JPH0410960Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は浄水汚泥または下水汚泥を天日にて乾
燥した乾燥濾床よりその表層部を自由な厚さに切
り取つて順次搬出する装置に関するものである。

〔従来の技術〕

浄水汚泥や下水汚泥は含水率が高くそのまま埋
立等に投棄したりその他の方法で処理することは
できない。そこでこの汚泥を経済的に含水率を低
下させる方法として天日乾燥を行うことが広く実
施されている。この天日乾燥法は乾燥濾床上の汚
泥を50〜100cmの厚さに張り込み天日にて乾燥し
所望の含水率まで低下したとき、この乾燥汚泥を
搬出している。従来この汚泥が乾燥床に接する汚
泥層下部まで所定の含水率になつた時人力とベル
トコンベアにて搬出している。

〔考案が解決しようとする課題〕

従つて人力を要するとともに乾燥汚泥の全層を
一時に搬出するには天日乾燥に要する期間が長く
なる。これは乾燥床の汚泥の乾燥が進と濾床の上
で汚泥はブロツク状に割れて上層部の低含水率部
分Ｓ１と下層部の高含水率部分Ｓ２を第５図に示
す如く形成する。そしてこの低含水率層Ｓ１が汚
泥の上層部を覆うと下層部汚泥の水分の蒸発が阻
害され下層部までの乾燥には長時間を要するもの
となる。

また冬期に凍結が起こるような寒冷期では第６
図に示すように濾床上の汚泥表面は凍結溶解を繰
り返して表層部のみの水分が抜けて低含水率の微
粉状の層Ｓ１に覆われる。この時層Ｓ１の下部の
汚泥層Ｓ２は高含水率の状態であるがこの水分は
層Ｓ１により表面に移動するのが妨げられるため
乾燥が進まない。

本考案は高含水率汚泥層の上部に乾燥して生じ
る低含水率汚泥層をその厚さのみ先に切断してこ
れを搬出し、高含水率汚泥層を常に表面に出し、
天日乾燥を行うことにより水分の蒸発が容易にな
るため汚泥の乾燥時間を短縮できることに着眼
し、かつその乾燥汚泥の搬出を簡易に行える装置
を提案することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するためになしたもの
で、汚泥乾燥濾床の壁上を走行する台車上を横行
する横行台車に設置され、かつ必要に応じて昇降
するバケツトコンベアを設けた汚泥搬出装置装置
において、このバケツトコンベア下部前方に回転
カツターを突出するとともにこの回転カツターを
バケツトコンベア下部にシリンダにてその高さ調
整可能にして揺動自在に設けたアーム先端に支持
したことを要旨とし、このコンベアの汚泥面上の
掻上部の前部に汚泥切断用の回転カツターによつ
て乾燥汚泥を自由な暑さで切り取つて搬出するも
のである。

〔作用〕

乾燥濾床上に所要厚にて積みつけられた汚泥
を、乾燥にて低含水率となつた表層部と、床内へ
投入した状態もしくはこれに近い状態の高含水率
の下部汚泥層とを乾燥した表層部の厚さに応じて
切断する。これは乾燥した表層部の厚さにまず回
転カツター位置をシリンダの操作にてアームを揺
動して調整し、これによりコンベア前進により予
め定めた一定レベルで切断し、これをコンベアに
て順次抄い上げて搬出し、この下層部汚泥を表面
に出してさらに乾燥させ、これを繰り返して乾燥
期間を短縮させる。

〔実施例〕

以下本考案を図面に示す実施例にもとづいて説
明する。

図において１は天日乾燥濾床（以下濾床と略称
する）で所要の面積及び深さを要し、この濾床１
の壁２上にレール３を敷設し、このレール３上を
台車４を走行するようになす。

そしてこの台車４の長手方向にレール５を敷設
し、このレール５上を横行台車６を横行自在に設
ける。またこの横行台車にはバケツトコンベアタ
ワー７を昇降自在に設け、このタワー７にバケツ
トコンベア８を設ける。そしてこのタワー７の下
部には横行台車前進時その前方に突出するように
して回転カツター９が設けられる。この回転カツ
ター９はタワーに揺動自在に枢着されたアーム１
０の先端に回転自在に支持され、モータ等にて強
制的に駆動されるか、またはバケツトコンベアの
軸の回転に追随して回動するようになすとともに
前記アーム１０をタワーに設けたシリンダ１１の
操作にて上下動させる。従つて横行台車に懸架さ
れたバケツトコンベアにて乾燥された汚泥の表層
部Ｓ１のみを掻き取る場合、バケツトコンベアの
下部を所定の位置まで下降させかつ該バケツトコ
ンベアを駆動しつつ横行台車を横行させると、前
方位に突出している回転カツターにて乾燥汚泥は
切断され、下層の高含水率汚泥と切り離されて後
続のバケツトコンベア前端の案内板１４上にて抄
い上げられ該コンベアにて搬出され、高含水率汚
泥層が表面に現れる。

またこのコンベアにて抄い上げられた乾燥汚泥
は台車上に設けたベルトコンベア１２，１３を介
して濾床外へ順次自動的に排出されるものであ
る。この動作の説明は第３図に詳示される。なお
乾燥汚泥を破砕する回転カツター９は搬出する乾
燥汚泥の所定深さになるようシリンダの操作にて
任意高さに調整する。

〔考案の効果〕

本考案によるときは、乾燥された汚泥層の厚さ
位置に回転カツターを調整し、コンベアより先行
するこの回転カツターにて下層の汚泥層と切断
し、これを濾床にそつて走行及び横行さす台車上
にバケツトコンベアにて搬出するようになしてい
るため乾燥汚泥の搬出が迅速簡易に行われるとと
もに乾燥した汚泥層が除去された後高含水率汚泥
層が表面に現れるので汚泥乾燥期間を短縮できる
利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は平面図、第２図は側面図、第３図は説
明図、第４図は回転カツター部の外観図、第５
図、第６図は汚泥乾燥状態の説明図である。 １は濾床、２は壁、３，５はレール、４は台
車、６は横行台車、７はタワー、８はバケツトコ
ンベア、９は回転カツター、１０はアーム、１１
はシリンダ、１２，１３はベルトコンベア、Ｓ１
は乾燥汚泥層、Ｓ２は未乾燥汚泥層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 汚泥乾燥濾床の壁上を走行する台車上を横行す
   る横行台車に設置され、かつ必要に応じて昇降す
   るバケツトコンベアを設けた汚泥搬出装置装置に
   おいて、このバケツトコンベア下部前方に回転カ
   ツターを突出するとともにこの回転カツターをバ
   ケツトコンベア下部にシリンダにてその高さ調整
   可能にして揺動自在に設けたアーム先端に支持し
   て成る天日乾燥濾床の汚泥搬出装置。