JPH04102783U - Ｄｃバツテリ駆動型ハンド工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ＤＣバッテリの残容量を目視可能にすると共
に、当該残容量目視表示部に作業時における過負荷状態
の表示機能も持たせて、使用者に警告を発するようにす
ること。 【構成】 ハンド工具の把手部に複数個のＬＥＤからな
る目視表示部を設けると共に、これらのＬＥＤに、上記
ＤＣバッテリの残容量に順応させて順次消灯させる手段
と、点灯中の前記ＬＥＤの少なくとも１個を作業中の過
負荷に対応させて点滅させる手段を併設した構造であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ＤＣバッテリを用いた携帯用のハンド工具に係り、更に詳しくは、 ＬＥＤを用いて、ＤＣバッテリの残容量を目視可能にすると共に、当該残容量目 視表示部でを研削時における過負荷状態を表示可能にしたハンド工具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＤＣバッテリを用いた従来の携帯用のハンド工具には、ＤＣバッテリの残容量 を表示するバッテリチェッカーが設けられている。しかし、従来の携帯用のハン ド工具には、使用時に過負荷状態が生じても、これを電気的に検出して、警報を 発する策が全く講じられていなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来の携帯用のハンド工具では、過負荷状態で使用していることを 示す使用者に警告できないために、このような状態を無視して無理な作業を継続 する恐れがあり、当然のことながらバッテリの消耗が激しくなるばかりでなく、 当該工具の部品の耐用年数を短縮させるという問題点があった。

【０００４】 本考案は、ＤＣバッテリで駆動する従来のハンド工具の前述のような問題点を 有する点に鑑み、かかる問題点を解消することを目的になされたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のＤＣバッテリ駆動型ハンド工具は、把手 部に複数個のＬＥＤからなる表示部を設けると共に、これらのＬＥＤを上記ＤＣ バッテリの残容量に順応させて順次消灯させる手段と、前記ＬＥＤのうち、点灯 中の少なくとも１個を作業中の過負荷に対応させて点滅させる手段を併設した構 成を採用し、課題を解決するための手段とするものである。

【０００６】

【作用】

未使用のＤＣバッテリを挿着したときのハンド工具は、把手部に設けた複数個 のＬＥＤが全て点灯する。ハンド工具を使用するに、ＤＣバッテリが消耗してく ると、電圧が降下してくるのでＬＥＤはＤＣバッテリの消費量に対応して段階的 に順次消灯して、電源部の消耗状態を使用者に伝える。 ハンド工具の使い方が使用者の知らぬ間に過度になると、工具を駆動するモー タが過負荷状態になるので、前記ＬＥＤは点灯しているものの全てまたは少なく とも１個を点滅して過負荷状態を使用者に伝える。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案をベルトグラインダーに実施した例について説明する。 図１は、本考案に係るハンド工具の全体を示す平面図、図２は、側面図である 。 ベルト式グラインダー１は、本体２と研削部３とからなり、本体２は、把手 部４と、それに挿着されるＤＣ電源部５とによって構成されていて、ＤＣ電源部 ５は充電可能なＤＣバッテリＢＴが把手部４の基部にから着脱自在に挿着されて いる。 ６は、把手部４の上面部に設けられたバッテリ残容量目視表示と過負荷警告表 示を兼ねた表示部で、４個のＬＥＤ７、８、９、１０を把手部４の長手方向に１ 列に並設（図３参照）することにより、形成されている。 研削部３は、把手部４内に設けたＤＣモータＭ（図３参照）の回転を同把手部 ４正面部に設けた伝動部１１を介して起動するベルトグラインダー部１２を基本 構成とするもので、１３は無端研削ベルトである。 図２において、１３は、ベルト式グラインダー１の起動スイッチである。

【０００８】 次に、前記表示部６の駆動回路の詳細を、図３に示す例に基づいて説明する。 この駆動回路は、ＬＥＤ７、８、９、１０の点灯回路と順次消灯回路と点滅回 路とからなり、図３において、ＢＴはＤＣバッテリ（ＤＣ電源部５）、ＳＷはス イッチ（起動スイッチ１３）、ＺＤ１、ＺＤ２はツェナダイオード、Ｒ１、Ｒ２ 、Ｒ３、Ｒ４、Ｒ５、Ｒ６、Ｒ７、Ｒ８は抵抗、ＴｒはＰＮＰトランジスタ、Ｌ ＥＤ７、ＬＥＤ８、ＬＥＤ９、ＬＥＤ１０は発光ダイオードである。また、ＣＯ １、ＣＯ２、ＣＯ３、ＣＯ４はコンパレータ、ＯＰは増幅器、ＯＳは発振器、Ｓ Ｒは可変抵抗である。

【０００９】 ＬＥＤ７、ＬＥＤ８、ＬＥＤ９、ＬＥＤ１０は、抵抗Ｒ７とツェナダイオード ＺＤ２とによって作られる電圧と抵抗Ｒ６、Ｒ５、Ｒ３とによって、発光する電 圧値が異なっている。すなわち、ＬＥＤ７、ＬＥＤ８、ＬＥＤ９、ＬＥＤ１０で それぞれ発行させる電圧は、抵抗Ｒ３、Ｒ５、Ｒ６によって４段階に分けられて おり、ＤＣバッテリＢＴの消耗によって降下する電圧値にしたがって、順次消灯 していくようになっている。

【００１０】 また、ベルトグラインダー部１２に過大な負荷が掛かって、モータＭの抵抗が 増大し、抵抗Ｒ８とによって分割される電圧が降下したときに、コンパレータＣ Ｏ４の出力端子の電圧が基準電圧よりＨＩＧＨになるようにし、このとき、発振 器ＯＳで、例えば１Ｈｚのパルス信号を出力させ、このパルス信号によってトラ ンジスタＴｒのコレクタ電流をＬＥＤ側に流し、パルス信号がＬＯＷのときにト ランジスタＴｒのコレクタ電流が発振器ＯＳ側に流れるようにすることによって 、点灯中のＬＥＤが発振器ＯＳの発振パルスの周期にしたがって点滅するように なっている。

【００１１】 次に、この実施例の作用を《バッテリ残容量表示》動作と、《過負荷状態表示 》動作とに別けて説明する。

【００１２】 《バッテリ残容量表示》 未使用のＤＣバッテリＢＴを把手部４に装着して、スイッチＳＷを投入すると 、トランジスタＴｒがＯＮし、ＬＥＤ７、ＬＥＤ８、ＬＥＤ９、ＬＥＤ１０に電 流が流れる。

【００１３】 このとき、コンパレータＣＯ１の正入力端子の電圧（抵抗Ｒ３＋Ｒ５＋Ｒ６と 抵抗Ｒ２との分圧）、コンパレータＣＯ２の正入力端子の電圧（抵抗Ｒ２＋Ｒ３ と抵抗Ｒ５＋Ｒ６との分圧）、コンパレータＣＯ３の正入力端子の電圧（抵抗Ｒ ２＋Ｒ３＋Ｒ５と抵抗Ｒ６との分圧）の各電圧は、当該各コンパレータＣＯ１、 ＣＯ２、ＣＯ３の負入力端子に印加される抵抗Ｒ７とツェナダイオードＺＤ２と によって作られる基準電圧Ｖ_０より高いので、各コンパレータＣＯ１、ＣＯ２、 ＣＯ３の出力端子から各ＣＯ１、ＣＯ２、ＣＯ３への電流の流れ込みがなく、し たがって、ＬＥＤ７、ＬＥＤ８、ＬＥＤ９、ＬＥＤ１０は、全部点灯する。

【００１４】 ＤＣバッテリＢＴが消耗し、電圧が降下してくると、抵抗Ｒ２、Ｒ３、Ｒ５に よって電圧降下分が大きいコンパレータＣＯ３の正入力端子の電圧が先ず降下す る。このとき、コンパレータＣＯ３の正入力端子の電圧が、コンパレータＣＯ３ の負入力端子に印加される基準電圧Ｖ_０を下回ると、コンパレータＣＯ３は、Ｏ ＦＦ状態になるので、ＰＮＰトランジスタＴｒから流れる電流は、ＬＥＤ７、Ｌ ＥＤ８、ＬＥＤ９を通ってコンパレータＣＯ３の出力端子から負入力端子側に流 れ込み、ＬＥＤ１０には流れない。したがって、今まで点灯していたＬＥＤ１０ は消灯する。

【００１５】 さらにＤＣバッテリＢＴが消耗し、電圧が降下してくると、コンパレータＣＯ ２の正入力端子の電圧が、コンパレータＣＯ２の負入力端子に印加される基準電 圧Ｖ_０より下回り、コンパレータＣＯ２がＯＦＦ状態となり、ＬＥＤ８から流れ てくる電流がコンパレータＣＯ２の出力側から負入力端子側に流れ込み、ＬＥＤ ９を消灯させる。

【００１６】 ＤＣバッテリＢＴがさらに消耗し、電圧が一段と降下してくると、同様にして 、ＬＥＤ８が消灯する。ＬＥＤ７を残してすべてのＬＥＤ８、９、１０が消灯し た状態になると、ＤＣバッテリＢＴは、使用限界に達したことを意味する。

【００１７】 《過負荷状態表示》 スイッチＳＷを投入し、モータＭが回転して、通常の使用状態のときは、モー タＭと抵抗Ｒ８とによって分圧された電圧が増幅器ＯＰで所定値に増幅されて、 コンパレータＣＯ４の負入力端子に入力される。この電圧は、コンパレータＣＯ ４の正入力端子に入力される抵抗Ｒ７＋Ｒ４と可変抵抗ＳＲとによって分割され た基準電圧Ｖ_１よりも大きくなっているので、コンパレータＣＯ４は、常時ＯＦ Ｆの状態で、発振器ＯＳは、発振することがない。

【００１８】 研削作業の過程で、ベルトグラインダー部１２に過大な負荷が掛かると、モー タＭの抵抗が増大し、抵抗Ｒ８とによって分割される電圧が降下するので、コン パレータＣＯ４の負入力端子の電圧が降下し、コンパレータＣＯ４の正入力端子 に入力される基準電圧Ｖ_１よりも下回るようになる。このとき、前記コンパレー タＣＯ４はＯＮ状態となり、コンパレータＣＯ４の出力端子はＨＩＧＨとなって 、発振器ＯＳは、例えば、１Ｈｚのパルス信号を発振する。このパルス信号がＨ ＩＧＨのときには、ＰＮＰトランジスタＴｒのコレクタ電流がＬＥＤ側に流れ、 パルス信号がＬＯＷのときには、同トランジスタＴｒのコレクタ電流は発振器Ｏ Ｓ側に流れるので、点灯している全てのＬＥＤは、発振器ＯＳの発振パルスの周 期に対応して点滅する。このＬＥＤの点灯によって使用者にベルトグラインダー 部１２が過負荷状態になっていることを知らせる。

【００１９】 なお、本実施例は、ベルト式グラインダーを例にとって説明したが、本考案は 、ディスクグラインダー、ディスクサンダー等、ＤＣバッテリ駆動型の全てのハ ンド工具一般に適用できる。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は、複数個のＬＥＤによって、ＤＣバッテリの残容量を目視することが できると共に、作業中における工具の過負荷状態を、点灯状態にある前記ＬＥＤ で警告表示することができるものであるから、単に、ＤＣバッテリの残容量のみ を表示するハンド工具に比べると、安心して使用することができるという効果が あり、ハンド工具の構成部品に対する負荷を軽減して耐用年数を著しく延長する ことができる。

【提出日】平成３年３月１３日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００３

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来の携帯用のハンド工具では、使用者が過負荷状態で使用してい ることを警告できないために、使用者がこのような状態を知らずに無理な作業を 継続する恐れがあり、また、短時間のうちにバッテリを消耗させるばかりでなく 、当該工具の部品の耐用年数を短縮させかねないという問題点があった。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００４】 本考案は、ＤＣバッテリで駆動する従来のハンド工具の前述のような問題点を 有する点に鑑み、かかる問題点を解消することを目的としてなされたものである 。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００６

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００６】

【作用】 未使用のＤＣバッテリを挿着したときのハンド工具は、把手部に設けた複数個 のＬＥＤが全て点灯する。ハンド工具を使用している間に、ＤＣバッテリが消耗 してくると電圧が降下し、ＬＥＤはＤＣバッテリの消費量に対応して段階的に順 次消灯して、電源部の消耗状態を使用者に伝える。 ハンド工具の使い方が使用者の知らぬ間に過度になると、工具を駆動するモー タが過負荷状態になるので、前記ＬＥＤは点灯しているものの全てまたは少なく とも１個が点滅して過負荷状態を使用者に伝える。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００７

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００７】

【実施例】

以下、本考案をベルトグラインダーに実施した例について説明する。 図１は、本考案に係るハンド工具の全体を示す平面図、図２は、側面図である 。 ベルト式グラインダー１は、本体２と研削部３とからなり、本体２は、把手部 ４と、それに挿着されるＤＣ電源部５とによって構成されていて、ＤＣ電源部５ は充電可能なＤＣバッテリＢＴが把手部４の基部にから着脱自在に挿着されてい る。 ６は、把手部４の上面部に設けられたバッテリ残容量目視表示と過負荷警告表 示を兼ねた表示部で、４個のＬＥＤ７、８、９、１０を把手部４の長手方向に１ 列に並設（図３参照）することにより、形成されている。 研削部３は、把手部４内に設けたＤＣモータＭ（図３参照）の回転を同把手部 ４正面部に設けた伝動部１１を介して起動するベルトグラインダー部１２を基本 構成とするもので、このベルトグラインダー部１２は無端研削ベルトによって構 成されている。 図２において、１３は、ベルト式グラインダー１の起動スイッチである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るハンド工具の一実施例を示す平面
図である。

【図２】同実施例に係るハンド工具の側面図である。

【図３】表示部の駆動回路図である。

【符号の説明】

１…………………………ベルト式グラインダー ２…………………………本体 ３…………………………研削部 ４…………………………把手部 ５…………………………ＤＣ電源部 ６…………………………表示部 ７，８，９，１０………ＬＥＤ １２………………………グラインダー部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＤＣバッテリで駆動するハンド工具にお
   いて、上記ハンド工具の把手部に複数個のＬＥＤからな
   る表示部を設けると共に、これらのＬＥＤを上記ＤＣバ
   ッテリの残容量に順応させて順次消灯させる手段と、前
   記ＬＥＤのうち、点灯中の少なくとも１個を作業中の過
   負荷に対応させて点滅させる手段を併設したハンド工
   具。