JPH0410477Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はコイルワイヤーの先端に取り付けた先
端作動部材を、該コイルワイヤーにより回転推進
させて曲管部や段差等の複雑な経路を有する管路
に挿通させることにより、挿通させた管路の測長
や特定個所の検出、内部調査、障害物の除去等の
各種作業を行うようにした管路挿通装置の先端作
動機構に関するものである。

（従来の技術及び課題） 曲管部や段差等の複雑な経路を有する管路にコ
イルワイヤーを挿通させて作業を行う従来技術と
しては排水管清掃装置がある。この装置はコイル
ワイヤーを収容した収納容器を回転自在に支持
し、管路に挿通したコイルワイヤーを、該収納容
器の回転により回転させて作業を行うものであ
る。しかしながらこの装置はコイルワイヤーの回
転と推進を連動させて自動的に行うものではな
く、その推進は、例えば回転させていない状態に
於いて人が直接コイルワイヤーを手で持つて収納
容器から引き出して行つたり、回転をさせながら
収納容器を動かして行うものである。

従つて、作業が煩雑であるばかりでなく、仮に
この装置で管路の測長を行おうとすると、コイル
ワイヤー自体に目盛りを附さなければならないか
ら、実際上は非常に難かしい。またこのようなコ
イルワイヤーの推進を自動的に行おうとする試み
も行われているが、未だ満足のいくものがないと
いうのが現状である。

かかる従来装置の欠点を解消するべく本考案者
等は、前記コイルワイヤーを等価的にねじシヤフ
トと見做してねじ機構を構成することにより、該
コイルワイヤーの推進を収納容器の回転によつて
自動的に行えるようにした管路挿通装置を考案し
た。

しかしながらかかる装置に於いても、突出部が
ある曲管部等の挿通障害個所を有する複雑な管路
にコイルワイヤーを挿通させる際には、先端作動
部材が突出部に閊えて挿通が不可能となる場合が
ある。

本考案は、このような課題を解決することを目
的とするものである。

（課題を解決するための手段） 上述した課題を解決するために、本考案による
管路挿通装置の先端作動機構では、コイルワイヤ
ーの先端に取り付けた先端作動部材を、該コイル
ワイヤーと共に回転推進させて管路を挿通させる
ように構成した管路挿通装置に於いて、先端作動
部材の前部には、この先端作動部材の回転方向に
連なる凹凸部を設け、該凹凸部を先端作動部材の
回転推進に際して管路内突出部に一時的に引掛け
る構成とした。

（作用） 先端作動部材がコイルワイヤーにより回転推進
されて管路内を前進していき、突出部のある挿通
障害個所に至ると、回転方向に連なる凹凸部が突
出部に引つ掛つて停止する。このように先端作動
部材が停止してもコイルワイヤーの回転推進は継
続されるので、コイルワイヤーには次第にエネル
ギーが蓄積されていく。

このようにして蓄積されたエネルギーによりコ
イルワイヤーから先端作動部材に作用するトルク
が凹凸部と突出部の引掛力よりも大きくなると、
凹凸部は突出部から外れ、エネルギーが急激に開
放されて大きな回転力並びに推進力を生じる。従
つて先端作動部材は突出部を越えて前進が可能と
なる。

（実施例） 次に本考案の実施例を図について説明する。

まず図に於いて、符号１はコイルワイヤーで、
該コイルワイヤー１は図示されていない管路挿通
装置によつて回転と同時に推進されて管路２に挿
通されるものであり、その先端には先導部材とし
ての先端作動部材３を取り付けている。上述した
ように管路挿通装置は、コイルワイヤー１を等価
的にねじシヤフトと見做してねじ機構を構成する
ことにより、該コイルワイヤー１の回転推進を行
う構成である。

符号５は上記先端作動部材３を構成する基体
で、この基体５の後部には前記コイルワイヤー１
への取付部４を設けると共に、前部には、切欠き
によつて先端作動部材３の回転方向に連なる凹凸
部、即ち凹部７と凸部８を設けている。

第２図の実施例は前記凹凸部７，８を、基体５
の前部を切欠いて構成したもの、また第１図の実
施例は前記凹凸部７，８を、基体５の前部から後
部に至る複数の突状９の前部を切欠いて構成した
ものである。

かかる構成に於いて取付部４を以つてコイルワ
イヤー１の先端に取り付けられた先端作動部材３
は、該コイルワイヤー１の回転、推進によつて管
路２内を回転しながら前進する。

しかして先端作動部材３が、例えば第３図に示
すような接続段差による突出部１０を有する挿通
障害個所に至ると、当初、凹凸部７，８は突出部
１０に引つ掛かり、停止する。このように先端作
動部材３が停止してもコイルワイヤー１の回転、
推進は継続して行われるので、該コイルワイヤー
１には次第にエネルギーが蓄積されていく。

こうして蓄積されたエネルギーによるトルク
が、前記凹凸部７，８と突出部１０の引掛力より
も大きくなると、凹凸部７，８は突出部１０から
外れ、エネルギーが急激に開放されて大きな回転
力並びに推進力が生じる。従つて先端作動部材３
は突出部１０を越えて前進が可能となり、曲管部
１１に挿通することができる。

以上の挿通に要するトルクは凹凸部７，８の凹
凸の形状、構成により容易に調節することができ
る。

（考案の効果） 本考案は以上の通り、コイルワイヤーの先端に
取り付け、該コイルワイヤーの回転と推進によつ
て管路内を挿通させるようにした先端作動部材の
前部に、その回転方向に連なる凹凸部を設けるこ
とにより、先端作動部材が挿通障害個所に至つた
場合には、該凹凸部を積極的に突出部に一時的に
引つ掛けてこれを足場とし、その後コイルワイヤ
ーに蓄積されるエネルギーによつて、引掛力に抗
して回転して挿通させるようにしたので、突出部
を有する挿通障害個所を非常に高確率で挿通を行
えるという特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは夫々本考案の一実施例の側面説
明図、正面説明図、第２図ａ，ｂ，ｃは夫々本考
案の他実施例の平面説明図、正面説明図、側面説
明図、第３図ａ，ｂは本考案の動作を示す断面説
明図である。 １……コイルワイヤー、２……管路、３……先
端部材、４……取付部、５……基体、７，８……
凹凸部、９……突条、１０……突出部、１１……
曲管部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) コイルワイヤーの先端に取り付けた先端作動
   部材を、該コイルワイヤーと共に回転推進させ
   て管路を挿通させるように構成した管路挿通装
   置に於いて、先端作動部材の前部には、この先
   端作動部材の回転方向に連なる凹凸部を設け、
   該凹凸部を先端作動部材の回転推進に際して管
   路内突出部に一時的に引掛ける構成としたこと
   を特徴とする管路挿通装置の先端作動機構。 (2) 凹凸部は、先端作動部材を構成する基体自体
   の前部を切欠いた形状として構成したことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   管路挿通装置の先端作動機構。 (3) 凹凸部は、先端作動部材を構成する基体の前
   部から後部に至る複数の突条の前部を切欠いた
   形状として構成したことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の管路挿通装置の先
   端作動機構。