JPH04112605A - 送電線の張替工法及び同工法用ロープ回収機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、経年電線を安全に、しかも効率良く張替え
るための工法と、同工法に用いるロープ回収機に関する
ものである。

〔従来の技術〕

既設電線の張替には吊金工法が多用されているる。この
工法は、単輪、２輪、３輪、十字、或いはＸ型の吊金車
を既設電線に取付け、下部金車を利用して新設電線を延
線するが、既設電線に荷重、張力がかかって経年劣化し
た電線の素線切れや断線を招く恐れがあることから、低
張力で既設電線を撤去できる把持金車工法（これは既に
新工法として確立している）と特開平２−３６７０５号
公報に示されるような工法が開発されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

把持金車工法は、撤去する電線の鉄塔間に支持ロープを
張り、電線張力弛緩時にその電線を把む把持金車を連結
ロープでつないで上記支持ロープに適宜間＠（標準２０
ｍ）でセットし、電線把持後の金車を連結ロープを巻取
って電線と一緒に撤収するが、多数の把持金車と支持ロ
ープの張設を必要とするため、作業能率や作業コストに
問題が残る。

一方、上記公報に示される工法は、径間に親線を張り、
その線に沿ってう、ジングマンンを移動させつつマシン
から繰出す延線ロープを既設電線に縦添えし、さらに同
一マシンから繰出す紐を螺旋巻きして電線と延線ロープ
を結束する。そして、延線ロープを引いて既設電線を一
端から無張力で撤収しつつ延線ロープの他端に接続した
新設電線を架線していく。従って、吊金車を必要としな
いが、予め親線を張るので作業能率がまだ充分でない。

また、撤収した電線から螺旋巻きした紐を自動的に外す
技術が具体的に示されておらず、紐の取外しにも手間取
って張替え効率が低下することが懸念される。

そこで、この発明は、親線を必要とせず、補強ロープの
回収も効率的に行える送電線の張替工法と、この工法に
用いるロープ回収機を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明の工法は、張替対象の径間既設電線に、その電
線を中心にして回転するフライヤーから補強コープを繰
出すコープ巻付機を走行させて補強ロープを蝮旋状に巻
付け、次いで、既設電線の一端に新設電線を接続し、そ
の後、地上で既設電線を他端側から巻取りつつ、かつ、
電線外周を周回する巻取ドラムを備えたロープ回収機で
補強ロープを巻戻して分離回収しつつ新設電線を繰出し
て既設電線と入替えるものである。

かかる工法では、既設電線と新設電線との間に延線用ロ
ープを介在して先ず既設電線と延線用ロープを入替え、
その後、延線用ロープを巻取ってこのロープと新設電線
を入替えることもできる。

次に、上記工法に用いるこの発明のロープ回収機は、を
線の引取装置と巻取機との間に設けるものであって、架
台で支えた内訳と、内胴上に同心配置する外胴と、この
外胴の回転駆動手段と、外胴外因に取付ける巻取ドラム
、このドラムの回転駆動手段、及び電線上の補強ロープ
のドラム胴部上−・の案内手段とを具備し、電線を内胴
内に通し、上記外胴を電線の巻取速度に応じた速さで回
転させて内胴の入口側で電線上の補強ロープを巻戻し、
外胴と一体回転して電線外周を周回する巻取ドラムに順
次巻取るように構成されている。この回収機は、内胴の
入口部と出口部に、走行中の電線を内胴中心部に保持す
る案内ガイドを設けるとより望ましい。

〔作用〕

上述の工法では、張替対象の既設電線に直接ロープ巻付
機を装着して電線外周に補強ロープを巻付けていくので
親線が不要である。

また、補強ロープて゛既設電線を補強してそのロープと
共に電線を引抜くので、既設電線に沿わせる延線ロープ
も必要としない。

さらに、既設電線を巻取りながら巻取部の手前でロープ
回収機により補強ロープを能率的に巻戻して回収してい
くので、回収性の悪さに因をなす張替効率の低下も起こ
らない。

なお、本工法によれば、既設電線に引抜き張力が加わる
ので、また、既設電線は金車に通して地上に導くので、
電線の素ｉａ切れや断線がロープによる補強によって１
００％防止されるとは言えないが、金車通過時等の素線
切れは、補強ロープが緩衝材として動くため吊金工法に
比べると大巾に減少する。また、仮に既設電線が素線切
れ、或いは断線したとしても、螺旋巻した補強ロープが
電線を把持して素線のはね上がり、断線した電線の垂れ
下がり、断線部における引抜き力のとぎれを防止するの
で張替作業には何ら支障が出ない。

また、この発明のロープ回収機は、外胴上の巻取ドラム
を外胴を回転させて電線の外側で周回させながら補強ロ
ープを巻戻し、順次ドラムに巻取っていくので、補強ロ
ープの回収作業が自動化される。この回収機は、前述の
案内ガイドを備えていると、電線が内胴中心に保持され
てロープの巻取張力が安定し、回収作業に乱れが出ない
。

〔実施例〕

第１図及び第２図に基いてこの発明の工法の一実施例を
説明する。図は鉄塔Ａ、Ｃ間で既設電線１を張替えるも
のである。

先ず、鉄塔ＡからＢに向けて、また、ＢからＣに向けて
それぞれ電線１上にパイロットロープ牽引用の自走機（
図示せず）を走らせ、パイロン）ロープＳとこれを支え
る吊金車１０を配置する。

次いで、鉄塔Ａ部で電線１にロープ巻付機３を装着し、
この巻付機にパイロットロープ９を連結してそのロープ
９を鉄塔Ｂ部で引抜き（吊金車はここで回収する）、巻
付８！３を鉄塔Ｂに向けて移動させつつ巻付機のフライ
ヤーから繰出した補強ロープ２を電線１上に蝮旋状に巻
付ける。さらに、巻付機３が鉄塔Ｂに至ったら、Ｂ、Ｃ
間のパイロットロープを連結し直し、そのロープを鉄塔
Ｃ部で引抜いてＢ、Ｃ間の電線上にも補強ロープ２を巻
付ける。第１図は、Ｂ、Ｃ間の径間中央付近まで補強ロ
ープ巻付けが進行した状態を示している。

次に、鉄塔Ａ、Ｃ間での補強ロープ巻付けが完了したら
各鉄塔に電線を通す金車１１をセットし、その後、鉄塔
Ａ部で電ｗＡ１の端部に第２図に示す新設電線又は延線
用ロープ４を接続し、延線車６で４を繰出しながら鉄塔
Ｃ部で電線１の端部を地上に降ろす。そして、この電線
端を巻取型延線車やウィンチを用いた引取装置７に通し
、７の後方で補強ロープをロープ回収機５のドラムに、
また、回収機内を通過させた電線端を巻取機８に各々固
定する。

この後、５〜８の各機器を駆動して補強ロープ２を回収
機５で分離回収しながら既設電線を巻取り、これに合わ
せて４を繰出していく。その４が延線用ロープである場
合にはロープの終端に新設電線を接続し、既設電線と延
線用ロープの入替え後、延線用ロープを巻取って新設電
線と入替える。

その延線用ロープは、既設電線の捻回トルク等の影響を
新設電線に与えないようにするために用いられる。

第３図乃至第５図は、この発明の工法に用いるロープ巻
付機３の一例を示している。

図の３１は、ブレーキ３２を有するセンタードラムであ
る。このドラムは、一体の歯車３３に噛合させるピニオ
ンギヤを取付けたモータＭで回転させて補強ロー１２を
巻取る。モータＭは着脱自在であり、センタードラムへ
の補強ロープ巻取り後に取外される。

３４はａ−ｄ及びｆ−ｊの各ローラと目板ｅから成る補
強ロープの繰出しガイドである。センタードラム３１上
には２条の補強ロープが巻かれており、その２条のロー
プがａ　％　ｅを通って摩擦ローラｆに至り、次いで一
方のロープがｇ、ｉ繰出で、他方のロープがり、　　ｊ
繰出でセンタードラム内を通過した電線１上に繰出され
ていく。ａ、ｂ、Ｃの各ローラは、ロープ繰出し点のド
ラムの軸方向変動に対処するためドラム軸と平行な長寸
ローラを用いている。

３５は、繰出ガイド３４を支持すフライヤーである。こ
のフライヤーには遊星歯車３６を取付けてあり、補強ロ
ー１２の繰出しに伴って摩擦ローラｆが回転すると、こ
のｆと一体の上記遊星歯車３６がセンタードラム端に設
けた太陽歯車３７の外周で自転しながら公転し、このた
めにフライヤー３５が電線１を中心にして回転する。

３８は、センタードラムの前後に設けた走行ローラであ
り、このローラが電線上で転動して巻付機が走行する。

３９は巻付機の姿勢を保持するカウンターウェイトであ
る。

第６図及び第７図はロープ回収機の一例を示している。

二のロープ回収８！５は、架台５１で支持する内胴５２
の外周にモータ５４で回転さセる外胴５３を同心配置し
である。また、外胴５３の外周には外胴を回転させて電
線外周を周回させる２個の巻取ドラム５５とベベルギヤ
を含む動力伝達要素を経由して各ドラムを個別に回転さ
せるモータ５６と補強ロープの案内手段を設けである。

図示の案内手段は、ドラムとの相対位置が固定されたガ
イドローラ５７と、チェーン、スプロケット、歯車を用
いてドラムに連動させるトラバーサ５８とから成り、ト
ラバーサのガイドローラがドラム巻胴に沿って往復動し
、ローラ５７経由で移動してくる補強ロープを巻回位置
を移しながらドラム上に導く。

５９は、内胴５２の入口部と出口部に設けた電線の案内
ガイドである。この案内ガイド５９は、上部ローラ６０
と開閉式の下部ローラ６１との間ｌこ透した電線１を内
胴の中心部に保持する。電線１が内胴中心から偏心する
と、補強ロー１２の巻取張力が変動して作業の中断を余
儀なくされる事態が起こる恐れがあるが、電線１が内胴
中心に保持されるとこのようなトラブルが起こらず、回
収作業が円滑になる。

なお、電線１は補強ロープ除去後に内胴５２内を通過し
、前述の巻取機８に巻取られていく。

以下に、この発明の工法の検証結果を記す。

第８回に示す径間長Ｌ＝１６０ｍの実規模模擬径間に、
張力１２５０ｋｇで電線（ＨＤＣＣ２００ｍ２）１を架
設し、この電線に前述の巻付機を用いてアラミド繊維製
の補強ロープ２を２条巻付けた。

補強ロープの巻付けは、電線傾斜角１０°、２０゜の２
形態についてそれぞれ上り走行での巻付け、下り走行で
の巻付けを試したが、いずれも支障前〈実施できた。

次に、電線端に延線用ロー１４を接続し、図中矢印方向
に電線を引いて撤去した。この途中に電線１をＸ点で故
意に切断したところ切断端は切り離れ距離２Ｂ拳で止ま
り、補強ロープによる補強効果と切断端の垂れ下り防止
効果が充分に発揮されて作業の続行が可能であった。

また、実用送電線において既設架空地線の張替えを同工
法で試したところ、既設地線の断線を招かずに作業を遂
行することができた。

〔効果〕

以上述べたように、この発明の張替工法によれば、Ｈ線
の架設が不要であり、既設電線に延線ロープを添わせる
必要もない。

また、螺旋巻きした補強ロープをロープ回収機で巻戻し
て分離回収しながら既設電線を巻取るので、作業を円滑
に進めることができ、手間と時間を省いて既設電線を効
率良く張替えることができる。

さらに、補強ロープによる補強、把持並びに緩衝作用が
得られるので、既設電線の素線切れ、断線等が抑制され
、また、仮に素線切れ、断線等が生じても補強ロープが
素線のはね上り、断線した線の垂下、引抜き力のとぎれ
を防止するので作業を安全に支障なく遂行することがで
き、従来法に比して有利に経年電線を張替えることが可
能になると云う効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、この発明の張替工法の一例を示す
概念図、第３図はこの発明の工法Ｃコ用いるロープ巻付
機の一例の平面図、第４図はその側面図、第５図は正面
図、第６図は上記工法に用いるロープ回収機の平面図、
第７図はその側面図、第８図は検証試験法を示す概念図
である。 １・・・・・・既設電線、　　２・・・・・・補強ロー
プ、３・・・・・・ロープ巻付機、 ４・・・・・新設電線又は延線用ロープ、６・・・・・
・延線車、　　　７・・・・・・引取装置、８・・・・
・・巻取機、　　　　９・・・・・・パイロットロープ
、１０・・−・・・吊金車、　　Ａ、Ｂ、Ｃ・・・・・
・鉄塔、５１・・・・・・架台、　　　５２・・・由内
胴、５３・・・・・・外胴、　　　　５４・・・・・・
モータ、５５・・・・・・巻取ドラム、５６・・・・・
・モータ、５７・・・・・・ガイドローラ、 ５８・・・・・・トラバーサ、５９・・・用案内ガイド
。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）張替対象の径間既設電線に、その電線を中心にし
   て回転するフライヤーから補強ロープを繰出すロープ巻
   付機を走行させて補強ロープを螺旋状に巻付け、次いで
   、既設電線の一端に新設電線を接続し、その後、地上で
   既設電線を他端側から巻取りつつ、かつ、電線外周を周
   回する巻取ドラムを備えたロープ回収機で補強ロープを
   巻戻して分離回収しつつ新設電線を繰出して既設電線と
   入替えることを特徴とする送電線の張替工法。
2. （２）既設電線と新設電線との間に延線用ロープを介在
   して先ず既設電線と延線用ロープを入替え、その後、延
   線用ロープを巻取ってこのロープと新設電線を入替える
   ようにした請求項（１）記載の送電線の張替工法。
3. （３）電線外周に螺旋状に巻かれた補強ロープを電線の
   引取装置と巻取機との間で分離回収する装置であって、
   架台で支えた内胴と、内胴上に同心配置する外胴と、こ
   の外胴の回転駆動手段と、外胴外周に取付ける巻取ドラ
   ム、このドラムの回転駆動手段、及び電線上の補強ロー
   プのドラム胴部上への案内手段とを具備し、電線を内胴
   内に通し、上記外胴を電線の巻取速度に応じた速さで回
   転させて内胴の入口側で電線上の補強ロープを巻戻し、
   外胴と一体回転して電線外周を周回する巻取ドラムに順
   次巻取るようにしてあるロープ回収機。
4. （４）内胴の入口部と出口部に、走行中の電線を内胴中
   心部に保持する案内ガイドを設けた請求項（３）に記載
   のロープ回収機。