JPH04111684U - カツプ式自動販売機における個別的撹拌装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔構成〕 複数の原料箱１の各原料箱１とステージ８と
の間に専用の原料シュータ３、混合撹拌装置４、飲料供
給パイプ７を含む各独立した飲料調理ライン１１Ａ〜１
１Ｅを構成し、さらに飲料用湯タンク２と各混合撹拌装
置４との間を結ぶ給湯ラインにそれぞれ個別に給湯弁５
を介装した撹拌装置を、販売の制御装置１２からの出力
制御信号に基づいて原料用モータ、給湯弁５、撹拌用モ
ータ６のそれぞれのうち選択されたものが制御されるカ
ップ式自動販売機における個別的撹拌装置である。 〔効果〕 多種多様な原料の組合せに柔軟に対応し、し
かも混合撹拌からカップへの供給経路が完全に独立して
いるので、それぞれに適合した選択、味覚を達成するこ
とが可能になった。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、数種類の各粉末原料を湯等と混合撹拌等により調理するカップ式自 動販売機の個別的撹拌装置に関するものである。

【０００２】 〔従来の技術〕 従来、一般的なカップ式自動販売機においては、図５に示すように、１は原料 搬出機構付の原料箱、２は湯もしくは水を収容した飲料用タンク（図は湯タンク ）、３は原料箱１の原料搬出口に臨ませて配備された原料シュータ、４は原料箱 １から搬出された粉末原料と飲料用湯タンク２から給湯弁５を介して供給された 湯水とを混合する混合撹拌装置、６はその撹拌用モータ、７は混合撹拌装置４と ステージ８との間に配管された飲料供給パイプ、９はパイプの先端ノズル、１０ は図示されていないカップ機構からステージ８へ搬出されたカップである。上記 した各原料箱１のうち、記号Ａ〜Ｅで表した各原料箱には例えば左側から順に紅 茶、レモン、コーヒー、砂糖、クリームがそれぞれ収容されている。ここで販売 時に例えばミルク、砂糖入りコーヒーが選択されてインスタントコーヒーを調理 し提供する場合、これに対応して指定されたＣ，Ｄ，Ｅの各原料箱１から予め設 定された所定量の粉末原料が共通原料シュータ３へ搬出され混合撹拌装置４へ落 下する。一方飲料用湯タンク２からは前記混合撹拌装置４へ通じる給湯弁５が開 いて湯水が供給され、ここでコーヒー、砂糖、ミルクの各粉末原料と湯水とが混 合して砂糖、ミルク入りコーヒーが調合され、ここから飲料供給パイプ７を経て 飲料がカップ１０へ供給され利用者の手元に提供されるものが従来から存在して いる。

【０００３】 〔本考案が解決しようとする課題〕 ところで、前記の従来技術において、コーヒー、紅茶等、飲料の種類別に互い に調合される粉末原料を基準にして原料箱をグループ別に分け、各グループに共 通なシュータ、混合撹拌装置を対応させて各系統の飲料調理ラインを構成した従 来機では、各種原料相互の組合せが予め固定されており、例えば図５においてク リームの入ったコーヒーを調理した場合、混合撹拌装置４での多少のクリームの 残留が避けられないため、直後にクリームの入らないブラックコーヒーを調理し た場合、白濁したコーヒーとなってしまい、ブラックコーヒーの良さを半減して しまう問題点がある。また、仮に紅茶とミルクの原料を別々に選択してＡ，Ｅの 各原料箱から原料を搬出できるようにしても、従来機の構成のままでは、ミルク の原料箱Ｅはコーヒーグループの調理ラインに属しているために、ミルクのみを 単独に搬出しても原料シュータ、混合撹拌装置等に残っているコーヒーの味、香 り、色が搬出されたミルクに移り、この結果調合されたミルク入り紅茶の品質が 損なわれてしまう問題点があった。さらにコーヒー等の各グループ内では複数の 原料箱を１基の共通シュータに対応させていることから、これ等同じグループ内 では各原料箱を必ず隣接して配置しなければならず、また、一定の落下角度を確 保するため高さ方向に寸法の大きい原料シュータが必要となり、このため原料箱 の機内配置のレイアウトに制約を受ける。さらに、同一の混合撹拌装置で撹拌す るということによって、原料別の適切な撹拌条件が満たされないという商品とし ての価値低下につながる各問題点があった。すなわち従来機では、機内に複数の 原料箱を備えているにもかかわらず、その原料間の調合の組合せは予め飲料の種 類によって固定的に決められていて、異種飲料間での原料の任意な組合せが要求 されてもこれに対応することができない。 一方、最近では飲料の多様化と共に新しい種類の粉末原料が次々と開発されて いるが、上記従来機では粉末原料の変更、原料間の調合の組合せの変更等に対し て臨機応変に対応させることができず、その都度原料シュータ、混合撹拌装置等 の配置の組替えを行わなければならない。 本考案は、この点に鑑み簡単な構成により、各原料箱に対応して各専用の原料 シュータ、混合撹拌装置を設置し、上記各問題点を解決したカップ式自動販売機 における個別撹拌装置を提供することを目的とするものである。

【０００４】 〔課題を解決するための手段〕 本考案は、前記課題の解決を図ったもので、種類の異なる粉末飲料を収容した 複数の原料箱、湯もしくは水の飲料用タンクを具備し、販売時の飲料選択に対応 する指定の原料箱から搬出された粉末原料と飲料用タンクから供給された湯水と を混合撹拌した上でステージ上のカップへ供給して販売に供するカップ式自動販 売機において、各原料箱に対応配置して個別の原料シュータを設け、該各原料シ ュータに対応配置して専用の混合撹拌装置を設けると共に、飲料用タンクからの パイプを各専用の混合撹拌装置に各々配管してなると共に、飲料選択用の入力手 段と、各種の粉末飲料ごとに調理すべき原料の組合せ及び１杯分の原料湯水の供 給量を予め設定しておく設定入力手段と、前記飲料選択の入力信号に基づいて設 定入力手段で定めた設定条件にしたがって指定の飲料調理ラインへ原料、湯水の 供給及び混合撹拌装置の動作信号を出力する制御処理手段と、該制御処理手段か らの出力信号に基づいて指定された飲料調理ラインの原料箱、給湯弁及び混合撹 拌装置を動作制御するという技術的手段を採用した。

【０００５】 〔作用〕 本考案は、以上の技術的手段を採用することにより、簡単な構成で、利用者の 飲料の選択に基づく制御指令により指定された飲料調理ラインを個々に動作させ 、１ないし複数種の各粉末原料をそれぞれ個別に前記調理ライン内で所定量の湯 水と混合して作った単一飲料をステージに置かれたカップ内へ吐出し供給し、カ ップ内で調合して所望の飲料を作るようにしたもので、カップ式自動販売機の内 部構造の配置における制約が極めて少なく、各原料の撹拌条件に合った撹拌が行 えるという優れた作用を奏する。

【０００６】 〔実施例〕 以下、本考案の実施例を添付図面で詳細に説明する。 先ず図１により、この考案の実施例の飲料系統図を示す。図示例は図５と同じ 数の原料箱１を装備しており、従来機と異なる点は各原料箱ごとに原料箱１とス テージ８との間には専用の原料シュータ３、混合撹拌装置４、飲料供給パイプ７ を含む各独立した飲料調理ライン１１Ａ〜１１Ｅが構成されている。また飲料用 湯タンク２と各混合撹拌装置４との間を結ぶ給湯ラインにもそれぞれ個別に電磁 弁としての給湯弁５が介装されている。また１２は販売の制御装置であり、該制 御装置１２から出力される制御信号に基づいて原料箱１の原料搬出機構の原料モ ータ（図示せず）、給湯弁５、及び撹拌用モータ６のそれぞれのうち選択された ものが制御装置１２で設定された所定時間だけ通電制御される。 次に上記構成による飲料の販売動作について述べる。販売時に飲料の選択、例 えば砂糖、ミルク入りコーヒーの選択指令が制御装置１２に与えられると、その 指令にもとづく制御装置１２からの出力信号により、記号Ｃ，Ｄ，Ｅで示す各原 料箱１からそれぞれ所定量の粉末原料が、また飲料用湯タンク２からは給湯弁５ を経てそれぞれ前記原料箱Ｃ，Ｄ，Ｅに対応する混合撹拌装置４へ所定量の湯水 が搬出供給される。これにより各飲料調理ライン１１Ｃ，１１Ｄ，１１Ｅ毎に砂 糖、ミルク、コーヒーの粉末原料が個別に湯水と混合撹拌されてそれぞれの単一 飲料が作られ、次いで個々にノズル９を通じてステージ８上に搬出されたカップ １０へ吐き出し供給され、カップ１０内で互いに調合し合って砂糖、ミルク入り コーヒーが調製されることになる。また同様にして例えばミルク入り紅茶を選択 すると、その選択指令に応じて記号Ａ，Ｅの原料箱から紅茶とミルクの粉末原料 が搬出され、湯水と混合した上でカップ１０に吐き出し供給される。なお販売毎 に指定された混合撹拌装置４への供給される湯水量は、合計でカップ１杯分にな るように粉末原料の種類数に応じて適宜に配分調製され、混合撹拌も各々の任意 時間、任意回転数で撹拌できるものである。このような飲料の選択に対応した搬 出原料の組合せ及び湯水の配分調製は次ぎに述べる販売制御装置内で予め各種飲 料毎に設定しておくことによりすべて自動的に制御される。

【０００７】 次に上記販売制御装置の構成について述べる。図４は制御装置のブロック図で あり、その構成は飲料選択用押釦１３としての飲料選択の入力手段と、飲料の種 類別に調合すべき原料の組合せ及び１杯分の原料、湯水の搬出量等を予め初期設 定しておくキーボード１４とからなる設定入力手段と、前記飲料選択の入力信号 を基に設定入力手段で定めた設定条件にしたがって原料、湯水の搬出及び混合撹 拌装置の作動信号を出力するＣＰＵ１５とメモリ（ＲＡＭ）１６とからなる制御 処理手段２１と、前記制御処理手段２１からの出力信号に基づいて原料箱１の原 料搬出用原料モータ１ａ、給湯弁５、混合撹拌装置４の撹拌用モータ６等、飲料 調理ラインの構成機器の通電制御を行うリレー回路１７とによる駆動手段から構 成されている。なお１８，１９はそれぞれ入力回路，出力回路である。上記回路 でキーボード１４のテンキー等によって入力されたデータは入力回路１８を介し てＣＰＵ１５に読み込まれメモリ（ＲＡＭ）１６に格納されている。そして販売 に際して飲料選択用押釦１３の何れかが押されると、その信号は入力回路１８を 経てＣＰＵ１５に伝えられる。ＣＰＵ１５はメモリ（ＲＡＭ）１６に格納されて いるデータを基に、押された押釦に対応する飲料の調合に必要な原料の入ってい る原料箱の原料モータ１ａ、給湯弁５、撹拌用モータ６を作動させる信号を所定 時間だけ出力回路１９を介してリレー回路１７に送る。リレー回路１７は原料モ ータ１ａ、給湯弁５、撹拌用モータ６のうち選択されたものを所定時間駆動し、 これにより飲料選択用押釦１３で選択された押釦に対応する飲料が図１で述べた 動作にしたがって調製される。 この実施例についてのタイムチャートを示すと図２のようになる。各原料箱１ から各原料シュータ３に各原料を投入し、略同時に各原料用の湯を投入し、略同 時に各適宜時間撹拌を開始して、各別にあるいは同時にカップ１０に注入し利用 者に提供するものである。なお、各原料、湯、撹拌の開始、終了のタイミングは 適宜選択することによって行えるようになっていることはいうまでもない。 また、ここではインスタントコーヒーの調理を１つの例として挙げて説明した が、ブルワーやアイスメーカーを使用することによりレギュラーコーヒー、リー フティー、アイスコーヒー等も同様に調理できる。さらに、各原料に対しすべて 個別の混合撹拌装置、すべて個別の撹拌経路を持たなくとも、例えばクリームだ けを他の原料と別にする等部分的に搭載する選択も可能である。なお、図３は自 動販売機の概略斜視図であるが、１１は商品取出口、２０は商品説明板で、全体 の外観形状は各種あり従来周知のものなので詳細な説明は省略する。

【０００８】 〔考案の効果〕 本考案は以上の構成に基づき次の効果を得ることができる。 （１）多種多様な粉末原料の組合せに柔軟に対応することができ、かつ飲料の調 理過程で互いに異種飲料の味、香り、色が混ざり合うことがない。 （２）ブラックコーヒーにする場合、クリームの撹拌経路と独立の関係にあるの で、白濁のない澄んだブラックコーヒーが提供できる。 （３）他の飲料についても個別に撹拌経路を持つことにより、その原料に最適の 撹拌条件を選択できるので、味覚の上でも格段の改善がされる。 （４）現在は単品で提供されている原料同志をミックスさせて、もう１つの新し い飲料として提供できる。 （５）最適の撹拌条件を選択できることは、例えばクリームを高回転で撹拌する ことによりホイップ状にしてウインナーコーヒーを提供できる。 （６）原料箱の直下に専用の混合撹拌装置が配置できるため、いろいろな角度か ら原料を集めるような大掛かりな原料シュータが不要になるので、いままであっ た高さ方向の制約がなくなり、カップ商品取出口高さアップが簡単に可能となる 。 （７）複数原料をミックスする場合でも現在と異なり１つの混合撹拌装置に原料 を集める必要が無いため、ミックスさせる原料の入った原料箱を隣接させなけれ ばならないという制約を受けづに、任意の配置が自由に選択できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のカップ式自動販売機における個別撹拌
装置の概略説明図である。

【図２】本考案の調理システムを示すタイムチャート図
である。

【図３】本考案のカップ式自動販売機の外観形状を示す
概略斜視図である。

【図４】本考案の自動販売機における販売制御装置の構
成を表すブロック図である。

【図５】従来のカップ式自動販売機の撹拌装置を示す概
略説明図である。

【符号の説明】

１‥‥原料箱 １ａ‥‥原料用モー
タ ２‥‥飲料用湯タンク ３‥‥原料シュー
タ ４‥‥混合撹拌装置 ５‥‥給湯弁 ６‥‥撹拌用モータ ７‥‥飲料供給パ
イプ ８‥‥ステージ ９‥‥ノズル １０‥‥カップ １１‥‥商品取出
口 １２‥‥制御装置 １３‥‥飲料選択
用押釦 １４‥‥キーボード １５‥‥ＣＰＵ １６‥‥メモリ（ＲＡＭ） １７‥‥リレー回
路 １８‥‥入力回路 １９‥‥出力回路 ２０‥‥商品説明板 ２１‥‥制御処理
手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 種類の異なる粉末飲料を収容した複数の
   原料箱、湯もしくは水の飲料用タンクを具備し、販売時
   の飲料選択に対応する指定の原料箱から搬出された粉末
   原料と飲料用タンクから供給された湯水とを混合撹拌し
   た上でステージ上のカップへ供給して販売に供するカッ
   プ式自動販売機において、各原料箱に対応配置して個別
   の原料シュータを設け、該各原料シュータに対応配置し
   て専用の混合撹拌装置を設けると共に、飲料用タンクか
   らのパイプを各専用の混合撹拌装置に各々配管し、さら
   に飲料選択用の入力手段と、各種の粉末飲料ごとに調理
   すべき原料の組合せ及び１杯分の原料湯水の供給量を予
   め設定しておく設定入力手段と、前記飲料選択の入力信
   号に基づいて設定入力手段で定めた設定条件にしたがっ
   て指定の飲料調理ラインへ原料、湯水の供給及び混合撹
   拌装置の動作信号を出力する制御処理手段とを具備し、
   該制御処理手段からの出力信号に基づいて指定された飲
   料調理ラインの原料箱、給湯弁及び混合撹拌装置を動作
   制御するようにしたカップ式自動販売機における個別的
   撹拌装置。