JPH04106965U - 魚の養殖いけす - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 魚の養殖いけす 【目的】 養殖いけすを、動揺が少なくて、耐波性およ
び耐潮流性に優れ、そのため漂流力も小いものとし、こ
れにより、荒天でも安全に養殖いけすを係留できるよう
にする。 【構成】 網製のかこい11を、浮体12で海中に保持す
る。浮体12の浮力を、主として、海面を上下に貫通して
海中に浮かぶ中空状コラム15，35によって発生させよう
にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、魚の養殖いけすに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のいけすとしては、図６に示すように、小割いけすが知られてい る。小割いけすは、比較的小型のいけすを一連に繋ぎとめたものであり、各いけ すが、網製の上方開放箱型状かこい51と、これの口を開いた状態で海上に保持す るための浮体52とよりなる。浮体52は、かこい51を吊下げている竹製または鋼管 製枠61と、これに取付けられている多数の発泡スチロール製浮子62とよりなる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記いけすは、比較的安価に製造することができるため、広く普及している。 ところが、上記浮体52の全てが海面にあるため、浮体52が波や潮流の影響をうけ 易く、沖合での激しい波や潮流に浮体52が強度的に耐えられないため、いけすの 設置場所は海象の穏やかな内海や内湾に限られていた。

【０００４】 ところで、上記内海等では、工場排水や生活排水の影響を強く受け、また過密 養殖になりがちで、残餌や魚排泄物により、海域の環境が悪化していることが多 く、そのようなところで養殖を行うと、魚病が多発し、魚肉質が低下しがちであ った。

【０００５】 この考案の目的は、上記事情に鑑みて、沖合の水質のきれいな海域で養殖を行 うべく、沖合での高波や潮流に耐えることのできる魚の養殖いけすを提供するこ とにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案による魚の養殖いけすは、網製のかこいと、これを海中に保持するた めの浮体とよりなり、浮体の浮力が、主として、海面を上下に貫通して海中に浮 かぶ中空状コラムによって発生させられるようになされているものである。

【０００７】

【作用】

この考案による魚の養殖いけすでは、浮体の浮力が、主として、海面を上下に 貫通して海中に浮かぶ中空状コラムによって発生させられるようになされている から、浮体が波や潮流の影響をうけ難い。

【０００８】

【実施例】

この考案の実施例を、図１〜図５を参照してつぎに説明する。

【０００９】 ＜実施例１＞ 実施例１による魚の養殖いけすは、図１〜図３に示すように、網製のかこい11 と、これを海中に保持している浮体12とよりなる。

【００１０】 かこい11は、平面より見て、四角形の上方開放箱型に形成されたものである。 かこい11の縦横の稜線部分には筋縄13が網込まれている。かこい11のすそには多 数の沈子14が取付けられており、これにより、かこい11の撓みが小さくなってい る。

【００１１】 浮体12は、トラス構造の枠体に組み立てられているものであって、かこい11の ４つのコーナ部分に配されかつかこい11の深さの半分以下の長さを有する４つの 中空状コラム15と、隣り合うコラム15の上下端同しを連結している上下ブレージ ング16，17と、上下ブレージング16，17の両端をクロスして連結している２種類 の斜めブレージング18，19と、これらブレージング17〜19が交わる部分の適所に 配された複数種類の補強ブラケット21とよりなる。コラム15およびブレージング 17〜19は、いずれも鋼管製であって、軽量かつ堅牢であり、加工容易である。

【００１２】 ４つのコラム15は、いずれも海面を上下に貫通してそれぞれの上部の一部を海 上に突出させている。コラム15内の下部にはコンクリート23が充填されており、 これにより、浮体12の重心が下げられて浮体12の安定化が図られている。コラム 15外面の上下端には係留ブラケット24が設けられている。全ての係留ブラット24 のうち、適所の係留ブラケット24には係留チェーン25の一端が連結されている。 係留チェーン25の他端には、シャックル26を介して係留ロープ27が連結されてい る。係留ロープ27の他端は、図示しない海底にアンカで固定されている。また、 １つのコラム15の頂面には標識灯28が設けられている。

【００１３】 上ブレージング16には、かこい11の口縁部を吊下げた複数の吊下げ索29が取付 けられている。上ブレージング16の上には金網製または多孔板製の管理作業用歩 み板31が設けられるととともに、これにそって手摺32が設けられている。

【００１４】 ＜実施例２＞ 図４および図５に、実施例２による魚の養殖いけすが示されているが、実施例 ２において、実施例１と対応する部分には、実施例１と同一の符号をつけて、そ の説明を省略する。

【００１５】 ４つのコラム15のうち、１つのコラム35が他のコラム15より大径に形成されて いる。大径コラム35の頂面には、餌料庫36および給餌用クレーン37が装備されて いる。餌料庫36からクレーン37のブーム38にそって、その先端までホース39がの びており、ホース39の先端から餌料Ｅが放出されるようになっている。

【００１６】 上下のブリージング16，17の中程には中ブリージング41が渡し止められ、これ の両側に２種類の斜めブリージング43，43が配されている。

【００１７】 上記実施例において、かこい11は、平面より見て、四角形であったが、六角形 、八角形であってもよいことは勿論、これ以外、例えば、円形であってもよい。

【００１８】

【考案の効果】 この考案によれば、浮体が波や潮流の影響をうけ難いから、動揺が少なくて、 耐波性および耐潮流性に優れ、そのため漂流力も小くて荒天でも安全に係留する ことができる養殖いけすが提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１による養殖いけすの斜視図である。

【図２】同養殖いけすの平面図である。

【図３】同養殖いけすの側面図である。

【図４】実施例２による養殖いけすの平面図である。

【図５】同養殖いけすの側面図である。

【図６】従来例を示す養殖いけすの斜視図である。

【符号の説明】

11 かこい 12 浮体 15，35 コラム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 網製のかこい11と、これを海中に保持す
   るための浮体12とよりなり、浮体12の浮力が、主とし
   て、海面を上下に貫通して海中に浮かぶ中空状コラム1
   5，35によって発生させられるようになされている、魚
   の養殖いけす。