JPH0410491Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、暖房器に関する。

従来の技術 従来の暖房器としては、例えば上下両端に通気
開口部を有する略箱形のケーシングと、ケーシン
グの下部内に略水平状に配置された温水流通管
と、温水流通管に並列状に取り付けられた板状放
熱フインとよりなるものが既に知られている。従
来の暖房器では、温水流通管に取り付けられた放
熱フインがケーシングの壁面に接触していないた
め、フイン表面の熱はケーシング内の空気に伝達
され、このようにフイン表面からの放熱によつて
暖められたケーシング内の空気は、ケーシングの
上端開口部より出て、代わりにケーシング下端開
口部より新たな冷たい空気が入り込み、これを繰
り返すいわゆる自然対流によつて室内が暖められ
ているだけであり、これでは、放熱効率が悪く、
暖房効果が劣るという問題があつた。

考案の目的 この考案の目的は、上記の従来技術の問題を解
決し、自然対流による放熱だけでなく、前壁から
の輻射熱によつても室内に放熱することができ
て、暖房効果が顕著にすぐれており、しかも非常
にコンパクトで、設置場所が少なくてすむ暖房器
を提供しようとするにある。

考案の構成 この考案は、上記の目的を達成するために、略
水平状に配置された熱媒体流通管と、該流通管に
並列状に取り付けられた放熱フインと、並列状放
熱フインの前後両側縁部のうち少なくとも前側縁
部と接合された壁板と、該壁板に設けられるとと
もに、内部に作動流体が封入されかつ熱媒体流通
管に対向する蒸発部、およびこれの上方位置にあ
る凝縮部を有するヒートパイプ部とを備えている
暖房器を要旨としている。

実施例 つぎに、この考案の実施例を図面に基づいて説
明する。

この明細書において、前後および左右の第１図
を基準とし、前とは第１図図面紙葉の表側、後と
は同裏側をいい、また左とは同図左側、右とは同
右側をいうものとする。

図面において、暖房器は、上下両端に通気用開
口部４，５を有する略箱形のケーシング１と、ケ
ーシング１の下部内に略水平状に配置されたヘ
ア・ピン状の温水等熱媒体流通管２と、該流通管
２に並列状に取り付けられた多数の板状放熱フイ
ン３とよりなるものである。

ケーシング１は、逆Ｕ形のアルミニウム・ロー
ルボンド板製のケーシング本体１１と、これの左
右両側縁に嵌め被せられたABS樹脂製側板１２，
１３とによつて構成されている。そしてケーシン
グ本体１１の上壁７に多数の長方形状の開口部４
があけられ（第３図参照）、またケーシング本体
１１の下端は開放状態となされていて、開口部５
が形成されている。

ケーシング１の前後両側壁６，６には、４個の
水平部とこれらに直交する多数の並列状垂直部と
よりなる膨管部１４が設けられ（第４図参照）、
膨管部１４の内部に例えばフロン等の作動流体が
導入管１６より封入されることにより、熱媒体流
通管２に対向する蒸発部９ａと、これの上方位置
にある凝縮部９ｂとを有するヒートパイプ部９が
形成されている。また上記各放熱フイン３の前後
両側縁部３ａ，３ｂは折り曲げられてケーシング
１の前後両側壁６，６の内面に密着せしめられて
いる。なお、右側板１３の熱媒体流通管２の差し
込み部分には、ゴム製パツキン１５が嵌め被せら
れている。

上記暖房器において、熱媒体流通管２には、温
水、水蒸気、あるいは加熱オイル等の熱媒体が流
通せしめられる。熱媒体の保有熱は管壁から多数
のフイン３に伝達され、管壁表面およびフイン３
表面からケーシング１内の空気へ熱が放出される
一方、多数のフイン３からケーシング本体１１の
前後両側壁６，６に伝えられ、前後両側壁６，６
の表面から放熱されるとともに、前後両側壁６，
６のヒートパイプ部９の流通管２に対向する蒸発
部９ａにおいてはフロン等の作動流体が蒸発し、
この作動流体の蒸気が上昇して凝縮部９ｂに至
り、そこで熱を放出して凝縮し、凝縮液は重力に
よつて蒸発部９ａに戻る。従つて暖房器は、この
ようなヒートパイプ部９を備えたケーシング１の
前後両側壁６，６表面からの輻射熱によつても室
内空気を暖めることができ、暖房効果がすぐれて
いるものである。

上記において、放熱フイン３としてはアルミニ
ウム・ブレージング・シートを用いることによ
り、このフイン３と、アルミニウム・ロールボン
ド板よりなるケーシング本体１１とを例えば真空
ろう付け法により接合させるとよい。また放熱フ
イン３には、これの下部のバーリング加工により
所定間隔をおいて２つの管挿通孔をあけておき、
各フイン３の管挿通孔にヘア・ピン状の熱媒体流
通管２を挿通したのち、拡管することにより、す
べてのフイン３と流通管２とを結合するのが好ま
しい。

なお、上記実施例においては、ヒートパイプ部
９がケーシング１の前後両側壁６，６にそれぞれ
設けられているが、これは前後両側壁６，７のう
ち、少なくとも一方に設けられておれば良い。ま
たヒートパイプ部９は、ケーシング１の前後両側
壁６，６に膨管部１４が設けられ、これに作動流
体が封入されることにより、ケーシング１に一体
に設けられているが、場合によつては、ケーシン
グ１の前後両側壁６，６に別部材よりなるヒート
パイプ（図示略）が設けられてもよい。

さらに、この考案において暖房器にはケーシン
グ１を設ける必要はなく、並列状放熱フイン３の
前後両側縁部３ａ，３ｂのうち少なくとも前側縁
部３ａと接合された壁板（これは上記ケーシング
１の前側壁に相当する）６が設けられておればよ
い。該壁板６には、内部に作動流体が封入されか
つ熱媒体流通管２に対向する蒸発部９ａ、および
これの上方位置にある凝縮部９ｂを有するヒート
パイプ部９が設けられる。

考案の効果 この考案による暖房器は、上述のように、略水
平状に配置された熱媒体流通管２と、該流通管２
に並列状に取り付けられた放熱フイン３と、並列
状放熱フイン３の前後両側縁部３ａ，３ｂのうち
少なくとも前側縁部３ａと接合された壁板６と、
該壁板６に設けられるとともに、内部に作動流体
が封入されかつ熱媒体流通管２に対向する蒸発部
９ａ、およびこれの上方位置にある凝縮部９ｂを
有するヒートパイプ部９とを備えているものであ
るから、自然対流による放熱だけでなく、暖房器
の前壁からの輻射熱によつても室内に放熱するこ
とができて、暖房効果が顕著にすぐれており、し
かも非常にコンパクトで、設置場所が少なくてす
むという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は部分切欠き正面図、第２図は第１図−線に
に沿う断面図、第３図は平面図、第４図はケーシ
ング本体の展開図、第５図は第４図−線に沿
う拡大断面図である。 １……ケーシング、２……熱媒体流通管、３…
…放熱フイン、３ａ，３ｂ……前後両側縁部、
４，５……開口部、６……前後側壁（壁板）、９
……ヒートパイプ部、９ａ……蒸発部、９ｂ……
凝縮部、１１……ケーシング本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略水平状に配置された熱媒体流通管２と、該流
   通管２に並列状に取り付けられた放熱フイン３
   と、並列状放熱フイン３の前後両側縁部３ａ，３
   ｂのうち少なくとも前側縁部３ａと接合された壁
   板６と、該壁板６に設けられるとともに、内部に
   作動流体が封入されかつ熱媒体流通管２に対向す
   る蒸発部９ａ、およびこれの上方位置にある凝縮
   部９ｂを有するヒートパイプ部９とを備えている
   暖房器。