JPH04117542U - 水草回収船 - Google Patents

水草回収船

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JPH04117542U
JPH04117542U JP2168691U JP2168691U JPH04117542U JP H04117542 U JPH04117542 U JP H04117542U JP 2168691 U JP2168691 U JP 2168691U JP 2168691 U JP2168691 U JP 2168691U JP H04117542 U JPH04117542 U JP H04117542U
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aquatic
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hull
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友彦 網元
賢 小川
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三井造船株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 適当な長さに切断された水草を引き揚げ易い
形状にした後、水面から浮標型水草を効率良く回収部に
回収できるようにした水草回収船を提供する。 【構成】 一対の浮体を並設して双胴型の船体を形成す
ると共に、前記浮体間に流水通路を形成し、更に前記浮
体の船首部前方にブレードを持つかき込み装置を、前記
流水通路内にコンベアをそれぞれ独立に浮体間に亙って
架設し、かつ前記船体の後方に水面より回収された水草
を収納するコレクターを連結したことを特徴とするもの
である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、水草回収船に係わり、更に詳しくは浮標型水草をその回収対象物 とし、中でもホテイアオイ(ウォーターヒアシンス)の回収を効率良く行うため のコンベア付ロータリーカッター式の水草回収船に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、水草の回収船としては、例えば船の前端にベルトコンベアを傾斜して装 備し、これを水中に下した状態で前進して浮遊物をベルトコンベア上にのせてす くい上げるコンベア方式のものが知られている。しかし、上記のコンベア方式の 水草回収船では船が前進するとベルトコンベアが水を押しのけるので、浮遊物が ベルトコンベア上に乗らず、ベルトコンベアの両端の左右水面域に逃げてしまい 、有効に収集できない欠点がある。
【0003】 即ち、自由な浮遊物をベルトコンベアにのせることは対水速度が大きくなるに したがって、またベルトコンベアの回転数を増加するにしたがって著しく困難と なる。 このためベルトコンベアでは積込能力が低く効率的な作業が望めないと言う問 題があった。
【0004】 また、水草の回収船には、この他にラッセル式やバキューム式水草回収船が知 られているがラッセル式水草回収船には、水草を回収する能力がなく、ただ水草 を切って小片とし、これを左右水面域に吹き飛ばすだけであり、小片となっても なお水草の繁殖力が強いものには何ら有効な手段となり得ないばかりか、小片と なり腐敗した水草がヘドロとなって水底に沈滞し水質汚濁を生じているのが現状 である。 また一方、バキューム式水草回収船は、水草回収用ポンプの吸収側に他端に開 口部をもつホースをつけ、そのホースの先端開口部を水草の繁茂する水面に押し あて水草をポンプの吸込強制力によってすい上げ、ポンプを介して移送するもの であるが、その際水草回収量の約10倍の水量を水草と同時に吸い上げなければ ならないという欠点がある。
【0005】 さらにポンプ自身の性質上、空気をすうことはできず、その運航ははなはだデ リケートであり、実務的ではないという問題があり、従来の回収船ではいずれも 有効に水草を回収することができなかった。
【0006】
【考案の目的】
この考案は、係る従来の問題点に着目して案出されたもので、その目的とする ところは、適当な長さに切断された水草を引き揚げ易い形状にした後、水面から 浮標型水草を効率良く回収部に回収出来るようにした水草回収船を提供するもの である。
【0007】
【考案の構成】
すなわち、本考案の水草回収船は、一対の浮体を並設して双胴型の船体を形成 すると共に、前記浮体間に流水通路を形成し、更に前記浮体の船首部前方にブレ ードを持つかき込み装置を、前記流水通路内にコンベアをそれぞれ独立に浮体間 に亙って架設し、かつ前記船体の後方に水面より回収された水草を収納するコレ クターを連結したことを特徴とするものである。
【0008】
【実施例】
以下、添付図面に基いてこの考案の実施例を説明する。 図1は、この考案を実施したコンベア付ロータリーカッター式水草回収船の斜 視図を示し、このコンベア付ロータリーカッター式水草回収船は、カッター船A とコレクターBとから構成されている。
【0009】 前記カッター船Aの船体10は、左右一対の浮体11a,11bの間に水草回 収用の通路12を有する双胴型を成しており、二つの浮体11a,11b同志は ブリッジ13によって幅方向に連結され一体の構造物となっている。 前記通路12の導入口14は、濾斗状に開いており、船体10の幅と同じ範囲 の水草を通路12内に誘導できるようになっている。
【0010】 前記浮体11a,11bの船首部には、水草を刈込、切断、後方送りする機能 をもつロータリーカッター15が装備されている。ロータリーカッター15によ って回収された水草は通路12を通過して、前記カッター船Aの後部に連結ロー プ16によって着脱自在に連結されたコレクターBに収容するようになっている 。
【0011】 ロータリーカッター15は、水草を直接に刈込み、切断するところのブレード 17、それを固定する軸18ならびに、その軸18に回転を与える駆動部19か ら構成されている。 前記ブレード17を固定した回転軸18と駆動部19との連結には、エンドレ ス状のゴムベルト20やチェーンベルト等を中間媒体として使用しても良いし、 軸直結駆動方式にしても良い。
【0012】 前記ブレード17を固定した回転軸18の回転方向は船体10の進行方向と同 じ方向に回転するように構成する。このように構成することにより、ブレード1 7、回転軸18、ならびに駆動部19から成るロータリーカッター15は船体1 0の進行方向前水域部に浮遊繁茂する水草を巻き込むようにして刈込み、切断し 、そして後方へ送ることができるものである。
【0013】 なお図1では、ロータリーカッター15が左右浮体11a,11b間にまたが って一体ものと成しているが、図2に示すようにロータリーカッター15の中間 部を分離して左右それぞれ独立型のロータリーカッター15(セパレートロータ リーカッター)とし、各々の浮体11a,11bの前部に配置しても、一体型ロ ータリーカッター15同様に水草を刈込み、切断し後方へ送るというその機能に は何等変わりはない。
【0014】 またブレード17の形状は直立型ではなく、図3及び図4に示すように刃元1 7aから刃先17bにかけて曲りブレード17をもつ刃型であり、ブレード17 が適度な曲りをもつことにより、水草のブレード17ならびに回転軸18へのか らみつきを防止することができる。 ブレード17は、薄板で十分にその能力を発揮することができるが、水草の有 効利用処理において、より細片化された水草が要求されるときにはブレード切込 み側外周辺ブレード17cに鋭利な刃をつけ、水草の切断能力をアップすること ができる。
【0015】 またブレード17の数は、ロータリーカッター15の回転軸18長さ(≒船体 10の幅)と回収の対象となる水草の種類で決定される。 ブレード17は、回転軸18へ固定しても良いが、ブレード17の保守、点検 や交換を容易にするためには、回転軸18にボルト穴21aを持つソケット23 を固定し、そのソケット23に同様なボルト穴21bを持つブレード17を挿入 し両者をボルトナット(図示せず)で結合するといったような接続型が便利であ る。
【0016】 更に、ブレード17の先端部のみを一方に曲げた形状のブレード17d(図4 の鎖線に示す)としても、その効果は前記平面型のブレード17と変わらない。 前記ブレード17の回転軸18への取付は、回転軸18の横断面に対して、ブ レード17を1枚取付ければ良いが、より細片化された水草の回収を目的とする 時には一横断面にブレード17を2枚ないし3枚つければその効果が期待できる 。なお、各々ブレードは横断面において同一取付位置とならないように配置され た方が望ましい。
【0017】 また、回転軸18の両端に近い部分は、その他の部分と異なり、ブレード17 の植込み密度を増加する。これは回収される水草と船体10の外側後方へ逃げる 水草との切断分離をより効果的にするためのである。 すでに従来技術で述べたようにベルトコンベアで浮遊物を捕獲するということ は困難を伴なうが、ベルトコンベアによる連続的移送能力は十分にその利が認め られている。
【0018】 そこでこの考案は、ベルトコンベアに改良を加えることによって浮遊物の捕獲 を可能としているのである。 即ち、船体10が前進するとベルトコンベアが水を押しのけ浮遊物がベルトコ ンベア上に乗らないという欠点を補うため、図1及び図5に示す如く改良型の揚 荷コンベア60の直前に前記ロータリーカッター15を設けている。換言すれば 浮体11a,11b部の船首部に設けたロータリーカッター15の直後の水草回 収用の通路12に、該ロータリーカッター15に近接して、かつコレクターBに 接続する揚荷コンベア60を傾斜させて配設した。
【0019】 またロータリーカッター15は、水草を巻き込むようにして刈込、切断する能 力の他にブレード17を湾曲形とすることによって後方送り強制力をもち、この ロータリーカッター15の後方送り強制力によって水草は強制的に改良型の揚荷 コンベア60上に乗せられる。 次に自由なる浮遊物をベルトコンベアにのせることは対水速度が大きくなるに したがって、著しく困難となるという欠点を補うため、改良型の揚荷コンベア6 0は平面ベルトを使用せず図6及び図7に示すようなメッシュベルト61を使用 する。
【0020】 これによりメッシュベルト61自身が水の流れを妨げることなく水草をメッシ ュベルト61上にのせることができる。 すなわちメッシュベルト61は対水速度と無関係となる。さらにまた、ベルト コンベアの回転数を増加するにしたがって自由なる浮遊物をのせることは困難さ を増すという欠点を補うために、前記メッシュベルト61に水草をひっかけ保持 するところの役目を持つ先端がY字状に形成されたキャッチャーフイン62をつ けている。またキャッチャーフイン62は、平面板ではなく、水中にあって水を 前方に押し出すことがないように棒状のものとなっている。棒状Y字形のキャッ チャーフイン62(棒状であれば各種形状のものが考えられる)を用いることに より、ベルト回転速度に影響されずに確実に水草を改良型の揚荷コンベア60上 に乗せることができる。
【0021】 改良型の揚荷コンベア60の駆動源64は回転軸63直結型としても良いし、 また回転軸63と駆動源64をゴムベルトやチェーンベルト等の媒体で連結して も良い。 なお、ロータリーカッター15は図5に示すように、ロータリーカッター15 (前部ロータリーカッターと称す)の他に、この前記ロータリーカッター15よ り後方の浮体11a,11b間の通路12内任意の位置に前記ロータリーカッタ ー15と同様な仕様のロータリーカッター15a(後部ロータリーカッターと称 す)を装備しても良い。
【0022】 勿論水草の刈込切断、後方送りには、前部ロータリーカッター15だけでもそ の能力を発揮できるが、ロータリーカッター15,15aを前部と後部の二段に 配置することにより、水草をより細片化し、後方送りをよりスムーズに行なうこ とができ、水草回収船としてその能力を十分に発揮できることとなる。 前部ロータリーカッター15の他に、後部ロータリーカッター15aを備えた ダブルロータリーカッター式の船の場合、前記改良型の揚荷コンベア60は、前 部ロータリーカッター15の直後ではなく後部ロータリーカッター15aの直後 に配置される。
【0023】 前記カッター船Aは自航できるように推進器25を有しており、この推進器2 5は推進器エンジン25aにより駆動されると共に、浮遊する水草や木材・竹・ ビニールなどの害浮遊物の影響を受けずに正常な稼働を維持するために推進器2 5の両サイドにはこれ等の流入を防ぐために防護ネット26が取付けられている 。
【0024】 ロータリーカッター15,15aや改良型の揚荷コンベア60、推進器25の 運転は浮体1上に設けられた操縦台27から遠隔操作して運航の便宜を計っても 良い。 前部ロータリーカッター15や後部ロータリーカッター15a、ならびに改良 型の揚荷コンベア60の駆動源は同一のものを使用しても良いが、それぞれ独立 させても良い。 前記コレクターBは、回収した水草を格納できるものであれば、いかような型 状のものでも良いが、全重量の95%が水分であるというホテイアオイの脱水処 理や揚荷の便宜を考え、その一実施例として高床式双胴型のコレクター30につ いて以下に説明する。
【0025】 高床式双胴型コレクター30は、図8に示すように水はけの便を計ったメッシ ュ型床31と、その床31の周辺上方に張りめぐらされたメッシュ型壁32で構 成される回収部33とを備えている。 この回収部33にじかに水草を積み上げても良いが、回収部33からの水草よ り効率的な揚荷の便を計るために、この回収部33内にネット34を配設し、そ の上に水草を積み上げる。そして水草をクレーン等によりネット34ごと吊り揚 げ、そのまま陸上へまたはトラック等輸送媒体へと積み卸すものである。メッシ ュ型床31は、左右に配置された浮体35によって支持される。浮体上面36を 前記メッシュ型床31の一部として使用しても良いが、メッシュ型床31と浮体 35との間に支柱37を設け、その支柱37を介してメッシュ型床31を浮体3 5とを一体のものとすればより効果的な水はけができる。
【0026】 高床式双胴型コレクター30は連結ロープ16によって前記カッター船Aに連 結され、曳航される。 回収部33への水草の積みおろしは前記カッター船Aに設けられた改良型の揚 荷コンベア60によって連続的になされる。 この考案は、上記のように構成されているで、水草が、単体でも群れを成して も浮き、かつ自然繁殖状態でない場合、すなわち人為的ダメージを加え、水草が 小片に切断されたり、圧縮されても、浮くという性質を利用することにより、水 草をいきなり水面から引きあげるのではなく、適度に切断し、引き揚げやすい姿 に変えた後、水面から引き揚げ回収部に集めることが出来るものである。
【0027】 即ち、従来のものが水草をいきなり水面から引き揚げるのに対して、本回収船 では水草を回収する際に、水草を回収しやすい姿に変えた後に引き揚げる。これ が従来のものに比べて水草の回収率を飛躍的に高め、効率的、低価格で運航され る理由である。 また、この考案の実施例では、回収船の前方にロータリーカッターを配置する ことにより、回収船が水草繁茂水域に於ても効率良い回収作業が可能であり、さ らに、ロータリーカッター15を改良型の揚荷コンベア60の前方に配置するこ とにより、従来のベルトコンベア方式の欠点を有効に解消するものである。
【0028】 ロータリーカッター15の下部は没水しており、ブレード17は没水部では後 方に回転し、水面上では前方に回転する。このためロータリーカッター15の回 転によって水流が生じ、ブレード17によってかり込まれた水草はブレード17 によって切断され、この水流に乗って後方へ連続的に移送される。 切断された水草は、船首部分に滞留することなく船体10に沿って後方に流れ るため、水草繁茂水域中に於ても、回収船は水草に妨げられることなく運航でき る。
【0029】 ロータリーカッター15を改良型の揚荷コンベア60の前方に配置すれば、ブ レード17の回転により、強制的に後方へ移送された水草はブレード17とコン ベア60との間のスペースに拘束されるがコンベア60を運転させれば、強制的 に移送されてきた水草は、順次コンベア上に乗せられる。 この結果、直接コンベアで水草をひろい上げる方式に較べると確実でかつスピ ーディな揚荷が可能となるものである。
【0030】 また、ロータリーカッター15によって生じる水流は回収船の推進力としても 作用する。更に水草をかき込み、後方に排出することはあたかもブレード17が 水草の中をキャタピラーの如く走行するという作用を果たすため回収船に対して は推進力として働くのである。
【0031】
【考案の効果】
上記のように、本考案は、一対の浮体を並設して双胴型の船体を形成すると共 に、前記浮体間に流水通路を形成し、さらに前記浮体の船首部前方にブレードを 持つかき込み装置を、前記流水通路内にコンベアをそれぞれ独立に浮体間に亙っ て架設し、かつ前記船体の後方に水面より回収された水草を収納するコレクター を連結したので、次のような優れた効果を奏する。 .ロータリーカッターは、水草の刈込、切断及び後送り作用を果たすと同じに 、その動力の一部は回収船の推進力としても作用するため、無駄のない効率的な 働きを示す。 .刈込、切断、後送りは、水草の浮力をそのまま利用するので、常に平面上で 行なわれ、従って水草の取扱いには無駄なエネルギーを必要としない。 .改良型の揚荷コンベアは、既に切断された水草をひろい上げることになり、 水草のコンベアに対するからみつきやひっかかりが少ない。また、水草同志もよ く切り分けられるため、回収された水草の取扱いが容易となる。これに反して繁 茂している水草を直接ひろいあげる方式では、水草は塊状になり易く後処理での 取扱いに不便である。 .従来のバキューム式水草回収船と異なり、水草のみを処理するので、動力ロ スがなく機構もシンプルであり、従って経済的でメインテナンスも容易である。
【提出日】平成3年5月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、水草回収船に関する。更に詳しくは、浮標型水草、中でもホテイ アオイ(ウォーターヒアシンス)の刈込み、切断及び後送りを効率的に行い得る 水草回収船に関する
【0002】
【従来技術】
従来、回転軸に多数の円板を串ざし状に装着した集塵ロータを船首の開口に寄 った通水路の部分に装備した清掃船が知られている(実公昭46−12509号 公報)
【0003】 さらに、2枚のジグザグ歯から成るカッターをフレームを介して回収コンベヤ の先端に水平に装着した藻類、塵芥等の回収装置が知れている(特開昭51−7 4890号公報)
【0004】 さらに、船体の前端部にバリカン型のカッターを水平に備えると共に、スクリ ーンコンベヤを設けた藻類刈取機が知られている(特公昭38−22391号公 報)
【0005】
考案が解決しようとする課題
然しながら、上記清掃船は、集塵ロータが回転軸に多数の円板を串ざし状に装 着したもので構成されているから、水草を刈込み、切断する機能を備えていない 。また、藻類、塵芥等の回収装置は、回収コンベヤの先端に取り付けられたカッ ターが2枚のジグザグ歯によって構成され、しかも、水平に設けられているので 、水底に根を張っている浮葉型の水草の切断は可能かも知れないが、水面上に浮 標しているホテイアオイのような浮標型の水草を細片化することが非常に難しい という問題があった。さらに、藻類刈取機は、バリカン型のカッターを水平に設 けているので、藻類、塵芥等の回収装置と同様の欠点を有する。
【0006】 本考案は、かかる従来の欠点を解消するためになされたものであり、その目的 とするところは、ホテイアオイのような浮標型の水草の刈込み、切断及び後送り を効率的に行い得る水草回収船を提供することにある
【0007】
課題を解決するための手段
かかる目的を達成し得る本考案の水草回収船は、船体の船首部にカッターを設 けると共に、当該カッターの後方に水草回収コンベアを配設したカッター船と、 前記カッターによって細片化された水草を収容するコレクターとから成る水草回 収船において、前記カッターを、回転軸とブレード全体が鎌首状に湾曲し、かつ 先端部が鉤型に屈曲した複数のブレードとから構成し、さらに各ブレードをブレ ード先端部を除く大部分が前記回転軸の軸線方向を指向するように前記回転軸に 装着して成ることを特徴とするものである。
【0008】 このように船体の船首部に設けたカッターを、回転軸とブレード全体が鎌首状 に湾曲し、かつ先端部が鉤型に屈曲した複数のブレードとから構成し、さらに各 ブレードをブレード先端部を除く大部分が前記回転軸の軸線方向を指向するよう に前記回転軸に装着したことにより、ホテイアオイのように水面上に浮標する浮 標型の水草の刈込み、切断及び後送りを効率的に行うことができる。
【0009】
【実施例】
以下、添付図面に基づいてこの考案の実施例を説明する。 図1は、この考案を実施した水草回収船の斜視図であり、水草回収船は、カッ ター船AとコレクターBとから構成されている。
【0010】 このカッター船Aの船体10は、左右一対の浮体11a,11bの間に水草回 収用の通路12を有する双胴型を成している。二つの浮体11a,11bはブ リッジ13によって幅方向に連結され、一体化されている。通路12の導入口1 4は、斗状に開いており、船体10の幅と同じ幅の水草を通路12内に誘導で きるようになっている。
【0011】 浮体11a,11bの船首部には、水草を刈込み、切断、後方送りする機能 をもつロータリーカッター15が架設されている。このロータリーカッター15 によって切断され、細片化された水草は通路12内に設置された揚荷コンベア 60によって水揚げされたあと、 カッター船Aの後部に連結ロープ16によって 連結されたコレクターBに収容されるようになっている。
【0012】 ロータリーカッター15は、水草を刈込み、切断、後送りするブレード17、 当該 ブレード17を固定する軸18、及び軸18に回転を与える駆動部19から 構成されている。回転軸18と駆動部19との連結は、エンドレス状のゴムベル ト20やチェーンベルト等を中間媒体として使用しても良いし、軸直結駆動方式 にしても良い。
【0013】 ブレード17を固定した回転軸18は、船体10の進行方向と同じ方向に回転 するようになっている。回転軸18の回転方向を船体10の進行方向と同じ方向 にすることにより、 ロータリーカッター15、船体10の進行方向前方の水域 部に浮遊繁茂する水草を巻き込むようにして刈込み、切断し、そして後方へ送る ことができる
【0014】 なお図1では、ロータリーカッター15を左右の浮体11a,11b間にま たがった一体ものとしているが、図2に示すように、左右それぞれ独立型のロー タリーカッター15、即ち、セパレート型のロータリーカッター15にしても良
【0015】 ブレード17は、直立型ではなく、図3に示すように、刃元17aから刃先1 7bにかけて鎌首状に湾曲した形状になっている。このようにブレード17が適 度な曲がりを持つことにより、上記機能の他に水草がブレード17や回転軸18 に絡みつくのを防ぐことができる
【0016】 さらに、ブレード17は、薄板状のまま十分にその機能を発揮できるが 、より細片化が要求されるときにはブレード17の込み側の外周辺17c に鋭利な刃をつけて切断能力をアップさせると良い
【0017】 さらに、ブレード17の数は、ロータリーカッター15の回転軸18の長さ( 船体10の幅)と回収対象となる水草の種類によって決定する
【0018】 ブレード17は、回転軸18固定してもよいが、ブレード17の保守点検や 交換を容易にするためには、回転軸18にボルト穴21aを持つソケット23を 固定し、そのソケット23に同様なボルト穴21bを持つブレード17を挿入し 、両者をボルトナット(図示せず)で結合する所謂接続型が便利である。
【0019】 図3に示すように、ブレード17は、回転軸18に当該回転軸18の軸線方向 を指向するように装着されている。更に、図4において破線で示すように、ブレ ード17の先端部17dのみをブレード17の横手方向に鉤状に屈曲させると、 水草の刈込み性がさらに向上する。
【0020】 ブレード17の回転軸18への取付けは、回転軸18の一横断面に対してブ レード17を1枚取り付ければ良いが、より細片化する場合には、一横断面に2 乃至3枚つければ良い。なお、各々のブレードは、一横断面において取り付け 位置が重ならないように、回転軸18の周囲に所定の間隔を維持して配置するこ とが 望ましい。
【0021】 さらに、回転軸18の両端に近い部分は、ブレード17の植え込み密度を増加 する。これは回収される水草と船体10の外側後方へ逃げる水草との切断分離を より効果的にするためである。
【0022】 前述した揚荷コンベア60は、図6及び図7に示すように、メッシュベルト6 1を使用する。メッシュベルト61自身は、水の流れを妨げないため、水草の回 収が容易に行える。さらに、メッシュベルト61には、 水草を引っ掛ける役目を 持つ先端がY字状に形成されたキャッチャーフイン62を設けている。このキャ ッチャーフイン62は、水中にあって水を前方に押し出すことがないように棒状 のものとなっている。Y字形のキャッチャーフイン62(棒状であれば、各種形 状のものが考えられる)を用いることにより、ベルトの回転速度に影響されずに 確実に水草を揚荷コンベア60上に乗せることができる。
【0023】 揚荷コンベア60の駆動源64は、回転軸63直結型としても良いし、回転軸 63と駆動軸64をゴムベルトやチェーンベルト等の中間媒体で連結しても良い 。
【0024】 なお、図5に示すように、ロータリーカッター15(前部ロータリーカッター と称する)の他に、前部ロータリーカッター15より後方の通路12内に前部ロ ータリーカッター15と同様な仕様を持つロータリーカッター15a(後部ロー タリーカッターと称する)を装備しても良い。水草の刈込み、切断、後方送りは 、前部ロータリーカッター15だけでもその能力を発揮できるが、ロータリーカ ッター15,15aを前後二段に配置することにより、水草を細片化し、後方送 りをよりスムーズに行うことができ、水草回収船としてその能力を十分に発揮 できる。
【0025】 前部ロータリーカッター15の他に後部ロータリーカッター15aを備えたダ ブルロータリーカッター式の水草回収船場合、揚荷コンベア60は、前部ロー タリーカッター15の直後ではなく後部ロータリーカッター15aの直後に配 置される。
【0026】 カッター船Aは、自航できるようにエンジン25aによって駆動される推進機 25を有している。この推進機25の両サイドには、浮遊する水草、材木、ビニ ール 等の浮遊物の流入を防ぐため防護ネット26が取り付けられている。
【0027】 ロータリーカッター15,15a、揚荷コンベア60、推進機25の運転は、 浮体11a上に設けられた操縦台27から遠隔操作して運航の便宜を計っても良 い。
【0028】 前部ロータリーカッター15、後部ロータリーカッター15a及び揚荷コンベ ア60の駆動源は、共用しても良いが、それぞれ独立させてもよい。
【0029】 前述したコレクターBは、回収した水草を格納できるものであれば、いかよう な形状のものでも良いが、全重量の95%が水分であるというホテイアオイの脱 水処理や揚荷の便宜を考え、高床式双胴型のコレクター30が望ましい。
【0030】 高床式双胴型のコレクター30は、図8に示すように、水はけの便を計ったメ ッシュ型床31と、その床31の周辺上部に張りめくらされたメッシュ型壁32 で構成される回収部33とを備えている。
【0031】 この回収部33に直に水草を積み上げても良いが、回収部33内にネット34 を配設し、その上に水草を積み上げる。そして水草をクレーン等によりネット 34ごと吊り揚げ、そのまま陸上又はトラック等の輸送媒体へと積み卸すもので ある。メッシュ型床31は、左右に配置された浮体35によって支持される。浮 体上面36をメッシュ型床31の一部として使用しても良いが、メッシュ型床3 1と浮体35との間に支柱37を設け、その支柱37を介してメッシュ型床31 と浮体とを一体のものとすれば、より効果的な水はけができる。
【0032】 高床式双胴型コレクター30は、連結ロープ16によってカッター船Aに連結 され、曳航される。回収部33への水草の積み卸しは、カッター船Aに設けられ たメッシュ型の揚荷コンベア60によって連続的になされる。
【0033】 この考案は、ホテイアオイのような浮標型の水草が単体又は群れを成しても浮 き、かつ人為的なダメージを加えて小片に切断されたり、圧縮されても浮くとい う性質を利用したものであって、水草を適度に切断して引き上げ易い姿に変えた 後、水面から引き上げ、回収部に集めることができるのである。
【0034】 前述したロータリーカッター15の下部は没水しており、ブレード17は水 面下では後方に回転し、水面上では前方に回転する。その結果、ロータリーカッ ター15の回転によって水流が生じ、ブレード17によって刈込まれ、切断され た水草は、この水流に乗って後方へ連続的に移送される。このように切断された 水草は、船首部分に滞留することなく、船体10に沿って後方に流れるため、水 草繁茂水域においても、回収船は、水草に妨げられることなく、運航できる。
【0035】 さらに、ロータリーカッター15の回転によって生じた水流は、回収船の推進 力としても作用する。更に、水草を掻き込み、後方に排出することは、あたかも ブレード17が水草の中をキャタピラの如く走行するという作用を果たすため、 回収船に対して推進力として働くのである。
【0036】
【考案の効果】
上記のように、本考案は、船体の船首部に設けたカッターを、回転軸とブレー ド全体が鎌首状に湾曲し、かつ先端部が鉤型に屈曲した複数のブレードとから構 成し、さらに各ブレードをブレード先端部を除く大部分が前記回転軸の軸線方向 を指向するように前記回転軸に装着したので、ホテイアオイのように水面上に浮 標する浮標型の水草の刈込み、切断及び後送りを効率的に行うことができる。さ らに、ブレードの回転によって生じた水流は、水草回収船の推進力として有効利 用できるので、無駄のない効率的な作業を行うことができる。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係る改良型の揚荷コンベアを実施し
たコンベア付ロータリーカッター式水草回収船の全体斜
視図である。
【図2】セパレート型ロータリーカッターの前部斜視図
である。
【図3】湾曲ブレードの正面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】改良型の揚荷コンベアを実施したコンベア付ダ
ブルロータリーカッター式の水草回収船の平面図であ
る。
【図6】揚荷コンベアの側面図である。
【図7】図6の平面図である。
【図8】高床式双胴型コレクターの斜視図である。
【符号の説明】
10……船体 11a,11b
……浮体 12……水草回収用の通路 15……ロータ
リーカッター 60……揚荷コンベア A………カッタ
ー船 B………コレクター
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年5月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 水草回収船
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかる水草回収船の斜視図である。
【図2】本考案にかかる水草回収船のロータリーカッタ
ーをセパレート型にした例を示す斜視図である。
【図3】本考案にかかる水草回収船のブレードの正面図
である。
【図4】本考案にかかる水草回収船のブレードの平面図
である。
【図5】本考案にかかる水草回収船の他の例を示す平面
図である。
【図6】本考案にかかる水草回収船のコンベアの側面図
である。
【図7】本考案にかかる水草回収船のコンベアの平面図
である。
【図8】本考案にかかる水草回収船のコレクターを示す
斜視図である。
【符号の説明】 10 船体 A カッター船 15 ロータリーカッター B コレクター17 ブレード 17d 先端部 18 回転軸 60 揚荷コンベア

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の浮体を並設して双胴型の船体を形
    成すると共に、前記浮体間に流水通路を形成し、更に前
    記浮体の船首部前方にブレードを持つかき込み装置を、
    前記流水通路内にコンベアをそれぞれ独立に浮体間に亙
    って架設し、かつ前記船体の後方に水面より回収された
    水草を収納するコレクターを連結した水草回収船。
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