JPH04116976U - 洗濯機の排水弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バルブケースを合成樹脂で成形した場合、成
形条件により形状に多少の差異があっても、弁体との密
着性を確保し、水漏れを防ぐことができる。 【構成】 排水管途中に設けた合成樹脂製バルブケース
15内に先端部が略球形の弁体14をスライド自在に配設
し、前記略球形の先端部がバルブケース15の内周面に接
触離脱することで流路を開閉する洗濯機の排水弁におい
て、弁体14の先端部が接するバルブケース15の内壁面に
溝条17を設け、該溝条17に止水用のパッキン18としての
Ｏリングを嵌入する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、洗濯機の排水弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】

洗濯機の一例として一槽式の全自動攪拌式洗濯機は、図２に示すように外箱１ 内に該外箱１から吊棒９により吊支される外槽８を設け、この外槽８内に、中心 にアジテータ６を有する洗濯兼脱水槽５を配設し、外箱１の上部に取付けたパネ ル２に洗濯兼脱水槽５の上部開口部である衣類投入口を覆う開閉自在な蓋３を設 けるとともに、パネル２の下方に蓋３の開閉に連動してオンオフする蓋開閉検知 スイッチ７を設けている。また、外層８の下方にモータ10を配設し、該モータ10 の回転軸をプーリー、Ｖベルト、伝達機構部11などを介してアジテータ６や洗濯 兼脱水槽５の駆動軸に連結してある。そして、外槽８の底部に設けた排水口に排 水管12を接続し、この排水管12の途中に制御装置( 図示せず）により開閉制御さ れる排水弁４を設けた。

【０００３】 この排水弁４は例えば図３に示すように、伸張する方向に付勢されたバネ13を 内部に配設したゴムなどの弾性体による弁体14をバルブケース15内に設けたもの で、前記バネ13により弁体14は流路を閉弁する方向に付勢され、弁体14にはこれ を収縮させて上方に引上げる引き棒16が中心に貫通してあり、この引き棒16にト ルクモータ( 図示せず）の回転により回動するレバー（図示せず）を連結してあ る。そして、弁体14の先端は球面状に形成され、この先端部がバネ13の弾力によ りバルブケース15の内壁面と線接触することで流路を閉じ、引き棒16がバネ13の 弾力に抗して弁体14を収縮させて引上げることで流路が開く。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このように閉弁は弁体の先端をバルブケース内壁面に線接触させることにより 行うが、バルブケースを合成樹脂で成形したものでは、その成形条件により形状 に微妙な相違が生じ、止水面である弁体との接触面が変形していると、ゴムなど の弾性体による弁体の弾性でも吸収しきれない程の押圧力の差がここに生じ、弁 体がバルブケースに完全に密着せず、弁体とバルブケースとの間に隙間が生じて この隙間から水が漏れることがある。

【０００５】 本考案の目的は前記従来例の不都合を解消し、バルブケースを合成樹脂で形成 した場合に、成形条件によって多少の狂いが生じても、止水面では弁体に完全に 密着させることができて止水能力を高めることのできる洗濯機の排水弁を提供す ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するため、排水管途中に設けた合成樹脂製バルブケー ス内に先端部が略球形の弁体をスライド自在に配設し、前記略球形の先端部がバ ルブケースの内周面に接触離脱することで流路を開閉する洗濯機の排水弁におい て、弁体の先端部が接するバルブケースの内壁面に溝条を設け、該溝条に止水用 のパッキンを嵌入したことを要旨とするものである。

【０００７】

【作用】

本考案によれば、バルブケースの内壁面に溝条を形成し、この溝条内に止水用 のパッキンとして例えばＯリングを嵌入したので、閉弁時には弁体の先端がこの パッキンと接触し、止水面ではゴムなどの弾性体が互いに接触することとなり、 密着性が高まり、隙間が生じることもなく水漏れしない。

【０００８】

【実施例】

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説明する。図１は本考案の洗濯機 の排水弁の１実施例を示す縦断正面図で、図中、図３に示した従来例と同一の構 成要素には同一の参照符号を付してある。本考案の排水弁も一例として図２に示 したような一槽式の全自動攪拌式の洗濯機に実施され、外槽８の底部に開口する 排水管12の途中に設けるもので、基本構造は従来と同様、伸張する方向に付勢さ れたバネ13を内部に弾装し、ゴムなどの弾性体により形成した弁体14をバルブケ ース15内にスライド自在に設けた。

【０００９】 前記弁体14は先端部を略球形に形成し、バネ13により流路を閉じる方向に付勢 され、また、これを収縮させて上方へ引上げる引き棒16が中心を貫通しており、 この引き棒16には図示は省略するがトルクモータの回転により回動するレバーを 連結してある。

【００１０】 バルブケース15は、プラスチックなどの合成樹脂により一体成形するが、成形 の際に弁体14の先端の止水面が接触する個所に環状の溝条17を形成する。さらに この溝条17内にパッキン18として例えばＯリングを嵌入配置した。この場合、パ ッキン18は溝条17に断面の約半分が埋設され、残りが溝条17から突出する。

【００１１】 このようにして、洗いやすすぎ時に排水弁を閉じるには、トルクモータへの通 電を行わなければ、バネ13の弾力により弁体14の先端が下方に引き降ろされ、先 端の球面状に形成した止水面がパッキン18と接触して流路を閉じる。この状態で は止水個所は弾性体が互いに接触し、バネ13の弾力で弁体14をバルブケース15側 へ押圧するので、バルブケース15側の止水面に多少の成形誤差があっても弁体14 とパッキン18とのそれぞれの弾性でこの誤差は吸収され、弁体14とバルブケース 15との止水面に隙間が生じることはない。排水時にはトルクモータに通電すれば 、引き棒16がバネ13の弾力に抗して引上げられ、弁体14の先端がバルブケース１
５ の内壁面から離れ、流路が開かれる。

【００１２】

【考案の効果】

以上述べたように本考案の洗濯機の排水弁はバルブケースを合成樹脂で形成し た場合で、成形条件によって形状に多少の差異が生じても、止水面での密着性を 確保でき、水漏れを確実に防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の洗濯機の排水弁の１実施例を示す縦断
正面図である。

【図２】洗濯機の説明図である。

【図３】従来例を示す縦断正面図である。

【符号の説明】

１…外箱 ２…パネル ３…蓋 ４…排水弁 ５…洗濯兼脱水槽 ６…アジテータ ７…蓋開閉検知スイッチ ８…外槽 ９…吊棒 １０…モータ 11…伝達機構部 12…排水管 13…バネ 14…弁体 15…バルブケース 16…引き棒 17…溝条 18…パッキン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 排水管途中に設けた合成樹脂製バルブケ
   ース内に先端部が略球形の弁体をスライド自在に配設
   し、前記略球形の先端部がバルブケースの内周面に接触
   離脱することで流路を開閉する洗濯機の排水弁におい
   て、弁体の先端部が接するバルブケースの内壁面に溝条
   を設け、該溝条に止水用のパッキンを嵌入したことを特
   徴とする洗濯機の排水弁。