JPH038944B2 - - Google Patents

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JPH038944B2
JPH038944B2 JP62193224A JP19322487A JPH038944B2 JP H038944 B2 JPH038944 B2 JP H038944B2 JP 62193224 A JP62193224 A JP 62193224A JP 19322487 A JP19322487 A JP 19322487A JP H038944 B2 JPH038944 B2 JP H038944B2
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JP
Japan
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layer
film
stretching
gas barrier
evoh
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JP62193224A
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JPS63125334A (ja
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Kenji Yabe
Kenji Megata
Atsuhiko Soda
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はガスバリヤ性のすぐれた多層延伸フイ
ルムに関するものである。 エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン可物(以下
EVOHと略す)は未延伸フイルムの形でガスバ
リヤ性フイルムとして使用されている。このフイ
ルムは耐水性に欠けるため、実際にはポリオレフ
インまたはポリエステルなどの耐熱性のあるフイ
ルムと接着剤を使つて貼合せて使用している。し
かしこれとても耐ボイル性がないために、使用が
制限されている。そこでこれらの欠点を改良すべ
く種々な工夫がなされており、有望な手段の一つ
として、EVOHを延伸する方法が提案されてい
る。EVOHは非常に延伸性が悪く、限られた温
度範囲および延伸倍率のもとで一軸延伸しかでき
ず、二軸延伸は不可能である。しかも一軸延伸で
さえも延伸倍率が8倍以上もの高倍率になると非
常に裂けやすいフイルムとなり、単体フイルムで
は実用性はない。またこの延伸性を改良する目的
で、ポリプロピレン(以下PPと略す)のような
延伸可能なフイルムと積層して延伸する方法が提
案されているが、この方法によれば一軸延伸する
ことができるもののEVOHとPPとの接着性が悪
いので、フイルム同志が剥離したり、延伸倍率が
高いとEVOH層がひび割れしたりして、ガスバ
リヤ性が低下し、品質的にも劣つたものしか得ら
れない。 EVOHを含水状態で延伸する方法も提示され
ているが、含水率を一定値に管理するのに調湿を
行なう必要がある。その他にグリセリンなどの可
塑剤を添加することによつて延伸性を改良する方
法も提案されているが、これらのいずれの方法に
おいても延伸という操作は受けているが、可塑化
された状態で延伸されているため、分子配向はほ
とんど起こらないので、分子配向度の点からみれ
ば未延伸フイルムと実質的に変らないものであ
る。更にこのフイルムは水の蒸発によるガスバリ
ヤ性の低下や、可塑剤のプリードアウトなどの欠
点がある。 本発明者らは、かかる従来欠点に鑑み、
EVOHのすぐれたガスバリヤ性を有し、それに
耐水性、耐ボイル性、寸法安定性を更に併せ有す
るフイルムについて検討した結果、本発明に到達
した。すなわち、本発明の技術構成は、エチレン
含量20〜50モル%、ケン化度90%以上で、かつ極
限粘度0.07〜0.17/gのEVOHにポリアミドを
5〜40wt%配合した組成物からなる未延伸フイ
ルムを縦方向に1.5〜6倍、横方向に2〜8倍で
かつ面積倍率4〜25倍となるように二軸延伸して
得たフイルムの少なくとも片面に他の熱可塑性樹
脂層を有するガスバリヤ性多層フイルムである。
該フイルムは20℃、100%RHに於ける酸素透過
率が35c.c./m2・24hr以下のすぐれたガスバリヤ性
を有する。 ここでEVOHとはエチレン含量20〜50モル%、
ケン化度90%以上、好ましくはエチレン含量25〜
40モル%、ケン化度95%以上のエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物である。 エチレン含量が20モル%未満のものは、溶融押
出性が劣り、ポリアミドとの組成物を溶融押出す
る際に着色しやすく、かつ、熱分解しやすいため
に押出温度を高温例えば260℃以上にできないの
で、延伸に適した平面性のよい未延伸フイルムが
できない。一方エチレンが50モル%を越えるもの
は、組成物の溶融押出性は良いが、ガスバリヤ性
が劣る。ケン化度90%未満のものは二軸延伸フイ
ルムの熱処理による寸法安定性に欠け、熱収縮し
やすくなるとともに、ガスバリヤ性が劣る。本発
明のEVOHは組成物として溶融押出性にすぐれ、
かつガスバリヤ性にもすぐれていなければならな
い。かかる観点から考慮した場合本発明の更に好
ましいEVOHとしてエチレン含量25〜40モル%、
ケン化度95%以上のものがある。 かかるEVOHポリマの極限粘度はフイルムの
製膜性を左右するものであり、本発明では0.07〜
0.17/g、好ましくは0.09〜0.15/g(15wt
%含水フエノール中で30℃で測定した値)の
EVOHが好ましく使用される。 極限粘度が0.07/g未満の場合は組成物の未
延伸フイルムのキヤスト性が悪く、平面性のよい
未延伸フイルムが得られないので、延伸ムラの原
因になりやすい。一方、0.17/gを越えるもの
は組成の押出温度を高温側にする必要があり、熱
分解及び着色の原因となる。 本発明のポリアミドとしては、(1)ナイロン6、
11、12で代表されるラクタムまたはω−アミノ酸
から作られるポリアミド、(2)ナイロン66、610、
ポリヘキサメチレンイソフタラミドなどで代表さ
れるジアミンと二塩基酸からのポリアミド、およ
び、(3)上記(1)及び(2)の該モノマ群から作られる各
種共重合ポリアミド、(4)前記ポリアミドの2種以
上のブレンド物などを挙げることができる。特に
ナイロン6、ポリ(ヘキサメチレンイソフタラミ
ド/テレフタラミド)(共重合モル比100/0〜
50/50)が好ましい。 かかるポリアミドはEVOHに、5〜40wt%ブ
レンドされる。本発明の該ブレンド組成物におい
て、上記ポリアミド含有量はガスバリヤ性及び延
伸性に著しく影響を及ぼすものであり、即ち、
5wt%未満及び40wt%を越えるようなポリアミド
含有量の場合は、フイルムの延伸性が悪化すると
共にガスバリヤ性が低下し、酸素透過率は35c.c./
m2・24hrを越え実用的なものが得られない。本発
明において、ガスバリヤ性の点からみれば、ポリ
アミドのブレンド量は少ない方が好ましいと考え
られるが、該ブレンド量が5wt%に達すると裂け
にくく、さらに驚くべきはガスバリヤ性が全く低
下せず、むしろ向上する(EVOH100%未延伸フ
イルムに比較して)という特徴を有するものであ
る。更に該ブレンド量が10wt%に達すると、逐
次二軸延伸することができ、ガスバリヤ性も上記
同様にすぐれている。勿論この組成物は同軸二軸
延伸も可能である。しかし該ブレンド量が40wt
%を越えるとガスバリヤ性も延伸性も同時に低下
し、しかも寸法安定性等の諸特性からも実用的な
ガスバリヤ性フイルムを得ることはできない。本
発明のガスバリヤ性フイルムは延伸前のフイルム
の4〜25倍の面積倍率に延伸することにより好ま
しく提供されるものであり、更に好ましくは、面
積倍率6〜20倍に延伸されたものである。延伸方
法はいかなる方法であつてもよいが、一軸延伸し
たものより二軸延伸したものの方が寸法安定性の
点ですぐれている。 本発明のポリアミドを5〜40wt%EVOHにブ
レンドした組成物からなる延伸フイルムは、長さ
方向(Nx)、幅方向(Ny)、厚み方向(Nz)の
屈折率が 0.040>|Nx−Ny|≧0、 〔(Nx+Ny)/2−Nz〕>0.010 好ましくは 0.030>|Nx−Ny|≧0、 〔(Nx−Ny)/2−Nz〕>0.015 であることが重要である。 ここでそれぞれの方向の屈折率を数値で明確に
示せないのは、使用するEVOHが共重合体であ
り、ケン化度、エチレン含量によつて屈折率が左
右されること、更にブレンドに用いるポリアミド
の種類、量によつても異なるからである。屈折率
の一例を挙げれば、エチレン38モル%、ケン化度
99%以上、極限粘度0.13/gのEVOHにナイロ
ン6を20wt%ブレンドした未延伸フイルムを160
℃で縦2.5倍、横4.0倍延伸したフイルムではNx
=1.536、Ny=1.545、Nz=1.518である。 |Nx−Ny|≧0.040、〔(Nx−Ny)/2−
Nz〕>0.010ではフイルムの機械的性質の異方性
が顕著であり、フイルムが裂けやすかつたり、ボ
イル処理した時に破れたり、カールしやすい。一
方0.040>|Nx−Ny|≧0でも〔(Nx−Ny)/
2−Nz〕≦0.010であればガスバリヤ性が劣るば
かりでなく、ボイル処理、レトルト処理に耐えら
れない。 通常、EVOHに比べてガスバリヤ性の劣るナ
イロン6などのポリアミドをブレンドした未延伸
フイルムは、ガスバリヤ性がEVOH単独の場合
よりも著しく低下すると考えられるものである
が、本発明に於ては延伸およびそれに続く熱固定
により、EVOH組成物が高度に配向、結晶化す
るために、ガスバリヤ性の低下は実質的にはほと
んど無視しうる程度になるものと考えられ、未延
伸フイルムからは予想されない程に耐水性、耐ボ
イル性が著しく改良される。すなわちEVOH単
体のフイルムでは、耐水性が悪く、吸水のため平
面性が悪くなつたり、ボイルテストを行なうと形
体保持性がなく、塊状になつたり、白化してしま
うという欠点がある。 かかる本発明のガスバリヤ性フイルムの少なく
とも片面、好ましくは両面に他の熱可塑性樹脂を
積層することにより、上記の効果以外のフイルム
特性を付加することができる。勿論かかる積層フ
イルムにあつては、各フイルム層間に適宜の接着
剤、接着性熱可塑性樹脂を用いて接着剤層を設け
たものでもよいし、かかる接着剤層を設けず直接
積層されたものでもよい。 かかる積層フイルムは積層する熱可塑性樹脂の
種類によつて、付加されるフイルム特性は変更さ
れるものであり、例えばポリオレフイン樹脂を積
層すると水蒸気透過率を著しく低下せしめること
ができ、また、ナイロン6などのポリアミドを積
層すると、衝撃性を改良できる。またポリエステ
ルを積層すると、耐熱性が著しく改良され、高温
レトルト処理にも十分耐えるようになる。 次に上記積層フイルムを具体的な例を二つ挙げ
て説明する。1つは本発明のEVOH組成物とポ
リオレフインからなる積層フイルムで、1つはか
かる積層フイルムの各フイルム層間に接着剤層を
有するものである。 即ち、上記EVOH組成物の延伸フイルム層
(以下A層と略す)の少なくとも片面に、未処理
又は少なくとも一軸延伸したポリオレフイン層
(以下B層と略す)を設けることができ、かかる
積層フイルムは、EVOH組成物の延伸フイルム
上にポリオレフイン層を押出ラミネートした後必
要に応じて延伸したり、あるいはEVOH組成物
と共押出した後延伸して得ることができ、20℃、
100%RHにおける酸素透過率が35c.c./m2・24hr
以下(好ましくは30c.c./m2・24hr以下)、40℃に
於ける水蒸気透過率が30g/m2・24hr以下(好ま
しくは10g/m2・24hr以下)であるという特性を
有する。かかる複合フイルムの好ましい厚み構成
は、A:B==1:0.03〜10(更に好ましくは
1:0.05〜5)である。かかる複合フイルムであ
れば、EVOH組成物単層延伸フイルムと比べて、
耐水性、耐ボイル性が更に改良され、レトレト処
理にも耐えることができ、高湿度の雰囲気に於て
もガスバリヤ性の低下が少ないばかりでなく、平
面性が良好で、細波状の細かい凹凸の発生がなく
なる。これらの特徴はポリオレフイン層(B層)
が両面にある複合フイルムの場合が特に顕著であ
る。ポリオレフイン層(B層)に用いるポリオレ
フインは、(1)ポリプロピレン、(2)エチレン、ブテ
ンなどのα−オレフインとプロピレンとの共重合
体、(3)アクリル酸やマレイン酸などで代表される
脂肪族モノ、ジカルボン酸またはその酸無水物、
塩、エステルなどをポリプロピレンまたはその共
重合体にグラフトさせた変性ポリプロピレン、お
よび、(4)前記各種ポリオレフイン、エチレンと極
性モノマとの共重合体などと変性ポリプロピレン
とのブレンド物などがある。(3)、(4)がEVOH組
成物層(A層)との接着性が特に優れているので
好ましい。複合フイルムのA層の厚みは3〜30μ
(好ましくは5〜20μ)が実用上好ましい。A:
B=1:0.03よりもB層が薄い場合には高湿度下
でのガスバリア性、平面性改良の程度が小さい。
また逆にA:B=1:10よりもB層が厚い場合に
は複合フイルム全体が厚すぎるために袋など容器
を作つた場合、ヘキ開しやすいために耐衝撃性が
ない。また酸素透過率および水蒸気透過率を各々
シート当り35c.c./m2・24hr以下、30g/m2・24hr
以下と限定した理由は、酸化劣化や吸湿しやすい
食品包装用に使うために必要なガスバリヤ性であ
り、これ以上の場合には、食品が酸化劣化や吸湿
しやすいためである。またA層はポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレンなどに比べて延伸
張力が大きいため、A層の厚みが厚くなると延伸
機の機械強度を大きく取る必要があり、経済的に
不利である。従つてガスバリヤ性能およびフイル
ムの取扱いの面からその厚みが決まる。複合フイ
ルムでのA層は、A層が3μ未満ではガスバリヤ
性能が不足するし、30μを越えると複合フイルム
全体の厚みが厚くなり、袋などを作り、ヒートシ
ールする際にヘキ開しやすくなり、耐衝撃性が劣
るという欠点がでてくる。 かかるEVOH組成物と他の熱可塑性樹脂たと
えばポリオレフインとの複合フイルムの延伸フイ
ルムは、単体または積層フイルムを(Tm−50
℃)〜(Tm−5℃)(ただし、Tmは該ケン化物
の融点)で少なくとも一方向で延伸される。Tm
はエチレン含量、ケン化度、極限粘度により左右
されるが約155〜185℃である。二軸延伸の場合に
は、縦方向に1.5〜6倍(好ましくは2〜5倍)、
横方向に2〜8倍(好ましくは3〜7倍)延伸し
て作られる。縦延伸→横延伸の順の逐次二軸延伸
が生産性の上で特に好ましいが、横延伸→縦延伸
でも差支えない。また同時二軸延伸も可能である
ことはもちろんである。二軸延伸後に更に再縦延
伸〔(Tm−50℃)〜(Tm−5℃)で1.2〜2倍
延伸〕を行ない、生産性、バリヤ性などを更に向
上できるとともに、縦方向(MD)と横方向
(TD)の機械的性質がバランスして来て、異方
性が少なくなるという利点がある。 本発明に於ては、延伸後(Tm−40℃)〜
(Tm−5℃)で熱処理することとが寸法安定性、
耐水性、ボイル性を保持する上で好ましく、緊張
熱処理または寸法安定性を特に注目する場合には
10%以下の弛緩熱処理が効果的である。二軸延伸
の際の縦延伸温度は(Tm−40℃)〜(Tm−10
℃)の範囲が特に好ましい。 縦延伸温度が(Tm−50℃)未満では、|Nx−
Ny|≧0.040となり、更に縦延伸の際にフイルム
切れないしは、次の横延伸時にフイルム破れを起
こしやすい。B層との積層フイルムの場合には、
縦方向に裂けやすいフイルムが、A層がひびわれ
したフイルムとなる。(Tm−5℃)を越える場
合には延伸ロールへのフイルムの粘着が問題とな
り、表面荒れが起こり、不透明なフイルムができ
る。特にB層との積層フイルムに於てこの傾向は
顕著である。延伸倍率は(Tm−50℃)近傍の低
温側では1.5〜3倍が、(Tm−5℃)近傍の高温
側では3〜6倍が特に好ましく、フイルム破れな
どの製膜上のトラブルが起こらず安定した製膜性
が得られる。A層の少なくとも片面にB層を設け
た積層フイルムの場合には(Tm−50℃)〜
(Tm−20℃)で1.5〜5倍延伸するのが特に好ま
しい。延伸倍率が1.5倍未満であると延伸ムラが
起こり、6倍を越える場合には縦に裂けやすいの
で横延伸がしにくくなる。B層との積層フイルム
の場合は、6倍以上延伸するとB層が厚くA層が
薄い組合せではB層が支持体となつて、フイルム
破れが起こらない場合もあるが、A層はひび割れ
を起こし、ガスバリヤ性がなくなる。その他の厚
み比の場合はフイルム破れが起こる。 横延伸温度(Tm−50℃)〜(Tm−5℃)〔好
ましくは(Tm−40℃)〜(Tm−10℃)〕であ
る。延伸温度が(Tm−50℃)未満の場合にはフ
イルム破れが、(Tm−5℃)を越える場合には
融点近傍なので、〔(Nx−Ny)/2−Nz〕≦
0.010となり、配向が緩和されるためにガスバリ
ヤ性などの諸特性値が低下する。特にB層を積層
したフイルムでは透明性が著しく低下するばかり
でなく、横延伸機(テンター)のクリツプにフイ
ルムが粘着し、連続運転が阻害される。横延伸倍
率が2倍未満の場合には、延伸ムラが起こり、8
倍を越える場合にはフイルム破れが起こる。特に
B層との積層フイルムでは、A層がB層に比べて
薄い組合せでは、B層が支持体となり、かろうじ
てフイルム破れが起こらない状態でもA層がひび
割れするためにバリヤ性が低下する。 二軸延伸されたフイルムを更に縦延伸を施す場
合には延伸倍率は2倍以下の必要がある。2倍を
越えると機械的性質は良くなる方向であるが、ガ
スバリヤ性が低下するのである。 かくして延伸終了後の面積は未延伸フイルムの
4〜25倍(好ましくは6〜20倍)となる。これ以
上の面積倍率となる延伸倍率の組合せは、フイル
ム破れないしはガスバリヤ性の低下につながるの
で避ける必要がある。 本発明に於て延伸後に熱処理を行なう温度が
(Tm−40℃)未満の場合にはガスバリヤ性、寸
法安定性が未熱処理品と大差がなく、熱処理品に
比べて劣る。(Tm−5℃)を越える熱処理では
ガスバリヤ性、透明性、機械的性質が低下する。 次に上記積層フイルムの各層間に接着剤層を設
けた場合について、ポリプロピレンとの積層フイ
ルムを例に上げて説明する。ポリプロピレンの一
軸延伸フイルム上(B)に、EVOH組成物(A)と接着
剤樹脂(C層と略す)とからなる複合層A/Cま
たはC/A/Cを押出ラミネートして積層し、次
いで該積層フイルムを先の延伸方向と直角の方向
に温度(Tm−50℃)〜(Tm−5℃)〔好ましく
は(Tm−40℃)〜(Tm−10℃)〕で5〜12倍
(好ましくは6〜10倍)延伸し、しかる後、(Tm
−40℃)〜(Tm−5℃)の温度で、接着剤層を
設けない場合と同様に熱処理する。C層の例とし
ては、前記ポリオレフイン層(B層)の(3)及び(4)
を挙げることができる。ここで(Tm−5℃)よ
り高温で延伸することおよび(Tm−5℃)を越
える熱処理はポリプロピレン層の延伸配向効果が
損われ、フイルム破れにつながる。 更にC層を設けた場合は、A層の初めの延伸方
向と直角方向に(Tm−50℃)〜(Tm−5℃)
で1.2〜2倍延伸し、A層の異方性を改良するこ
ともできる。最終のC層の厚みは一層当り5μ以
下、好ましくは2μ以下である。 尚、本発明のEVOH組成物は上記ポリオレフ
イン以外のポリアミド又はポリエステル等と適宜
に積層することができる。この場合のポリアミド
として上記ブレンドに適用されるものが適用で
き、またポリエステルとしてはジカルボン酸とジ
オールとからなる飽和ポリエステルが適用され
る。例えばジカルボン酸として、テレフタル酸が
90モル%以上であり、その他のジカルボン酸とし
てはイソフタル酸、フタル酸、2・6−ナフタレ
ンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、およ
びアジピン酸、セバシン酸などの炭素数6〜18の
脂肪族ジカルボン酸などを必要量共重合したもの
等をあげることができ、ジオール成分としてはエ
チレングリコール、テトラメチレングリコールな
どの炭素数2〜8のジオールを使用したもの等を
あげることができる。その代表的なものとしてポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートおよびそれらの共重合体がある。 次に本発明について実施例を上げて詳細に述べ
る。なお物性測定は次に述べる方法によつた。 酸素透過率:フイルムを20℃、100%RHで放置
後、その条件でOXY−TRAN100(Modern
Controls社製)を用いて測定した。単位は1シ
ート当り:c.c./m2・24hr、厚さ0.1mm当り:
c.c./m2・24hr/0.1mm。 水蒸気透過率:高速度水分透過率測定器
(Honey Well社製)を使い、40℃で測定した。
単位は1シート当り:g/m2・24hr。 ボイル、レトルトテスト:フイルムをボイル(沸
騰水中30分間保持)、レトルト(110℃水蒸気雰
囲気中30分間保持)処理後取出して、フイルム
の変化を観察する。 ○:処理前後で平面性、透明性などに変化がな
いもの、△:フイルム表面に凹凸ができ、平面
性が悪いもの、×:平面性が著しく悪いもの、
または複合フイルムでは層剥離を起すもの。 延伸性:◎:均一に延伸され、透明性も非常に良
い、○:均一に延伸され透明性も良い、△:延
伸ムラがやや有り、×:延伸時にフイルム破れ、
延伸ムラが起こつたり複合フイルムでは層剥離
が起こり、延伸不良のもの。 シヤルピー衝撃強度:幅10mm×長さ100mmのフイ
ルムをシヤルピー衝撃試験機(東洋精機製作所
製)に設定し、JIS B−7722に準じて、衝撃破
断エネルギーを測定する。 実施例 1 A層:エチレン含量33モル%、ケン化度99%、極
限粘度0.13/g、m.p.178℃のEVOHとナイ
ロン6(20wt%)のブレンド物。 B層:I.I.98%、〔η〕2.2のポリプロピレンに無
水マレイン酸を0.5wt%グラフト重合した変性
ポリプロピレン。 A層、B層を形成する各々の樹脂を2台の押出
機に供給し、250℃で溶融した。口金の中で、
B/A/Bの3層に積層し、スリツトから押出
し、55℃でキヤストした。各押出機のスクリユー
回転数を調節することによつてA:Bの厚み比を
変え未延伸フイルムを得た。この未延伸フイルム
を140℃で縦方向に3倍延伸し、テンターで横方
向に160℃で5倍延伸して、160℃で2%弛緩熱処
理を行なつた。本発明品のNo.1〜4は表層が変性
ポリオレフインでおおわれているので耐湿性があ
り、ガスバリヤ性が著しく向上しており、レトル
トテストを行なつても、各層の接着性が良いため
剥離することもなく、良好な平面性を有してい
る。従つて単層フイルムではレトルトテストには
耐えられないが、表層をポリオレフインでおおう
ことによつてレトルトに耐えられるようになる。
一方、No.5はA層が薄いので水蒸気透過性は優れ
ているが、ガスバリヤ性が劣る。またNo.3と同じ
厚みの構成の未延伸フイルムNo.6は延伸されてい
ないので透明性、ガスバリヤ性が著しく劣るばか
りでなく、レトルトテストを行うと形態保持性が
ない。 また引張強度を比較したところNo.3は
MD18.3、TD24.0Kg/mm2であり、No.6はMD5.8、
TD5.5Kg/mm2で、No.3の方が機械的にも著しく優
れている。
【表】 実施例 2 A層:エチレン含量38モル%、ケン化度99%以
上、融点165℃、極限粘度0.15/gのEVOH
にナイロン6(ηr3.2)を15wt%ブレンドしたも
の。 B層:実施例1で使用したもの。 A、B2層の樹脂を2台の押出機に供給し、250
℃で溶融して、口金に通じるポリマ管中で厚み比
がA:B=1:1.5になるように2層に積層し、
口金から厚さ200μに押出し、45℃でキヤストし
た。このフイルムを表2に示す延伸条件で逐次二
軸延伸を行なつた。本発明の延伸条件であれば、
均一に延伸でき、透明な複合フイルムが得られ
る。 一方、縦延伸温度が低いNo.10は、横延伸時にフ
イルム破れが起こりやすい。No.11は横延伸温度が
高すぎるために横延伸時に破れやすい。No.12縦延
伸率が大きすぎるので横延伸で破れ、No.13は横倍
率が小さいので延伸ムラとなる。 実施例 3 A層:EVOH(実施例2で使用したもの)にポリ
ヘキサメチレンイソフタラミド(ηr2.1)を
15wt%ブレンドしたもの。 B層:エチレン含量2.5wt%、〔η〕2.0のポリプ
ロピレンコポリマに無水マレイン酸を0.5wt%
グラフト重合した変性ポリプロピレン。
【表】
【表】 実施例1の3層積層フイルム押出装置を用いて
B/A/Bの構成で280μ(A:B=1:1)の未
延伸フイルムを押出した。140℃で縦方向に3.5倍
延伸後、ステンタで150℃で横方向に4.0倍延伸し
た。しかる後に(Tm−40℃)〜(Tm−5℃)
の範囲内で3%弛緩率の熱処理を行ない、厚さ
20μの二軸延伸フイルム(B/A/B=5/10/
5μ)を巻取つた。表3の結果から明らかなよう
に(Tm−40℃)〜(Tm−5℃)の範囲内で熱
処理を行なうとバリヤ性、寸法安定性が良くな
る。一方、熱処理温度が高すぎるNo.18は透明性、
バリヤ性、レトルト性が劣る。 実施例 4 実施例1のNo.1に使用した未延伸フイルムを用
いて表4の条件で同時二軸延伸を行なつた。
【表】 延伸後160℃で2%弛緩熱処理をした。表4に
示すように、130℃の延伸倍率では3.0×3.0倍、
160℃では4.0×4.0倍が延伸性が良好であつた。
一方、120℃の延伸では低温のため延伸できなか
つた。 実施例 5 実施例1のNo.2に使用した未延伸フイルム(厚
み450μ、A:B=1:2)を使用し、140℃で縦
方向に2.5倍延伸し、引続きテンターで150℃で横
方向に4.0倍延伸した。更に140℃で縦方向に1.25
〜2.25倍延伸し、150℃で2%弛緩熱処理を行な
つた。再縦延伸によつて表5から明らかな様に機
械的性質の異方性が改良される。またNo.23と同じ
厚み構成比を持つNo.2と比較しても、再縦延伸に
よつてバリヤ性が向上する(表5で、延伸倍率が
大きくなるとともに見掛け上、酸素、水蒸気透過
率が大きくなつているが、これはフイルムが薄く
なつていくためであつて、厚みを一定とすれば再
縦延伸することによつてバリヤ性は良くなる)。 実施例 6 A層、B層の樹脂として実施例1で使用したも
のを使い、表6に示すような厚み構成比の未延伸
フイルムを作り、140℃で縦方向に2.5倍延伸し、
次いでテンターで横方向に150℃で4倍延伸後、
150℃で緊張熱処理を行ない、特性評価を行なつ
た。本発明のNo.28、29はガスバリヤ性、レトルト
性に問題はない。No.30はガスバリヤ性、水蒸気バ
リヤ性は良いがレトルトテストを行なうと平面性
が損われる。No.31はガスバリヤ性が不足である。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 エチレン含量20〜50モル%、ケン化度90%以
    上で、かつ極限粘度0.07〜0.17/gのエチレ
    ン・酢酸ビニル共重合体ケン化物にポリアミドを
    5〜40wt%配合した組成物からなる未延伸フイ
    ルムを、縦方向に1.5〜6倍、横方向に2〜8倍
    で、かつ面積倍率4〜25倍となるように二軸延伸
    して得たフイルム(A層)の少なくとも片面に他
    の熱可塑性樹脂層(B層)を有するガスバリヤ性
    多層フイルム。 2 (A層)と(B層)の厚み比が(A層):(B
    層)=1:0.03〜10である特許請求の範囲第1項
    記載のガスバリヤ性多層フイルム。 3 20℃、100%RHにおける酸素透過率が35
    c.c./m2・24hr以下であり、40℃における水蒸気透
    過率が30g/m2・24hr以下である特許請求の範囲
    第1項または第2項記載のガスバリヤ性多層フイ
    ルム。 4 (B層)がポリオレフイン層であり、かつ
    (A層)の両面に有する特許請求の範囲第1、第
    2または第3項記載のガスバリヤ性多層フイル
    ム。 5 多層フイルムがレトルト用多層フイルムであ
    る特許請求の範囲第1、第2、第3または第4項
    記載のガスバリヤ性多層フイルム。
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