JPH0389050A - 高負荷伝動用ベルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は高負荷伝動用ベルト、特に自動車を初めとする
車輌及び各種機械変速装置に使用する高負荷伝動用ベル
トに関するものである。

（従来技術） 従来、高負荷伝動ベルトの動力伝達方式は、通常圧縮伝
動と引っ張り伝動の２つに分類される。

そのうち、圧縮伝動タイプとしては無端の多層スチール
バンドに複数のブロック体を互いに接触させた状態で取
り付け、しかもこれらのブロック体をスライド可能にし
た構造であり、例えば米国特許第３，７２０，１１３号
明細書等に開示されている。この伝動方式は一般にブロ
ック体がバンドと固定された関係になく、バンド上を摺
動可能に配列せしめた構造を採用しており、駆動、従動
の両ブーりにかかったとき、ゆるみ側にブロック体が集
まり、駆動ブーりにかかったブロック体からゆるみ側に
集まっているブロック体を押して従動プーリを回すとい
うものである。

しかし、前記伝動方式を用いた従来のベルトは、複数の
ブロック体が互いに継合された関係になく、それぞれ個
別にバンド上を摺動可能に装着されているため、各ブロ
ックを正しくプーリに導入する場合にはブロック同志の
位置を規制し整列させる手段が必要であった。これを満
足しブロック体のセルフアライメント（自己整列）機能
を有するベルトは、特開昭５５−１００４４３号公報に
開示されているように、各ブロック体の表面に設けられ
た突起が相隣り合うブロック体の裏面に設けられたガイ
ド溝に収容することにより自己整列を行なっていた。

（発明が解決しようとする課題） しかし、前記ベルトがプーリに巻き付くと、相隣り合う
ブロック体がその進行方向に対して少し分離するように
傾斜するために、ブロック体に設けた突起とガイド溝と
の干渉は避けられず、やむおえず前記突起はガイド溝と
の間にクリアランスを有する状態でガイド溝に収容して
いた。そのため、相隣り合うブロック体はガタが生じて
正しく整列し難く、また突起の高さ、ガイド溝の深さも
厚さの薄いブロック体に制限されて十分な寸法がとれな
いから、隣り合うブロック体はその間隔が大きくなると
互いに外れて、整列できなくなる恐れがあった。

また、ブロック体を製作する場合においても、厚さの薄
いブロック体に小さな突起とその裏面にガイド溝を精度
よく形成することは、技術的に困難なだけでなく、経済
的にも不利であった。

本発明は上述のような諸問題に対処し、これを改善する
ものであり、特にブロック体の表面、裏面に夫々突起、
ガイド溝を設けずに他の手段によりブロック体のセルフ
アライメント機能を確実に付与してベルト走行時におけ
るブロック体と■プーリとの当接の際に発生する騒音を
低下させることを目的とし、また油溜り部を設けて各構
成部間及びブロック体と■プーリとの当接面間の潤滑機
能を付与してベルトの耐摩耗性を向上し、且つこの間の
きしみ音を防止することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため本発明においては、その特徴と
して請求項１及び請求項２の記載においては、複数個の
ブロック体のショルダ部を通じ無端状バンドを担架せし
めた高負荷伝動用ベルトにおいて、外部へ連通した開口
部を有するガイド穴をそのブロック体に設け、該ブロッ
ク体のガイド穴にエンドレス状になした弾性体のガイド
部材を設置したことを基本とし、左右どちらか一方に入
口をもったショルダ部を有するブロック体を無端状バン
ドに対し左右交互に取り付けた構造にすることも出来る
。

更に、請求項８及び請求項４の構成においては、ブロッ
ク体本体に、厚さが段付状に薄くなった薄肉部を有して
おり、相隣り合うブロック体が接触した場合には、薄肉
部によって空間状の油溜り部が形成される。そして、油
溝が、ブロック体のショルダ部と薄肉部との間に位置す
る領域にあって、ショルダ部から薄肉部へ連通するよう
に設けられている。

（作用） 上記のような構成の高負荷伝動用ベルトは、先ず請求項
１及び２記載のような構成では、円周方向に対して伸縮
、屈曲自在なエンドレス状の弾性体からなるガイド部材
が、ブロック体に設けた外部へと連通ずる開口部を有す
るガイド穴に設置されているため、ブロック体を常に正
確に整列させる。

しかも、前記ガイド部材は、ベルトがプーリに進入した
ときにあるいはプーリから離脱したときにも、ブロック
体をその進行方向に対して弾性的に容易に傾斜させ、ま
た弾性的に元の状態にもどし、ブロック体をプーリに対
して極めて柔軟に正しく係合させる。

また、変速運転中に発生する駆動プーリと従動プーリ間
のミスアライメントにより、ベルトが傾斜してプーリに
巻き掛かっても、ブロック体はガイド部材の存在によっ
て極めて柔軟に対応してプーリに傾斜状に片当すせず、
常に正しく巻き掛かるうとする。このために、ブロック
体がプーリに当接する際に発生する騒音も低減し、ブロ
ック体の偏摩耗がなくなってベルトの耐久性も向上する
。

更に、請求項３の構成では、厚さが段付状に薄くなった
薄肉部がブロック体本体に設けられているが、これはブ
ロック体がプーリ巻付く際に発生するブロック体同志の
下方（プーリの中心方向寄り）での干渉を阻止し、ベル
トの曲げを容易にする。

そして、請求項４の構成では、相隣り合うブロック体の
薄肉部によって形成された空間部が油溜り部となり、ま
たブロック体のショルダ部と薄肉部との間に位置する領
域に設けられた油溝がショルダ部から薄肉部へ連通して
いるために、油溜り部の油は遠心力によって油溝を通り
外方へ、また−部はブロック体がプーリ壁面に接する領
域へ移動して潤滑機能を発揮し、これによりベルトの耐
久性が計れると共に、構成部材間のきしみ音も軽減する
。

（実施例） 以下、更に本発明の実施例を添付図面に従って説明する
。

第１図は本発明に係る高負荷伝動用ベルトがプーリに係
合した状態の縦断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面図
、第３図は第１図のＢ−Ｂ断面図である。

ここで示される高負荷伝動用ベルト（１）は、複数個の
ブロック体（２）を無端状バンド（３）、例えば多層の
スチールバンドに対して摺動可能に配列することによっ
て構成されており、ここで使用される各ブロック体（２
）は、Ｖプーリ壁面（１０）に当接するテーパー面（７
）を有する本体（４）、はぼ中央部に位置するピラー（
５）、そして山形のヘッド（６）よりなっている。

上記ブロック体（２）は、上記ピラー（５）の左右にあ
って本体（４）の表面に無端状バンド（３）を掛ける一
対の矩形状のショルダ部（８）を有し、またヘッド（６
）にはガイド部材（１１）を受は入れるためのガイド穴
（１２）がある。このガイド穴（１２）はガイド部材（
１１）のコイル径よりやや大きく、外部へ連通する開口
部（１３）を有しているが、ガイド穴（１２）の人口は
設置したガイド部材（１１）をロックするために内部よ
りやや狭くなっている。

前記ガイド部材（１１）はエンドレス状の弾性体からな
り、本実施例ではエンドレス状になしたコイルスプリン
グであり、円形状に巻かれたコイルがエンドレスになっ
ている。このガイド部材（１１）は開口部（１３）から
押し込まれてガイド穴（１２）に収容されると、ガイド
穴の入口でロックされてブロック本体（２）から離脱し
なくなる。即ち、ガイド部材（１１）がガイド穴（１２
）に収容されるとき、ガイド部材（１１）はその長さが
やや拡張し、開口部（１３）においてコイル径が幾分圧
縮変形しつつガイド穴（１２）に設置するが、その後ガ
イド部材（１１）はコイル径を円形に回復させ、且つ幾
分ブロック体（２）を無端状バンド（３）に押し付けた
状態で拘束する。

これによって、各隣接するブロック体（２）は上下、左
右共に正しく整列し、たとえベルト走行中、プーリに巻
き付いて進行方向に傾斜しても柔軟に対応する。

尚、前記ガイド部材（１１）はガイド穴（１２）に取り
付ける時に、その長さを拡張して且つコイルを変形し、
取り付けた後にはコイルの断面が円形に回復させ、そし
て隣接するブロック同志を継合、整列させる機能があれ
ばよく、更に耐摩耗性を有し、相手ブロック体との摩擦
係数が小さければよい。

これらの条件を満足するものとして、ポリウレタンエラ
ストマーあるいはフッ素ゴム等の弾性体、組紐、絹布、
織布で作った円形断面を持つエンドレス状リングあるい
はチューブ等も使用可能である。

ところで、本実施例においては、ブロック体本体（４）
の下方にあって、一方の面において厚さが段付状に薄く
なった薄肉部（１４）が設けられている。

これは、ブロック体（２）がプーリに巻き付く際にその
進行方向に傾斜してブロック体同志の干渉を阻止して、
ベルトを曲げやすくするためである。

また、相隣り合うブロック体の薄肉部（１４）は、これ
によって形成された空間状の油溜り部（１５）を作って
いる。

本発明では、ブロック体本体（４）の下方にあえて薄肉
部（１４）を設けなくてもベルトを曲げることが出来る
。その理由は、ガイド部材（１１）が伸縮、屈曲自在で
あり、ブロック体（２）がプーリに巻付いたときにも進
行方向に対して容易に傾斜し、またプーリから離脱する
ときには弾性的に正位置にもどるためである。しかし、
ブロック体本体（４）に薄肉部（１４）を設けることが
好ましいことは言うまでもない。

また、ブロック体のショルダ部（８）と薄肉部（１４）
との間に位置する領域は、その表面にブロック体の幅方
向に沿って設けられた数条の油溝（１６）を有しており
、上記油溝（１６）は薄肉部（１４）からショルダ部（
８）へ連通している。このため、前記油溜り部（１５）
にたまった油は、油溝（１６）を通ってベルト駆動中に
大きな面圧を受ける無端状バンド（３）とショルダ部（
８）との界面、相隣り合うブロック体との当接面へと移
動するもの、あるいは油溜り部（１５）から直接ブロッ
ク体のテーパー面（７）へと移動するものがあり、これ
によってこれらの界面の潤滑は良好になる。

尚、前記油溝（１６）は表面に位置するだけでなく、内
部を貫通した溝条であってもよい。

更に、第４図は本発明の他の実施例を示す高負荷伝動用
ベルトがプーリに係合している状態を示す断面図、第５
図は第４図のＣ−Ｃ断面図、第６図及び第７図は第４図
に示すベルトに使用するブロック体の正面図、そして第
８図は第７図のＤ−Ｄ断面図である。

これらの図より明らかなように、高負荷伝動用ベルト（
１）は複数個のブロック体（２）を無端状バンド（３）
に対して摺動可能に配列し、コイルスプリングからなる
ガイド部材（１１）がブロック本体のヘッド（６）に設
けられた開口部（１３）を有するガイド穴（１２）に収
容されているため、基本的に前述のベルト構成と同様で
あるが、ただブロック体の形状に相違がある。

即ち、本実施例のベルトにおいて使用するブロック体（
２）は、１つの入口をもったショルダ部（８）を１つ有
し、１つもしくは複数の無端状バンド（３）に対し左右
交互に取り付けるような構造になり、ブロック体本体（
４）の下方には表面及び裏面において厚さが段付状に薄
くなった薄肉部（１４）を有している。そして、ブロッ
ク体のショルダ部（８）と薄肉部（１４）との間に位置
する領域は、表面及び裏面の両面にわたりブロック体の
幅方向に所定間隔で設けられた数条の油溝（１６）を有
しており、との油溝（１６）は薄肉部（１４）からショ
ルダ部（８）へと連通している。このために、相隣り合
うブロック体の薄肉部（１４）によって形成された空間
状の油溜り部（１５）に内在する油は、ブロック体がブ
ーりに巻き掛かつて回転する時の遠心力によって油溝（
１６）から外方へ、またその一部は油溜り部（１５）の
巾方向に沿ってプーリに当接する端面へ移行して潤滑機
能を発揮する。

（効果） 以上のように本発明の高負荷伝動用ベルトは、エンドレ
ス状の弾性体からなるガイド部材がブロック体に設けた
開口部を有するガイド溝部に収容されているため、ブロ
ック体を常に正確に整列させる。そして、ベルト変速時
に生じる駆動プーリと従動プーリのミスアライメントに
よるベルトの傾斜状態によるプーリへの巻きかかりに対
しても極めて柔軟に対応してブロック体をプーリに対し
て常に正しく係合させる。これによって、ブロック体が
プーリに当接する際に発生する騒音も軽減する。

また、ブロック本体に厚さが段付状に薄くなった薄肉部
が設けられ、それと共に油溝がショルダ部から薄肉部へ
と連通するようにショルダ部と薄肉部との間に位置する
領域に設けられているために、ブロック体がプーリに巻
き付く際に進行方向に傾斜しやすくなってブロック体同
志の干渉を阻止してベルトを曲げやすくし、また相隣り
合うブロック体の薄肉部によって形成された空間状の油
溜り部には、油が溜りやすくなり、この油が油溝を通っ
て分散して十分な潤滑効果を発揮してベルトの耐久性を
向上させ、またきしみ音も軽減させる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る高負荷伝動用ベルトがプーリに係
合している状態の縦断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ部
分断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ断面図、第４図は本
発明の他の実施例を示す高負荷伝動用ベルトがプーリに
係合している状態を示す縦断面図、第５図は第４図のＣ
−Ｃ部分断面図、第６図及び第７図は第４図に示すベル
トに使用するブロック体の正面図、そして第８図は第７
図のＤ−Ｄ断面図である。 （２）・　・ブロック体 （４）・・・本体 （６）・・・ヘッド （１１）・・・ガイド部材 （１３）・・・開口部 （１５）・　・油溜り部 ・無端状バンド ・ピラー ・ショルダ部 ・ガイド穴 ・・薄肉部 ・・油溝 （３）・ （５）・ （８）・ （１２）・ （１４）・ （１６）・

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、複数個のブロック体のシヨルダ部を通じ無端状バン
   ドを担架せしめた高負荷伝動用ベルトにおいて、外部へ
   連通した開口部をもったガイド穴をブロック体に設け、
   該ガイド穴にエンドレス状の弾性体からなるガイド部材
   を設置したことを特徴とする高負荷伝動用ベルト。 ２、左右どちらか一方に入口をもったシヨルダ部を有す
   るブロック体を、無端状バンドに対して左右交互に取り
   付けた構造になっている請求項１記載の高負荷伝動用ベ
   ルト。 ３、厚さが段付状に薄くなった薄肉部が、ブロック体本
   体に設けられている請求項１又は２記載の高負荷伝動用
   ベルト。 ４、厚さが段付状に薄くなった薄肉部がブロック体本体
   に設けられ、油溝がブロック本体のシヨルダ部と薄肉部
   との間に位置する領域にあってシヨルダ部から薄肉部へ
   連通している請求項１又は２記載の高負荷伝動用ベルト
   。