JPH04109095U - フレキシブルコンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】フレキシブルコンテナの本体の排出口を閉じる
閉塞ひもの結び方を引き解き式とし、かつ、内袋の運搬
物排出用筒状部分に引き出しひもを取り付け、この引き
出しひもをコンテナの排出口から外部に延ばした。ま
た、吊りひもを６本以上とし、リングロープの径を大き
くした。 【作用】閉塞ひもは引き解き式であるので、簡単に排出
口を開放することができ、引き出しひもを引くことで、
筒状部分をコンテナの外部に取り出すことができる。こ
の際、作業者はコンテナの下側に入る必要は一切ない。
また、リングロープの外側に運搬物が滞留することもな
いので、運搬物の排出時に、作業者の補助が不要とな
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、セメントや肥料等の粉状体ないしは粒状体の保管や運搬に用いられ るフレキシブルコンテナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来一般のフレキシブルコンテナは、図４に示すように、円筒袋状の布製本体 １から構成されている。コンテナ本体１内の下部には、漏斗状のいわゆる内袋２ が配置され、この内袋２の上縁部がコンテナ本体１の内面全周にわたり縫い付け られている。

【０００３】 内袋２の底部中央からは、運搬物を排出するための筒状部分３が延びている。 この筒状部分３は、運搬時或は保管時には図示のように折り曲げられ、コンテナ 本体１の内部に収納されている。運搬物を排出するには、内袋２の筒状部分をコ ンテナ本体１の底部中央の排出口４から外部に引き出せば良い（図６参照）。

【０００４】 コンテナ本体１の排出口４は、図５に明示するように、底部の中心から放射方 向に延びる複数本の切込み５により形成されている。切込み５間に形成される扇 形部分の中心側端部には、ロープを通すための通し穴が設けられており、これら の通し穴に１本の閉塞ひも６を通して縛ることで、排出口４が閉じられるように なっている。

【０００５】 また、フレキシブルコンテナは吊り下げた状態で使用されるが、かかる目的で 、コンテナ本体１の外面に４本の吊りひも７が縫い付けられている。吊りひも７ の下端には、ロープを通すための通し穴が形成されており、これらの通し穴に１ 本のリングロープ８が通されている。リングロープ８は、フレキシブルコンテナ の吊り下げ時にコンテナ本体１の底部を支え、吊りひも７とコンテナ本体１との 間の破断を防止する働きがある。

【０００６】 コンテナ本体１の上部には開口９が設けられており、この開口９から運搬物が フレキシブルコンテナの内部に充填される。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

前述したように、従来のフレキシブルコンテナにおいては、コンテナ本体１の 排出口４が比較的に小さく、内袋２の筒状部分３が長いため、運搬物を排出する 場合には、作業者はフレキシブルコンテナの下側に入って筒状部分３の引出し作 業を行う必要があり、作業性及び安全性の面で問題があった。

【０００８】 また、従来一般のフレキシブルコンテナは４点吊りが主であり、リングロープ ８の径が小さくされているため、図６に示すように、リングロープ８の外側部分 のたるみ部１０に運搬物が滞留してしまうことがあった。このような場合、作業 者は、滞留した運搬物を筒状部分３まで導いてやらねばならず、無用な手間を強 いることとなっていた。

【０００９】 そこで、本考案の目的は、作業者がフレキシブルコンテナの下に入ることなく 内袋の筒状部分を引き出すことができ、筒状部分が引き出された後は、作業者の 補助がなくとも、中の運搬物を全て排出することのできるフレキシブルコンテナ を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案によるフレキシブルコンテナは、上部に運 搬物を充填するための開口が設けられ、底部中央に運搬物を排出するための排出 口が設けられている円筒袋状のコンテナ本体と、前記コンテナ本体内の下部に取 り付けられ、底部中央に前記排出口から突出可能な運搬物排出用の筒状部分を有 している漏斗状の内袋と、前記筒状部分を前記排出口から引き出すために、前記 排出口を通り一端が前記筒状部分に接続され他端が前記コンテナ本体の外部に配 置される引き出しひもと、前記排出口を閉じるための、引き解き式に結ばれる閉 塞ひもと、前記コンテナ本体の外面に周方向等間隔に取り付けられた少なくとも ６本の吊りひもと、前記吊りひもの下端を相互に連結し、径が前記コンテナ本体 の外径の半分以上となっているリングロープと、から成ることを特徴としている 。

【００１１】

【作用】

上記構成によれば、コンテナ本体の排出口を閉じている閉塞ひもは、引き解き 式の結び方であるので、端部を引くことで結び目をほどき、排出口を開放するこ とができる。また、引き出しひもを引っ張ることにより、内袋の筒状部分を排出 口から突出させることができる。以上の作業は、フレキシブルコンテナの側方で 行うことができる。

【００１２】 また、吊りひもが６本以上あり、リングロープの径が大きくなっているので、 リングロープの外側に運搬物が滞留しない構造となっている。

【００１３】

【実施例】

以下、図面と共に本考案の好適な実施例について詳細に説明するが、図中、同 一又は相当部分には同一符号を用いることとする。

【００１４】 図１及び図２は本考案によるフレキシブルコンテナの一実施例を示すものであ る。この図から理解されるように、本考案によるフレキシブルコンテナは、先に 説明した従来構成と同様に、円筒袋状のコンテナ本体１と、その内部に縫い付け られた漏斗状の内袋２とを有している。コンテナ本体１の上部には、運搬物を充 填するための開口９が設けられており、底部中央には、運搬物を排出するための 排出口４が設けられている。この排出口４は、放射方向に延びる複数本の切込み によって形成されており、閉塞ひも６により通常は閉じられている。

【００１５】 閉塞ひも６の結び方は、端部を引くことでほどける引き解き式であり、従来か らフレキシブルコンテナで用いられているホドケ結び（図４及び図６参照）等が 考えられるが、本実施例ではトンボ結びを用いている。尚、ホドケ結びとは、２ 本のひもの端部を合わせた状態で引き解き止め結びしたものをいい、トンボ結び とは、引き解き本結び（いわゆる、蝶々結び）を２回以上繰り返したものをいう 。ホドケ結びは、フレキシブルコンテナの自重によりきつく締まった場合に、ほ どきにくい場合があるが、トンボ結びは、そのような場合にも、比較的容易にほ どくことができるという利点がある。

【００１６】 本考案によれば、内袋２の底部中央に形成されている運搬物排出用の筒状部分 ３には、引き出しひも１１が接続されており、この引き出しひも１１の他端は、 コンテナ本体１の排出口４から外部に延び、コンテナ本体１の側面にてマジック テープ（登録商標）等により固定されるのが好ましい。従って、排出口４が開放 されている状態で、引き出しひも１１の端部を引っ張ると、筒状部分３はコンテ ナ本体１の内部から引き出されることになる。

【００１７】 また、コンテナ本体１の外面には、吊り下げ支持用の吊りひも７が縫い付けら れている。吊りひも７は上下方向に延びており、周方向において等間隔に配置さ れている。吊りひも７の下端には通し穴が形成され、この通し穴に１本のリング ロープ８を通すことで、吊りひも７の下端が相互に連結されている。

【００１８】 リングロープ８の外側での運搬物の滞留を防止すべく、本考案によれば、リン グロープ８の径を従来よりも大きくすることとした。しかしながら、リングロー プ８の径を過度に大きくした場合、コンテナ本体１の底部を支持するという本来 の機能を喪失してしまう。また、吊りひも７の本数が従来と同様に４本であれば 、吊りひも７間が広いために、そこに運搬物が溜まる可能性もある。そこで、本 考案では、吊りひも７の本数を６本以上とし、リングロープ８の径をコンテナ本 体１の外径の半分以上とした。

【００１９】 図示実施例のように吊りひも７を６本として、リングロープ８の径をコンテナ 本体１の外径の半分程度としたフレキシブルコンテナを用い、実際に中に運搬物 を充填し、吊り下げた場合、運搬物はリングロープ８の内側に集中する傾向があ った。ここで、運搬物を排出する場合、まず、作業者はトンボ結びされた閉塞ひ も６の両端を持ち、左右に引っ張り、排出口４を開放する。次いで、引き出しひ も１１を引くと、コンテナ本体１内に折曲げ収納されていた筒状部分３が引き出 される。この際、作業者はフレキシブルコンテナの下側に入る必要は一切ない。 筒状部分３が外部に突出すると、中の運搬物はこの筒状部分３を通って連続的に 落下し、運搬物の滞留は見られなかった。

【００２０】 図３は、本考案の別の実施例を示すものである。この実施例は、内袋２とコン テナ本体１との間に布製の底蓋１２が配置されている点で、図１の実施例と異な っている。底蓋１２は、その一部が内袋２に縫い付けられており、運搬時或は保 管時には、排出口４全体を覆うようにして内袋２とコンテナ本体１との間に配置 される。

【００２１】 この底蓋１２の存在により、内袋２の筒状部分３の長さを大幅に短縮すること が可能となる。その結果として、筒状部分３の引き出しが極めて容易となる。ま た、この底蓋１２には、排出口４を閉じている閉塞ひも６に作用する力が分散さ れるので、閉塞ひも６の堅締りという弊害も防止される。従って、この底蓋１２ がある場合には、従来から用いられてきたホドケ結びも使用することができる。 尚、底蓋１２は布製であるので、筒状部分３を取り出す際、筒状部分３の動きを 妨げることなく、排出口４から外部に引き出される。

【００２２】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、内袋の筒状部分の引き出しに際して、作 業者はフレキシブルコンテナの下側に入る必要がないので、安全に作業を進める ことができる。また、運搬物の排出時にフレキシブルコンテナ内部に運搬物が滞 留することもないので、滞留物の処理等の作業を行う必要がない。従って、本考 案によるフレキシブルコンテナは、粉状体や粒状体等の運搬作業の効率化を図る ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるフレキシブルコンテナの一実施例
を示す縦断面図である。

【図２】図１に示すフレキシブルコンテナの底面図であ
る。

【図３】本考案によるフレキシブルコンテナの別の実施
例を示す縦断面図である。

【図４】従来一般のフレキシブルを示す縦断面図であ
る。

【図５】図４に示す従来のフレキシブルコンテナの底面
図である。

【図６】従来のフレキシブルコンテナの使用状態を示す
斜視図である。

【符号の説明】

１ コンテナ本体 ２ 内袋 ３ 筒状部分 ４ 排出口 ６ 閉塞ひも ７ 吊りひも ８ リングロープ ９ 開口 １１ 引き出しひも １２ 底蓋

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に運搬物を充填するための開口(９)
   が設けられ、底部中央に運搬物を排出するための排出口
   (４)が設けられている円筒袋状のコンテナ本体(１)と、
   前記コンテナ本体(１)内の下部に取り付けられ、底部中
   央に前記排出口(４)から突出可能な運搬物排出用の筒状
   部分(３)を有している漏斗状の内袋(２)と、前記筒状部
   分(３)を前記排出口(４)から引き出すために、前記排出
   口(４)を通り一端が前記筒状部分(３)に接続され他端が
   前記コンテナ本体(１)の外部に配置される引き出しひも
   (１１)と、前記排出口(４)を閉じるための、引き解き式
   に結ばれる閉塞ひも(６)と、前記コンテナ本体(１)の外
   面に周方向等間隔に取り付けられた少なくとも６本の吊
   りひも(７)と、前記吊りひも(７)の下端を相互に連結
   し、径が前記コンテナ本体(１)の外径の半分以上となっ
   ているリングロープ(８)と、から成るフレキシブルコン
   テナ。