JPH0411477B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はグラブ、ウインチフツク又はフツクに
より荷物を持上げまたは荷役する関節式もしくは
伸縮式アームを有するクレーンジブ装置に関する
もので、特に、本発明は当該ジブの半径即ち作動
範囲の変化に応じて当該クレーンのジブを自動的
に釣合わせるクレーンジブ装置に関するものであ
る。

この種の公知の装置において、クレーンジブは
一般的に釣合わせることなく、ターレツトに関節
接続され、釣合いおもり自体もターレツトに取付
けてある。この場合、釣合いおもりは実際上、逆
モーメントを減少させる働きをするが、その減少
程度は一定値であり、ジブの作動範囲の関数とし
て、修正することはしない。さらに、主アーム又
は補助アームを持上げる作動シリンダは１個で且
つ荷物とジブ及び該荷物を掴持する部材とを同時
に持上げなければならないので、作動シリンダに
相当のエネルギー消費が生じる。

本発明の目的は従来公知の装置の上述したした
不利益を解消することにあり、この目的のため、
本発明はジブの作動範囲の変化に応じて、ジブを
自動的に釣り合わせる装置をクレーンジブに取付
けた可変作動範囲を有するクレーンジブ装置を提
供することにある。

本発明に係る可変作動範囲を有するクレーンジ
ブ装置は (1) 支持タレツト上に回動可能に取付けた主アー
ムと、 (2) 主アームの一端に備え、主アームに対して移
動可能とし且つその前端に荷物を支持する掴持
機構を備えた補助アームと、 (3) 主アームに関して補助アームの位置を制御す
るために主アームと補助アームとの間に配設し
た第１液圧シリンダと、 (4) 主アームの他端に回動可能に取付けた補助ア
ームとは機械的な接続を有しない釣合いビーム
と、 (5) ジブを釣り合せるために釣合いビーム上に支
持させた釣合いおもりと、 (6) 主アームに関して釣合いビームの位置を制御
するため主アームと釣合いおもりとの間に配設
した第２液圧シリンダと、 (7) 第１液圧シリンダのシリンダ室の一方を液圧
流体源か、又は液圧流体排出機構に連結させ、
第２液圧シリンダのシリンダ室の一方を第１液
圧シリンダのものとは反対に液圧流体排出機構
か、又は液圧流体源に連結させる制御機構と、 (8) 該制御機構に備え且つ第１液圧シリンダの他
方のシリンダ室を第２液圧シリンダの他方のシ
リンダ室に連結した密閉循環通路を形成する導
管機械とから構成したものである。

従つて、本発明によれば、第１液圧作動シリン
ダの作動に基づいて移動できる補助アームを一端
に備えた主ジブアームはその他端を第２液圧作動
シリンダの作動に基づいて移動できる釣合いおも
りに接続され、補助アームの第１液圧シリンダと
釣合いおもりの第２液圧シリンダとを接続し、補
助アームの移動に比例させて釣合いおもりの移動
を自動的に行わせ、補助アームの位置がどこにあ
ろうとも、ジブの全体またはその一部分の釣り合
せを任意に行ない得るようにしたものである。

更に、本発明の装置は荷物を移動させるために
要する駆動及び被駆動部材の力を大幅に減少させ
ることができ、従つてエネルギ消費量を少なくさ
せることができる。

本発明の好適な実施態様において、補助アーム
及び釣合いおもりを制御する制御機構は液圧弁か
ら構成され、液圧弁は補助アームを制御する第１
液圧シリンダのシリンダ室の一方を流体貯蔵タン
クと連通させ、釣合いおもりを制御する第２液圧
シリンダのシリンダ室の一方に加圧流体を供給す
るよう位置決めすることを可能とし、もしくはこ
れと逆に、補助アームを制御する第１液圧シリン
ダのシリンダ室の一方に加圧流体を供給し、また
釣合いおもりを制御する第２液圧シリンダのシリ
ンダ室を貯蔵タンクと連通するよう位置決めする
ことを可能にする。更に液圧弁は第１液圧シリン
ダの他方のシリンダ室を第２液圧シリンダの他方
のシリンダ室に直列に接続し且つ密閉循環通路を
形成する導管機構を備えている。釣合いおもりの
値はジブ部材（グラブまたはフツクのような掴持
機構を含む）の関数として及びアームの関数とし
て計算されているので、補助アームと釣合いおも
りの何れか一方を制御する液圧シリンダに対し
て、他方を制御する液圧シリンダが排出した液圧
流体を供給することによつて行なわれる補助アー
ムと釣合いおもりの同期移動はジブの全体または
一部分に釣り合いを任意に達成することができ
る。

本発明の釣合い装置は関節式アームを有するジ
ブばかりでなく、伸縮式アームを有するジブにも
適用できる。

本発明を添付図面に示した２つの実施態様につ
いて詳細に説明する。

第１図に関し、符号１はクレーン台を示し、符
号２は該クレーン台１上に取付けた回転可能なタ
ーレツトを示してあり、符号３は第３液圧シリン
ダ５の制御により垂直面において回動させるため
後端をターレツト２に水平軸４で軸着させた主ジ
ブアームを示している。主アーム３の前端には補
助アーム７を水平軸６を中心に回動可能に接続さ
せ、該補助アーム７の前端は図示した実施例にお
いてはグラブ８により形成した掴持機構を支持し
ている。補助アーム７の屈折後端は第１液圧シリ
ンダ１０のロツド９の自由端に連結されており、
該第１液圧シリンダ１０の本体は主アーム３と一
体のブラケツト１１に関節接続されている。

主アーム３の後端には釣合いおもり１４を有す
る釣合いビーム１３が水平軸１２を中心に回動可
能に接続されている。該釣合いビーム１３は第２
液圧シリンダ１６のロツド１５の一端に接続さ
れ、該第２液圧シリンダ１６の本体は主アーム３
に備えたブラケツト１７に回動可能に固定されて
いる。

次に、第１液圧シリンダ１０及び第２液シリン
ダ１６用の液圧供給装置について説明する。符号
１８は液圧流体の貯蔵タンクで、符号１９はこの
貯蔵タンク１８に接続したポンプであり、符号２
０は３位置弁を示している。この３位置弁２０に
は一方においてポンプ１９に接続した圧力導管２
１と貯蔵タンク１８に接続した復帰導管２２とを
接続し、他方においては第１液圧シリンダ１０の
全断面シリンダ面２４に接続した導管２３と第２
液圧シリンダ１６の全断面シリンダ室２６に接続
した導管２５とを接続してある。導管２７はシリ
ンダ１０と１６のそれぞれの環状断面シリンダ室
２８と２９を直列に接続してある。該弁２０は次
の３つの異なる位置を占める。

(1) 液圧シリンダ１０及び１６にそれぞれ接続し
た導管２３及び２５を流体供給口、即ち貯蔵タ
ンクから隔離する中央位置（図示の位置）。

(2) 第１液圧シリンダ１０のシリンダ室２４に達
する導管２３をポンプ１９に接続し、第２液圧
シリンダ１６のシリンダ室２６に達する導管２
５を貯蔵タンク１８に接続する左側部分（図面
を見て）に相当する位置。

(3) 逆に、第１液圧シリンダ１０のシリンダ室２
４を貯蔵タンク１８に接続し、第２液圧シリン
ダ１６のシリンダ室２６を供給ポンプ１９に接
続する右側部分（図面を見て）に相当する位
置。

次に、該装置の作動方法について説明する。ジ
ブの作動範囲を長くしようとする場合には、運転
者は弁２０を第１図の右側部分に相当する位置に
位置決めし、液圧シリンダ１６のシリンダ室２６
に加圧流体が供給され、ロツド１５の動作によつ
て、同時に釣合いおもり１４を回動させ、シリン
ダ１６及び１０のシリンダ室２９及び２８間が接
続されているため、補助アーム７を上昇させるこ
とができるようにする。釣合いおもり１４の値は
ジブ及びグラブ８の部材の適当な質量の関数とし
て且つアームの関数として計算されているため、
ジブはクレーン台１及びターレツト２によつて形
成した組立体上にて恒久的に釣合い（全体的また
部分的）がとられる。ジブが所望の位置まで伸長
すると、弁２０はその中間位置まで復帰させら
れ、次いで液圧シリンダ５によつて、荷物の持上
げ及び下降が行なわれる。

他方、運転者がジブの作動範囲を短くしようと
する場合には、運転者は弁２０を第１図の左側部
分に相当する位置に位置決めする必要が有る。次
いで、液圧シリンダ１０のシリンダ室２４に液圧
が供給され、これによつて補助アーム７は回動さ
せられ、同時に、シリンダ１０のシリンダ室２８
が液圧シリンダ１６のシリンダ室２９と接続され
ているため、釣合いおもり１４は上昇し、自動釣
合せを確実に行なうことができる。

第２図の実施態様における主アーム３が第１図
の実施態様における主アーム３と異なる唯一の点
は補助アーム７が液圧シリンダ１０′の作動によ
つて主アーム３の内部に伸縮式に、滑動すること
ができるように取付けられていることである。第
１図のグラブ８はウインチ３０とシーブブロツク
３１を備える装置に代えることができる。液圧制
御装置は第１図のものとほとんど同じである。但
し、導管２３′は弁２０を液圧シリンダ１０′の環
状断面室２８′に接続し、導管２７′は液圧シリン
ダ１０′の全断面室２４′と液圧シリンダ１６′の
環状断面室２９′とを直列に接続してある。同様
に、ジブの作動範囲を長くするためには、運転者
は弁２０を第２図の右側部分に相当する位置に位
置決めし、これによつて、釣合いおもり１４は回
動せられ、同時に補助伸縮アーム７は伸長せら
れ、自動的に釣合いを保つ。逆に、ジブの作動範
囲を短くする場合には、運転者は弁２０を第２図
の左側部分に相当する位置に位置決めし、補助ア
ーム７の後退と釣合いおもりの上昇を同時に行な
わせる。

上述した説明は本発明を制限するものでなく、
一例として記載したものであり、本発明の範囲及
び精神から逸脱することなく、構造上の追加また
は変形を加えることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示したもので、第１図は
本発明の自動釣合い装置を備えた関節式アーム付
きクレーンジブ装置の側面図、第２図は伸縮式ア
ーム付きクレーンジブ装置の第１図と同様の側面
図である。 １……クレーン台、２……ターレツト、３……
主アーム、７……補助アーム、１０……液圧シリ
ンダ、１３……釣合いビーム、１４……釣合いお
もり、１６……液圧シリンダ、２０……３位置
弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 主アームをその中間位置で回動可能に支持タ
   レツト上に取付け、主アームの一端に補助アーム
   を備え、ジブの作動範囲を変えるために主アーム
   に対して補助アームを移動可能とし、補助アーム
   の前端には荷物を支持する掴持機構を備え、主ア
   ームに関して補助アームの位置を制御するため主
   アームと補助アームとの間に第１液圧シリンダを
   配設し、主アームの他端には補助アームとは機械
   的な接続を有しない釣合ビームを回動可能に取付
   け、釣合ビーム上にはジブを釣合せるために釣合
   いおもりを支持させ、主アームに関して釣合いビ
   ームの位置を制御するために主アームと釣合いビ
   ームとの間に第２液圧シリンダを配設し、第１液
   圧シリンダのシリンダ室の一方を液圧流体源か又
   は液圧流体排出機構に連結させ、第２液圧シリン
   ダのシリンダ室の一方を第１液圧シリンダのもの
   とは反対に液圧流体排出機構か又は液圧流体源に
   連結させる制御機構を備え、該制御機構には補助
   アームの移動範囲の変化に応じて釣合ビームを自
   動的に釣合せるため第１液圧シリンダの他方のシ
   リンダ室を第２液圧シリンダの他方のシリンダ室
   に連結した密閉循環通路を形成する導管機構を備
   えたことを特徴とする可変作動範囲を有するクレ
   ーンジブ装置。 ２ 補助アームを主アームに回動可能に取付けた
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載し
   たクレーンジブ装置。 ３ 補助アームを主アーム内に伸縮式に滑動でき
   るように取付けたことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項に記載したクレーンジブ装置。 ４ 第１液圧シリンダと第２液圧シリンダとは別
   個に、補助アームにより支持された荷物を昇降さ
   せるために主アームと支持タレツトとの間に支持
   タレツトに関して主アームの位置を制御する第３
   液圧シリンダを配設し、該第３液圧シリンダのエ
   ネルギー消費を釣合いおもりの釣合い作用に応じ
   て減少させたことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項に記載の可変作動範囲を有するクレーンジブ
   装置。 ５ 制御機構を液圧弁から構成し、該液圧弁には
   第１液圧シリンダの第１シリンダ室を液圧流体源
   に連結すると共に第２液圧シリンダの第１シリン
   ダ室を液圧流体排出機構に連結する第１位置と、
   第１液圧シリンダの第１シリンダ室を液圧流体排
   出機構に連結すると共に第２液圧シリンダの第１
   シリンダ室を液圧流体源に連結する第２位置とを
   備えたことを特徴とする特許請求の範囲第１項に
   記載の可変作動範囲を有するクレーンジブ装置。