JPH04104909U - 吊下げ具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 面ファスナーを使用して例えばカーテンを吊
下げた際に、面ファスナーのフック側にループ側が強固
に係止され、カーテンなどの吊下げる対象物を確実に保
持できるようにする。 【構成】 平板体１と一体に形成したフック群３を複数
に区画し、隣り合った各区画内のフック片２の方向性を
区画単位ごとに互いに交差するように設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、窓や縁側などに吊下げるカーテン、あるいは壁掛けなどの装飾品を 吊下げる際に使用する吊下げ具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えばカーテンを吊下げる手段として、従来面ファスナーを使用する技術が実 開昭５７−１４２９８６号、実開昭６０−１７５１９０号、実開昭６２−１６４ ８９０号の各公報によって知られている。それらの各公報に記載してある共通し た手段は、レールに沿って摺動するように設けた帯体に、織りタイプの面ファス ナーのフック片付き帯片またはループ片付き帯片のいずれか一方を、全面にある いは間隔をあけて付着し、カーテンに他方の面ファスナーを対応して付着したも のである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところでカーテンは、レールに沿って開閉されるが、その際カーテンの吊り下 げ部には横方向へ引く力と、下方へ引く力とが合成した力が加えられたり、また 不意にカーテンを下に引っ張ったりすると、前述のように織りタイプの面ファス ナーを用いて吊り下げたものでは、カーテンが外れたりすることがあった。また 吊り下げ強度を大きくしようとすると、面ファスナーの係合面積を大きくしなけ れならず、そうするとカーテンを開けた時に、面ファスナーの剛直性により、カ ーテンの折り返し部分が綺麗に畳み込まれなくなる欠点があった。

【０００４】 本考案は以上のことから、係合強度に方向性がなく、全方向にほぼ均等な係合 力が得られ、しかも単位面積当たりにおける係合力の強い吊り下げ具を提供する ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案による解決手段は、合成樹脂の平板体とその表面に多数のフック片を列 設しているフック群とが一体に形成された吊下げ具であって、前記のフック群を 少なくとも２区画に分割してあり、各区画内の各フック片の向きが隣り合う区画 のフック片の向きと互いに交差して設けてあることを特徴とする。

【０００６】

【実施例】

本考案を具体的に説明すると、図１の（Ａ）と（Ｂ）に示しているように、硬 質の合成樹脂製の平板体１の表面に、フック片２を１列に多数等間隔に配した列 を多数列に亘って設けているフック群３を一体に備えており、そのフック群３を 平板体１の長手方向に対して前後部分に区画して、各区画に在る各フック片２の 開放口の向きの方向性を図２で簡略に矢印で示しているように、一方の区画に設 けたフック群３における各フック片２の各開放口の向きを、平板体１の長手方向 と平行に形成し、他方の区画のフック群３における各フック片２の各開放口の向 きを、平板体１の長手方向に対して直交乃至適宜の角度をもって交差した状態に 形成し、更に双方区画に設けた１列ごとの各フック片２の開放口を１列ごとに、 または２列ごとに互いに逆向きに設けたものである。しかも前記フック片２は図 ３に拡大して示しているように、恰も海の大波の如くに屈曲した形態をなし、そ の基部両側にリブ４を設けて起立状態を補強している。尚、図示のものは、平板 体１の片面にのみフック群３を設けているが、両面に設けても良い。

【０００７】 ところで、前記フック群３を区分けする分け方に種々の形態があり、図４に示 すように左右前後の４区画に区分けする場合、また図５の如く前後斜めに区分け する場合、あるいは図示していないが３区画の場合などもあるが、いずれの場合 であっても、前記例と同様に隣り合う各区画内に各フック片２の各開放口を交差 するように設けるものである。

【０００８】 上記各例の吊下げ具は射出成形によって、平板体１と各フック片２を一体に成 形しているが、押出し成形によって一体に成形しても良い。また図６に示してい るように、薄く形成した平板体１を別体の基板５に接着して吊下げ具としても良 い。

【０００９】 また上記平板体１には、カーテンレールに係合したローラーに連結する部材、 あるいはガラスや壁などに付着する部材となる取付け部材６を備えるもので、図 １に示す取付け部材６はナス環であり、図７は吸着盤であって平板体１の裏面に 突設してある。また取付け部材６は接着剤層あるいは両面接着テープであっても 良い。

【００１０】 図８は本考案による吊下げ具を使用してカーテン７を吊下げる具体例を示すも ので、カーテンレール８に係合するローラー９に、吊下げ具をその取付け部材６ を介して吊下げ、一方カーテン７に面ファスナーのループ付き帯片１０を付着し ておき、吊下げ具のフック群３にループ付き帯片１０を係止することにより、カ ーテンが吊下げられるものである。

【００１１】

【考案の効果】

本考案による吊下げ具によれば、平板体と一体に形成したフック群を複数に区 画し、各区画に在る各フック片の向きを、隣り合う区画の各フック片の向きと互 いに交差して設けたものであるから、ループ付き帯片と係止した際に、その縦横 方向に剥離する力に対する保持力は勿論のこと、斜め方向の剥離力に対する保持 力も大きくなり、更に、単位面積当たりの接合力が強いのでカーテンのみならず 比較的重い壁掛けなどであっても確実に吊り下げた状態を保持するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）図は本考案による吊下げ具を示す正面図
である。（Ｂ）図は同じく側面図である。

【図２】フック片の方向を簡略に説明する正面図であ
る。

【図３】フック片を拡大して示す断面図である。

【図４】フック群の区分けを異にした類例を示す正面図
である。

【図５】フック群の区分けを異にした更に他の類例を示
す正面図である。

【図６】本考案による吊下げ具の類例を示す側面図であ
る。

【図７】本考案による吊下げ具の更に他の類例を示す斜
視図である。

【図８】本案吊下げ具でカーテンを吊るす各部材を分解
して示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 平板体 ２ フック片 ３ フック群 ６ 取付け部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂の平板体（１）とその表面に多
   数のフック片（２）を列設しているフック群（３）とが
   一体に形成された吊下げ具であって、前記のフック群
   （３）を少なくとも２区画に分割してあり、各区画内の
   各フック片（２）の向きが隣り合う区画のフック片
   （２）の向きと互いに交差して設けてあることを特徴と
   する吊下げ具。