JPH0386514A

JPH0386514A - 易裂性フィルム及びその製造方法

Info

Publication number: JPH0386514A
Application number: JP1225000A
Authority: JP
Inventors: Eiji Maemura; 前村　英治; Yuichi Oki; 大木　佑一
Original assignee: Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Current assignee: Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date: 1989-08-30
Filing date: 1989-08-30
Publication date: 1991-04-11
Also published as: JPH0581423B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、引裂きが容易な易裂性フィルム及びその製造
方法に関し、例えば食品、薬品等の包装袋のシール基材
フィルムとして使用することができる。

［背景技術］近年、食品、薬品等の包装袋のラミネート用シ−ル基材
（シーラント）フィルムとして、直鎮状低密度ポリエチ
レン（Ｌ−ＬＤＰＥ）フィルムが多用されている。この
Ｌ−ＬＤＰＥフィルムは、機械的強度、シール強度及び
シール性能に優れているため、包装内容物の保護が充分
図られる。また、このＬ−ＬＤＰＲフィルムとしては、
１〜ブテンをコモノマーとして含むＬ−ＬＤＰＥフィル
ム、■−ブテン以外のモノマー（例えば、炭素数６の４
−メチル−１〜ペンテン、炭素数８の１〜オクテン）を
コモノマーとして含むＬ−ＬＤＰＥフィルム等もシール
基材フィルムとして使用されている。

一方、近年の包装袋には、鋏や包丁などの開封手段を用
いないでも、手で容易に開封できる易裂性を有すること
が要求されるようになってきている。包装袋にこの易裂
性を付与するには、袋の開封部分に■カットのような切
込みを設けることのほか、シール基材フィルム自体に易
裂性を持たせることが必要になる。

［発明が解決しようとする課題］上述したＬ−ＬＤＰＥフィルムによれば、袋に切込みが
設けられていても、手による引裂きが困難であり、無理
して引裂こうとすると引裂きラインが直線状にならず、
見栄えが悪かった。従って、きれいに開封するには、鋏
や包丁を使用せざるを得ない。

また、ｌ−ブテンをコモノマーとして含むＬ−ＬＤＰＥ
フィルムによれば、引裂き性は多少有しているが、依然
として満足すべきものではない。

具体的には、引裂き抵抗が大きいため、手による袋の開
封が容易ではない、また、引裂きラインがぎざぎざとな
るため、開封後の見栄えが悪い。

ｌ−ブテン以外のモノマーをコモノマーとして含むＬ−
ＬＤＰＥフィルムによ２れば、押出し時の引落とし比を
大きくしても、良好な引裂き性が得られない、具体的に
は、ラミネート用のシール基材フィルムとして使用した
場合、袋に切込みが設けられていても、手で引裂き開封
することが困難である。無理に引き裂こうとすると、内
容物が破損したり、外に飛散したりすることがある。

本発明は、易裂性に優れ、かつヒートシール性にも優れ
た易裂性フィルム及びその製造方法を提供することを目
的とする。

［！ｌｌＢを解決するための手段及び作用］本発明に係
る易裂性フィルムは、１〜ブテンを１〜ｌＯモル％含有
する直鎖状低密度ポリエチレン（Ｌ−ＬＤＰＲ）より戒
るフィルムであって、このフィルムの赤外２色比Ｄ　ｑ
ｔｓｃ＊−’　（Ａ↓／　Ａｓ）が１．０７以上、好ま
しくは１．３以上であることを特徴とする。

但し、Ａ↓は、フィルムの引取り方向又は延伸方向と赤
外偏向方向とが垂直のときの吸光度、Ａ〃は、フィルム
の引取り方向又は延伸方向と赤外偏向方向とが平行のと
きの吸光度である。なお、この吸光度測定の際、延伸フ
ィルムの場合、延伸方向とするが、延伸フィルム以外の
場合、引取り方向とする。

１〜ブテンの含有率が１モル％未満のときにはＨＤＰＲ
（高密度ポリエチレン）に近くなり、Ｌ−ＬＤＰＨの持
つシール性能とフィルム物性が損なわれる。また、１０
モル％を越える場合には結晶化度が低くなりすぎて、フ
ィルムとして実用上使用できない。

コモノマーとしてＬ−ＬＤＰＥに含有されるものは、炭
素数４の１〜ブテンであり、１〜ブテン以外の炭素数６
又は８のモノマーが含有されている場合には、良好な引
裂き性が得られなくなる。

波数７２０ｃ−引での赤外２色比りを１．０７以上とす
るのは、１．０７未満とすると多少引裂き性が発現する
が、充分ではないからである。

この易裂性フィルムの製造方法は、１〜ブテンを１〜１
０モル％含有する直鎖状低密度ポリエチレン（ＭＩ０．
１〜３０ｇ／１０分、密度０．９００〜０．９５０ｇ／
ｃｊ）を１６０〜２８０℃の溶融樹脂とし、この溶融樹
脂を０．４〜２．０ｍのリップ開度を有するＴダイより
、引落とし比２０〜２００１好ましくは２５〜８０で押
出してフィルムを底形した後、このフィルムを３０〜ｌ
Ｏ０℃のロールに接触させて冷却することを特徴とする
。

直鎖状低密度ポリエチレンのＭｌが０．１ｇ／１０分よ
り小さいときは、溶融粘度が高くなりすぎるため、溶融
押出しが困難になる。また、３０ｇ／１０分を越えると
きは、分子量が低くなりすぎるため、底形されたフィル
ムの物性が劣る。

直鎖状低密度ポリエチレンの密度が０．９００ｇ／ｄよ
り小さいときは、結晶化度が低くなりすぎるため、一般
に製造されていない。また、０゜９５０ｇ／ｃ−より大
きいときは、結晶化度が高くなりすぎて、直鎖状低密度
ポリエチレンとしての特性が得られな（なる。

Ｔダイのリップ開度が０．４−未満のときは、グイ出口
での剪断速度が大きくなりすぎるため、押出された溶融
樹脂の表面に肌荒れが生じる。また、２．０閣を越える
ときは、フィルムの厚さ調整が困難になる。

溶融樹脂の温度が１６０℃より低い場合には、溶融むら
が発生して、フィルムの表面に肌荒れが生しる。また、
２８０℃を越える場合には、押出された溶融樹脂の表面
が酸化して、フィルムのヒートシール性能が低下する。

引落とし比（ドローダウン比）が２０未満の場合には、
充分な易裂性が得られない。また、２００を越える場合
には、成膜性が悪くなり、押出し成形特にフィルムが切
れ易くなる。この引落とし比は、フィルムの引取速度を
調整することにより変えることができる。

また、この易裂性フィルムの他の製造方法は、１〜ブテ
ンを１〜１０モル％含有する直鎖状低密度ポリエチレン
（ＭＩ０．１〜３０ｇ／１０分、密度０．９００〜０．
９５０ｇ／ｄ）を溶融樹脂とし、この溶融樹脂をＴダイ
より押出してフィルムを底形した後、このフィルムを１
軸延伸することを特徴とする。

フィルムを１軸延伸する際の条件として、予熱ロール温
度は７０〜１００”Ｃ，加熱ロール温度は７０〜１００
℃、延伸ロール温度は７０〜１００℃、アニーリングロ
ール温度は７０〜１００　’Ｃとするのが好ましい。

延伸温度が７０　’Ｃ未満の場合には加熱不足で延伸が
不均一となり、また１００℃を越える場合にはフィルム
がロールにくっついて、延伸が不可能になる。

［実施例］１五監土二上１〜ブテンを３．５モル％含有する直鎖状低密度ポリエ
チレン（Ｍ　Ｉ　２．　０　ｇ／１０分、密度０゜９２
０ｇ／ｃりである出光モアチック０２３４ＣＬ（商品名
）を押出機中で２２０　”Ｃの溶融樹脂とし、この溶融
樹脂を１，５ｍのリップ開度を有するＴダイより、引落
とし比２０．０〜７０．４で押出してフィルムを底形し
た。引き続き、このフィルムを６０℃のロールに接触さ
せて冷却することにより実施例１〜５に係るフィルムを
製造した。

製造された各実施例のフィルムについて、赤外２色比、
フィルムの引取り方向の引裂き強度、手による引裂き易
さ、引裂き部の外観及びヒートシール強度を測定、評価
した結果を下記の表−１に示す、なお、表中のＭＤ力方
向、引取り方向又は延伸方向を意味する。

赤外２色比は、日本分光工業■製のＦＴ［Ｒ７０００型
を使用して、７２０ｃ＋＊−’での赤外２色比を測定し
た。

フィルムの引取り方向（及び延伸方向）の引裂き強度は
、ＪＩＳ　　２１７０２に準じてエレメンドルフ引裂き
強度を測定した。

シール強度は、ＯＮｙフィルム（厚さ１５μｍ）と各実
施例のＬ−ＬＤＰＲフィルム（厚さ４０μｍ）とを接着
剤によりドライラミネートしたフィルムを、シール圧力
２　ｋｇ　／　ｄ　、シール時間１秒の条件で製袋した
袋について引っ張り強度を測定した。なお、このＯＮｙ
フィルムは、２軸延伸ナイロンフイルムである出光ユニ
ロンＧ−１００（商品名）である、また、接着剤は、東
洋モートン−製の２液型接着剤ＣＡＤ−３０８Ａ、ＡＤ
３０８Ｂ　（商品名）〕を使用した。

表の手による引裂き易さ及び引裂き部の外観の評価で、
○は良好、△はやや良好、×は不良をそれぞれ示す。

ｉＬ例」−二１〜直鎖状低密度ポリエチレンとして、上記実施例の１〜ブ
テンを含有するＬ−ＬＤＰＥ　（上記出光モアチック０
２３４ＣＬ（商品名）及び他社の製品）、炭素数６の４
−メチル−１〜ペンテンを含有するＬ−ＬＤＰＥ　（三
井石化つルトゼックス２０２ＯＬ　（商品名）、ＭＩ２
，１、密度０．９２０〕及び炭素数８の１〜オクテンを
含有するＬ−ＬＤＰＥ　［出光モアチック０２３８ＣＬ
（商品名）、ＭＩ２．０、密度０．９２０］の３１１を
使用して、上記実施例と同様の条件で各比較例に係るフ
ィルムを製造した。なお、比較例１．２のＬＬＤＰＥは
、出光モアチック０２３４ＣＬ、比較例３のＬ−ＬＤＰ
Ｅは、他社の製品である。

これらの各比較例のフィルムについても、赤外２色比、
フィルムの引取り方向の引裂き強度、手による引裂き易
さ、引裂き部の外観及びシール強度を測定、評価した結
果を下記の表−１に併せて示す。

この表−１より、実施例１〜５に係る各フィルムは、ｌ
−ブテンを３．５モル％含有するＬ−ＬＤＰＥ製フィル
ムであり、かつ７２０ｃｍ−’での赤外２色比が１．０
７以上であるため、フィルムの引取り方向の引裂き強度
が小さく、これにより手で容易に引裂くことができる。

また、引裂き部の外観が良く、シール強度も充分である
ことがわかる。

従って、易裂性が優れているため、ラミネート用シール
基材フィルムとして袋を製造した場合には、手による袋
の引裂き開封が容易であり、かつその引裂きラインが直
線状になる。また、ヒートシール性が優れているため、
包装内容物の保護機能が良好である。

これに対して、比較例１〜３に係る各フィルムは、ｌ−
ブテンを含有するＬ−ＬＤＰＥを使用しているが、赤外
２色比が１．０７未満であるから、手による引裂き易さ
及び引裂き部の外観の少なくとも１つが不良であること
がわかる。

また、比較例４〜７によれば、赤外２色比は、１．０７
以上であるが、コモノマーとして含有されているものが
ｌ−ブテン以外の４−メチル−１＝ペンテン又はｌ−オ
クチンであるため、手による引裂き易さ及び引裂き部の
外観が共に不良であることがわかる。

６〜１０１〜ブテンを３．５モル％含有する直鎖状低密度ポリエ
チレン（Ｍ　＋　２．　０　ｇ／１０分、密度０゜９２
０ｇ／ｃｍ２）である出光モアチック０２３．ＩｃＬ（
商品名）を押出機中で２２０℃の溶融樹脂とし、この溶
融樹脂を１．５ｍのリップ開度を有するＴダイより、ド
ラフト比１５で押出してフィルムを底形した後、このフ
ィルムを６０℃のロールに接触させて冷却した。

次に、このフィルムを■日本製鋼新製の熱ロール式延伸
機を使用して１軸延伸を行った。この延伸の際の条件は
次の通りである。

予熱ロール温度・・・・・・７５℃ 加熱ロール温度・・・・・・８０　’Ｃ延伸ロール温度
・・・・・・８０℃ アニーリングロール温度・・・８０℃ 人ロライン速度・・・・・・１０ｍ；／分出ロライン速
度・・・・・・１０〜４０ｍ／分延伸倍率・・・・・・
１．２〜４．０製造された各実施例のフィルムについて、赤外２色比、
フィルムの延伸方向の引裂き強度、手による引裂き易さ
、引裂き部の外観及びシール強度を測定、評価した結果
を下記の表−２に示す。

赤外２色比、フィルムの延伸方向の引裂き強度及びシー
ル強度の測定方法は、上記実施例１〜５の場合と同様で
ある。

８〜１６直鎖状低密度ポリエチレンとして、上記比較例１〜５で
使用した３種のＬ−ＬＤＰＥを使用し、上記実施例６〜
ｌＯと同様の条件で各比較例に係るフィルムを製造した
。なお、比較例８，９のＬＬＤＰＥは、出光モアチック
０２３４ＣＬ、比較例１０のＬ−ＬＤＰＥは、他社の製
品である。

これらの各比較例のフィルムについても、赤外２色比、
フィルムの延伸方向の引裂き強度、手による引裂き易さ
、引裂き部の外観及びシール強度を測定、評価した結果
を下記の表−２に併せて示す。

／ごの表−２より、実施例６〜ＩＯに係る各フィルムは、
ｌ−ブテンを３．５モル％含有するＬ−ＬｏＰｅｇフィ
ルムであり、かつ７２０ｃｍ−’での赤外２色比が１．
０７以上であるため、フィルムの延伸方向の引裂き強度
が小さく、これにより手−ご容易に引裂くことができる
。また、引裂き部の外観が良く、シール強度も充分であ
ることがわかる。従って、易裂性が優れているため、ラ
ミネート用ソール基材フィルムとして袋を製造した場合
には、手による袋の引裂き開封が容易であり、か一つそ
の引裂きラインが直線状となる。また、ヒートシール性
が優れているため、包装内容物の保護機能が良好である
。

これに対して、比較例８〜ＩＯに係る各フィルムは、！
−ブテンを含有するＬ−ＬＤＰＥを使用しているが、赤
外２色比が１．０７未満であるから、手による引裂き易
さ及び引裂き部の外観の少なくとも１つが不良Ｃあるこ
とがわかる。

また、比較例！ｌ−１６によれば、赤外２色比は、１．
０７以上であるが、コモノマーとして含有されているも
のが１〜ブテン以外の４−メチル−１〜ペンテン又は１
〜オクテンであるため、手による引裂き易さ及び引裂き
部の外観が共に不良であることがわかる。

［発明の効果］本発明によれば、易裂性に優れ、かつヒートシール性に
も優れた易裂性フィルムが得られる。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）１−ブテンを１〜１０モル％含有する直鎖状低密
度ポリエチレンより成るフィルムであって、このフィル
ムの赤外２色比Ｄ＿７＿２＿０＿ｃ＿ｍ＾−＾１（Ａ＿
⊥／Ａ＿〃）が１．０７以上であることを特徴とする易
裂性フィルム（但し、Ａ＿⊥は、フィルムの引取り方向
又は延伸方向と赤外偏向方向とが垂直のときの吸光度、
Ａ＿〃は、フィルムの引取り方向又は延伸方向と赤外偏
向方向とが平行のときの吸光度である）。
（２）１−ブテンを１〜１０モル％含有する直鎖状低密
度ポリエチレン（ＭＩ０．１〜３０ｇ／１０分、密度０
．９００〜０．９５０ｇ／ｃｍ＾２）を１６０〜２８０
℃の溶融樹脂とし、この溶融樹脂を０．４〜２．０ｍｍ
のリップ開度を有するＴダイより、引落とし比２０〜２
００で押出してフィルムを成形した後、このフィルムを
３０〜１００℃のロールに接触させて冷却することを特
徴とする第１請求項記載の易裂性フィルムの製造方法。
（３）１−ブテンを１〜１０モル％含有する直鎖状低密
度ポリエチレン（ＭＩ０．１〜３０ｇ／１０分、密度０
．９００〜０．９５０ｇ／ｃｍ＾２）を溶融樹脂とし、
この溶融樹脂をＴダイより押出してフィルムを成形した
後、このフィルムを１軸延伸することを特徴とする第１
請求項記載の易裂性フィルムの製造方法。