JPH0379085B2 - - Google Patents
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- JPH0379085B2 JPH0379085B2 JP60062637A JP6263785A JPH0379085B2 JP H0379085 B2 JPH0379085 B2 JP H0379085B2 JP 60062637 A JP60062637 A JP 60062637A JP 6263785 A JP6263785 A JP 6263785A JP H0379085 B2 JPH0379085 B2 JP H0379085B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B27/00—Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use
- B21B27/02—Shape or construction of rolls
- B21B27/03—Sleeved rolls
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Geometry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
- Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、鉄鋼線材及び棒材等の圧延用リング
ロールに関する。 (従来の技術) 鉄鋼圧延用ロールにおいて特に仕上圧延機用ロ
ールとしては、圧延材と接する部分(使用層)に
耐摩耗性が要求される点から、使用層である外層
と、強靭材で形成された軸芯部とが溶着一体化さ
れた複合ロールが使用されている。複合ロール
は、主として遠心力鋳造法で鋳造段階で複合一体
化される。 一方、線材圧延機には、最近は殆ど超硬焼結リ
ングロールが用いられ、例えば、ブロツクミルで
は第6図の如き超硬材(WC粉末とCoが主体)に
より形成されたリングロールが使用されている。
また、該リングロールは、軸に機械的に固着して
組立ロールとして使用される。 (発明が解決しようとする問題点) 超硬リングロールを軸嵌して組立ロールとして
使用する場合、リング全体が超硬材であり経済的
でないばかりか、複雑な組立構造とする必要があ
る。すなわち、リングロールを軸に組立て固着す
る場合、固定リング、スペーサーリング等を用い
て軸に強固に固定する必要があり、又鋼系の軸と
超硬リング材の熱膨張係数の大きい差を緩和する
必要があるからである。その結果、斯かる組立ロ
ールはコストが非常に高くなる。 そこで、高価な材料を圧延使用層である外層に
用い、内層は安価な強靭材とした複合リングロー
ルが要望されている。斯かる複合リングロールの
製造法として遠心力鋳造による方法がある。しか
し、この場合、高合金材の外層に内層を鋳造した
ときに、外層内面が溶解されて高合金成分が内層
に混入し、内層の強靭性を劣化させると共に、外
層の高合金材の歩留を悪化させる欠点がある。 本発明は叙上の問題に鑑みなされたものであつ
て、その目的は、超硬リングロールよりやや圧延
性能が劣るが、低コストであつて、しかも外層か
ら内層への成分の移行が可及的に抑止された強靭
な内層を有する複合リングロールを提供すること
を目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 前記目的を達成するために次の手段を講じた。
すなわち、複合リングロールの外層を、化学組成
が重量%で C:1.0〜2.8% Cr:2〜10% Si:0.2〜2.0% Mo:3〜15% Mn:1.5%以下 V:0.1〜3% 残部実質的にFeからなる高合金鋼材で形成し、
内層を靭性に優れた鋼材で形成し、両者を熱間静
水圧加圧により拡散接合した。 (作 用) 叙上の手段によれば、外層を形成する高合金鋼
材は耐摩耗性に優れるので、圧延使用層に好適で
あり、また前記外層と靭性に優れた鋼材で形成さ
れた鋼材とを、熱間静水圧加圧により拡散接合し
たから、外層から内層へ高合金成分の移行を可及
的に抑止することができ、内層の強靭性を劣化さ
せることがない。 (実施例) 次に図面を参照して本発明の複合リングロール
について詳述する。 第1図は本発明に係る複合リングロールの構造
を示す断面図である。 複合リングロール1は、耐摩耗性に優れた高合
金鋼材で遠心力鋳造若しくは置注鋳造により形成
された外層2と、靭性に優れた鋼材で形成された
内層3とが熱間静水圧加圧(以下、HIPという。)
により拡散接合されて一体化されている。 斯かる複合リングロール1は、第2図1,2の
如く、高合金鋼材で形成された外層素材リング
2′と強靭性のある鋼材で形成された内層素材リ
ング3′とを適宜寸法に加工した後、両者を嵌合
しHIP処理により拡散接合して得られた複合素材
を所望の形状に加工して製作される。 この場合、外層素材リング2′の外径D1′は、第
1図の製品外径D1より加工代部分だけ大きくし、
又その内径D2は、製品の外層2と内層3との境
界の直径D2と同じとする。一方、内層素材リン
グ3′の外径はD2とし、その内径はD3′は、内面
の加工代部分だけ製品内径D3より小さくするの
は当然である。又素材リングの幅も製品幅より加
工代分を見込んで大きくする。このようにして得
られた外層素材リング2′と内層素材リング3′と
をHIP処理により拡散接合する。その結果、外層
から内層へCrの混入が可及的に抑止され、かつ
両者が強固に結合一体化された複合素材が得られ
る。 外層を形成する高合金鋼材の化学組成は、下記
の理由から限定される。以下、単位は重量%であ
り、残部はFe及び不可避的に混入する不純物で
ある。 C:1.0〜2.8% Cは複合炭化物を形成しロール材として要求さ
れる硬度、耐摩耗性などを向上させる。1.0%未
満では塊状セメンタイトが不足して十分な硬度が
得られない。一方、2.8%を越えると塊状セメン
タイトが過剰となり靭性に欠き、また肌荒れの要
因となる。 Si:0.2〜2.0% Siは湯流れ性を確保するため0.2%以上含有さ
れ、また使用原料から0.2%程度は不可避的に含
有されるが、2.0%を越えて含有されると靭性の
低下を招来し好ましくない。 Mn:1.5%以下 Mnについても使用原料から不可避的に含有さ
れるが、1.5%を越えると靭性の低下を招来し好
ましくない。 Cr:2〜10% Crは炭化物生成元素であり、本ロール材の場
合硬い塊状セメンタイトを生成させ、耐摩耗性確
保のために必要な元素である。2%未満では塊状
セメンタイトが少なく耐摩耗性の確保が難しくな
り、一方10%を越えると塊状セメンタイトが過多
となり靭性が低下する。 Mo:3〜15% Moは本発明に係るロール材の主要成分の一つ
であつて、高硬度の炭化物を形成して耐摩耗性を
向上せしめ、かつ歪取り熱処理における軟化抵抗
を付与する元素である。3%未満では、飛躍的な
耐摩耗性の向上を図るために必要な硬度が得られ
ず、一方15%を越えると塊状セメンタイトが過多
となり靭性が劣化する。 V:0.1〜3% Vは硬い塊状セメンタイトを形成し、非常に優
れた耐摩耗性を与えると共に、鋳造材においては
ネツト状塊状セメンタイトの生成を防止し、独立
した塊状セメンタイトを形成せしめて靭性を良好
にする。0.1%未満では塊状セメンタイトの独立
に効果がなく、一方3%を越えると塊状セメンタ
イトが過多となり靭性が低下する。 叙上の成分で構成された高合金鋼材は、高温硬
度が高く、耐摩耗性に著しく優れるので、圧延使
用層として用いるのに好適である。 内層に用いる鋼材は、一般に靭性の優れた機械
構造用炭素鋼、構造用合金鋼等の材料から適宜選
択できる。特に、フエライト基地からなる低炭素
低合金鋼を用いると、HIP処理に際して、又前記
複合素材の焼入に際して好適である。すなわち、
斯かるフエライト基地からなる材質は、熱膨張係
数が小さいので、HIP処理時の加熱冷却の温度変
化によつても変形が小さく、拡散接合面で割れ、
剥離が生じ難い。また、複合素材は外層を耐摩耗
性に優れたものにするために焼入・焼戻し熱処理
に供されるが、内層に前記フエライト基地の低炭
素低合金鋼材を使用すれば、複合素材全体を焼入
れても内層には焼入作用が及ばず、靭性劣化が生
じない。もし、内層に焼入効果があると、リング
ロールを軸嵌して組立ロールとする際、割損を生
じ易くなり好ましくない。尚、複合素材の外層の
みを焼入熱処理に供することもできるが、全体を
処理するのに比べて作業が煩雑で生産性の点で劣
る。 以上説明した複合リングロール1は、ブロツク
ミルの如く軸に組立てずにそのまま使用される場
合もあるが、第3図〜第5図に示す如く軸に組立
てて組立ロールとして使用される。 すなわち、第3図の如く、中央部外周に環状凸
部22が一体的に形成された軸21に焼ばめ固定
したり、又第4図及び第5図の如く、軸23に複
合リングロール1とスペーサーリング24又は/
及び端末リング25を焼ばめて組立ロールとして
使用することも可能である。 尚、複合リングロール1の軸への組立は、圧延
機の形式により複合リングロールを1個としても
よく、又2個以上としてもよいことは勿論であ
る。更に、軸材は、一般的には強靭で溶接固定が
可能な鋼材を用いるが、圧延荷重が小さい場合、
ダクタイル鋳鉄等の鋳鉄材としてもよいことは勿
論である。 次に具体的実施例を掲げて説明する。 (実施例) 外径D1=φ320mm、内径D3=φ180mm、外層・内
層境界径D2=φ260mm、幅200mmの複合リングロー
ルの製造実施例。 (1) 第1表に示した組成の高合金鋼材及びC:
0.24%、Si:0.11%、Mn:0.44%、残部実質的
Feの低C鋼で、下記寸法の素材リングを製作
した。 ・外層素材リング D1′=φ323、D2=φ260、幅205mm ・内層素材リング D2=φ260、D3′=φ175、幅205mm
ロールに関する。 (従来の技術) 鉄鋼圧延用ロールにおいて特に仕上圧延機用ロ
ールとしては、圧延材と接する部分(使用層)に
耐摩耗性が要求される点から、使用層である外層
と、強靭材で形成された軸芯部とが溶着一体化さ
れた複合ロールが使用されている。複合ロール
は、主として遠心力鋳造法で鋳造段階で複合一体
化される。 一方、線材圧延機には、最近は殆ど超硬焼結リ
ングロールが用いられ、例えば、ブロツクミルで
は第6図の如き超硬材(WC粉末とCoが主体)に
より形成されたリングロールが使用されている。
また、該リングロールは、軸に機械的に固着して
組立ロールとして使用される。 (発明が解決しようとする問題点) 超硬リングロールを軸嵌して組立ロールとして
使用する場合、リング全体が超硬材であり経済的
でないばかりか、複雑な組立構造とする必要があ
る。すなわち、リングロールを軸に組立て固着す
る場合、固定リング、スペーサーリング等を用い
て軸に強固に固定する必要があり、又鋼系の軸と
超硬リング材の熱膨張係数の大きい差を緩和する
必要があるからである。その結果、斯かる組立ロ
ールはコストが非常に高くなる。 そこで、高価な材料を圧延使用層である外層に
用い、内層は安価な強靭材とした複合リングロー
ルが要望されている。斯かる複合リングロールの
製造法として遠心力鋳造による方法がある。しか
し、この場合、高合金材の外層に内層を鋳造した
ときに、外層内面が溶解されて高合金成分が内層
に混入し、内層の強靭性を劣化させると共に、外
層の高合金材の歩留を悪化させる欠点がある。 本発明は叙上の問題に鑑みなされたものであつ
て、その目的は、超硬リングロールよりやや圧延
性能が劣るが、低コストであつて、しかも外層か
ら内層への成分の移行が可及的に抑止された強靭
な内層を有する複合リングロールを提供すること
を目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 前記目的を達成するために次の手段を講じた。
すなわち、複合リングロールの外層を、化学組成
が重量%で C:1.0〜2.8% Cr:2〜10% Si:0.2〜2.0% Mo:3〜15% Mn:1.5%以下 V:0.1〜3% 残部実質的にFeからなる高合金鋼材で形成し、
内層を靭性に優れた鋼材で形成し、両者を熱間静
水圧加圧により拡散接合した。 (作 用) 叙上の手段によれば、外層を形成する高合金鋼
材は耐摩耗性に優れるので、圧延使用層に好適で
あり、また前記外層と靭性に優れた鋼材で形成さ
れた鋼材とを、熱間静水圧加圧により拡散接合し
たから、外層から内層へ高合金成分の移行を可及
的に抑止することができ、内層の強靭性を劣化さ
せることがない。 (実施例) 次に図面を参照して本発明の複合リングロール
について詳述する。 第1図は本発明に係る複合リングロールの構造
を示す断面図である。 複合リングロール1は、耐摩耗性に優れた高合
金鋼材で遠心力鋳造若しくは置注鋳造により形成
された外層2と、靭性に優れた鋼材で形成された
内層3とが熱間静水圧加圧(以下、HIPという。)
により拡散接合されて一体化されている。 斯かる複合リングロール1は、第2図1,2の
如く、高合金鋼材で形成された外層素材リング
2′と強靭性のある鋼材で形成された内層素材リ
ング3′とを適宜寸法に加工した後、両者を嵌合
しHIP処理により拡散接合して得られた複合素材
を所望の形状に加工して製作される。 この場合、外層素材リング2′の外径D1′は、第
1図の製品外径D1より加工代部分だけ大きくし、
又その内径D2は、製品の外層2と内層3との境
界の直径D2と同じとする。一方、内層素材リン
グ3′の外径はD2とし、その内径はD3′は、内面
の加工代部分だけ製品内径D3より小さくするの
は当然である。又素材リングの幅も製品幅より加
工代分を見込んで大きくする。このようにして得
られた外層素材リング2′と内層素材リング3′と
をHIP処理により拡散接合する。その結果、外層
から内層へCrの混入が可及的に抑止され、かつ
両者が強固に結合一体化された複合素材が得られ
る。 外層を形成する高合金鋼材の化学組成は、下記
の理由から限定される。以下、単位は重量%であ
り、残部はFe及び不可避的に混入する不純物で
ある。 C:1.0〜2.8% Cは複合炭化物を形成しロール材として要求さ
れる硬度、耐摩耗性などを向上させる。1.0%未
満では塊状セメンタイトが不足して十分な硬度が
得られない。一方、2.8%を越えると塊状セメン
タイトが過剰となり靭性に欠き、また肌荒れの要
因となる。 Si:0.2〜2.0% Siは湯流れ性を確保するため0.2%以上含有さ
れ、また使用原料から0.2%程度は不可避的に含
有されるが、2.0%を越えて含有されると靭性の
低下を招来し好ましくない。 Mn:1.5%以下 Mnについても使用原料から不可避的に含有さ
れるが、1.5%を越えると靭性の低下を招来し好
ましくない。 Cr:2〜10% Crは炭化物生成元素であり、本ロール材の場
合硬い塊状セメンタイトを生成させ、耐摩耗性確
保のために必要な元素である。2%未満では塊状
セメンタイトが少なく耐摩耗性の確保が難しくな
り、一方10%を越えると塊状セメンタイトが過多
となり靭性が低下する。 Mo:3〜15% Moは本発明に係るロール材の主要成分の一つ
であつて、高硬度の炭化物を形成して耐摩耗性を
向上せしめ、かつ歪取り熱処理における軟化抵抗
を付与する元素である。3%未満では、飛躍的な
耐摩耗性の向上を図るために必要な硬度が得られ
ず、一方15%を越えると塊状セメンタイトが過多
となり靭性が劣化する。 V:0.1〜3% Vは硬い塊状セメンタイトを形成し、非常に優
れた耐摩耗性を与えると共に、鋳造材においては
ネツト状塊状セメンタイトの生成を防止し、独立
した塊状セメンタイトを形成せしめて靭性を良好
にする。0.1%未満では塊状セメンタイトの独立
に効果がなく、一方3%を越えると塊状セメンタ
イトが過多となり靭性が低下する。 叙上の成分で構成された高合金鋼材は、高温硬
度が高く、耐摩耗性に著しく優れるので、圧延使
用層として用いるのに好適である。 内層に用いる鋼材は、一般に靭性の優れた機械
構造用炭素鋼、構造用合金鋼等の材料から適宜選
択できる。特に、フエライト基地からなる低炭素
低合金鋼を用いると、HIP処理に際して、又前記
複合素材の焼入に際して好適である。すなわち、
斯かるフエライト基地からなる材質は、熱膨張係
数が小さいので、HIP処理時の加熱冷却の温度変
化によつても変形が小さく、拡散接合面で割れ、
剥離が生じ難い。また、複合素材は外層を耐摩耗
性に優れたものにするために焼入・焼戻し熱処理
に供されるが、内層に前記フエライト基地の低炭
素低合金鋼材を使用すれば、複合素材全体を焼入
れても内層には焼入作用が及ばず、靭性劣化が生
じない。もし、内層に焼入効果があると、リング
ロールを軸嵌して組立ロールとする際、割損を生
じ易くなり好ましくない。尚、複合素材の外層の
みを焼入熱処理に供することもできるが、全体を
処理するのに比べて作業が煩雑で生産性の点で劣
る。 以上説明した複合リングロール1は、ブロツク
ミルの如く軸に組立てずにそのまま使用される場
合もあるが、第3図〜第5図に示す如く軸に組立
てて組立ロールとして使用される。 すなわち、第3図の如く、中央部外周に環状凸
部22が一体的に形成された軸21に焼ばめ固定
したり、又第4図及び第5図の如く、軸23に複
合リングロール1とスペーサーリング24又は/
及び端末リング25を焼ばめて組立ロールとして
使用することも可能である。 尚、複合リングロール1の軸への組立は、圧延
機の形式により複合リングロールを1個としても
よく、又2個以上としてもよいことは勿論であ
る。更に、軸材は、一般的には強靭で溶接固定が
可能な鋼材を用いるが、圧延荷重が小さい場合、
ダクタイル鋳鉄等の鋳鉄材としてもよいことは勿
論である。 次に具体的実施例を掲げて説明する。 (実施例) 外径D1=φ320mm、内径D3=φ180mm、外層・内
層境界径D2=φ260mm、幅200mmの複合リングロー
ルの製造実施例。 (1) 第1表に示した組成の高合金鋼材及びC:
0.24%、Si:0.11%、Mn:0.44%、残部実質的
Feの低C鋼で、下記寸法の素材リングを製作
した。 ・外層素材リング D1′=φ323、D2=φ260、幅205mm ・内層素材リング D2=φ260、D3′=φ175、幅205mm
【表】
(2) 前記外層及び内層素材リングを嵌合して、圧
力200Kg/cm2、温度1140℃でHIP処理し、両者
を拡散接合して複合素材を得た。 (3) その後、前記複合素材を焼入・焼戻し熱処理
を行つた後、機械加工により複合リングロール
を得た。製品外層の硬度は、Hs86であり、内
層の硬度はHs34であつた。 (4) 前記複合リングロールを各々2個用意し、第
3図の如く軸に焼ばめ固定し、胴長500mmの棒
鋼圧延用組立ロールを得た。 (発明の効果) 以上説明した通り、本発明に係る複合リングロ
ールは、外層を耐摩耗性に優れた高合金鋼材で形
成し、内層を強靭な鋼材で形成したから、鉄鋼線
材及び棒材等の圧延用ロールとして低コストであ
り、しかも寿命的にも優れる。また、外層と内層
とをHIP処理により拡散接合したから、高合金材
質の外層から内層への高合金成分の混入を可及的
に防止でき、内層の靭性を劣化させることがな
い。 従つて、内層が強靭材で形成されている本発明
の複合リングロールを組立ロールに適用すれば、
簡単な焼ばめ法や、溶接、ネジ、ボルト等で軸に
低コストで組立てることができ、しかも軸の再利
用が可能となる。
力200Kg/cm2、温度1140℃でHIP処理し、両者
を拡散接合して複合素材を得た。 (3) その後、前記複合素材を焼入・焼戻し熱処理
を行つた後、機械加工により複合リングロール
を得た。製品外層の硬度は、Hs86であり、内
層の硬度はHs34であつた。 (4) 前記複合リングロールを各々2個用意し、第
3図の如く軸に焼ばめ固定し、胴長500mmの棒
鋼圧延用組立ロールを得た。 (発明の効果) 以上説明した通り、本発明に係る複合リングロ
ールは、外層を耐摩耗性に優れた高合金鋼材で形
成し、内層を強靭な鋼材で形成したから、鉄鋼線
材及び棒材等の圧延用ロールとして低コストであ
り、しかも寿命的にも優れる。また、外層と内層
とをHIP処理により拡散接合したから、高合金材
質の外層から内層への高合金成分の混入を可及的
に防止でき、内層の靭性を劣化させることがな
い。 従つて、内層が強靭材で形成されている本発明
の複合リングロールを組立ロールに適用すれば、
簡単な焼ばめ法や、溶接、ネジ、ボルト等で軸に
低コストで組立てることができ、しかも軸の再利
用が可能となる。
第1図は本発明に係る複合リングロールの断面
図、第2図1,2は素材リングの断面図、第3図
〜第5図は本発明に係る複合リングロールを適用
した組立ロールの一部断面図、第6図は従来のリ
ングロールの断面図を示す。 1……複合リングロール、2……外層、3……
内層。
図、第2図1,2は素材リングの断面図、第3図
〜第5図は本発明に係る複合リングロールを適用
した組立ロールの一部断面図、第6図は従来のリ
ングロールの断面図を示す。 1……複合リングロール、2……外層、3……
内層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 化学組成が重量%で、 C:1.0〜2.8% Cr:2〜10% Si:0.2〜2.0% Mo:3〜15% Mn:1.5%以下 V:0.1〜3% 残部実質的にFeで形成された高合金鋼材の外
層と、靭性に優れた内層とが熱間静水圧加圧によ
り拡散接合されてなることを特徴とする複合リン
グロール。 2 内層はフエライト基地からなる低炭素低合金
鋼材で形成されてなることを特徴とする特許請求
の範囲第1項記載の複合リングロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6263785A JPS61219405A (ja) | 1985-03-26 | 1985-03-26 | 複合リングロ−ル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6263785A JPS61219405A (ja) | 1985-03-26 | 1985-03-26 | 複合リングロ−ル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61219405A JPS61219405A (ja) | 1986-09-29 |
JPH0379085B2 true JPH0379085B2 (ja) | 1991-12-17 |
Family
ID=13206038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6263785A Granted JPS61219405A (ja) | 1985-03-26 | 1985-03-26 | 複合リングロ−ル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61219405A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01237083A (ja) * | 1988-03-15 | 1989-09-21 | Kuroki Kogyosho:Kk | コンダクターロールの製造及び補修方法 |
JPH02232338A (ja) * | 1989-03-03 | 1990-09-14 | Kubota Ltd | 耐摩耗性に優れたロール材 |
KR101204936B1 (ko) * | 2010-05-28 | 2012-11-26 | 현대제철 주식회사 | 열처리용 롤 조립체 및 롤의 열처리 방법 |
AT512939B1 (de) * | 2012-06-26 | 2013-12-15 | Karl H Dr Ing Schroeder | Verfahren zur Herstellung einer Verbundwalze und damit hergestellte Verbundwalze |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56116859A (en) * | 1980-02-20 | 1981-09-12 | Hitachi Ltd | Roll material having excellent cutting property and wear resistance |
JPS57175090A (en) * | 1981-04-20 | 1982-10-27 | Hitachi Ltd | Production of composite roll |
JPS58387A (ja) * | 1981-06-24 | 1983-01-05 | Hitachi Ltd | 複合ロ−ルの製造方法 |
JPS59129757A (ja) * | 1983-01-12 | 1984-07-26 | Kubota Ltd | 耐ヒ−トクラツク性、耐摩耗性の優れる複合ロ−ル材 |
JPS6046889A (ja) * | 1983-08-24 | 1985-03-13 | Kuroki Kogyosho:Kk | 多重ロ−ルの製造方法 |
-
1985
- 1985-03-26 JP JP6263785A patent/JPS61219405A/ja active Granted
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56116859A (en) * | 1980-02-20 | 1981-09-12 | Hitachi Ltd | Roll material having excellent cutting property and wear resistance |
JPS57175090A (en) * | 1981-04-20 | 1982-10-27 | Hitachi Ltd | Production of composite roll |
JPS58387A (ja) * | 1981-06-24 | 1983-01-05 | Hitachi Ltd | 複合ロ−ルの製造方法 |
JPS59129757A (ja) * | 1983-01-12 | 1984-07-26 | Kubota Ltd | 耐ヒ−トクラツク性、耐摩耗性の優れる複合ロ−ル材 |
JPS6046889A (ja) * | 1983-08-24 | 1985-03-13 | Kuroki Kogyosho:Kk | 多重ロ−ルの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61219405A (ja) | 1986-09-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |