JPH039307Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は自動車などの内燃機関や、給湯機な
どのバーナの点火用樹脂モールド点火コイルに関
する。

〈従来の技術〉 この様な点火コイルとして、有底のケースの底
にある孔に一次コイルのボビンの一端部を挿着し
て一次コイルをケース内に立て、その外に二次コ
イルを同心状に嵌合し、ケース内に樹脂を注型し
て両コイルを固定すると共に、前記一次コイルの
ボビン中に閉磁路を構成する鉄心の一部を貫通し
たものは本出願人が実開昭59−99418号公報で提
案した。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記従来例ではケースの上端部全周に外方に張
出した段壁を設けると共に、段壁の外縁に上向き
の起立壁を設け、溶融した樹脂をケース内に注型
する際にケースの開放部が変形し、絶縁性が低下
するのを防止しているが、注型中に樹脂がケース
の外に洩れるのを防止することはできない。

〈問題点を解決するための手段〉 そこで本考案は注型中に樹脂がケースの外に洩
れるのを防止するためにケースの周囲壁の上部の
外面全周又は一部に袋部を設けたことを特徴とす
る。

〈実施例〉 図示の各実施例において、１はプラスチツクで
成形した有底のケースで、その底に設けた孔に一
次コイル２のボビン２′の一端部を挿着してその
孔を塞ぐと共に、一次コイル２をケース内に立
て、その外周に二次コイル３を同心状に嵌合し、
ケース１内に溶融状態の熱硬化性樹脂を注型し、
その硬化した樹脂層４により両コイルを埋設して
固定する。

第１，２図の実施例ではケース１の周囲壁１′
の上部の外面全周に沿つて溝状の袋部５を一体に
形成してある。この全周に袋部５を有するケース
１は、上述の様に樹脂層４で一次、二次両コイル
をケース内に固定後、鉄心６の一部６ａを一次コ
イルのボビン２′に貫通し、鉄心の残部６ｂをケ
ースの外で前記鉄心６ａと組合わせて閉磁路を構
成する場合に、ケース内に注型する樹脂が全周の
どこから外に洩れ出ようとしても、洩れた樹脂を
袋部５に受入れ、外に出さない。

同時にケース１の開放部は、ケース１自体の周
囲壁１′と、その外に袋部５を形成するための壁
５′とで二重になるため補強され、変形も防止で
きる。

第３，４図の実施例のケースは鉄心６の一部６
ａを樹脂注型の前に一次コイルのボビン２′に貫
通し、注型はその後に行う場合のもので、袋部５
はケースの開放部上面に接して鉄心が横を向く方
向の周囲壁上部外面に部分的にポケツト状に設
け、好ましくは周囲壁の上端に袋部５内に連通す
る切欠き７を設ける。

これにより鉄心の一部６ａを一次コイルボビン
２′に貫通した後、ケース内に溶融した樹脂を注
型する際に、ケースの周囲壁上端と、これに接触
した鉄心６ａの横向き部との間を毛細管現象で伝
つて樹脂がケースの外に洩れるのを袋部５に受入
れたり、切欠き７がある場合は積極的に樹脂を袋
部に受入れて毛細管現象を断つことができる。

〈考案の効果〉 こうして本考案によればケース内に注型する樹
脂を外に洩らすことが防止でき、樹脂の無駄、洩
れた樹脂の取除作業を解消できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のケースの一実施例の一部を破
断して示した斜視図、第２図は第１図のケースを
使用して樹脂を注型した状態の点火コイルの断面
図、第３図は本考案のケースの他の一実施例の斜
視図、第４図は第３図のケースを使用して樹脂を
注型した状態の点火コイルの断面図で、図中、１
はケース、２は一次コイル、２′はそのボビン、
３は二次コイル、４は注型した樹脂層、５は袋部
を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 有底のケースの底にある孔に一次コイルのボビ
   ンの一端部を挿着して一次コイルをケース内に立
   て、その外に二次コイルを同心状に嵌合し、ケー
   ス内に樹脂を注型して両コイルを固定すると共
   に、前記一次コイルのボビン中に閉磁路を構成す
   る鉄心の一部を貫通した樹脂モールド点火コイル
   において、 上記ケースの周囲壁の上部の外面全周又は一部
   に袋部を設けたことを特徴とする樹脂モールド点
   火コイル。