JPH0410050Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (A) 産業上の利用分野 本考案は感光材料ロール物の簡易カセツトに関
するもので、詳しくはカセツトの感光材料引出口
の遮光性をよくすると共に、感光材料の安定した
引出し強さを有する、感光材料の品質保持とカセ
ツトの機能性を高めた簡易カセツトに関するもの
である。

(B) 従来技術及び問題点 写真植字（以降「写植」という）用印画紙ロー
ル物のカセツトには、写植機に備え付けの金属性
カセツトとプラスチツク、板紙、ダンボール等か
らなる使い捨て簡易カセツトがある。

本考案は後者の簡易カセツトに関するものであ
る。簡易カセツトは低コストが宿命付けられてい
る事に起因して、素材的にも自ずと限定され、外
圧、衝撃及び温湿度等の環境条件変化に対する対
応性に乏しく、感光物引出し口の間隙寸法の安定
性は前者の金属性カセツトの比ではなく劣るもの
である。

従つて、カセツト感光物引出口の間隙は感光物
の有無に拘らず、適当な弾性を有したゼロの状態
を理想とするものの、環境条件の変化により、間
隙寸法がゼロ以上となつた場合、引出口から光線
が洩れ感光物としては致命的な光線カブリが生じ
ると共に、写植機による操作時に感光材料の蛇行
及びリバース時の捲戻りが生じる。

従つて、この間隙はどうしても小さ目の設計と
なるのが普通で、間隙が小さくなると極自然の成
行きとして感光物がスムーズに引出せない事にな
る。そこで通常カセツトの感光物引出口は上下の
引出口形成部材にベツチン等の毛先の長い布地を
貼付けて遮光性及び通紙性を良くする様に、配慮
されているものが殆んどであるが、簡易カセツト
ではこの微妙な間隙を保持する事は至難な事とさ
れている。

第１図は写植用印画紙用簡易カセツトの１例を
示したものであるが、通常カセツト構成面７，
８，９及び１０の巾寸法は同寸法に設計される。
しかしながら、裁断寸法の精度、カセツト組立加
工の精度及び感光材料引出口の布地の貼付けの精
度等のバラツキ等により、構成面７の巾寸法が他
の面より大きくなることが多い。構成面７の巾寸
法が他の面より大きくなると、第２図に示したよ
うに矢印方向の側面にかかる外圧によつて、構成
面７が反り状態となり、引出口６の間隙寸法が大
きくなる。この結果、引出口６から光線洩れが生
じると同時に、引出口６を通過する感光材料に対
する押えが効かなくなり、蛇行や捲戻りを生じる
という不都合を引起こす。

(C) 考案の目的 本考案の目的は上述の如き簡易カセツトにおけ
る光線洩れと感光材料引出し時の蛇行、捲戻り等
の不都合の生じない改良された簡易カセツトを提
供するものである。

(D) 考案の構成 本考案の目的は引出口を形成する収容箱構成面
の引出口形成部の少なくとも一方の巾寸法を小さ
くすることにより達成される。

すなわち、本考案は六面体によつて構成される
収納箱の巾方向にスリツト状引出口６を有し、側
面３及び４の各々に感光材料ロールの巻付軸保持
部５を有する簡易カセツトにおいて、引出口６を
形成する構成面７及び８の巾寸法を他の構成面９
及び１０の巾寸法を実質的に越えない寸法とし、
かつ構成面７及び８の直接引出口６を形成する部
分の少なくとも一方の巾寸法を構成面９及び１０
の巾寸法より小さくしたことを特徴とする感光材
料用簡易カセツトである。

(E) 実施例 以下図面に基づいて本考案を詳細に説明する。
第１図は本考案が適用である一簡易カセツト例の
構成を示した一部解体斜視図、第２図は感光材料
引出口上部の面に側面からの外圧により、反りが
生じた状態を示したカセツトの正面図、第３図は
感光材料引出口上面寸法巾を小さくした本考案カ
セツトの正面図である。感光材料１が感光材料巻
付軸２に巻付けられた感光材料ロールＡの該巻付
軸２に、両側面板３及び４の保持軸５（側面板４
にも保持軸５あり）をかませる事により、感光材
料ロールＡは宙吊り状態となり、スリツト状感光
材料引出口６より、感光材料１を引出せる構造と
なつている。ここで、ａは引出口６の遮光性及び
通紙性を良くするためのベツチン等の布地貼付け
部である。該カセツトにおいて、感光材料引出口
６の間隙が大きいと遮光性に問題が生じ又感光材
料引出しの際に蛇行、捲戻り等が生じて、感光材
料の品質保持及びカセツトの機能性を損う事にな
る。その原因の一つに、第２図に示したようにカ
セツト側面から矢印方向に外圧がかかると、感光
材料引出口６の上部構成面７に反りが生じ、感光
材料引出口６の間隙が大きくなる。そこで、構成
面７の引出口６を形成する部分の巾寸法を第３図
のように他の３面８，９及び１０の巾寸法より小
さくすることによつて、カセツト側面からの矢印
の如き外圧の影響を受けず、感光材料引出口６の
形成面７の反りを防止することができる。

この構成面７の引出口部巾寸法は特に限定され
ないが、他の面の両側面側から各々約１〜５mm小
さくすることで目的を達成することができる。

第４図は本考案カセツトの構成面７の種々の形
状を示した平面図であり、イは構成面７の全面の
巾を均等寸法で小さくした例、ロは引出口６に向
けて一定の角度で巾寸法を小さくし例、ハは引出
口６とその近傍の布地貼付け部ａの部分のみの寸
法小さくしたものである。

本考案において、収容箱構成面７及び８の２面
とも巾寸法を小さくしてもよいが、外圧に対する
寸法強度の弱いいずれか一方の面のみの巾寸法を
小さくする方がカセツト全体の強度が強いので好
ましい。

(F) 考案の効果 本考案のカセツトによれば外圧からの影響を受
けず感光物引出口の反りを防止することができる
ので、光線カブリの防止、さらには感光材料引出
しの際の蛇行およびリバース時の捲戻りを防止す
ることができ、感光材料の品質保持及びカセツト
の機能性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用できる一カセツト例の構
成を示した一部解体斜視図、第２図は感光物引出
口上部の面が側面からの外圧により反りを生じた
状態を示したカセツトの正面図、第３図は感光物
引出口上面巾寸法を小さくした本考案カセツトの
正面図、第４図は本考案カセツトの他の例の平面
図である。 図中、３，４……側面板、６……感光材料引出
口、７，８，９，１０……収容箱構成面、Ａ……
感光材料ロール物、をそれぞれ示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 六面体によつて構成される収容箱の巾方向に
   スリツト状引出口６を有し、側面３及び４の
   各々に感光材料ロールの巻付軸保持部５を有す
   る簡易カセツトにおいて、引出口６を形成する
   構成面７及び８の巾寸法を、他の構成面９及び
   １０の巾寸法を実質的に越えない寸法とし、か
   つ構成面７及び８の直接引出口６を形成する部
   分の少なくとも一方の巾寸法を構成面９及び１
   ０の巾寸法より小さくしたことを特徴とする感
   光材料用簡易カセツト。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、構
   成面７及び８の寸法強度に弱いいずれか一方の
   面の直接引出口６を形成する部分の巾寸法を構
   成面９及び１０の巾寸法より小さくしたことを
   特徴とする感光材料用簡易カセツト。