JPH0410345B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の技術分野） 本発明は、血液浄化及びその他の血液体外循環
において、血液を血液処理装置に導き、かつ処理
された血液を再び体内に戻す為に使用する血液回
路用ユニツトに関する。

（従来技術と問題点） 公知の標準的血液回路は、下記に示す部分を有
するＡ回路とＢ回路の２つからなり、使用現場に
おいて、血液処理装置を介して取付け組立てられ
ている。

（Ａ回路） 血液導入口→動脈側採血部→補液注入部→ヘパ
リン注入部→ポンプ取付け部分→動脈側チヤンバ
ー→血液処理装置入口 （Ｂ回路） 血液処理装置出口→静脈側チヤンバー→静脈側
採血部→血液導出口 これらＡ、Ｂ回路は、メインチユーブによつて
動脈側チヤンバーや静脈側チヤンバーを連絡して
おり、さらに、補液注入部、ヘパリン注入部等
は、メインチユーブから枝状にサブチユーブが分
れている。従つて、全体として長尺のチユーブが
複雑に連結された回路であるため、チユーブ同志
の絡み合い、ねじれ等がおこり易く、しかも、組
み立て、操作も煩雑である等の問題点がある。

このようなチユーブ式の回路の問題点を解決す
べく、２枚の板に血液回路の断面を半分にした断
面を有する経路を形成し、その２枚の板を熱触着
などで接合して血液回路としたもの（特開昭55−
116353号公報）も提案されているが、２枚の板の
貼り合わせよりなる血液回路は、接合面が滑らか
につながらず、そこに血液が淀んで凝血し易いと
いう問題点を有している。

（発明の目的） 本発明は、従来の血液回路の上記のような問題
点を改善する為の、血液回路用ユニツトを提供す
るものである。

（発明の構成と作用） 本発明の骨子は、血液回路中の機能部分の一部
を集約し、これらを中空成形によりブロツク状に
一体化構造とした点にある。

本発明で「一体化構造」とは、全体が一度にブ
ロツク状に成形されたもののみを指す。

本発明でいう機能部分とは、動脈側チヤンバ
ー、静脈側チヤンバー、回路中の血液をサンプリ
ングするための採血部、回路中への薬液注入部、
圧力測定部をいう。

コンパクトで扱いやすい血液回路とするために
は、動脈側チヤンバー、静脈側チヤンバー、動脈
側メインチユーブに設けられた採血部と薬液注入
部を集約して一体化構造とするのが好ましい。こ
こで、動脈側メインチユーブとは、血液回路の血
液導入口からポンプへ血液を運搬するチユーブを
いい、薬液注入部とは、生理食塩水、抗凝固剤、
中和剤などを注入する部分をいう。動脈側チヤン
バーとは、血液処理装置より血液導入口側にある
ものをいい、静脈側チヤンバーとは、血液処理装
置と血液導出口の間にあるものをいう。

ブロツクは、射出成形と押出成形法の合体技術
である中空成形（吹き込み成形）により全体を一
度に成形することが望ましい。

ブロツクの形は、ポンプや血液処理装置との連
結配置に好適な形状であれば、平板状、直方体
状、円筒状、球状等、どのような形でも良い。

本発明のユニツトに組込まれる機能部分は、動
脈側メインチユーブに設けられた採血部と薬液注
入部、動脈側チヤンバー、静脈側チヤンバーに限
られるものではない。上記機能部分以外に、更に
加えて組込む程、ユニツトの機能が増し、全体の
回路をより簡略化しうる。次に本発明を実施例に
よつて説明する。第１図は、本発明ユニツトの１
例を示すものである。ブロツク５には、主要な機
能部分として、動脈側メインチユーブ３に設けら
れた採血部９、補液注入口１０、ヘパリン注入口
１１と、動脈側チヤンバー１と、静脈側チヤンバ
ー２が一体的に組込まれている。さらに、ブロツ
ク５には血液導入口血液導出口とブロツク５を結
ぶチユーブを挿入するための連結口６，６′、ポ
ンプ部分とブロツク５を結ぶチユーブを挿入する
ための連結口７，７′、血液処理装置とブロツク
５を結ぶチユーブを挿入するための連結口８，
８′が設けられている。

また、ブロツクに組み込まれた静脈側メインチ
ユーブ４部分には、採血部１６とプロタミン注入
口１７が設けられている。ここで静脈側メインチ
ユーブとは、静脈側チヤンバーから血液導出口へ
血液を運搬するチユーブをいう。さらに、動脈側
チヤンバー１と静脈側チヤンバー２には、それぞ
れ、圧モニター口１２，１３とレベル調整ライン
口１４，１５が設けられている。

また、各チヤンバーと、チユーブ連結口を結ぶ
チユーブも、ブロツク５上に組み込まれている。
使用に際しては、ブロツク５を適当な支持台に取
付けた後、連結口６，６′，７，７′，８，８′を
通じて、ポンプや血液処理装置をチユーブで連結
し、更に、補液注入口、ヘパリン注入口、モニタ
ー口、レベル調整ライン口、プロタミン注入口等
からサブチユーブを連結して、血液回路全体を組
み立てる。

（発明の効果） 本発明のユニツトは、長尺のチユーブを使用し
ない許りでなく、チユーブと機能部分、又は機能
部分どうしの接続や接着といつた組み立て工程の
一部を省略できるので、血液回路の生産性が向上
できる。さらに、使用に際しての組み立て、取付
けも容易となり、取扱ミス等が軽減できる。しか
も本発明のユニツトは中空成形によつて作成され
ているので、機能部分の内部空間を形成する壁面
に継ぎ目がなく、それゆえ血液を導入した場合に
血液が淀んだり、溶血あるいは凝血が起こつたり
する危険性が少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明ユニツトの１例を示す説明図
である。 １……動脈側チヤンバー、２……静脈側チヤン
バー、３……動脈側メインチユーブ、４……静脈
側メインチユーブ、５……ブロツク、６，６′…
…チユーブ連結口、７，７′……チユーブ連結口、
８，８′……チユーブ連結口、９……採血部、１
０……補液注入口、１１……ヘパリン注入口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 血液回路中の機能部分が平板状に形成されて
   なる血液回路用ユニツトにおいて、該血液回路中
   の機能部分を中空成形により２つ以上集約して、
   ブロツク状に一体化構造としたことを特徴とする
   血液回路用ユニツト。 ２ 機能部分が、動脈側メインチユーブに設けら
   れた採血部と薬液注入部、動脈側チヤンバー、静
   脈側チヤンバーである特許請求の範囲１記載のユ
   ニツト。