JPH04116130U - プラズマエツチング装置 - Google Patents
プラズマエツチング装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ECR プラズマを用いたエッチングにおいて、
ラジカルによる化学的側壁エッチング反応を抑制し、ア
ンダーカットを減少させ、加工精度の向上を図る。 【構成】 エッチング室3内における試料Sの試料台5
に、これを冷却するための極低温冷凍機14を取り付ける
と共に、出力約40WのRFを印加する給電線を配設する。
ラジカルによる化学的側壁エッチング反応を抑制し、ア
ンダーカットを減少させ、加工精度の向上を図る。 【構成】 エッチング室3内における試料Sの試料台5
に、これを冷却するための極低温冷凍機14を取り付ける
と共に、出力約40WのRFを印加する給電線を配設する。
Description
【0001】
本考案はマイクロ波を用いて発生させたプラズマを利用するプラズマエッチン
グ装置に関する。
【0002】
マイクロ波を用いてプラズマを発生させる方法は、低ガス圧で活性度の高いプ
ラズマを生成でき、イオンエネルギの広範囲な選択が可能であり、また大きなイ
オン電流がとれ、イオン流の指向性、均一性に優れるなどの利点があり、高集積
半導体素子等の製造に欠かせないものとしてその研究, 開発が進められている。
図5は従来におけるマイクロ波を用いてプラズマを利用するプラズマエッチン
グ装置の縦断面図であり(特開平1-315135号) 、図中31はプラズマ生成室、32は
導波管、33は試料Sに対しエッチングを施すエッチング室、34は励磁コイルを示
している。
【0003】
プラズマ生成室31は上部壁中央には石英ガラス板31a で閉鎖されたマイクロ波
導入窓31b を備え、また下部壁中央には前記マイクロ波導入窓31b と対向する位
置にプラズマの引出窓31c を備えている。前記マイクロ波導入窓31b には導波管
32の一端部が接続され、またプラズマ引出窓31c にはこれに臨ませてエッチング
室33が配設され、更に周囲にはプラズマ生成室31及びこれに連結された導波管32
の一端部にわたってこれらと同心状に励磁コイル34が周設せしめられている。ま
たプラズマ生成室31のマイクロ波導入窓31b の周縁部にはCl2 ,O2 ガス等の
エッチングガスの供給系 (図示せず) が接続されている。
【0004】
導波管32はその他端部が図示しないマイクロ波発振器に接続され、マイクロ波
発振器で発せられたマイクロ波をマイクロ波導入窓31b を経てプラズマ生成室31
内に導入するようにしてある。
励磁コイル34は図示しない直流電源に接続されており、直流電流の通流によっ
て、プラズマ生成室31内にマイクロ波の導入によりプラズマを生成し得るよう磁
界を形成すると共に、エッチング室33側に向けて磁束密度が低くなる発散磁界を
形成し、プラズマ生成室31内に生成されたプラズマをエッチング室33内に導入せ
しめるようになっている。
【0005】
一方エッチング室33にはプラズマ引出窓31c と対向しない側壁に図示しない排
気装置に連なる排気口33a を開口し、またエッチング室33の内部には前記プラズ
マ引出窓31c と対向させて試料台35が配設され、この試料台35の上面に前記プラ
ズマ引出窓31c に対向させて試料Sが着脱可能に装着されている。
試料台35の下面にはこれに接してインジウム(In)等の熱良導材からなる熱伝導
体36が設けられ、その下端部には冷却ヘッダ37が取り付けられ、冷却ヘッダ37の
下端はエッチング室33の底壁を通してクライオン冷凍機等の極低温冷凍機38に接
続されている。
【0006】
而してこのような従来装置にあってはエッチング室33内の試料台35上に試料S
を装着し、プラズマ生成室31,エッチング室33内を所要の真空度に設定した後、
極低温冷凍機38により冷却ヘッダ37を−200 ℃程度に冷却し、試料台35及び試料
Sも略これと同程度に冷却する。その後エッチングガスの供給系からエッチング
ガスをプラズマ生成室31内に供給し、励磁コイル34に直流電流を通流すると共に
、導波管32,マイクロ波導入窓31b を通じてマイクロ波をプラズマ生成室31内に
導入する。プラズマ生成室31内に導入されたマイクロ波はプラズマ空洞共振器と
して機能するプラズマ生成室31内で共振状態となり、エッチングガスを分解し、
共鳴励起してプラズマを生成せしめる。生成されたプラズマ中のイオンは励磁コ
イル34にて形成される発散磁界に沿ってエッチング室33へ引出し、イオンを試料
台35上の試料S周辺に投射せしめてエッチングを行うようになっている。
【0007】
通常、プラズマは、上記した如く発散磁界の磁力線に即した方向性を持って引
き出され、イオンの流れによって生じるバイアスによる影響を受け、略20〜30eV
の低いエネルギーで試料表面に到達する。このため数百eVのエネルギーのイオン
を利用する従来の反応性イオンエッチング,イオンミーリングに比べてイオン衝
撃に起因する試料へのダメージが低減され、しかも低エネルギーイオンの照射に
よるエッチングであるため、エッチングの性能指標の一つである選択比 (エッチ
ング対象物と他の対象物とのエッチング速度比) が向上するとされている。
【0008】
しかしながら、プラズマ生成室31からエッチング室33に引き出されたプラズマ
中には、化学的に活性な励起された状態の原子,ラジカルが発生しており、この
ラジカルとエッチング対象物との化学反応もエッチングに寄与する。このような
ラジカルによる化学的なエッチングはイオンによる物理的なエッチングが方向性
(異方性)を持つのと対照的に等方的であり、アンダーカット量と密接に関係す
ることが知られている。
【0009】
通常のプラズマによるエッチングのガス圧は10-4〜10-3Torrであり、この範囲
ではプラズマによるエッチングはイオン性異方エッチングとラジカル性等方エッ
チングの混在したものとなるのが普通である。
その結果、エッチングによる加工形状は保護マスクの寸法よりエッチング対象
物が縮小する、所謂アンダーカット(0.3 μm 程度)を生ずることとなり、1μ
m 以下の微細加工を要する超LSI 製造技術に対応する手段としては加工精度の点
で問題を残している。
【0010】
本考案は斯かる事情に鑑みなされたものであり、試料台を極低温冷凍機にて冷
却すると共に、試料に適正な高周波を印加することにより、ラジカルによる化学
的側壁エッチング反応を抑制し、アンダーカットを減少させ、加工精度を大幅に
向上させたプラズマエッチング装置を提供することを目的とする。
【0011】
本考案に係るプラズマエッチング装置は、マイクロ波を導入しプラズマを発生
させるプラズマ生成室と、発生したプラズマを導入して試料にエッチングを施す
エッチング室と、該エッチング室内に設けられた試料台と、該試料台を冷却する
冷凍手段とを備えたプラズマエッチング装置において、前記試料台に出力約40W
の高周波を印加する手段を具備することを特徴とする。
【0012】
本考案にあっては、試料台を介して試料が冷凍手段により強制冷却されると共
に、出力約40Wの高周波を印加されることでイオン,ラジカルに対する精細な方
向制御を行いえてアンダーカットの低減が可能となる。
【0013】
以下本考案をその実施例につき図面に基づき具体的に説明する。
図1は本考案に係るプラズマエッチング装置 (以下本考案装置という) の縦断
面図であり、図中1はプラズマ生成室、2は導波管、3は試料Sに対しエッチン
グを施すエッチング室、4は励磁コイルを示している。
【0014】
プラズマ生成室1はステンレス鋼製であって、上部壁中央には石英ガラス板1a
で閉鎖されたマイクロ波導入窓1bを備え、また下部壁中央には前記マイクロ波導
入窓1bと対向する位置にプラズマの引出窓1cを備えている。前記マイクロ波導入
窓1bには導波管2の一端部が接続され、またプラズマ引出窓1cにはこれに臨ませ
てエッチング室3が配設され、更に周囲にはプラズマ生成室1及びこれに連結さ
れた導波管2の一端部にわたってこれらと同心状に励磁コイル4が周設せしめら
れている。またプラズマ生成室1のマイクロ波導入窓1bの周縁部にはO2 ガス(
流量50SCCM) のエッチングガスの供給系1gが接続されている。
【0015】
導波管2はその他端部が図示しないマイクロ波発振器(出力800 W)に接続さ
れ、マイクロ波発振器で発せられたマイクロ波をマイクロ波導入窓1bを経てプラ
ズマ生成室1内に導入するようにしてある。
励磁コイル4は図示しない直流電源に接続されており、直流電流の通流によっ
て、プラズマ生成室1内にマイクロ波の導入によりプラズマを生成し得るよう磁
界を形成すると共に、エッチング室3側に向けて磁束密度が低くなる発散磁界を
形成し、プラズマ生成室1内に生成されたプラズマをエッチング室3内に導入せ
しめるようになっている。その他1h,1i は夫々冷却水の給水系, 排水系を示して
いる。
【0016】
またプラズマ引出窓1dと対向しないエッチング室3の側壁には図示しない排気
装置に連なる排気口3aを開口してある。更にエッチング室3の内部には前記プラ
ズマ引出窓1dと対向させて試料台5が配設され、この試料台5の上面に前記プラ
ズマ引出窓1dに対向させて試料Sが静電吸着等の手段で着脱可能に装着されてい
る。
【0017】
試料台5の下面にはこれに接してインジウム(In)等の良熱伝導材からなる熱伝
導体11が設けられ、その下端部には冷却ヘッダ12が連接して取付けられ、冷却ヘ
ッダ12の下端は気密封止部材13を介してエッチング室内に挿入された極低温冷凍
機14の冷却口に接続されている。極低温冷凍機14は、例えばHeを冷媒とするクラ
イオ冷凍機等にて構成されており、エッチング室3の下部壁外部に取り付けられ
ている。
【0018】
図2は試料台5及びこれに接続された極低温冷凍機14の拡大側面図である。試
料台5は図2に明らかな如くその下端面にAl2 O3 等の絶縁板5c、In等の熱伝導
体11、冷却ヘッダ12を介して極低温冷凍機14に連結支持されている。
試料台5は金属製であって厚肉の円盤状に形成され、試料Sと対向する上面は
周縁部を残して僅かに凹ませて凹部5aを形成してあり、また内部には前記凹部5a
に連なるガス通流路5b及び試料台5と同心円状にシースヒータ15が、更に試料S
の温度検出用熱電対18が設けられている。試料台5の周壁に開口するガス通流路
5bには不活性ガス供給管16が連結されている。
【0019】
シースヒータ15は具体的には図示していないが、金属チューブ内に絶縁材を隔
ててヒータ線を配した同軸ケーブル状に形成されており、試料台5の周壁から引
き出されたヒータ線には給電線17a が、また金属チューブにはRF (ラジオ周波)
給電線17b が夫々接続されている。
19a,19b は給電線17a,17b と対向する金属構造部分との間に放電が発生するの
を防止するためのシールドケース、20は17a および17b への給電端子である。
【0020】
而してこのような本考案装置にあってはエッチング室3内の試料台5上にレジ
スト塗布した試料Sを装着し、プラズマ生成室1,エッチング室3内を7.5 ×10 -4
Torrの真空度に設定した後、極低温冷凍機14により冷却ヘッダ12を−200 ℃程
度に冷却し、これによって試料台5及び試料Sも略これと同程度に冷却する。ガ
ス供給管16、ガス通流路5bを介して試料台5の上部の凹部5aに不活性ガスを供給
する。この不活性ガスは周囲壁によって極低温に迄冷却されつつ凹部5aと試料S
との間の隙間を通じてエッチング室3内に流出し、試料Sにたわみが生じている
場合にもこれをばらつきなく冷却せしめる。
【0021】
試料Sの温度は、エッチング条件に応じて設定され、冷却が過大になる虞れが
あるときはシースヒータ15に給電線17a を通じて給電を行い、試料Sの温度を調
整する。なお試料温度は熱電対18にて逐次監視を行う。その後エッチングガスの
供給系1gからエッチングガスO2 をプラズマ生成室1内に供給し、励磁コイル4
に直流電流を通流すると共に、シースヒータ15に給電線17b を通じて試料Sに約
40Wの出力で高周波(RF波)を印加し、更に導波管2,マイクロ波導入窓1bを通
じてマイクロ波をプラズマ生成室1に導入する。
【0022】
マイクロ波をプラズマ生成室1内に導入しプラズマを生成せしめる。生成され
たプラズマ中のイオンは励磁コイル4にて形成される発散磁界に沿った方向性を
持つイオンビームとして試料台5に照射される。試料Sのレジスト表面はイオン
ビームを照射された部分のみが励起され、この励起された部分にエッチングガス
が吸着し、化学反応によってレジストが異方的にエッチング進行してゆくことと
なる。このときラジカルによる等方性エッチングも進行するが、試料Sが冷却さ
れ、また試料Sには高周波が印加されているため、その化学反応が抑制され、ラ
ジカルによる側壁エッチング反応が抑制され、アンダカットが抑制される。
【0023】
図3は本考案装置と従来装置とについての比較試験結果を示すグラフであり、
横軸に試料温度(℃)を、また縦軸にフォトレジストに対するエッチングレート
をとって示してある。グラフ中実線は本考案装置の、また破線は従来装置の各結
果を示している。
なお試験条件は、本考案装置にあっては試料台への高周波の印加出力Prf:約
40W、また従来装置ではPrf:0Wとした。他の条件であるマイクロ波出力Pu
:800 W、酸素ガス流量:50SCCM(0.75mTorr) 、試料温度:− 120℃はいずれも
同じとした。このグラフから明らかな如く従来装置に比較して本考案装置におい
てはフォトレジストに対するエッチングレートは格段に高くなっていることが解
る。
【0024】
図4は本考案装置を用いてフォトレジストをエッチングしたときのエッチング
面の断面を示す説明図であり、この図から明らかな如くアンダーカットは殆ど生
じていないことが解る。
【0025】
以上詳述した如く、本考案に係るプラズマエッチング装置においては、試料を
極低温冷凍機により強制冷却すると共に、この試料に出力約40Wの高周波を印加
することとしたからラジカルによる側壁エッチング反応を抑制でき、また精細な
イオン制御が可能となって試料に対する加工精度が高く、アンダカットの減少及
びエッチング加工精度の向上を図れる等本考案は優れた効果を奏する。
【図1】本考案に係るプラズマエッチング装置の縦断面
図である。
図である。
【図2】試料に対する冷凍手段及び高周波印加手段を示
す部分破砕側面図である。
す部分破砕側面図である。
【図3】本考案装置と従来装置との比較試験結果を示す
グラフである。
グラフである。
【図4】本考案装置によりフォトレジストをエッチング
したときのエッチング断面を示す説明図である。
したときのエッチング断面を示す説明図である。
【図5】従来におけるプラズマエッチング装置の縦断面
図である。
図である。
1 プラズマ生成室
3 エッチング室
5 試料台
11 熱伝導体
12 冷却ヘッダ
14 極低温冷凍機
15 シースヒータ
17a,17b 給電線
Claims (1)
- 【請求項1】 マイクロ波を導入しプラズマを発生させ
るプラズマ生成室と、発生したプラズマを導入して試料
にエッチングを施すエッチング室と、該エッチング室内
に設けられた試料台と、該試料台を冷却する冷凍手段と
を備えたプラズマエッチング装置において、前記試料台
に出力約40Wの高周波を印加することを特徴とするプラ
ズマエッチング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2790191U JPH04116130U (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | プラズマエツチング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2790191U JPH04116130U (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | プラズマエツチング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04116130U true JPH04116130U (ja) | 1992-10-16 |
Family
ID=31912111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2790191U Pending JPH04116130U (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | プラズマエツチング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04116130U (ja) |
-
1991
- 1991-03-28 JP JP2790191U patent/JPH04116130U/ja active Pending
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