JPH039376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、室内アンテナに関し、特に周波数
の異なる２種類の電波、例えばUHFとVHFの電
波を受信できるようにしたものに関する。

従来、上記のような室内アンテナには、UHF
受信用ループアンテナを基盤上面に対して垂直な
軸回りに回転可能に設け、VHF受信用ロツドア
ンテナを基盤上面に対する角度を調整可能に設け
たものがあつた。この室内アンテナは、ループア
ンテナを回転させることによつて、またロツドア
ンテナの基盤上面に対する角度を調整することに
よつて、指向性を変化させることができるが、利
得はほぼ0dBと低く、またゴーストも受けやすい
という問題点があつた。

この考案は、指向性を変化させることができる
上に、利得が高い室内アンテナを提供することを
目的とする。

以下、この考案を図示の１実施例に基づいて詳
細に説明する。第１図において、２は直方体状の
箱体で、その上面の後縁側に偏つた位置における
その長さ方向に沿う同一直線上にUHF受信用の
矩形ループアンテナ４，６が固定されている。こ
られ矩形ループアンテナ４，６内には、箱体２の
上面に対する垂線８，１０の軸回りに回転可能に
回転部材１２，１４が設けられ、これら部材１
２，１４にUHF受信用の円形ループアンテナ１
６，１８が設けられている。これら回転部材１
２，１４は第３図に示すように連結棒２０，２２
によつてリンク結合され、さらに回転部材１２
は、円形ループアンテナ１６の前方に設けたルー
プアンテナ回転用つまみ２４に連結棒２６，２８
によつてリンク結合されている。従つて、ループ
アンテナ回転用つまみ２４を回転させると、その
回転方向と同一方向に同一角度だけ円形ループア
ンテナ１６，１８が回転する。そして、第４図に
示すように矩形ループアンテナ４と円形ループア
ンテナ１６との給電点と、矩形ループアンテナ６
と円形ループアンテナ１８との給電点とは、同一
長さのフイーダ２９，２９を介してUHF出力端
子３０，３０に接続されている。従つて、矩形ル
ープアンテナ４と円形ループアンテナ１６とで受
信された信号は、矩形ループアンテナ６と円形ル
ープアンテナ１８とで受信された信号と同相で合
成される。

矩形ループアンテナ４の外側には、VHF受信
用ロツドアンテナ３１，３２が、箱体２の幅方向
に沿つて、これらロツドアンテナ３１，３２で受
信しようとするVHF電波の1/10波長程度の間隔
を隔てて配置されている。そして、ロツドアンテ
ナ３１，３２は箱体２の上面に対する角度を変更
可能に設けられている。これらロツドアンテナ３
１，３２を跨ぐように連結部材３４，３６が設け
られている。これら連結部材３４，３６は、ロツ
ドアンテナ３１，３２がそれぞれ箱体２の上面に
対してなす角度が常に同一になるようにするため
のものである。ロツドアンテナ３１，３２、連結
部材３４，３６と同様に矩形ループアンテナ６の
外側にもVHF受信用ロツドアンテナ３８，４０、
連結部材４２，４４が設けられている。

ロツドアンテナ３１の給電点は、電気的長さが
異なる位相線路４４，４６，４８，５０，５２，
５４の一端に接続され、ロツドアンテナ３８の給
電点は、電気的長さが異なる位相線路５６，５
８，６０，６２，６４，６６の一端に接続されて
いる。そして、位相線路４４，４６，４８，５
６，５８，６０の他端は、ロータリスイツチ６８
を介してロツドアンテナ３２の給電点に接続さ
れ、位相線路５０，５２，５４，６２，６４，６
６の他端は、ロータリスイツチ７０を介してロツ
ドアンテナ４０の給電点に接続されている。ロツ
ドアンテナ３２，４０の給電点は、VHF出力端
子７２，７２に接続されている。なお、ロータリ
スイツチ６８，７０の接触子６８ａ，７０ａは、
箱体２の上面に設けたロツドアンテナ指向性可変
用つまみ７４を回転させることによつて連動して
移動する。従つて、例えば接触子６８ａが位相線
路４６に接続されているとき、接触子７０ａは位
相線路６４に接続されている。

このように構成した室内アンテナでは、矩形ル
ープアンテナ４，６及び円形ループアンテナ１
６，１８によつてUHF帯の受信が行なわれる。
ループアンテナ回転用つまみ２４を回転させる
と、円形ループアンテナ１６，１８が回転し、矩
形ループアンテナ４と円形ループアンテナ１６と
の合成指向性は変化し、矩形ループアンテナ６と
円形ループアンテナ１８との合成指向性も変化す
る。しかし、円形ループアンテナ１６，１８は同
一方向に同一角度だけ回転しているので、矩形ル
ープアンテナ４と円形ループアンテナ１６との合
成指向性と、矩形ループアンテナ６と円形ループ
アンテナ１８との合成指向性とは、同じように変
化する。そして、これら矩形ループアンテナ４と
円形ループアンテナ１６とで受信された信号と、
矩形ループアンテナ６と円形ループアンテナ１８
とで受信された信号とは、上述したように同相で
合成されているので、矩形ループアンテナ４，６
と円形ループアンテナ１６，１８との合成指向性
も同じように変化する。即ち、ループアンテナ回
転用つまみ２４を回転させることにより、矩形ル
ープアンテナ４，６と円形ループアンテナ１６，
１８との合成指向性が変化する。しかも、これら
矩形ループアンテナ４と円形ループアンテナ１６
とで受信された信号と、矩形ループアンテナ６と
円形ループアンテナ１８とで受信された信号と
は、同相で合成されているので、その利得は、矩
形ループアンテ１つと、円形ループアンテナ１つ
とを合成した場合よりも大きくなる。従つて、放
送局からのUHF電波の到来方向と、この室内ア
ンテナの正面方向とが不一致であつても、ループ
アンテナ回転用つまみ２４を回転させることによ
つて、円形ループアンテナ１６，１８を回転させ
ることができ、その結果として高利得でUHF電
波を受信することができる。

また、この室内アンテナでは、ロツドアンテナ
３１，３２，３８，４０によつてVHF帯の受信
が行なわれる。そして、ロツドアンテナ３１，３
８と、ロツドアンテナ３２，４０とは、1/10波長
程度の間隔を隔てて配置され、かつロツドアンテ
ナ３１，３８で受信された信号が可変位相器とし
て機能する位相線路４４乃至６６を介してロツド
アンテナ３２，４０で受信された信号と合成され
ているので、いわゆるビームアンテナとして作用
する。従つて、ロータリスイツチ６８，７０の接
触子６８ａ，７０ａを切り換えることによつてロ
ツドアンテナ３１，３８で受信された信号の位相
が変化し、指向性が変化する。特にロータリスイ
ツチ６８の接触子６８ａを位相線路５６，５８，
６０に、ロータリスイツチ７０の接触子７０ａを
位相線路５０，５２，５４に、それぞれ接続させ
た場合、ロータリスイツチ６８の接触子６８ａが
位相線路４４，４６，４８に、ロータリスイツチ
７０の接触子７０ａを位相線路６２，６４，６６
に接続した場合と逆位相にロツドアンテナ３１，
３８で受信された信号が合成されるので、ロータ
リスイツチ６８の接触子６８ａを位相線路４４，
４６，４８に、ロータリスイツチ７０の接触子７
０ａを位相線路６２，６４，６６に接続した場合
と反転した指向性となる。例えば、この室内アン
テナの背面側で最大利得が得られる指向性であつ
たものが、この室内アンテナの正面側で最大利得
が得られる指向性となる。従つて、この室内アン
テナの背面側からVHFの電波が到来しても、正
面側からVHFの電波が到来しても、ロツドアン
テナ指向性可変用つまみ７４を回転させることに
よつて良好にVHFの電波を受信することができ
る。

上記の実施例では、ロツドアンテナ３１，３８
で受信された信号の位相の調整は、ロータリスイ
ツチ６８，７０の切換による階段的な切換とした
が、第５図に示すように可変位相線路７６，７８
を用いて連続的な位相調整としてもよい。その場
合、上記の実施例と同様に可変位相線路は、連動
して変化させるようにするのが望ましい。また、
円形ループアンテナ１６，１８は同一方向に回転
させたが、第６図に示すように逆方向に回転さ
せ、逆位相給電するか、または切換スイツチ８
０，８２，８４，８６及び位相線路８８，９０，
９２，９４，９６，９８，１００，１０２，１０
４，１０６，１０８，１１０を用いて位相差切換
方式で混合してもよい。この場合、円形ループア
ンテナ４と矩形ループアンテナ１６の合成指向性
と、矩形ループアンテナ６と円形ループアンテナ
１８の合成指向性を逆にすることができ、かつ円
形ループアンテナ４と矩形ループアンテナ１６と
で受信された信号と、矩形ループアンテナ６と円
形ループアンテナ１８とで受信された信号とに、
位相差を持たすことができる。従つて、切換スイ
ツチ８０，８２，８４，８６を切り換えて位相差
を調整することによつて、合成指向特性のヌルポ
イントを変更することができるので、ゴーストを
除去することができる。また、逆位相給電した場
合には、円形ループアンテナ４と矩形ループアン
テナ１６とで受信された信号と、矩形ループアン
テナ６と円形ループアンテナ１８とで受信された
信号とが180゜の位相差給電された状態となり、合
成指向性にヌルポイントが形成され、ループアン
テナ１６，１８を回転させることにより、このヌ
ルポイントが移動するので、やはりゴーストを除
去することができる。さらに、上記の実施例で
は、UHF出力端子３０，３０とVHF出力端子７
２，７２とを、別々に設けたが、１つの出力端子
を切換スイツチで切り換えて、UHF及びVHF共
用の出力端子としてもよい。

以上のように、この考案による室内アンテナで
は、２つのループアンテナを同一または逆方向に
同一角度だけ回転させることができ、かつこれら
ループアンテナで受けた信号を合成することがで
きるので、UHF帯の電波に対し利得を大きくし
たり、ゴーストを除去したりすることができる。
また、２本で１組のロツドアンテナを２組所定の
間隔を隔てて配置し、１組のロツドアンテナで受
信した信号を可変位相器を介して他の１組のロツ
ドアンテナで受信した信号と合成しているので、
可変位相器を調整することによつてVHF帯の電
波を良好に受信できるように指向性を変化させる
ことができる。従つて、この考案による室内アン
テナでは、UHF帯及びVHF帯の電波を何れも良
好に受信することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による室内アンテナの１実施
例の正面図、第２図は同実施例の側面図、第３図
は同実施例における円形ループアンテナの回転装
置の原理図、第４図は同実施例の回路図、第５図
は他の実施例におけるVHF用アンテナの回路図、
第６図は更に別の実施例のUHF用アンテナの回
路図である。 ２……箱体（基盤）、１６，１８……ループア
ンテナ、１２，１４，２０，２２，２４，２６，
２８……連動回転装置、３１，３２，３８，４０
……ロツドアンテナ、４４乃至６６……位相線路
（位相可変器）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基盤の上面上に２本のUHF受信用ループアン
   テナをそれぞれ鉛直な軸回りに回転可能に設け、
   上記２本の鉛直軸を含む平面と交差しかつ相互間
   に上記２本のループアンテナを挟んでいる２個の
   平面の一方内に第１のVHF受信用ロツドアンテ
   ナを設け、上記平面の他方内に第２のVHF受信
   用ロツドアンテナを設け、上記平面の一方内に上
   記第１のVHF受信用ロツドアンテナと所定の間
   隔を隔てて第３のVHF受信用ロツドアンテナを
   設け、上記平面の他方内に上記第２のVHF受信
   用ロツドアンテナと上記所定の間隔を隔てて第４
   のVHF受信用ロツドアンテナを設け、上記基盤
   内に上記両ループアンテナを同一方向または逆方
   向に同一角度回転させる連動回転装置を設け、上
   記両ループアンテナを結合し、上記第１及び第２
   のロツドアンテナを位相可変器を介して上記第３
   及び第４のロツドアンテナに接続してなる室内ア
   ンテナ。