JPH0411463B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ボビン搬送装置に関する。

精紡上がりの管糸を口出し装置を経てワインダ
に送る場合、管糸を、円板状の基板の上面中央に
管糸挿立用ペグを植設した管糸搬送用トレイに挿
し、該トレイをコンベアベルトに載置して搬送す
ることが行われているが、多品種の管糸を同時に
搬送する場合、管糸を挿立したトレイを選別する
ことにより所定管糸を取り出していた。トレイ上
のボビンの種類を判別する方法として、トレイに
バーコードを記載しそれを読み取る方法或いは、
鉄リング等をトレイに嵌合し、マークセンサ、近
接センサ等で判別する方法などが研究されたが、
未だマークセンサの精度に信頼性がなく判別ミス
を生じることがあつた。

また、搬送物に設置高さを変えてフツクを設
け、一方、搬送路の分岐点には、分岐させるべき
搬送物に設けたフツクの高さに対応し該フツクが
係合できるガイドレールを設け、フツクとガイド
レールとが係合することにより当該選別すべき搬
送物を分岐路に取り込む装置があるが、このよう
な係合手段によると分岐路においてはガイドレー
ルとフツクとが必ず係合できるよう搬送中常に姿
勢を正確に制御しなければならず、また、フツク
が係合した瞬間に衝撃を受けることにもなる。

これらの点に鑑みて、本発明装置は、電気的セ
ンサを使用することなく、また、被搬送物の機械
的選択時に被搬送物の姿勢を特に一定に制御する
必要なく、衝撃も受けることなく信頼度の高い選
択を行なうことができるボビン搬送装置を得るこ
とを目的とする。

本発明装置の実施の一例を図面と共に次に説明
する。

第１図、第２図において、１はトレイで、管糸
挿立用のペグ２を上面３に突設した円板状基板４
の側面５に識別溝６を周回させている。識別溝６
は、第１図Ａ乃至Ｅに示すように上面３からの距
離Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３，Ｒ４，Ｒ５，…の位置に設
け、その複数を適宜選択して平行して設ける。同
図面Ｆに示す例は３本の識別溝を選択した例であ
る。

搬送路の断面を第３図に示す。

１０は搬送装置で、樋状の支持部材１１内に搬
送手段としてベルトコンベア１２を配し、ベルト
コンベア１２の上位両側には間隔Ｌを有する搬送
路１３を構成して案内板１４が設けられている。
トレイ１はペグ２の基部７を案内板１４間の搬送
路１３から突出させて、ベルトコンベア１２に載
置されて移動するが、その搬送路１３の側部に選
別装置３０が設けられている。選別装置３０は、
目的のトレイ１を選別し取り出す分岐路１５（第
４図）に面して設けられる。

図示の例は３箇所に設けた識別溝設置位置の内
の２箇所を任意に選択してそこに２本の識別溝を
設けたトレイの選別を行うものである。

即ち、トレイ１の円板状基板４の側面５に３箇
所の識別溝６ａ，６ｂ，６ｃの設置位置がある。
即ち、２本から３本までの識別溝６の選択で４種
の、識別溝６の位置の異なつたトレイを得ること
ができる。その中で、中央と下部に計２本と識別
溝６ｂ，６ｃを有するトレイを分岐路１５に送る
例につき説明する。

第４図、第５図に示す装置は、識別溝６ｂ，６
ｃを有するトレイ１を選択するものであるため、
固定選択板３１ｂ，３１ｃを固定状態に軸３６，
４０で支持し、それぞれ先端を搬送路１３内に突
出し、その上に軸３６で可動選択板３１ａを揺動
自在に支持する。可動選択板３１ａには段部３９
を設け、ストツパ３５との間に架け渡したスプリ
ング３７に引かれ、軸３３に支持された押圧板３
２に植設したガイドバー３８に当接し、それ以上
の時計方向への旋回動を阻止している。

上記押圧板３２はスプリング３４に引かれ軸３
３を中心に第４図、第５図において反時計針方向
に旋回するように付勢されているがストツパ３５
に止められている。固定選択板３１ｂ，３１ｃに
上記段部３９より深い切込４１をそれぞれ設け、
後述する押圧板３２の揺動時にストツパ３８と固
定選択板３１ｂ，３１ｃとが当接しないようにし
てある。

次に、その作用につき説明する。

搬送路１３を識別溝６ｂ，６ｃを有するトレイ
１が搬送されて選別装置３０を位置に来ると、選
別装置３０の可動選択板３１ａ，固定選択板３１
ｂ，３１ｃの先端がそれぞれトレイ１の側面５と
対向し、固定選択板３１ｂ，３１ｃは識別溝６
ｂ，６ｃ内に入るために、トレイ１は固定選択板
３１ｂ，３１ｃにその進行を阻止されることなく
進み、同時に可動選択板３１ａにトレイ１の溝無
し部分が当接するが、可動選択板３１ａはトレイ
１の進行と共にトレイ１に押されてスプリング３
７の弾発力に抗して時計針方向に旋回する。この
ために可動選択板３１ａの段部３９と押圧板３２
に植設してストツパ３８との係合が外れるために
押圧板３２は時計針方向に旋回可能となる。トレ
イ１が進行して来、トレイ１の円板状基板４と押
圧板３２とが当接し、押圧板３２は押され軸３３
を中心に時計針方向に旋回し、その先端を搬送路
１３から没したトレイ１の分岐路１５方向への直
進を妨害しない。この押圧板３２の旋回動ときス
トツパ３８は固定選択板３１ｂ，３１ｃの切込４
１に従つて動くためストツパ３８が固定選択板３
１ｂ，３１ｃによつて旋回を阻止されることはな
い。

このためにトレイ１は全くその進路を変更され
ることなく、直進し分岐路１５に入る。

しかし、識別溝６ｂ，６ｃのみを有するもの以
外のトレイにあつては、すべて主搬送路１７に向
けて進行方向を変えられてトレイは分離されな
い。即ち、識別溝６ｂ，６ｃのいずれか一方又は
双方を欠くトレイの場合、搬送路１３内を進行
し、選別装置３０において固定選択板３１ｂ，３
１ｃのいずれか又は双方と当接し固定選択板３１
ｂ，３１ｃのいずれか又は双方によつて搬送路１
３内で膨大部１６の方向に押し出されトレイ１の
基部中心が案内板１４の尖端部１８よりも主搬送
路１７に入つた位置で尖端部１８に当るために当
該トレイ１は主搬送路１７に入る。もし識別溝６
ａ，６ｂ，６ｃのすべてを有するトレイ１であれ
ば、トレイ１が進行して可動選択板３１ａの先端
が識別溝６内に入るため可動選択板３１は旋回し
ない。そのために押圧板３２に植設したストツパ
３８は可動選択板３１ａの段部３９に係合したま
まであつて、押圧板３２は搬送路１３に先端を突
出したままの状態となる。その先端の突出した位
置は前記先端部１８よりも搬送路１３内の上流側
に位置している。そのために、進行して来たトレ
イ１は押圧板３２によつて主搬送路１７方向に押
し出され主搬送路１７に進入する。

このように選別装置３０の選択板３１の選択は
選別するトレイ１の識別溝６ａ，６ｂ，６ｃの位
置に対応して、例えば、識別溝６ａと６ｃを有す
るトレイ１を選別しようとするときは、識別溝６
ａと６ｃに対応する位置に固定選択板を置きその
他に可動選択板を置けば良い。

本発明装置は、上記の如く円板状基板の外周に
設けた識別溝の組み合わせを変えることによつて
複数種のトレイを任意に選別することができ、且
つ、円板状基板の識別溝に選択板を当接するもの
であるから選別作業時における被選別体への衝撃
作用はなく、しかも被選別体は円板であるためそ
の姿勢はどのような向きでも同一条件で選択的に
当接することになり、姿勢制御の必要はなく、精
度の高い選別を行うことができる特徴を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅはトレイの識別溝を
設ける装置を示す正面図、Ｆは３本の溝を設けた
トレイの正面図、第２図は同平面図、第３図は搬
送路、選択板、押圧板の関係を示す断面図、第４
図は選別装置の実施例の平面図、第５図は実施例
の斜視図である。 １……トレイ、２……ペグ、３……上面、４…
…円板状基板、５……側面、６……識別溝、１１
……樋状の支持部材、１２……搬送手段、１５…
…分岐路、３２……押圧板、３１……選択板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上面又は底面のいずれかの面を基準面とする
   円板状基板の上面中央にペグを一体的に突設した
   ボビン搬送用トレイの、前記円板状基板の側面全
   周に亘つて複数の識別溝を上記円板状基板の前記
   基準面と平行に形成し、前記識別溝を選別装置に
   より検索し選別するトレイを分岐路に進入させる
   ボビン搬送装置において、搬送手段上に前記円柱
   状基部が通過できる間隔を有して、案内板を設け
   てなる搬送装置に分岐路を設け、分岐路の上流側
   を、案内板間隔の開いた膨大部とし、分岐路の上
   流側側部には選別装置を設け、該選別装置は、前
   記トレイの複数の識別溝に対位して、その先端を
   識別溝内外に突出退去し得るよう揺動自在に支持
   した１枚の可動選択板、その先端を識別溝内に突
   出して設けた固定選択板、及び、分岐路上流側の
   搬送路内に突出した先端に当接したボビン搬送用
   トレイを分岐路側に押し出すよう揺動自在に設け
   た押圧板をその先端が搬送路外に退去し得るよ
   う、前記、可動選択板には可動選択板が揺動しな
   いとき押圧板先端の搬送路外への退去を阻止する
   揺動防止手段を設けてなるボビン搬送装置。