JPH04106555A - 静電荷像現像用トナー及びその定着方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその定着方法

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JPH04106555A
JPH04106555A JP2222569A JP22256990A JPH04106555A JP H04106555 A JPH04106555 A JP H04106555A JP 2222569 A JP2222569 A JP 2222569A JP 22256990 A JP22256990 A JP 22256990A JP H04106555 A JPH04106555 A JP H04106555A
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toner
fixing
roller
pressure roller
water
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JP2222569A
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Hiromi Mori
森 裕美
Tatsuya Nakamura
達哉 中村
Takayuki Nagatsuka
貴幸 永塚
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は静電荷像現像用トナー及び、トナー像を記録材
に定着させる定着方法に関する。
[従来の技術] 電子写真法とは米国特許第2,297,691号明細書
等に記載されている如く、多数の方法が知られており、
一般には光導電性物質を利用し、種々の手段で感光体上
に電気的潜像を形成し、該潜像をトナーを用いて現像し
、必要に応じて紙等の転写部材にトナー画像を転写した
後、加熱・圧力或は溶剤蒸気等により定着し複写物を得
る方法である。又、トナーを用いて現像する方法或いは
トナー画像を定着する方法としては、従来各種の方法が
提案され、それぞれの画像形成プロセスに適した方法が
採用されている。
近年、電子写真法に対し、高速複写化、高画質化が求め
られ、更にフルカラー化に伴いトナー同士の混色性等の
要求が高まっており、用いられるトナーに対し、低温定
着化・小粒径化・低溶融粘度化が求められている。
一般にトナーを製造する方法としては、熱可塑性樹脂中
に染・顔料等の着色剤、荷電制御剤・離型剤等の添加剤
を溶融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置1分級機
により所望の粒径を有するトナーを製造する方法が知ら
れている。
これら粉砕法によるトナーにおいて、低温定着化を図る
為には低軟化点を有する熱可塑性樹脂を用いることが必
要になるが、その結果、高温オフセット現象が発生し易
くなり、離型剤の添加が必須となる。しかしながら、過
剰の離型剤の添加は、トナーの製造上必要な充分な溶融
混合を不可能にし、また量的に調整を行っても、低温定
着性を維持しつつ高温オフセットの防止と混練性、さら
にカラートナーとして用いたときの透明性のすべての要
求性能をトナーに付与することは実際上困難であった。
このため、定着ローラー部の改良、たとえば離型性を有
するオイルなどの塗布などによって対応しているのが現
状である。
これら粉砕法トナーに対し、重合トナーが提案されてい
る。例えば特開昭56−87051号公報において、オ
フセット防止剤存在下に重合を行う重合トナーの製造方
法が、又、特開昭59−218460号公報において、
炭化水素化合物含有重合トナーが、さらに特開昭61−
46955号公報において、重合カラートナーが開示さ
れている。これら重合法によるトナーは、一般に水系媒
体中で重合性単量体系を懸濁重合することにより得られ
、粉砕工程を経ない為、ワックスのような低軟化点物質
を多量に添加することができ、更に、ワックスのような
非極性物質は粒子表面には存在し得ず内包化される為、
ブロッキング性に影響を及ぼす事も殆ど無い。このよう
にして得られた重合トナーは、ワックスが添加されてい
る為、耐高温オフセット性は付与されているが、低温定
着性・耐低温オフセット性については未だ充分なもので
はなかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上述の如き問題点を解決したトナーを
提供することにある。
本発明の目的は、本発明で提供される定着方法において
、低温定着性・耐低温オフセット性に優れ非オフセット
領域の広いトナーを提供することにある。
本発明の目的は、本発明で提供される定着方法において
、混色性、色再現性に優れ、更に透明性に優れたトナー
を提供することにある。
本発明の目的は、本発明で提供されるトナーにおいて、
好ましく用いられる定着方法を提供するものである。
[課題を解決する為の手段] 本発明の課題は、トナーとして、 ■少なくとも離型剤と着色剤を含有する重合性単量体系
を水系媒体中で懸濁重合して得られるトナーであり、 ■該トナーを成型して得たペレットの水に対する接触角
が80〜110度であり、 [3]THF可溶分のゲルパーミェーションクロマトグ
ラフィーによる分子量分布が2000以下と10000
以上にそれぞれ1以上のピークを有し、 [4]各ピークに対応する成分の示差走査熱量測定にお
いて、結着樹脂成分による吸熱ピークと離型剤成分によ
る吸熱ピークが互いに重複しないことを特徴とするトナ
ーを用い、 定着装置として、定着ローラー及び加圧ローラーが、そ
の芯金上にゴム弾性体層を有した熱ローラー定着装置で
あり、且つ白紙を通したときにその排紙方向が、定着ロ
ーラーと加圧ローラーの中心を結ぶ線の直角方向より加
圧ローラー側であり、さらに該定着ローラー表面の材質
がフッ素含有物質である定着装置を用いることによって
解決される。
以下本発明の詳細な説明する。
本発明者らは鋭意検討の結果、トナー中の離型剤は主と
して高温オフセット防止に寄与し、トナーの低温定着化
に対しては、結晶樹脂のガラス転移温度(Tg)が支配
的な因子になっていることを見いだした。定着時に離型
剤が高温オフセット防止として充分機能する為には、定
着時に離型剤が融解していることが好ましい。しかしな
がら、離型剤は融解する直前に結晶化に起因する吸熱が
起こることが一般的であり、本発明者らの検討の結果、
結晶化による吸熱ピークを有する場合、低温定着を阻害
することが判明した。本発明者らはこの理由について以
下のように推測している。先にも述べたが、低温定着化
に対しては、結晶樹脂のTgを低下させることが必要と
なる。
一方、いたずらに結着樹脂のTgを低下させると、トナ
ーのブロッキングが起こり易くなる為、一般には、結着
樹脂のTgを50〜70℃に設定している。定着時の加
熱時間は一般的な熱ローラー定着装置の場合、0.03
〜O,1秒と瞬間的である為、特に低温サイドにおける
トナーに伝わる熱量は非常に微量である。このわずかな
熱を定着に有効に使う為には、結着樹脂のTg付近に吸
熱ピークを有する物質を添加しないことが必要となる。
しかしながら、離型性物質の添加は高温オフセット防止
に対して有効である為、除外することは実質的に不可能
である。本発明者らはこれらの問題を解決すべく、鋭意
検討を重ねた結果、本発明を得るに至った。
一般に離型性物質の示差走査熱量測定においては、結晶
化による吸熱ピークと融解に伴う吸熱ピークの二つの吸
熱ピークが観測される。このうち、融解は結晶性物質を
用いる以上避は得ない吸熱であるので、本発明者らは結
晶化に伴う吸熱ピークを押さえるよう離型性物質の検討
を行い、低温定着性の改良を行った。
またオイル等の離型剤をローラーに塗付することな(高
温オフセットの改良を検討した結果、定着装置として定
着ローラー及び加圧ローラーが、その芯金上にゴム弾性
体層を有した熱ローラー定着装置を用い、且つ白紙を通
したときにその排紙方向が、定着ローラーと加圧ローラ
ーの中心を結ぶ線の直角方向より加圧ローラー側であり
、さらに該定着ローラー表面の材質がフッ素含有物質で
ある定着装置との組合せが適していることが判明した。
ここで加圧ローラー側とは、定着時に紙等の記録材上の
トナー像と接しないローラーに近い側を意味する。つま
り、加圧ローラー側の方向に向けて排紙されることによ
り、定着ローラーで加熱されたトナー像は定着ローラー
と剥離する際の分離角度が大きくなる。その結果オフセ
ットの発生が低減され、その効果は特に高温オフセット
において著しい。
本発明では、トナーを成形したベレットの水との接触角
が80〜110度となるようにトナー材質を選び、定着
装置の定着ローラー表面の材質をフッ素含有物質とする
定着ローラー表面のフッ素含有物質は、表面工ネルギー
が小さ(、離型性に優れた物質である。
このようなローラーの特長をより効果的にするために、
トナーとしても、トナーを成形したベレ・ソトの水に対
する接触角が80〜110度となるような材質が好まし
い。これにより、定着時に、トナー・ローラー間の親和
力を弱めることができ、耐オフセット性が向上する。
トナーを成形したペレットの水に対する接触角を制御す
るには、水に対する接触角が80〜110度の物質を多
く含有させるのがよい。たとえば、ポリエチレンが94
度、ポリプロピレンが95度、パラフィンが105〜1
06度などである。
トナーのベレットの水に対する接触角が、80〜110
度であっても、表面がフッ素含有物質のローラーでない
と、トナーの特長が十分発揮されない。
本発明において用いられる離型剤としては次のようなも
のがあげられる。
(1)結晶化に伴う吸熱ピークを持たない離型剤を使用
する。
長分子鎖長の離型剤は結晶化に伴う吸熱ピークを持たな
いことが知られている。このような離型剤の中で、適当
な融点を有するものを選択することにより、定着性と耐
オフセット性の両立がはかられる。
(2)トナー製造工程中に離型剤の結晶化工程を入れる
トナー製造工程中に離型剤の融点付近若しくは融点以上
に加熱する工程とその後徐冷する工程を入れ、含有して
いる離型剤の結晶化をトナー製造中に行い、トナー化後
の結晶化を押さえる。
これら離型剤について具体的に例示する。
■高融点パラフィンワックス:パラフィンの精製を高度
に行い、高純度の高分子量成分のみを取り出す。このよ
うにして得られたパラフィンワックスは融点が約75℃
以上で、分子の鎖長が長いことにより、結晶化に伴う吸
熱が起こらない。
■グラフト化パラフィンワックス:パラフィンワックス
に側鎖を導入し、再配列を阻害する。例えばパラフィン
ワックスに空気酸化により水酸基を導入し、さらに該水
酸基を修飾することにより結晶化による吸熱ピークを持
たず、且つ融点の比較的高いワックスを得る。
これら離型剤の添加量は、単量体100重量部に対し、
2〜40重量部、好ましくは4〜20重量部の範囲で用
いるのが良い。
本発明においては上記のような離型剤を用いることによ
り定着性の改良が達成され、さらにカラー複写において
必要な混色性、OHP用シート上の画像の透明性につい
ても改良されている。特にOHP用シート上の画像の透
明性に関していえば、オーバーヘッドプロジェクタ−の
小型・軽量化が図られるにつれ、従来あった透過式から
反射式が主流となり、より高い透明性が要求されてきて
いる。即ち、透過式では光の画像通過は1回だけなのに
対し、反射式では2回通過する為、透過式において透明
性良好と判断できる光透過率が約40%であったのに対
し、反射式ではその%乗の約60%の光透過率が画像に
おいて必要となっている。このような点から、画像の透
明性はカラー複写において、重要な性能となっており、
本発明のトナーはこの点の改良が著しいものである。
本発明で用いられる着色剤としては、公知のものが使用
でき、例えば、カーボンブラック、鉄黒の他、C,1,
ダイレクトレッド1、C,1,ダイレクトレッド4、C
,1,アシッドレッド1、C,1,ベーシックレッド1
、C,1,モーダントレッド30、C,1,ダイレクト
ブルー1、C,1,ダイレクトブルー2、C,1,アシ
ッドブルー9、C,1,アシッドブルー15、C0■、
ベーシックブルー3、C,1,ベーシックブルー5、C
,1,モーダンドブルーア、C,I。
ダイレクトグリーン6、C,1,ベーシックグリーン4
、C,1,ベーシックグリーン6等の染料、黄鉛、カド
ミウムイエロー ミネラルファストイエロー、ネーブル
イエロー、ナフトールイエローS1ハンザイエローG、
パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モ
リブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR,ベン
ジジンオレンジG1カドミウムレッド、パーマネントレ
ッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、ブリリア
ントカーミン3B、ファストバイオレットB、メチルバ
イオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブ
ルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、キナクリドン、
ローダミンB、フタロシアニンブルー ファーストスカ
イブルー ピグメントグリーンB、マラカイトグリーン
レーキ、ファイナルイエローグリーンG等の顔料がある
。本発明においては重合法を用いてトナーを得る為、着
色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要が
あり、好ましくは、表面改質、例えば、重合阻害のない
物質による疎水化処理を施して右いたほうが良い。特に
、染料系やカーボンブラックは、重合阻害性を有してい
るものが多いので使用の際に注意を要する。染料系を表
面処理する好ましい方法としては、あらかじめこれら染
料の存在下に重合性単量体を重合せしめる方法が挙げら
れ、得られた着色重合体を単量体系に添加する。又、カ
ーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他
、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例え
ば、ポリオルガノシロキサン等でグラフト処理を行って
も良い。
これら着色剤は単量体100重量部に対し、0.5〜2
0重量部が用いられ、好ましくは、1〜10重量部が用
いられる。
上記重合トナーに使用できる重合性単量体としては、ス
チレン・0−メチルスチレン・m−メチルスチレン・p
−メチルスチレン・p−メトキシスチレン・p−エチル
スチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル・ア
クリル酸エチル・アクリル酸n−ブチル・アクリル酸イ
ソブチル・アクリル酸n−プロピル・アクリル酸n−オ
クチル・アクリル酸ドデシル・アクリル酸2−エチルヘ
キシル・アクリル酸ステアリル・アクリル酸2−クロル
エチル・アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類
・メタクリル酸メチル・メタクリル酸エチル・メタクリ
ル酸n−プロピル・メタクリル酸n−ブチル・メタクリ
ル酸イソブチル・メタクリルi!2n−オクチル・メタ
クリル酸ドデシル・メタクリル酸2−エチルヘキシル・
メタクリル酸ステアリル・メタクリル酸フェニル・メタ
クリル酸ジエチルアミノエチル・メタクリル酸ジエチル
アミノエチル等のメタクリル酸エステル類その他アクリ
ロニトリル・メタクリロニトリル・アクリルアミド等の
単量体が挙げられる。
これらの単量体は単独、又は混合して使用し得る。上述
の単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独
で、又はほかの単量体と混合して使用することがトナー
の現像特性及び耐久性の点から好ましい。
本発明においては1.トナーの帯電性を制御する目的で
トナー材料中に荷電制御剤を添加してお(ことが望まし
い。これら荷電制御剤としては、公知のもののうち、重
合阻害性・水相移行性の殆ど無いものが用いられ、例え
ば正荷電制御剤としてニグロシン系染料・トリフェニル
メタン系染料・四級アンモニウム塩・アミン系及びポリ
アミン系化合物等が挙げられ、負荷電制御剤としては、
含金属サリチル酸系化合物・含金属モノアゾ染料系化合
物・スチレン−アクリル酸共重合体・スチレン−メタク
リル酸共重合体等が挙げられる。
これら荷電制御剤は単量体100重量部に対し、0.1
〜30重量部が用いられ、好ましくは、1〜15重量部
が用いられる。
本発明において用いられる分散媒は、いずれ適当な安定
化剤、例えばポリビニルアルコール・ゼラチン・メチル
セルロース・メチルヒドロキシプロピルセルロース・エ
チルセルロース・カルボキシメチルセルロースのナトリ
ウム塩・ポリアクリル酸及びその塩・デンプン・リン酸
三カルシウム・水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウ
ム・メタケイ酸カルシウム・硫酸バリウム・ベントナイ
ト等を水相に分散させて使用できる。この安定化剤は、
重合性単量体100部に対して、0.2〜20重量部を
使用することが好ましい。
又、これら安定化剤の微細な分散の為に、0.001〜
0.1重量部の界面活性剤を使用してもよい。これは上
記分散安定化剤の所期の作用を促進する為のものであり
、その具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウ
ム・テトラデシル硫酸ナトリウム・ペンタデシル硫酸ナ
トリウム・オクチル硫酸ナトリウム・オレイン酸ナトリ
ウム・ラウリル酸ナトリウム・ステアリン酸カリウム・
オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
単量体系には、添加剤として極性基を有する重合体・共
重合体を添加して重合することがより好ましい。更に、
本発明においては、極性基を有する重合体・共重合体又
は環化ゴムを添加した単量体系を、該極性重合体と逆向
電性の分散剤を分散せしめた水相中に懸濁させ重合する
ことが奸才しい。即ち、単量体系中に含まれるカチオン
性、又はアニオン性重合体・共重合体、又は環化ゴムは
水相中に分散している逆向電性のアニオン性、又はカチ
オン性分散剤と重合進行中のトナーとなる粒子表面で静
電気的に引き合い、粒子表面を分散剤が覆うことにより
粒子同士の合一を防ぎ安定化せしめると共に、重合時に
添加した極性重合体がトナーとなる粒子表層部に集まる
為、一種の殻のような形態となり、得られた粒子は擬似
的なカプセルとなる。比較的高分子量の極性重合体・共
重合体又は環化ゴムを用い、トナー粒子にブロッキング
性、現像耐摩耗性の優れた性質を付与する一方で、内部
では比較的低分子量で定着特性向上に寄与するように重
合を行うことにより、定着性とブロッキング性という相
反する要求を満足するトナーを得ることができる。本発
明に使用できる極性重合体・共重合体及び逆向電性分散
剤を以下に例示する。
(1)カチオン性重合体としては、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルな
ど含窒素単量体の重合体もしくはスチレン・不飽和カル
ボン酸エステル等との共重合体が挙げられる。
(2)アニオン性重合体としては、アクリロニトリル等
のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量
体、アクリル酸・メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、
その他年飽和二塩基酸・不飽和二塩基酸無水物、ニトロ
系単量体等の重合体もしくはスチレン系単量体等との共
重合体が挙げられる。又、これら極性重合体のかわりに
環化ゴムを使用しても良い。
(3)アニオン性分散剤としては、シリカ微粉末が好ま
しく用いられ、特に、BET比表面積が200m”/g
以上のコロイダルシリカが適している。
(4)カチオン性分散剤としては、アミノアルキル変性
コロイダルシリカ(好ましくは、BET比表面積が20
0m”/g以上)等の親水性正帯電性シリカ微粉末、水
酸化アルミニウム等が挙げられる。
このような分散剤は、重合性単量体1oo重量部に対し
て、0.2〜20重量部を使用することが好ましい。更
に好ましくは、0.3〜15重量部である。
重合開始剤としては、いずれか適当な重合開始剤、例え
ば、2,2°−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2.2’−アゾビスイソブチロニトリル、1
..1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)、2.2’ −アゾビス−4−メトキシ−2,4
−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペル
オキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプ
ロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキ
シド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウ
ロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が挙げら
れる。これら重合開始剤は一般には、重合性単量体の0
.5〜10重置%の添加量で充分である。
本発明で用いられる重合トナーは以下の如き方法にて得
られる。即ち、重合性単量体中に離型剤・着色剤・荷電
制御剤・重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイ
ザー・超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せし
めた単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常の
撹拌機またはホモミキサー・ホモジナイザー等により分
散せしめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子
のサイズ、一般に30um以下の粒径な有するように撹
拌速度・時間を調整し、その後は分散安定剤の作用によ
り、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される
程度の攪拌を行えば良い。
重合温度は40℃以上、−数的には50〜90℃の温度
に設定して重合を行う。反応終了後、生成したトナー粒
子を洗浄・濾過により回収し、乾燥する。懸濁重合法に
おいては、通常単量体系100重量部にたいして水30
0〜3000重量部を分散媒として使用するのが好まし
い。
本発明によるトナーは実質的に球形で且つ表面に微小凹
凸を有することが好ましい。このようなトナーを得る方
法としては、球形粒子の表面にいずれかの方法で微粒子
を融着させるか、球形粒子を作る段階でその表面の凹凸
化を図ることが挙げられる。本発明による表面に凹凸を
有するトナーを得る方法としては、例えば以下のような
方法が挙げられる。
1)メカノケミカル法二球形化トナー粒子と樹脂微粒子
を混合後、メカノケミカル手法によりトナー粒子の表面
に樹脂微粒子を融着させる。
2)乾式加熱処理法:球形化トナー粒子と樹脂微粒子を
混合後、流動加熱層中にて混合加熱を行いトナー粒子の
表面に樹脂微粒子を融着させる。
3)湿式加熱処理法:液体若しくは気体中にて、球形化
トナー粒子と樹脂微粒子を混合後、液体中にて加熱処理
を行いトナー粒子の表面に樹脂微粒子を融着させる。
4)トナー粒子重合時、樹脂微粒子添加法:重合法によ
りトナー粒子を得る場合、あらかじめ樹脂微粒子をモノ
マー中に添加しておくか、又は重合過程に樹脂微粒子を
添加し、樹脂微粒子や分散系の物性をコントロールする
ことにより、樹脂微粒子をトナー表面に移行させ、重合
を完結させる。
5)膨潤後乾燥法:トナー粒子をいったん溶剤に浸漬し
膨潤させた後、加熱気流中若しくは減圧下に乾燥する。
このとき併せて球形化処理を行っても良い。
本発明で凹凸付与に用いる樹脂微粒子とじては、その粒
径が球形化トナー粒子の1/200〜1/10、好まし
くは、1/lOO〜1/loの範囲に含まれ、その材質
は、例えばスチレン系樹脂、スチレン・アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン・メタクリル酸エステル共重合
体、スチレンと他のビニル系単量体(例えば、アクリロ
ニトリル、ブタジェン等)との共重合体、ポリエステル
系樹脂、エポキシ樹脂の中から適当なものが用いられる
。これら樹脂のうち、特にビニル系樹脂が乳化重合等に
より樹脂微粒子を容易に得られる為、好ましく用いられ
る。
本発明で用いられる各種特性付与を目的とした添加剤は
、トナーに添加した時の耐久性の点がら、トナー粒子の
体積平均径の1/1o以下の粒径であることが好ましい
。この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒
子の表面観察により求めたその平均粒径な意味する。こ
れら特性付与を目的とした添加剤としては、たとえば、
以下のようなものが用いられる。
1)流動性付与剤:金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アル
ミニウム、酸化チタンなど)・カーボンブラック・フッ
化カーボンなど。それぞれ、疎水化処理を行ったものが
、より好ましい。
2)研磨剤二金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸
化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸
化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(
炭化ケイ素など)金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウムなど)。
3)滑 剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン、ポ
リテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金属塩(ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)など。
4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化錫、酸化チタン
、駿化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)・カ
ーボンブラックなど。
これら添加剤は、トナー粒子100重量部に対し、0゜
1〜10重量部が用いられ、好ましくは、0.1〜5重
量部が用いられる。これら添加剤は、単独で用いても、
又、複数併用しても良い。
本発明に用いられる定着装置としては、白紙を通したと
きにその排紙方向が定着ローラーと加圧ローラーの中心
を結ぶ線の垂直方向より加圧ローラー側になるようにす
る。
排紙方向を加圧ローラー側になる様にする方法としては
、例えば、 ■加圧ローラーの硬度を定着ローラーの硬度より高(す
る。
この加圧ローラー硬度を高くする方法としては、■弾性
体の硬度高くする方法、■弾性体層を薄くする方法があ
る。
■定着ローラーの径を加圧ローラーの径より大きくする
などが挙げられる。
この中でも、定着ローラーの硬度を低(する方法が、ト
ナ一定着画像に“す”が発生せず、表面平滑性が向上す
るので好ましい。特にOHPシートの透明性に対して、
良好な結果が得られる。
さらに、加熱装置を定着ローラー側だけでな(、加圧ロ
ーラー側にも取りつけることにより、°つれまわり”を
著しく減少することが可能である。
これらの方法を取り入れた定着装置としては、例えば定
着ローラーとして、下層に弾性体のシリコンゴム系HT
Vを設け、上層にはPFA樹脂を設けた2層構造のもの
や、下層にHTVを設け、上層にはフッ素樹脂分散型フ
ッ素ゴムの層を設け、熱処理により、フッ素樹脂を表面
に偏析させたもの、などが挙げられる。
定着ローラーの硬度(二層の場合は二層合わせたときの
硬度)としては、ゴム硬度(JIS−A)が、30〜7
0度好ましくは35〜60度であり、定着ローラーの層
厚は、0.5〜5mm好ましくは1.0〜3.5mmで
ある。
加圧ローラーとしては硬度40度以上、好ましくは50
度以上のもので、材質はシリコンゴム系、フッ素ゴム系
、テフロンコート系などいずれのものも使用できる。
ローラー径としては、複写機の小型化が要求されている
為、あまり太き(できない。またローラー径を小さくす
ると、ニップが充分にとれないため、トナーが充分に溶
融せず、したがって混色性が悪(なったり、混色性を上
げる為に定着速度をおとさなければならな(なる。した
がって定着ローラー及び加圧ローラーの直径としては4
0〜80mmが適当である。
本発明における粒度分布測定について述べる。
測定装置としてはコールタ−カウンターTA−■型(コ
ールタ−社製)を用い、個数平均分布。
体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)
及びCX−1パーソナルコンピユーター(キャノン族)
を接続し電解液は1級塩化ナトリウム、を用いて1%N
aCβ水溶液を調製する。
測定法としては前記電解水溶液100〜150mρ中に
分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼン
スルホン駿塩な0.1〜5mρ加え、さらに測定試料を
0.5〜50mg加える。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分
散処理を行い、前記コールタ−カウンターTA−II型
により、アパチャーとして100μmアパチャーを用い
て2〜40umの粒子の粒度分布を測定して体積平均分
布、個数平均分布を求める。
これら求めた体積平均分布、個数平均分布より、体積平
均粒径な得る。
本発明における示差走査熱量測定(DSC)は、DSC
−7(パーキンエルマー製)を用いて昇温速度10℃/
 m i nで行う。又、ワックス成分のDSCカーブ
において、最大の吸熱を示すピークの頂点の温度を、ワ
ックスの融点とする。
本発明における接触角の測定について述べる。
トナーを錠剤成形器を用いてペレットとする。
このとき、成形器には鏡面仕上げのものを用い、十分な
圧力をかけて、平″滑面が得られるようにする。得られ
たベレットの23℃の水に対する接触角を、接触角計(
協和科学CA−DS型)を用いて測定した。
本発明のトナーの分子量分布は以下の様に測定した。
1 サンプル調製 (1)標準試料 標準試料として次に示した市販の標準ポリスチレンを用
いる。
分子量     メーカー 8.42X10’  東洋ツーダニ業■(以下、Tと略
す) 2 、7  X 10 ’  Waters As5o
ciates(以下、Wと略す) 1.2  XIO’    W 7.75X10’    T 4.7  XIO’    W 2、OXIO’    W 3.5  XIO’    W 1.5  XIO’    W 1.02X10’    T 3.6  XIO”    W 2.35X10”    W 5、OXIO”    T 上記標準ポリスチレン約3mgを30mI2のテトラヒ
ドロフラン(THF)に溶解して標準試料とする。
(II)未知試料 未知試料(トナー)60mgを75mgのTHFで抽出
し遠沈後濾過を行ない未知試料とする。
2 測定条件 装置としてWATER8社 150CALC/GPCを
用い、以下の条件で測定した。
溶 媒:THF(キシダ化学製 特級)カラム:ショー
デックスKF−801,802゜803.804,80
5,806゜ 807(昭和電工製) 温 度: 40℃ 流 速:  1.0mI2/min 注入量:0.1mβ 検出器:R■ 3 データ処理 上記の測定条件にて標準試料のピーク時の保持時間をよ
みとり検量線を作成し、その検量線から未知試料の分子
量を算出する。
本発明によるトナーにおける実質的なゲル分の定量は以
下のようにして行った。
内容量100mβの遠沈管にトナー1gをとり、トルエ
ンを50mg加え、50℃に加熱下、超音波浴に浸漬し
、20分間樹脂分の抽出を行った。遠沈管を遠心分離器
に設置し、10.00Orpmで30分間分離を行い、
上ずみを除去した。さらにトルエン50 m 12を加
え同様の操作を行い、上ずみを除去した。この操作をさ
らに3回繰り返した後、不溶成分を取り出し、乾燥させ
た。得られた不溶成分量が初期トナー量の8%以下であ
るとき、該トナーの実質的なゲル分はないと判断した。
[実施例] 以下実施例に基づき、本発明の詳細な説明する。なお、
部数はすべて重量部である。
m口。
イオン交換水1200mj2にγ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン0.25gを加え、さらに親水性コロイ
ダルシリカ(BET比表面積200m”/g)5gを加
え、80℃に加温し、TK式ホモミキサーM型(特殊機
化工業製)を用いて10,000rpmで15分間分散
させた。
さらに1/10N−HCQ水溶液を加え、系内pHを6
とした。
上記処方を容器中で80℃に加温し、TK式ホモミキサ
ーを用いて溶解・分散して単量体混合物とした。さらに
80℃に保持しながら、開始剤ジメチル2.2′−アゾ
ビスイソブチレート10部を加えて溶解し、単量体組成
物を調製した。前記で得た分散媒を入れた2℃のフラス
コ中に、上記単量体組成物を投入し、窒素雰囲気下で8
0″CでTK式ホモミキサーを用い、12.OOOrp
mで60分間撹拌し、単量体組成物を造粒した。その後
、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃で20時間重合し
た。重合反応終了後、反応生成物を冷却し、NaOH水
溶液を加え、分散剤を溶解し、濾過、水洗、乾燥するこ
とにより、球形粒子を得た。
得られた球形粒子の粒径をコールタ−カウンター(アパ
ーチャー径100μm)で測定したところ、体積平均径
6.8μmでシャープな粒度分布を有していた。
別途、反応容器中にイオン交換水150部を入れ、80
℃に加熱し、さらに撹拌下、スチレン/n−ブチルメタ
クリレート=90/10(部7部)の単量体系1部と1
0重量%過硫酸アンモニウム水溶液10部を加え、さら
に上記単量体系99部を3時間かけて滴下し、種ラテツ
クスを得、次いでメタクリル酸10部を滴下した後、3
時間重合を継続した。重合終了後、冷却し、水洗、濾過
、乾燥を行ない、コールタ−N4による体積平均径が0
.6μmの球形樹脂微粒子を得た。
先に得た球形粒子50部に上記樹脂微粒子5部を加え、
ヘンシェルミキサーにより、分散・混合せしめた。別途
、イオン交換水1200mI2にγ−アミノプロピルト
リメトキシシラン0.25gを加え、さらに親木性コロ
イダルシリカ(BET比表面積200m”7g)を加え
、TK式ホモミキサーM型(特殊機化工業製)を用いて
10,000rpmで15分間分散後、1/10N−H
Cρ水溶液を加え、系内pHを6とした。これをオート
クレーブ中に入れ、先の混合粒子を加え、110℃/1
.2Kg/cm”に加熱撹拌下、30分間固定化処理を
行なった。処理後分散系を冷却し、さらにアルカリを用
いて分散剤の除去を行った後、水洗・濾過・乾燥を行な
い、凹凸付与球形粒子を得た。得られた粒子のコールタ
−カウンター(アパーチャー径100μm)による体積
平均径は7.9μmであった。
この凹凸付与球形粒子のトルエン溶解法による不溶分測
定の結果、不溶分中の顔料含有率が98重量%で、実質
的なゲル分は存在していないことが判明した。さらに該
球形粒子のTHF可溶分のGPCによる分子量分布測定
の結果、分子量が、2.0XIO’及び1.2X10”
にピークを有していた。得られたGPCチャートを第3
図に示す。GPCを用い各ピークの半値巾に相当する溶
出時間でそれぞれの成分を分取した後、各成分について
DSCによる吸熱ピークを確認したところ、第1図に示
すように樹脂成分の吸熱ピーク(62,2℃)と離型剤
成分による吸熱ピーク(7,9,6℃)は重複していな
いことが確認できた。
このトナーを成型したペレットの水に対する接触角は1
00度であった。
この凹凸付与球形粒子100部に対し、BET法による
比表面積が200m”7gであり、ヘキサメチルジシラ
ザンで疎水化処理したシリカ微粉体0.6部を外添しト
ナーとした。このトナー10部に対し、スチレン−アク
リル系樹脂被覆フェライトキャリア90部を混合し、現
像剤とした。
この現像剤及び外添トナーを用いて、キャノン社製フル
カラー複写機CLC−500で未定着画像を得た。この
画像を外部定着試験機を用いて定着試験を行った。この
とき、定着ローラーとして、シリコンゴム(HTV)に
PFA樹脂を30μm厚でコートした材質で、硬度55
度、層厚2mm、ローラー直径60mmのものを用い、
加圧ローラーとしては、フッ素ゴム系ローラーで硬度6
5度、層厚0.7mm、ローラー直径60mmのものを
用いた。また加熱装置は加圧ローラー側にもとりつけた
。これにより、白紙通紙テストでは、その排紙方向は加
圧ローラー側となった。
定着のプロセススピードは90mm/secとし、ロー
ラー表面温度を100〜200℃の範囲で5°Cおきに
温調し、定着試験を行った。
評価法としては、得られた定着画像を50g/cm2の
荷重をかけたシルボン紙で摺擦し、摺擦前後の画像濃度
低下率が5%以下となる温度を定着開始温度とした。ま
たオフセットの評価は、画像の観察により行った。さら
にOHPシートの透明性の評価はプロセススピード20
mm/secで定着ローラー表面温度150℃で定着さ
せ、その光透過スペクトルを分光光度計U−3400(
日立製作断裂)で測定した。なお未定着画像上のトナー
量は0.55±0.05mg/cm2とした。その結果
、定着開始温度は115℃と低く、非オフセット鎖環は
125℃〜175℃となり、低温定着化が達成された。
定着画像の彩度は72.6で、又、150’C定着時の
反射式オーバーヘッドプロジェクタ−を用いたOHPシ
ート上の画像の透明性は特に良好で、560部mの分光
透過率は82%であった。結果を表−1に示す。また、
30,000枚のランニングテストを行なったところ、
画像濃度は1.4以上で、カブリもなく、解像力・階調
性共に非常に優れ、トナーのクリーニング不良も発生せ
ず、複写機内のトナー飛散も目立たなかった。又耐久前
後のトナーを電子顕微鏡にて観察したところ、外添シリ
カ粒子の劣化は見られなかった。
見1■ユ イオン交換水650mffに0.1M三リン酸ナトリウ
ム水溶液480部加え、80℃に加温し、高速撹拌下、
IM塩化カルシウム水溶液72部を滴下した。
上記処方を容器中で80℃に加温し、TK式ホモミキサ
ーを用いて、溶解・分散して単量体混合物とした。さら
に80℃に保持しながら、開始剤ジメチル2,2′−ア
ゾビスイソブチレート10部を加えて溶解し、単量体組
成物を調製した。前記で得た分散媒を入れた2βのフラ
スコ中に、上記単量体組成物を投入し、窒素雰囲気下で
80℃でTK式ホモミキサーを用い、9000rpmで
60分間撹拌し、単量体組成物を造粒した。その後、パ
ドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃で20時間重合した。
重合反応終了後、反応生成物を冷却し、HCβ水溶液を
加え、分散剤を溶解し、濾過・水洗・乾燥することによ
り、球形粒子を得た。得られた粒子のコールタ−カウン
ター(アパーチャー径100μm)による体積平均径は
8.4μmであった。実施例1と同様に球形粒子のトル
エン不溶分を測定した結果、不溶分中の顔料含有率が9
9.5重量%で、実質的なゲル分は存在しないことが判
明した。さらに実施例1と同様にして分子量分布を測定
した結果、1.9×lo4及び1.3X10”にピーク
を有していた。又、各成分を実施例1と同様にして分取
後、DSCを測定したところ、樹脂成分の吸熱ピーク(
55,6℃)と離型剤成分の吸熱ピーク(76,2℃)
は重複していないことが確認できた。
また、このトナーを成型したベレットの水に対する接触
角は、95度であった。
この球形粒子100部に対し、BET法による比表面積
が200m”/gであり、ヘキサメチルジシラザンで疎
水化処理したシリカ微粉体0.6部を外添し、トナーと
した。このトナー10部に対し、スチレン−アクリル系
樹脂被覆フェライトキャリア90部を混合し、現像剤と
した。
このようにして得られた現像剤を用い、キャノン社製C
LC−500を用いて未定着画像を得、さらに実施例1
と同様にして定着試験を行った。
実施例1と同様の評価を行ったところ、定着開始温度は
115℃と低く、非オフセット領域は125〜170℃
となり、低温定着化が達成された。定着画像の彩度は4
6.0で、又150℃定着時の反射式オーバーヘッドプ
ロジェクタ−を用いたOHPシート上の画像の透明性は
特に良好で、460部mの分光透過率は78%であった
結果を表−1に示す。
支血土ユ 実施例2と同様にして分散媒を調製した。
上記処方を実施例2と同様にして造粒を行なった。さら
にパドル撹拌翼で撹拌しっつ80”Cで20時間重合を
行なった。さらにオートクレーブに移し、30分間15
0℃/ 2 k g / c m 2に加熱撹拌した後
、10℃/ m i nの割合で室温まで冷却した。さ
らにHCβ水溶液を加え、分散剤を溶解し、濾過・水洗
・乾燥することにより、球形粒子を得た。
得られた粒子のコールタ−カウンター(アパーチャー径
100μm)による体積平均径は8.0μmであった。
実施例1と同様に球形粒子のトルエン不溶分を測定した
結果、不溶分中の顔料含有率が99.9重量%で、実質
的なゲル分は存在しないことが判明した。さらに実施例
1と同様にして分子量分布を測定した結果、2、l X
 I O’及び1.lXIO3にピークを有していた。
又、各成分を実施例1と同様にして分取後、DSCを測
定したところ、樹脂成分の吸熱ピーク(56,7℃)と
離型剤成分の吸熱ピーク(74,9℃)は重複していな
いことが確認できた。このトナーを成型したベレットの
水に対する接触角は、102度であった。
この凹凸付与球形粒子100部に対し、BET法による
比表面積が200m2/gであり、ヘキサメチルジシラ
ザンで疎水化処理したシリカ微粉体0.6部を外添しト
ナーとした。このトナー10部に対し、スチレン−アク
リル系樹脂被覆フェライトキャリア90部を混合し、現
像剤とした。
この現像剤及び外添トナーを用いて、キャノン社製フル
カラー複写機CLC−500で未定着画像を得た。この
画像を外部定着試験機を用いて定着試験を行った。この
とき、定着ローラーとして、下層にシリコンゴム(HT
V)を設け、上層にフッ素樹脂分散型フッ素ゴム層(4
0μm)を設け、熱処理により表面に偏析させた材質で
、硬度55度、層厚2mm、ローラー直径60 m m
のものを用い、加圧ローラーとしては、フッ素ゴム系ロ
ーラーで硬度65度、層厚0.7mm、ローラー直径6
0mmのものを用いた。また加熱装置は加圧ローラー側
にもとりつけた。これにより、白紙通紙テストでは、そ
の排紙方向は加圧ローラー側となった。実施例1と同様
の評価を行ったところ、定着開始温度は115℃と低(
、非オフセット領域は125〜170℃となり低温定着
化が達成された。定着画像の彩度は64.2で、また1
50℃定着時の反射式オーバーヘッドプロジェクタ−を
用いたOHPシート上の画像の透明性は特に良好で、6
60部mの分光透過率は80%であった。結果を表−1
に示す。
良Ll 実施例1〜3で得た現像剤を用い、キャノン社製CLC
−500を用い、3色フルカラーの未定着画像を得、実
施例1と同様の定着試験を行った。
特に、フルカラー画像として混色部の彩度、OHPシー
トの透明性について評価を行った。その結果、定着開始
温度はレッド、グリーン、ブルーの各画像部共、115
℃で、非オフセット領域は125〜170℃となり、フ
ルカラー画像においても低温定着化が達成された。また
150℃におけるレッド、グリーン、ブルーの各画像部
の彩度はそれぞれ54.2,44.2,48.9と混色
性に優れ、さらに、反射式のオーバーヘッドプロジェク
タ−を用いた150℃定着時のOHPシート上の画像の
透明性は特に良好で、レッド部(660部m)、グリー
ン部(560部m)、ブル一部(460nm)の各波長
の分光透過率はそれぞれ、67%(660nm)、66
%(560nm)、64%(460nm)であった。結
果を表−1に示す。
を較■」 実施例1における処方を以下の如(かえた以外は実施例
1と同様にしてコールタ−カウンター(アパーチャー径
100μm)による体積平均径が8.1μmの凹凸付与
球形粒子を得た。
この凹凸付与球形粒子のトルエン溶解法による不溶分測
定の結果、不溶分中の顔料含有率が98重量%で実質的
なゲル分は存在していないことが判明した。さらに実施
例1と同様にして分子量分布を測定した結果、2.0X
IO“及び1.0XIO3にピークを有していた。得ら
れたGPCチャートを第4図に示す。又、各成分を実施
例1と同様にして分取後、DSCを測定したところ、樹
脂成分の吸熱ピーク(62,0℃)と離型剤成分の吸熱
ピーク(主ピーク値70.0°C5他に結晶化に伴う吸
熱ピーク有り)は重複していることが確認できた。
この凹凸付与球形粒子に対し、実施例1と同様にして現
像剤の調製を行い、定着性の評価を行った。
その結果、定着開始温度は130℃で、非オフセット領
域は150〜155℃であった。定着画像の彩度は70
.0で、又、反射式オーバーヘッドプロジェクタ−を用
いた150℃定着時のOHPシート上の画像の透明性は
実用上問題はないが、やや透明性に欠は黒味を帯び透過
率は50%であった。
又、30,000枚のランニングテストの結果は実施例
1同様良好であった。
凰較■ユ 実施例2におけるグラフト化パラフィンワックスを融点
70℃のパラフィンワックスにかえた他は実施例2と同
様にしてシアン系現像剤を得た。
又、実施例3におけるトナーの処方において、高融点パ
ラフィンワックス(融点75℃)のかわりに融点70℃
のパラフィンワックスを用い、実施例2と同様にしてマ
ゼンタ系現像剤を得た。比較例1で得たイエロー系現像
剤と上記シアン系及びマゼンタ系現像剤を用い、実施例
4と同様にして3色フルカラー画像の評価を行なった。
その結果、定着開始温度はレッド、グリーン、ブルーの
各画像部共、130℃で、非オフセット領域は150〜
155℃であった。また150℃におけるレッド、グリ
ーン、ブルーの各画像部の彩度はそれぞれ、51.8,
42.5,46.8で、さらに反射式オーバーヘッドプ
ロジェクタ−を用いた150℃定着時のOHPシート上
の画像は色の認識はできるものの、やや透明性に欠は黒
味を帯び、レッド部(660nm) 、グリーン部(5
60nm)、ブル一部(460nm)の各波長の分光透
過率はそれぞれ、45%(660nm)、48%(56
0nm)、44%(460nm)であった。結果を表−
1に示す。
をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行った後、
3本ロールミルで少なくとも2回以上溶融混練し、冷却
後ハンマーミルを用いて粒径1〜2mm程度に粗粉砕し
た。次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕
した。さらに得られた微粉砕物を分級して体積平均径1
2.0μmのトナーを得た。このトナーを成形したベレ
ットの水に対する接触角は69度であった。このトナー
を実施例1と同様に外添して、現像剤とした後、定着試
験を行った。
その結果、130℃で定着はするものの、非オフセット
領域は、存在せず、低温オフセットから、高温オフセッ
トに移行し、実用に適さなかった。
(以下余白) [発明の効果] 本発明によれば、定着ローラー表面の材質がフッ素含有
物質である定着装置に用いられるトナーの分子量分布、
離型剤などについて検討して、とりわけ耐オフセット性
と定着性の双方に優れたトナーを提供することを可能に
したものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1のDSCによる吸熱ピークを示す図で
あり、第2図は比較例1のDSCによる吸熱ピークを示
す図である。第3図は実施例1のGPCチャートを示す
図であり、第4図は比較例1のGPCチャートを示す図
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)定着ローラー及び加圧ローラーが、その芯金上に
    ゴム弾性体層を有した熱ローラー定着装置であり、且つ
    白紙を通したときにその排紙方向が、定着ローラーと加
    圧ローラーの中心を結ぶ線の直角方向より加圧ローラー
    側であり、さらに該定着ローラー表面の材質がフッ素含
    有物質である定着装置に用いられるトナーにおいて、 [1]少なくとも離型剤と着色剤を含有する重合性単量
    体系を水系媒体中で懸濁重合して得られるトナーであり
    、 [2]該トナーを成型して得たペレットの水に対する接
    触角が80〜110度であり、 [3]THF可溶分のゲルパーミェーションクロマトグ
    ラフィーによる分子量分布が2000以下と10000
    以上にそれぞれ1以上のピークを有し、 [4]各ピークに対応する成分の示差走査熱量測定にお
    いて、結着樹脂成分による吸熱ピークと離型剤成分によ
    る吸熱ピークが互いに重複しないことを特徴とする静電
    荷像現像用トナー。
  2. (2)記録材にトナー像を加熱定着する方法において、 a)該トナー像を形成するトナーが、 [1]少なくとも離型剤と着色剤を含有する重合性単量
    体系を水系媒体中で懸濁重合して得られるトナーであり
    、 [2]該トナーを成型して得たペレットの水に対する接
    触角が80〜110度であり、 [3]THF可溶分のゲルパーミェーションクロマトグ
    ラフィーによる分子量分布が2000以下と10000
    以上にそれぞれ1以上のピークを有し、 [4]各ピークに対応する成分の示差走査熱量測定にお
    いて、結着樹脂成分による吸熱ピークと離型剤成分によ
    る吸熱ピークが互いに重複しないことを特徴とするトナ
    ーであって、 b)定着装置として、定着ローラー及び加圧ローラーが
    、その芯金上にゴム弾性体層を有した熱ローラー定着装
    置であり、且つ白紙を通したときにその排紙方向が、定
    着ローラーと加圧ローラーの中心を結ぶ線の直角方向よ
    り加圧ローラー側であり、さらに該定着ローラー表面の
    材質がフッ素含有物質である定着装置を用いる、 ことを特徴とする定着方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10333359A (ja) * 1997-03-11 1998-12-18 Canon Inc 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
JP2020071435A (ja) * 2018-11-02 2020-05-07 コニカミノルタ株式会社 画像形成方法

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JPH10333359A (ja) * 1997-03-11 1998-12-18 Canon Inc 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
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