されることにより、局部的な力が加わってもへなるこ
とがな（、クツション性に優れた製品になるため、たと
えば、各種用途のフィルター材やクツション材などとし
て好適に使用されるものとなる。

また合成パルプとともに天然パルプまたは合成繊維の混
合物が使用されている場合には、複合不織布表面は、幾
分紙の風合を有するものとなり、複合不織布は一層通気
性に優れたものとなる。

天然パルプとは、天然のセルロースを含有した素材を原
料としたパルプであり、代表的には木材パルプであって
、これは叩解処理をして使用することもできる。

合成繊維としては、融点もしくは分解温度が前記合成パ
ルプよりも高い素材からなるものが好ましく、通常、繊
維長が１ないし５０關、とくに２ないし２０ｍａ＋、繊
維径が０．１ないし５００ｕ、とくにｌＯないし１００
ｕの範囲にあるものが好ましく使用される。また、芯の
部分が高融点で、鞘の部分が低融点の繊維、いわゆる、
鞘芯型の複合型繊維を使用することも出来る。この場合
、低融点側は前記合成パルプの融点よりも低く、高融点
側は前記合成パルプの融点よりも高い。

本発明においては、この合成パルプ、もしくは合成パル
プと天然パルプまたは合成繊維の混合物を、湿式法また
は乾式法によって、基層の少なくとも一面に融着させる
ものである。ただし、湿式法と乾式法の場合ではその目
付が異なり、湿式法の場合は１ないし１００　ｇ／ｍ”
　、とくに２ないし５０ｇ／ｍ”が好ましく、乾式法の
場合は１ないし２００ｇ／ｍ”、とくに５ないし１００
ｇ７ｍ”が好ましい。いずれの場合も、これよりも少な
いと表面に十分なスキン層が形成されないし、多い場合
には通気性が失われることになる。

本発明において、この通気性のスキン層は不織布からな
る基層の何れか一方側にのみ設けられていてもよいが、
両面に設けられていてもよい。

また本発明においては、前述したように、不織布からな
る基層は；前記合成パルプの融点よりも高融点あるいは
高分解温度の素材から構成されているものを使用するこ
とが必要であり、特に１０℃以上高融点ないし高分解温
度の素材から構成されているものを使用することが好ま
しい。たとえば、ポリエチレンの合成パルプを使用した
ときには、ポリプロピレン製の不織布等を使用すること
が望ましい。これにより当註基層を溶かすことなく両者
が融着一体化され、目的とする複合不織布が得られるこ
ととなる。

複合不織布の製造 上述した各層から構成される本発明の複合不織布は、前
記スキン層の原料となる合成パルプ、もしくは合成パル
プと天然パルプまたは合成繊維からなる混合物を水性媒
体に分散させて、抄紙機上に載置された不織布からなる
基層上に抄紙する湿式法によるか、あるいは、第１図に
示したような底部からサクションボックス２を介して吸
引する乾式抄紙装置１によって、乾燥粉砕された前記パ
ルプ素材を投入口２より投入し、金網４上に載置された
不織布５上に堆積させる乾式法（エアーレイド法）によ
って抄紙したものを熱処理することによって製造される
。

熱処理方法としては、たとえば、熱風を吹き付ける熱風
吹抜型装置、熱源の間を通過せしめるフローテインク型
装置、あるいは赤外線加熱による方法やヒーター等の熱
線赤外線加熱による方法、さらには、熱ロール加熱によ
る方法によっても行うことができる。

熱処理の条件は、不織布の種類および表面層を形成する
合成パルプの種類によっても異なるが、熱風循環式乾燥
機を用いた場合、不織布としてポリプロピレンを使用し
、合成パルプとしてポリエチレンを使用した場合には、
１４０ないし１６０℃、好ましくは１４５ないし１５５
℃で、１ないし５分程度の条件が採用される。

また、パルプの種類や熱処理の条件を適宜調整すること
により、スキン層の目開きを自由にコントロールするこ
とができる。

不織布層の両面に表面層を形成させる場合には、湿式法
においては、抄紙機のワイヤー上に抄紙を行ない、上記
スキン層の反対側の面にこれを重ね合わせればよいし、
乾式法においては片面な熱融着後、反対側の抄紙を行え
ばよい。

（発明の効果） 本発明によれば、表面層として使用する合成パルプが熱
処理によって不織布面に強固に熱融着しているため強度
的特性にすぐれ、かつ、表面には通気性を有するスキン
層が形成された複合不織布が提供され、この複合不織布
は、スキン層が製品のへたりをなくし、クツション性に
すぐれたものとなり、たとえば各種用途のフィルター材
、またはクツション材として好適に使用される。

（実施例） 以下、実施例に基づいて本発明の詳細な説明する。

なお、実施例中、複合不織布の物性は、以下の方法によ
り測定した。

通気抵抗；通気性試験機（ＫＥＳ−Ｆ８−ＡＰＩ型）カ
ド−チック−製にて測定 実施例Ｉ 基層として、ポリプロピレン−スパンボンド不織布（目
付量：　２００　ｇ／ｍ２、嵩密度：　０．０６ｇ／ｍ
２、通気抵抗：０９口６にＰａ−５ｅｃ／ｍ　）を用い
た。

合成パルプとして、高密度ポリエチレン合成パルプ（平
均繊維長：　０．８ｍｍ、濾水度：Ｃ３Ｆ＝７００ｃｃ
　）を用いた。

前記ポリプロピレン−スパンボンド不織布を、２５Ｘ２
５ｃｍ角型抄紙機のワイヤー上に置いた。

ついで、前記合成パルプ０．９３７５ｇ　（絶乾重量）
を水に離解した後、上記の抄紙機に投入し、前記不織布
上に該合成パルプを１５ｇ／ｍ２の坪量で抄き上げた。

この後、５０℃で１時間、風乾にて乾燥させ、さらに熱
風乾燥機にて、１５０℃、５分間熱処理を行なって、表
面に良好なスキン層が形成された複合不織布が得られた
。

この複合不織布の通気抵抗は、０．０６ＫＰａ−ｓｅｃ
／ｍであり、原反の不織布と変りなかった。

実施例２ 合成パルプとして、平均繊維長：１．０Ｉ１１０１、濾
水度：　ＣＳ　Ｆ　＝４００ｃｃの高密度ポリエチレン
を使用した以外は、実施例１と同様に行った。

その結果、表面に良好なスキン層が形成された複合不織
布が得られた。この複合不織布の通気抵抗は０．３５Ｋ
Ｐａ−ｓｅｃ／ｍであり、原反不織布に比べて小さくな
っていた。

実施例３ 不織布および合成パルプともに実施例１と同じものを使
用した。抄紙装置として、第１図に示した、底部にサク
ションボックスを配置し、底面に金網をセットした装置
を用いた。装置内の金網上に前記不織布を載置し、下部
からサクションで引きながら、上部投入口より乾燥粉砕
した合成パルプを投入し、不織布上に堆積させた。

合成パルプの堆積量は、２０ｇ／ｍ２とした。

これを実施例１で使用した熱風乾燥機にて、１５０℃で
５分間の熱処理を行った。

このようにして、表面に良好なスキン層が形成された複
合不織布が得られた。

この複合不織布の通気抵抗は、０．０６ＫＰａ・ｓｅｃ
／ｍであり、原反不織布の通気抵抗と変りなかった。

夫監豊Ａ 不織布および合成パルプは、実施例１と同じものを使用
した。

表面層の形成用素材として、さらに山陽国策パルプ社製
のＮＢＳＰを使用した。

実施例３と同様の手順で、合成パルプ／天然パルプ＝７
／３の割合で混合した。この混合粉砕パルプを堆積量が
５０ｇ／ｍ”となるように不織布上に堆積させた。

次に、これを平盤熱プレス成形機にて、温度＝１５０℃
、圧カニ　０．５ｋｇ／ｃｍ２、時間：３０ｓｅｃの条
件で熱圧処理を行った。

このようにして、表面に通気性のある良好なスキン層が
形成された複合不織布が得られた。

この複合不織布の通気抵抗は、０．１５ＫＰａ−ｓｅｃ
／ｍであった。

土較舅 実施例１で使用したものと同じ不織布上に、１５μｍ厚
みの低密度ポリエチレンフィルムを貼りあわせたものの
通気抵抗を調べたところ、大きすぎて測定不可能であっ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は、粉砕乾燥されたパルプを、乾式法によって不
織布上へ抄紙するための装置の一例を示す一部切欠斜視
図であり、 第２図は、該装置の底面部分を示す断面図である。 乾式抄紙装置 パルプ投入口 サクションボックス 金網 不織布 堆積されたパルブ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）不織布からなる基層の少なくとも一面に、表面が
   通気性を有するスキン層が形成されてなる複合不織布で
   あって、該スキン層が、合成パルプ、もしくは合成パル
   プと天然パルプまたは合成繊維の混合物からなる抄紙層
   が融着一体化されてなるものである複合不織布。
2. （２）前記基層が、前記合成パルプの融点よりも高融点
   の素材から形成されたものである請求項１項記載の複合
   不織布。
3. （３）不織布からなる基層の上面に、合成パルプ、もし
   くは合成パルプと天然パルプまたは合成繊維の混合物を
   抄紙し、ついで、合成パルプの融点以上で、かつ不織布
   の融点以下の温度で熱処理し、抄紙層を基層上に融着さ
   せることを特徴とする複合不織布の製造方法。
4. （４）前記抄紙が湿式法または乾式法によって行われた
   ものである請求項３項記載の製造方法。