JPH03841B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野） 本発明は豚体表面の局部位に適用するための豚
外部寄生体防除組成物に関する。 （従来の技術および発明が解決しようとする課
題） 外部寄生体侵入に対する豚の処置はこれまで一
般に農薬調合品を使用する全身噴霧又は浸漬によ
つていた。これらの方法は動物から調合品の大量
の流出があるので、この農薬の著しい浪費を生ず
る。更に、侵入の抑制を得るにはこの調合品を動
物の体表面に完全に覆うことが必要であると一般
に思われている（例えばI.R.Harrison「The
ontrol of Animal Ectoparasites with
Particular Reference to the Use of Amitraz」
第１回パン−ヘレニツクベテリナリーコンフアレ
ンス（1978）第６頁参照）。 課題を解決するための手段 豚の外部寄生体侵入が豚の体表面の局部区域に
適用された油をベースとした調合品の使用により
抑制できることが見出された。 従つて、本発明は豚の体表面の局部区域へ適用
するための脂肪族炭化水素油と混合した農薬を含
む、豚の外部寄生体侵入防除組成物を供する。 この組成物は油状であるので、流出は減少して
農薬の浪費は少なくなる。更に、豚は取扱いが難
しいので、本発明の方法は従来の噴霧及び浸漬の
方法より更に好都合でありかつ適用するのがより
容易である。本発明の方法を使用しても、英国特
許第1488906号明細書に子牛で報告されたような
毒性の徴候は何ら認められなかつた。 本発明の組成物は豚にしらみ又はかいせんの侵
入を処置するために特に適している。 本発明に使用した組成物中の農薬は好ましくは
0.01から5.0重量％、更に好ましくは0.25から1.0
重量％の量で存在する。 好ましくは、この農薬は非浸透性農薬、即ちこ
の農薬が有効であるために組織及び血流内へ動物
の皮膚の透過が必要でないものである。これは消
費しようとする動物の組織の汚染を阻止する。本
発明の組成物は、皮膚を透過しかつ他の化合物に
よる皮膚の透過を助けることが知られている芳香
族化合物、乳化剤等の化合物を通常含有しない。 本発明で使用に好適な農薬は有機塩素化合物、
例えばリンデン及びジエルドリン、有機リン酸
塩、例えばジアジノン、クマホス及びマラチオ
ン、ピレスロイド、例えばデルタメスリン、シペ
ルメスリン、ペルメスリン、フエンバリレート、
シハロスリン、フルメスリン及びBaythroid（商
標）及びホルムアミジン、例えばアミトラジを含
む。アミトラジは特に好適な農薬でありそしてＮ
−メチル−ビス（２，４−ジキシリルイミノメチ
ル）−アミンである。 本発明に使用する組成物は外に顔料又は染料を
含んでもよい。顔料又は染料を存在させる利点は
即ち群中でどの動物が処理されたかを見るためで
ありかつこの組成物が動物の皮膚上にいかに保持
されているかを見るためである。 脂肪族炭化水素油は任意の適当な液体脂肪族炭
化水素、例えば液体パラフイン又は他のパラフイ
ン油でよい。比較的狭い留分の、主としてパラフ
イン系高精製直留石油であるエツソベース油
45581が使用するのに非常に好都合な油である。
油中の農薬の農度はこの農薬の活性に応じて異な
る。前記のように、0.01から５重量％の濃度が好
適であり、そしてアミトラジ、リンデン、ジアジ
ノン又はピレスロイドに対する濃度の一般的範囲
は0.1〜2.5％の範囲内にある。 この組成物は調製使用することが容易である。
任意の適当な混合（例えば、溶解、微粒化及び分
散等）技術によりこれらを作ることができる。例
えばバケツ又はスプーンを用いて、又は好都合に
は、更に巧妙なアプリケータで動物及びその患部
の上に単に注ぐことにより組成物を適用できる。 デルタメスリンは（ｓ）−α−シアノ−３−フ
エノキシベンジル（＋）−シス−３−（２，２−ジ
ブロモビニル）−２，２−ジメチルシクロプロパ
ン−１−カルボキシレートである。 本発明をここで下記の非限定例に関して、例と
して、説明する。 例 １ 成分を共に混合することにより、第表に定義
するような組成物を製造した。 リンデン、ジアジノン及びアミトラジの場合に
は、種々の成分をエツソベース油45581に単に溶
解した。アミトラジの場合には、貯蔵中劣化を避
けるために化学安定剤としてプロピレンオキシド
を加えた。 デルタメスリンを含有する二つの組成物は溶解
を助けるため少量の芳香族溶媒を含有した。デル
タメスリンでは、この芳香族溶媒をベース油に
加えてこのデルタメスリンが溶液に溶解すること
を確保し、そして同一のことをデルタメスリン
に適用した。この芳香族溶媒（キシレン）は皮膚
を透過することで公知である。デルタメスリン
の場合には、このデルタメスリンは固体形であ
り、そして非常に微細に粉砕して水にコロイド状
懸濁液を生成した。次にこのコロイド状デルタメ
スリンを含有する水を、乳化剤としてスパン85を
使用して、脂肪族ベース油で乳濁液に形成し、そ
して第表に示さない、組成物の残りは水であ
る。 脂肪オレンジはＲ型8073としてヘキスト社から
市販の油溶性染料である：芳香族溶媒はソルペツ
ソ200（商品名）としてエツソケミカル社から市販
のものである。 この組成物の有効性をサルコプテススカピエイ
（sarcoptes scabiei）（豚かいせん）の軽度の侵
入で試験すると有効であることが判明した。 例 ２ 次に第表の組成物を80匹の雌豚群に豚かいせ
んの極めて重度の侵入で試験した。 予め浸漬タンクで３回全部の群を浸漬した。製
造者の教示により浸漬流体にまで製造したリンデ
ン（即ち、γ−ベンゼンヘキサクロリド又はヘキ
サクロロシクロヘキサンとして公知の有機塩素化
合物）粉末で最初に浸漬を行なつた。10日後販売
者の教示により製造したジアジノン及びロテノン
浸漬ウオツシユを使用してこの工程を繰返した。
（ジアジノンは0.0−ジエチルｏ−２−イソプロピ
ル−６−メチルピリミジン−４−イルホスホロチ
オエートとして公知の有機リン酸塩でありかつロ
テノンはデリス根抽出物である）。10日後このジ
アジノンとロテノンでの浸漬を繰返すが、改良は
見られなかつた。第表による組成物を試験した
のはこの段階であつた。 約10週の年令の、殆ど影響を受けない離乳体の
６群を選択した。屋根付及び開放の飼育場を有す
るコンクリート囲いにすべての群を収容し、市販
の育成飼料を供給し、乳首で給水しそして大体同
一の重量のものであつた。すべての群は離乳時に
大きさ別に選択された子豚からなつた。ベース脂
肪族油のみを含有する対照を含む。第表の７の
調合品を製造した。顕微鏡下液体パラフイン中で
検査した。耳道から取出した老廃物と共に、顔、
側方首、背及び尾の根から取出した皮膚小片から
浸入の程度を測定する初期試験の後（極めて高い
ことが判明した）、背から下に縞にかつ耳の後に
頭部を越えてプラスチツク使い捨注射器によりこ
の調合品を適用することにより５mg／Kgの割合で
豚を個々に処理した。 ７日後にかき取り小片の同一検査後にこの工程
を繰返した。しかしながら、対照群の場合には、
小豚の死を含む損傷があり、このため2.5mg／Kg
の投与量のデルタメスリンで処置を行なつた。 ７日後、かき取り小片を前のように調べたが、
噴霧ガンノズルヘツドを有する投与ガンを使用し
て、再び2.5mg／Kgの投与量率で、対照群のみを
処置した。 １週間未処置豚の比較試料からかき取り小片と
共に、更に小片を取り出しそして約２週間後に更
に一連のかき取り小片を集めそして検査の独立機
関に委託した。

【表】

【表】 アミトラジ、デルタメスリン及びデルタメス
リンで１回の処置はすべての段階の寄生体を排
除し、そしてデルタメスリンで２回の処置は対
照群から生きた寄生体を排除した。 ジアジノンで１回の処置後に、侵入は減じそし
て死体は２回処置後に見られる。 リンデンは順次に２回の処置後軽いレベルに侵
入を減ずることが判明した。 １回処置後21日及２回処置後（対照群を除く）
14日で取出したかき取り小片はこれらの処置群の
何れでも寄生体を示さなかつた。対照を含むすべ
ての試験群はプルリテイス（Pruritis）及びスカ
ーフイネス（scurfiness）を含まなかつた。しか
しながら、対照、リンデン及びジアジノ群はアミ
トラジ及びデルタメスリン群と同一の成長を示
さず、後者はこの段階でより大きく、より丈夫で
あり、かつより滑らかな皮膚を有した。 最後の処置後23日で対照群を再び調べた。これ
らの成長は他のものと比較して発育阻止し、そし
て僅かのプルリテイスがこの群に存在した。 デルタメスリンの２回適用は対照群から寄生
体を除去したようであつたが、生きた寄生体又は
生育可能な卵が残つて確実に侵入を続けたに違い
ない。 皮膚への侵透は本発明の組成物で起こらなかつ
た。前記のことから本発明は豚かいせんの処置に
対して多くの有効な調合品を供することが判りそ
してこれが非浸透方式で作用する利点を有する。 例 ３ エツソベース油45581にアミトラジを溶解する
ことにより二つの組成物を製造した。アミトラジ
の濃度重量はそれぞれ0.5％と1.0％であつた。 前額部から尾基部へトツプラインの中心部を下
方へ注射器で組成物を適用することによつて組成
物の一つでサルコプテススカビエイに感染した３
月年令の豚の３群を処置した。１回及び２回処置
の間に９日の間隔がありそして２回及び３回処置
の間に８日の間隔があつた。 処置方式は下記の通りであつた。

【表】 最終検査で取り出したかき取り小片に生きたダ
ニは見られなかつた。１回処置は２回処置より侵
入を取り除くためより長く要した。同様に２回処
置は３回処置より侵入を取り除くためより長く要
した。 雌スプレーグ−ドーリー（sprague−Dawley）
ラツトに１％混合物の急性皮膚LD₅₀及び急性口
腔LD₅₀は10ml／Kgより大きかつた。 比較例 この実験は、アミトラジ／液体パラフイン単独
とアミトラジ／混合溶媒系とを比較するものであ
る。 (イ) 処 方 アミトラジ１％／エツソベース油45581アミト
ラジ１％／混合溶媒（DMSO） (ロ) 動 物 同年令と均等の体重の雌豚２匹を30匹の豚が入
つている小屋から選択した。 (ハ) 方 法 雌豚を臨床的に検査し、秤量した。 (ニ) 処 理 秤量した後、頭から尻尾の先端にかけて豚の背
中に沿つて、プラスチツク放出シリンジにより計
算量を適用して、溶媒系または一定の製品10mg／
Kgで処理した。２匹の豚は処理した後すぐに、別
のきれいな小屋に入れ、飼料と水を自由に与え、
観察した。 (ホ) 知見および結果 溶媒系で処理した豚は即時充血を示し、刺激は
尻尾を頻繁に振ること、こすり合わすこと、後ろ
足で引す掻くことおよび頭を背中に廻すことなど
から明らかである。これは13分間続き、その後雌
豚は普通に食べ、飲みそして排便、排尿した。 所定の製品で処理し雌豚はどんな反応も示さな
かつた。観察は元の小屋に戻すまで続けた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 脂肪族炭化水素油にピレスロイド又はホルム
   アミジンを0.01〜5.0重量％混合含有することを
   特徴とする、豚体表面の局部位に適用するための
   豚の外部寄生体侵入防除組成物。 ２ ピレスロイドはデルタメスリン、シペルメス
   リン、ペルメスリン、フエンバリレート、シハロ
   スリン、フルメスリン又はベイスロイドである、
   請求項１記載の組成物。 ３ 脂肪族炭化水素は液体パラフイン又はベース
   油である、請求項１記載の組成物。