JPH038915Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は太陽熱集熱管に関し、更に詳しくは集
熱板の支持部材の取付けを簡素化し、而も安定し
て取付けられるようにしたものである。

この種太陽熱集熱管の基本的な構成は集熱パイ
プと、上記パイプに設けた集熱板を真空のガラス
管内に保持装設して成るものである。ところでこ
の集熱管は長さが１ｍ以上あり、これがため集熱
板が垂れ下り等してガラス管の内面に接触し易
く、また運搬時等における外部からの衝撃によつ
て集熱板はガラス管に衝突を生じ易い。それでこ
れらの弊害の発生を防止するようにして集熱板を
支持する必要がある。

そのために集熱板の支持部材は集熱板との係合
において熱膨脹及び収縮によつてずれが生じない
こと、集熱板を損傷せず且つ作業性が良好で安価
に得られることが望ましい。

それで従来はガラス管の内面に当接した支持リ
ングを銀ロウにて集熱板に固着したり、或は線材
の中央部を折曲して折返しが二重のゼムクリツプ
状の挾持部を形成して集熱板に挾持固着したりし
ておつたが、前者の場合は熔接係合のため熱膨
脹、収縮を生じて係合ずれを起し易く、また銀ロ
ウ材が高価につき、また後者の場合は挾持部は線
材を最小でも７回以上折曲してつくらねばならぬ
ため所定の寸法、形状に仕上げるのに手間がかか
り、また係合時の挾持作業で集熱板に傷をつけた
りすることがあつた。

本考案は上記従来の欠点を除去し、前記の望ま
れる諸条件を満足する支持部材と、この支持部材
を集熱板に固定する新規な手段とを有する太陽熱
集熱管を提供するものである。

即ち、本考案に係る太陽熱集熱管の支持部材
は、ガラス管内面に接触する湾曲状の支脚部を部
材の長手方向両端に対称的に有し、且つ、該部材
の長手方向のほぼ中央をガラス管の中心方向に一
重に折り返して係合突部を形成してなり、上記係
合突部を集熱板に設けた係止孔に挿入して集熱板
を保持するようにしたものである。

以下本考案の構成を図面に示す実施例について
説明する。

第１図及び第２図に示すように太陽熱集熱管ａ
はガラス管１の端部をガラス管との封着に適した
接続ステム５で閉塞するようになし、この閉塞す
る端部からガラス管軸上に集熱パイプ４を挿入し
て集熱パイプ４を片持ち状に支持している。な
お、ガラス管１の内部は排気されて高真空に保つ
てある。集熱板３は集熱パイプ４に接合して設け
られるが、これが垂れ下つてガラス管１の内面に
接触するのを防ぎ、且つ耐振のために複数個所を
支持部材２で保持する。

第３図に示すものは支持部材の一例であつて弾
性線材を用いて形成した支持部材２ａである。支
持部材２ａは図示の如く線材のほぼ中央部をコ字
形に折曲して係合突部６を形成する。係合突部６
は折返しが一重でよいから線材を４個所で折曲げ
るだけでよく折曲部分は何れもほぼ直角であるか
ら機械加工にて容易に幅広に形成される。この係
合突部６のコ字形折曲根部につづく両側の線材部
分を互に離反する方向に、且つ係合突部６の幅広
面に直交させてほぼ直角に折曲し、これらのほぼ
中央を夫々係合突部６側に湾曲させて２本の支脚
部７，７′とする。以上のようにして支持部材２
ａはコ字形に折曲した幅広の係合突部６とガラス
管１の内面に線状で弾性接触する湾曲状の支脚部
７，７′とで形成される。

第４図に示すものは他の例の支持部材２ｂであ
る。この支持部材２ｂは弾性硬質の帯状板で形成
し、図示の如くほぼ中央部を折曲重合して、折返
しが一重の係合突部６とし、係合突部６両側の帯
状板部分を夫々湾曲形成して支脚部７，７′とし
たものである。なおこの場合は支脚部７，７′の
表面に凸子８を突起する。この凸子８は支脚部
７，７′をガラス管１の内面に点接触させて面接
触による傷発生等を防止するためのものである。

一方集熱板はつぎのように構成する。

第５図に示すものは集熱板の一例であつて、こ
の集熱板３ａは図示の如く方形板の両側長手外辺
部に複数個の係止孔９を形成する。係止孔９は図
示の如く集熱板の板体に直接打出し加工を施し、
支持部材２の係合部６が嵌挿して安定する大きさ
とする。

また、第６図に示す集熱板３ｂは他の例であつ
て、この場合は図示の如く係止孔９を別体の当板
１０に打出し形成し、この複数個の当板９を集熱
板３ｂに重合固着したものである。集熱板３ｂは
集熱作用のための特殊加工を施してあるから、前
者例のように集熱板３ａに直接打出し加工を施す
のは稍々面倒であるが、上記例の場合は当板１０
に係止孔９を形成するので打出し作業は容易にな
され、またこの当板１０は集熱板を補強する。

いま、複数個の支持部材を集熱板に係合してこ
れを保持するには、第３図に示す線材の支持部材
２ａと第５図に示す係止孔９を直接打出し形成し
た集熱板３ａについて説明すると、支持部材２ａ
を治具を用いてガラス管１内に挿入して後、支脚
部７，７′を拡げてガラス管１の内面に接触させ
係合突部６を対応する集熱板３ａの係止孔９に挿
入し、これを各支持部材について行い複数個所の
係合とガラス管への弾性接触とで集熱板３ａを保
持する。係合突部６は係止孔９に弾力的に接して
挿入されるので安定しており、また支脚部７，
７′はガラス管１の内面に弾性接触し、支持部材
２ａは集熱板３ａの外辺をガラス管１から所定寸
法隔離し、これを緩衝作用のもとに保持する。

他の帯状板の支持部材或は係止孔を設けた当板
固着の集熱板の場合、並びに線材の支持部材を含
めたこれらの適当な組合せ構成の場合も上記組立
て例と同様手段で同等効果のもとに容易に行われ
る。

以上説明したように、本考案は真空ガラス管式
太陽熱集熱管において、集熱板を支持する支持部
材は、ガラス管内面に接触する湾曲状の支脚部を
部材の長手方向両端に対称的に有し、且つ、該部
材の長手方向のほぼ中央をガラス管の中心方向に
一重に折り返して係合突部を形成してなり、上記
係合突部を集熱板に設けた係止孔に挿入して支持
部材を集熱板に固定したから、支持部材の製作が
簡単容易となり、安価に得られる効果がある。こ
れは、支持部材の長手方向のほぼ中央をガラス管
の中心方向に一重に折り返して係合突部を形成さ
せ、これを集熱板の係止孔に挿入する方式とした
ことによつて得られる効果であつて、支持部材に
集熱板を挾持する２股状部を形成する方式に比べ
て支持部材の折り曲げ加工回数の減少、使用材料
の必要長さの短縮化等が図れることからも明らか
である。

また、支持部材の係合突部を集熱板の係止孔に
挿入する方式としたことによつて、集熱板挾持用
２股状部を支持部材に形成する方式に比べて、集
熱板の集熱塗装を剥離損傷させることを軽減する
ことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例であつて第１図は一部切
欠正面図、第２図は第１図−線の拡大縦断面
図、第３図は支持部材の斜視図、第４図は他の例
の支持部材であつて、Ａ図は側面図、Ｂ図は平面
図、第５図及び第６図は集熱板の例を示しいずれ
もその斜視図である。 １……ガラス管、２，２ａ，２ｂ……支持部
材、３，３ａ，３ｂ……集熱板、６……係合突
部、７，７′……支脚部、９……係止孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 真空ガラス管式太陽熱集熱管において、集熱
   板を支持する支持部材は、ガラス管内面に接触
   する湾曲状の支脚部を部材の長手方向両端に対
   称的に有し、且つ、該部材の長手方向のほぼ中
   央をガラス管の中心方向に一重に折り返して係
   合突部を形成してなり、上記係合突部を集熱板
   に設けた係止孔に挿入して支持部材を集熱板に
   固定したことを特徴とする太陽熱集熱管。 (2) 支持部材は線材からなり、その中央の係合突
   部は線材をガラス管の長軸方向に沿つてコ字形
   に折り曲げてなり、且つ両端の支脚部が、上記
   コ字形の開口端から相反方向へ折曲延長されて
   いる実用新案登録請求の範囲第１項記載の太陽
   熱集熱管。 (3) 支持部材が帯状板からなり、その中央の係合
   突部は帯状板の長手方向中央部を長手方向と直
   交する方向へ扁平Ｕ字形に折曲重合してなる実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の太陽熱集熱
   管。 (4) 支持部材の係合突部を挿入する係止孔は、集
   熱板を直接打出し加工して形成してなる実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の太陽熱集熱管。 (5) 支持部材の係合突部を挿入する係止孔は、集
   熱板に固着した当板に打出し加工して形成して
   なる実用新案登録請求の範囲第１項記載の太陽
   熱集熱管。