JPH039701B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車のフアン駆動用等に使用される
小型電動機に関するものである。

従来の技術 従来、この種の小型電動機は、第７図〜第９図
に示すような構成であつた。第７図において１０
１はブラシ保持用絶縁板で、エンドブラケツト１
０２に直接めピン１０３で固定し、前記エンド
ブラケツト１０２はモータハウジング１０４の折
曲げ突出部１０５にボルト１０６で締付け固定し
ている。そしてブラシ保持用絶縁板１０１に保持
されているブラシ１０７が整流子１０８と接触す
るものであつた。

また、第８図および第９図は他の従来例でブラ
シ保持用絶縁板１１０の外縁端部に突起１１１を
２箇所設け、この突起１１１に対応する切欠１１
３をモータハウジング１１２の外周端部に設け
て、ここへ突起１１１をはめ込みエンドブラケツ
ト（図示せず）で押えて固定するものであつた。

発明が解決しようとする課題 このような従来の構成では、第７図におけるブ
ラシ１０７と整流子１８との摺動により発生する
騒音振動がブラシ保持用絶縁板１０１からエンド
ブラケツト１０２を経てモータハウジング１０４
へ伝達されるのでモータハウジング１０４等と共
鳴することにより騒音が大きくなるという課題が
あつた。

また、第８図および第９図においてもブラシ１
０７から発生した騒音振動がブラシ保持用絶縁板
１１０の突起１１１から直接モータハウジング１
１２に伝達されるため騒音が大きくなるという課
題があつた。

本発明は上記従来の課題を解決するもので、ブ
ラシから発生する騒音振動の共鳴拡大の防止を図
ることを目的とするものである。

課題を解決するための手段 この課題を解決するために本発明は、一端面を
開口したモータハウジング１と、このモータハウ
ジング１の開口を覆うエンドブラケツト２と、前
記モータハウジング１と前記エンドブラケツト２
に挟持される絶縁体のブラシ取付板９を有し、前
記モータハウジング１の開口端面には複数の切欠
部６を設け、前記ブラシ取付板９には電源用ブラ
シ１８を摺動自在に保持するブラシ箱１４をかし
め等の固定手段で固定し、前記切欠部６に対応す
る位置に前記切欠部６の幅より小さい幅の突起部
１１と、この突起部１１の前記モータハウジング
１および前記エンドブラケツト２に当接する部分
に前記突起部１１の幅より長いシート状の弾性体
１９を接着した小型電動機の構成としたものであ
る。

作 用 この構成により、運転により電源用のブラシ１
８より発生する騒音振動はブラシ取付板９に伝わ
り、突起部１１の弾性体１９に吸引され、ブラシ
取付板９を挟持するモータハウジング１およびエ
ンドブラケツト２に伝わらないので共鳴共振によ
り騒音が拡大されることはない。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１図〜第８図にも
とづいて説明する。

図において、１はモータハウジングで一端を開
口した円筒形に金属板から形成されている。そし
てこの開口端を金属板製のモータハウジング１と
同外径寸法のエンドブラケツト２で閉塞してモー
タの外殻を形成し、内部に固定子（図示せず）お
よび整流子３を備えた回転子４を軸受５で回転自
在に保持している。前記モータハウジング１の開
口端面には等間隔に４箇所の切欠部６が設けられ
ている。切欠部６は段付きとなつており、幅Ａで
開口端面より深さｔで、さらに幅Ａより4t小なる
幅Ｂで開口端面より深さ3tとなつている。この切
欠部６の４箇所のうち相対する２箇所は深さ3tの
切欠底面と同一面で平行に舌状の折り曲げ部７を
有し、エンドブラケツト２を取り付けるねじ穴８
を設けている。そして前記モータハウジング１と
エンドブラケツト２に挟まれてブラシ取付板９が
ある。

ブラシ取付板９は絶縁性の合成樹脂からなり、
その厚さはｔで、中央に回転する整流子３が貫通
する穴１０を設け、この穴１０は整流子３の外径
が接触しない程度の大きさとしており、ブラシ取
付板９の外径は穴１０と同心円の円形でモータハ
ウジング１の内径より若干小さい寸法としてい
る。そしてこの外径上にモータハウジング１の切
欠部６に対応して等間隔に４箇所の突起部１１を
設けている。突起部１１は幅寸法がＣで、その頂
端はモータハウジングの外径そ等しいものであ
る。幅寸法Ｃはモータハウジング１の切欠部６の
幅Ｂ−2tの寸法とする。相対する２つの突起部１
１にはモータハウジング１の取付用のねじ穴８に
対応した位置に、このねじ穴８に適合するねじ１
２の外径が通過する最小の穴１３を設けている。

次に前記穴１０の外周に近接して２個のブラシ
箱１４が固定されている。ブラシ箱１４は黄銅製
の長方形の箱形で短面の一方と長面の一方が開口
し、長面開口端の両側にかしめ足（図示せず）を
設け、これに対応してブラシ取付板９に設けたか
しめ用穴（図示せず）にかしめ足を差し込み短面
の開口側を穴１０に向けてかしめる。ブラシ箱１
４には、尾部に黄銅系のばね用線材で形成した圧
縮ばね１７を設けたカーボンを主体としたブラシ
１８を前記圧縮ばね１７が奥になるように摺動自
在に差し込んでいる。前記突起部１１にはその先
端部分の表裏に合成ゴム等からなるシート状の弾
性体１９を接着剤で貼付けている。この弾性体１
９は細長いシート状で幅はモータハウジング１の
開口端面の厚さの倍以上の厚さで、長さは幅Ｂ＋
4tとしている。

上記構成において、ブラシ取付板９の外周に設
けられた４箇所の突起部１１をブラシ箱１４の取
付面が内側になるようモータハウジング１の開口
端面の切欠部６にはめ込むと、ブラシ取付板９の
ブラシ箱１４と同一面側の弾性体１９の長さは幅
Ｂ＋4tであるから切欠部６の幅Ｂよりマイナス2t
の幅寸法Ｃである突起部１１の両横を包み込む形
で切欠部６の幅Ｂと深さ2tにちようど収まる。そ
して反対側は弾性体１９を介してエンドブラケツ
ト２で押えられブラシ取付板９は弾性体１９を介
してモータハウジング１とエンドブラケツト２に
より固定される。

ブラシ１８はブラシ箱１４から圧縮ばね１７で
整流子３の外周に押し付けられる。ブラシ側１４
は導電性であるから、これに電線（図示せず）を
接続することにより圧縮ばね１７からブラシ１８
を介して整流子３へ電気的に導通する。

そして回転子４の回転により整流子３の外周表
面とブラシ１８が摺動することにより発生した騒
音振動はブラシ箱１４からブラシ取付板９に伝達
されるが、ブラシ取付板９は弾性体１９を介して
モータハウジング１およびエンドブラケツト２に
接しているので騒音振動のエネルギーは弾性体１
９によつて吸収されモータハウジング１およびエ
ンドブラケツト２に伝わるから共鳴共振により騒
音振動が大きくなることはない。

発明の効果 以上の実施例の説明により明らかなように本発
明は、シート状の弾性体をブラシ取付板の外周の
突起部の表面と裏面に接着するだけで、ブラシよ
り発生しブラシ取付板に伝わる騒音振動を弾性体
が吸収し、ブラシ取付板を挟持するモータハウジ
ングおよびエンドブラケツトに伝えないものであ
るから簡単な構造で騒音振動の共鳴共振を防止で
き小型電動機の静音化が図れるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による小型電動機の
部分断面図、第２図は同小型電動機の側面図、第
３図はブラシ取付板の平面図、第４図は同ブラシ
取付板の側面図、第５図はモータハウジングの側
面図、第６図は同モータハウジングの側面図、第
７図は従来の小型電動機の部分断面図、第８図は
ブラシ保持用絶縁板の装着状態平面図、第９図は
同ブラシ保持用絶縁板の装着状態側面図である。 １……モータハウジング、２……エンドブラケ
ツト、６……切欠部、９……ブラシ取付板、１１
……突起部、１４……ブラシ箱、１８……ブラ
シ、１９……弾性体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一端面を開口したモータハウジング１と、こ
   のモータハウジング１の開口を覆うエンドブラケ
   ツト２と、前記モータハウジング１と前記エンド
   ブラケツト２に挟持される絶縁体のブラシ取付板
   ９を有し、前記モータハウジング１の開口端面に
   は複数の切欠部６を設け、前記ブラシ取付板９に
   は電源用のブラシ１８を摺動自在に保持するブラ
   シ箱１４をかしめ等の固定手段で固定し、前記切
   欠部６に対応する位置に前記切欠部６の幅より小
   さい幅の突起部１１と、この突起部１１の前記モ
   ータハウジング１および前記エンドブラケツト２
   に当接する部分に前記突起部１１の幅より長いシ
   ート状の弾性体１９を接着した小型電動機。