JPH04104372U - メモリカードへの電源供給構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 メモリカードへの電源供給構造において、装
置全体の大型化を防ぎ、高密度実装を可能し、かつデー
タの授受を行っているときに誤ってメモリカードを抜き
出してデータが破壊されるのを防ぐようにする。 【構成】 メモリカード２が装着する装着部３を有する
装置本体１と、イジェクトレバー１２の操作により装着
部３に装着されたメモリカード２を取り出すイジェクト
機構と、メモリカード２が装着部３に装着されたときに
イジェクトレバー１２をロックするロック部材１５と、
このロック部材１５がイジェクトレバー１２をロックし
たときにメモリカード２に電源を供給するスイッチ部材
１８とを具備した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、メモリカードをシステムとしてもつ情報処理装置におけるメモリ カードへの電源供給構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、ハンディターミナルなどの情報処理装置においては、装置本体の装着部 にメモリカードを挿脱可能に装着し、このメモリカードと装置本体との間でデー タの授受を行うことにより、実質的に装置本体のメモリ容量を増大させ、かつ装 置本体側からメモリカードへ電源を供給してメモリカードの電池寿命を延ばすよ うになっている。この情報処理装置では、装着部に装着されたメモリカードを容 易に取り出すためのイジェクト機構を備えている。このイジェクト機構は、装着 部の近傍に設けられたイジェクトレバーを押圧操作して回動アームを回動させ、 この回動アームの回動動作により装着部の底部に配置されたスライド板をスライ ドさせて装着部に装着されたメモリカードを押し出す構造となっている。

【０００３】 このような情報処理装置では、メモリカードと装置本体との間でデータの授受 を行っているときに、誤ってメモリカードを取り出すと、メモリカードのデータ が破壊される恐れがあるため、装置本体に電源供給用のスイッチを設け、このス イッチをオフにしてからメモリカードを取り出すようになっている。しかし、電 源供給用のスイッチを単に設けただけでは、スイッチをオフにしてメモリカード への電源の供給を断つ前に、イジェクトレバーを押圧してメモリカードを装着部 から取り出すことができるため、メモリカードに記憶されているデータが破壊さ れてしまうことがあるという問題がある。

【０００４】 このような問題を解消するために、最近では、装置本体にカード挿入口および イジェクトレバーを覆う開閉蓋を設け、この開閉蓋の開閉動作に連動してオン− オフ動作する電源供給用のスイッチを設けた構造のものが開発されている。この 情報処理装置では、開閉蓋を開かなければイジェクトレバーを操作して装着部に 装着されているメモリカードを取り出すことができず、しかも開閉蓋を開くこと によりスイッチをオフにしてメモリカードへの電源の供給を断つので、データの 授受を行っているときに誤ってメモリカードを抜き出してデータを破壊してしま うという恐れがない。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述した開閉蓋を備えた情報処理装置では、カード挿入口に開 閉蓋を設けているため、開閉蓋の分、装置全体の実装密度が低くなり、装置全体 が大型化するという問題があり、小型化が要望されているハンディターミナルな どの情報処理装置には不向きであるなどの問題がある。 この原因は、装置本体にカード挿入口およびイジェクトレバーを覆う開閉蓋を 設けたことに起因する。 してみると、装置全体が大型化する開閉蓋を設けずに、メモリカードへの電源 の供給を断った後でなければ、イジェクト機構を操作して装着部からメモリカー ドを取り出すことができないようにすれば、装置全体の小型化および高密度実装 が可能となり、かつデータの授受を行っているときに誤ってメモリカードを抜き 出してデータが破壊されるのを防ぐことができる。 この考案の課題は、装置全体が大型化する開閉蓋を設けずに、メモリカードへ の電源の供給を断った後でなければ、イジェクト装置を操作して装着部からメモ リカードを取り出すことができないようにすることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案の手段は次の通りである。 (1)メモリカードが挿脱可能に装着する装着部を有する装置本体。 例えば、ハンディターミナル、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータな どの情報処理装置の機器ケース内に組み込まれるものであり、合成樹脂などによ り形成され、メモリカードがスライド可能に挿入する装着部が設けられている。 メモリカードはカード本体内にＩＣチップなどの電子部品が組み込まれて所定の データを記憶したものである。 (2)装置本体に設けられて装着部に装着されたメモリカードを装着部内から押し 出すイジェクト機構。 例えば、装着部の近傍にイジェクトレバーをスライド可能に配置し、このイジ ェクトレバーを押圧操作して回動アームを回動させ、この回動アームの回動によ り装着部の底部に設けられたスライド板をスライドさせることにより、装着部内 からメモリカードを押し出す構造のものなどである。 (3)メモリカードが装着部に装着されたときにイジェクト機構をロックするロッ ク部材。 例えば、メモリカードが装着部に装着されたときにイジェクト機構の動作に連 動してイジェクト機構のイジェクトレバー、回動アーム、スライド板などの可動 部材の動作軌跡上に出没して可動部材の動作を阻止するものである。 (4)ロック部材がイジェクト機構をロックした状態のときにメモリカードに電源 を供給するスイッチ部材。 例えば、ロック部材のロック動作に応じてオンしてメモリカードに電源を供給 するものである。このスイッチ部材としては、押釦スイッチ、マイクロスイッチ などの機械的なスイッチ、あるいは発光素子と受光素子よりなる電気光学的スイ ッチ、または磁力を利用した近接スイッチなどである。

【０００７】

【作用】

この考案の手段の作用は次の通りである。 メモリカードが装置本体の装着部内に装着されたときには、イジェクト機構を ロック部材でロックするとともに、このロック部材によってスイッチ部材をオン させ、装着部に装着されたメモリカードに電源を供給してメモリカードと装置本 体との間でデータの授受を行う。この状態では、誤ってイジェクト機構を操作し ても、イジェクト機構はロック部材によりロックされているので、イジェクト機 構が動作して装着部からメモリカードを押し出すことがない。 また、メモリカードを装着部から取り出すときには、ロック部材によるイジェ クト機構のロックを解除してメモリカードへの電源の供給を断つことにより、イ ジェクト機構の動作が可能となり、メモリカードの取り出しが可能となる。 したがって、装置全体が大型化する開閉蓋を設けずに、メモリカードへの電源 の供給を断った後でなければ、イジェクト機構を操作して装着部からメモリカー ドを取り出すことができないようにすることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、一実施例を図１〜図３を参照しながら説明する。これらの図において、 １はハンディターミナルなどの情報処理装置内に組み込まれる合成樹脂製の装置 本体である。この装置本体１にはメモリカード２が挿脱可能に装着される装着部 ３が設けられている。この装着部３の上部には矩形状の開口部４が設けられてお り、装着部３の外側面にはカード挿入口５が設けられ、このカード挿入口５と対 向する奥側部にはメモリカード２が電気的に接続されるコネクタ部６が設けられ ている。

【０００９】 また、装置本体１には装着部３に装着されたメモリカード２を取り出すための イジェクト機構が設けられている。すなわち、装着部３の底部には回動アーム７ およびスライド板８が設けられている。回動アーム７は帯板状の薄い金属板によ り形成され、その中心が装着部３の底部に設けられた支持軸９に回動可能に軸支 されている。スライド板８は薄い金属板により形成され、回動アーム７の上方で かつ装着部３の底部に配置され、装着部３に設けられた一対のガイド部３ａによ りガイドされてメモリカード２の挿脱方向（矢印Ｘ方向）にスライド可能に設け られている。このスライド板８には回動アーム７の一端７ａが連結されており、 スライド板８の奥側端部にはメモリカード２の挿入側端部２ａが当接する当接爪 １０が立設されている。また、装着部３の側部近傍にはレバーガイド部１１が設 けられている。このレバーガイド部１１内にはイジェクトレバー１２がメモリカ ード２の挿脱方向と平行してスライド可能に設けられている。このイジェクトレ バー１２は角棒状に形成され、その先端部１２ａがレバーガイド部１１内から外 部に突出しており、内部側面には回動アーム７の他端７ｂが連結されている。こ のイジェクト機構では、イジェクトレバー１２の先端部１２ａが押圧されてイジ ェクトレバー１２がレバーガイド部１１内に押し込まれると、これに伴って回動 アーム７が回動してスライド板８を装着部３の内部から外側に向けてスライドさ せ、装着部３に装着されたメモリカード２を押し出す。

【００１０】 また、レバーガイド部１１の上部には位置規制部１３が設けられている。この 位置規制部１３はほぼ「コ」字型の枠状に形成されており、その一部にはレバー ガイド部１１の側壁に亘って切欠部１４が設けられている。この位置規制部１３ にはロック部材１５が切欠部１４により上下方向にガイドされて配置されている 。このロック部材１５はコイルバネ１６により下側つまりレバーガイド部１１内 に引き込まれるように付勢されている。したがって、ロック部材１５は、イジェ クトレバー１２がレバーガイド部１１内に押し込まれるとイジェクトレバー１２ の上面に当接し、またイジェクトレバー１２が押し出されると図３に実線で示す ようにレバーガイド部１１内のイジェクトレバー１２のスライド軌跡上に引き込 まれてイジェクトレバー１２の奥端部に当接し、イジェクトレバーのスライドを 阻止する。また、ロック部材１５には解除レバー１７が設けられている。この解 除レバー１７はコイルバネ１６に抗してロック部材１５を上下動させるためのも のであり、イジェクトレバー１２と平行に設けられて装置本体１の外部に露呈し ている。

【００１１】 一方、ロック部材１５の下方には電源供給用のスイッチ部材１８が設けられて いる。このスイッチ部材１８はマイクロスイッチなどの機械的なスイッチであり 、ロック部材１５がレバーガイド部１１内に引き込まれてイジェクトレバー１２ のスライド軌跡上に位置したときに操作子１８ａが押し下げられてオン状態とな り、電源を装置本体１側からメモリカード２に供給し、またロック部材１５が押 し上げられてイジェクトレバー１２の上部に当接しているときにロック部材１５ が操作子１８ａの上方に離間してオフ状態となり、メモリカード２への電源の供 給を断つように構成されている。

【００１２】 次に、装置本体１の装着部３にメモリカード２を装着する場合について説明す る。この場合には、まず、メモリカード２をカード挿入口５から装着部３内に挿 入する。すると、メモリカード２はスライド板８上をスライドして、その挿入側 端面２ａがスライド板８の当接爪１０に当接するので、メモリカード２はスライ ド板８を装着部３の奥側に向けてスライドさせた上、コネクタ部６に電気的に接 続される。このとき、スライド板８のスライドに応じて回動アーム７が回動し、 この回動アーム７の回動によりイジェクトレバー１２がレバーガイド部１１内か ら押し出される方向にスライドし、イジェクトレバー１２の先端部１２ａがレバ ーガイド部１１内から突出する。すると、ロック部材１５は図３に実線で示すよ うに、位置規制部１３の切欠部１４によってガイドされながらレバーガイド部１ １内にコイルバネ１６により引き下げられ、イジェクトレバー１２のスライド軌 跡上に配置される。これにより、イジェクトレバー１２はロック部材１５によっ てロックされ、押し込み方向への動作が阻止される。

【００１３】 このようにロック部材１５がレバーガイド部１１内に引き込まれると、ロック 部材１５がスイッチ部材１８をオンさせるので、このスイッチ部材１８により装 置本体１側からメモリカード２に電源が供給され、装置本体１とメモリカード２ との間でデータの授受が行われる。この状態で、誤ってイジェクトレバー１２を 押圧操作しても、イジェクトレバー１２はロック部材１５によりロックされてい るので、レバーガイド部１１内をスライドしてメモリカード１２を押し出すこと がない。このため、装置本体１とデータの授受を行っているときに、誤ってメモ リカード２が抜き出されることがないので、メモリカード２のデータが破壊され る恐れがない。

【００１４】 また、装着部３に装着されたメモリカード２を取り出す場合には、解除レバー １７を操作して図３に２点鎖線で示すようにロック部材１５をコイルバネ１６に 抗してレバーガイド部１１内から上方に引き上げる。すると、イジェクトレバー １２はロック部材１５によるロックが解除され、レバーガイド部１１内をスライ ド可能な状態となる。これと同時に、ロック部材１５はスイッチ部材１８から離 間してスイッチ部材１８をオフ状態にし、装置本体１側からメモリカード２への 電源の供給を断つ。この状態では、イジェクトレバー１２が押圧されると、イジ ェクトレバー１２がレバーガイド部１１内を奥側に向けてスライドするので、回 動アーム７の回動によりスライド板８が装着部３の奥側から外側に向けてスライ ドする。これにより、スライド板８がメモリカード２を装着部３内から押し出す 。このときには、予めスイッチ部材１８がオフ状態にされ、メモリカード２への 電源の供給が断たれているので、メモリカード２を装着部３から抜き出しても、 メモリカード２のデータは破壊されることがない。

【００１５】

【考案の効果】

この考案によれば、メモリカードが装置本体の装着部内に装着されたときに、 ロック部材がイジェクト機構をロックしてスイッチ部材をオンさせ、装着部に装 着されたメモリカードに電源を供給してメモリカードと装置本体との間でデータ の授受を行い、かつメモリカードを装着部から取り出すときは、ロック部材によ るイジェクト機構のロックを解除してスイッチ部材をオフにし、メモリカードへ の電源の供給を断ってからでないと、イジェクト機構を操作してメモリカードを 取り出すことができないので、メモリカードと装置本体との間でデータの授受を 行っているときに、誤ってイジェクト機構を操作しても、メモリカードが押し出 されてメモリカードのデータが破壊されるのを確実に防ぐことができ、しかもメ モリカードが装着された際にイジェクト機構をロックしてメモリカードに電源を 供給するスイッチ部材をオンさせるロック部材を装置本体に設けた構造であるか ら、従来の開閉蓋を設けたものと比べて、装置全体をコンパクトに構成すること ができるとともに、高密度実装を可能にし、小型化が要望されているハンディタ ーミナルなどの情報処理装置に極めて良好に適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】メモリカードが挿脱可能に装着する装置本体の
要部平面図。

【図２】図１の側面図。

【図３】イジェクトレバーをロック部材がロックしたと
きの図１のＡ−Ａ拡大断面図。

【符号の説明】

１ 装置本体 ２ メモリカード ３ 装着部 ７ 回動アーム ８ スライド板 １２ イジェクトレバー １５ ロック部材 １８ スイッチ部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０６Ｆ 1/26 7832−5Ｂ Ｇ０６Ｆ 1/00 ３３０ Ｅ 7832−5Ｂ ３３１ Ｃ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 メモリカードが挿脱可能に装着する装着
   部を有する装置本体と、前記装置本体に設けられて前記
   装着部に装着された前記メモリカードを前記装着部内か
   ら押し出すイジェクト機構と、前記メモリカードが前記
   装着部に装着されたときに前記イジェクト機構をロック
   するロック部材と、前記ロック部材が前記イジェクト機
   構をロックした状態のときに前記メモリカードに電源を
   供給するスイッチ部材と、を具備したことを特徴とする
   メモリカードへの電源供給構造。